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トヨタ カローラクロス 最新情報
カローラクロスは、カローラシリーズとして初めて設定されたSUVモデルです。日本国内では2021年9月に発売され、幅広いユーザーに向けて「扱いやすさ」と「高い実用性」を両立したクロスオーバーSUVとして人気を集めてきました。全長約4.46mと、トヨタSUVラインアップではヤリスクロスとRAV4の中間に位置するサイズで、街中での取り回しと十分な居住空間を両立している点が特徴です。日本仕様と海外仕様ではデザインやエンジン構成にいくつか違いがあり、たとえば北米向けには2.0Lガソリンエンジン車が用意されますが、日本仕様は当初1.8Lエンジン中心のラインアップでした。フロントエンブレムも海外モデルでは通常のトヨタマークですが、日本仕様ではカローラシリーズ共通の「C」マークを採用するなど細かな差異があります(※2025年現在、GR SPORTグレードのみトヨタマークをフロントに装着)。
カローラクロスは都会的でオーソドックスなSUVスタイルのデザインを持ち、飽きのこない落ち着いた外観に仕上がっています。先代の同クラスSUVであるC-HRがデザイン重視で後席や荷室空間に制約があったのに対し、カローラクロスは広い室内と荷室容量487リットル(5人乗車時)というクラストップレベルの実用性を備えている点で差別化されています。高めの車高による見晴らしの良さと、細いフロントピラーによる良好な視界も街乗りでの運転のしやすさにつながっています。また最小回転半径は約5.2mと小回りが利くため、狭い路地や駐車場での取り回しも軽快です。日常からレジャーまで幅広く使える万能SUVとして、カローラクロスは日本市場で確固たるポジションを築いています。
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現行カローラクロスのグレード構成と価格帯
2025年12月現在、日本仕様のカローラクロスは全てハイブリッド車となっています。2025年5月の改良で従来設定されていたガソリン車が廃止され、パワートレインは1.8リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドに一本化されました。グレード体系はベーシックな「G」、充実装備の「S」、最上級の「Z」に加え、新たにスポーティ志向の「GR SPORT」が設定されています。駆動方式は1.8Lハイブリッド車にはFF(前輪駆動)とE-Four(電気式4WD)の両方が用意され、GR SPORTグレードは2.0リッターエンジンを搭載したハイブリッドでE-Four専用となります。
グレード間の特徴として、GやSは日常利用に必要十分な装備を備えつつ価格を抑えたモデル、Zは快適装備を充実させた上級モデルとなっています。Zグレードでは運転席・助手席のシートベンチレーション(シートの送風機能)や12.3インチフルデジタルメーターなどが標準装備され、快適性・先進性が高められています。一方、GR SPORTは走りとデザインに特化したグレードで、専用サスペンションやスポーツモードの追加、車高10mmダウンといったチューニングが施され、他グレードとは一線を画するスポーティな仕上がりです。ただしGR SPORTではZに標準のパワーシートやシートベンチレーションが省かれるなど、快適装備より運動性能を優先した割り切りも見られます。
価格帯はおおよそ税込276万円~389.5万円となっており、新車のSUVとしては比較的幅広い予算レンジをカバーしています。具体的にはエントリーの「G」グレード(FF)が約276万円、中心グレードの「S」(FF)が約298万円、装備充実の「Z」(FF)が約343万円です。4WD(E-Four)を選択すると各グレードで約25万円ほど価格が上昇し、たとえばZのE-Fourは約369万円となります。
最上 位の「GR SPORT」は2.0Lハイブリッド+4WDのみで、価格は389万5000円です。グレードと駆動方式によって価格は異なりますが、おおむね300万円前後から購入可能であり、装備内容や性能に応じて予算に合わせた選択ができるようになっています。
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最近の改良内容・特別仕様車の動き
カローラクロスは発売以来、数年ごとに改良(年次変更)や追加モデルの設定が行われてきました。直近では2023年10月に一部改良が実施され、パワートレーンや装備に大幅なアップデートが盛り込まれています。具体的には、ハイブリッドシステムが最新世代の1.8Lユニットに刷新され、フロント・リアのモーター出力向上によって走りの力強さと燃費性能が向上しました。またガソリン車には従来の1.8Lエンジンに替えて高出力・低燃費な2.0Lダイナミックフォースエンジンが採用され、結果としてガソリン車でも余裕のある走りを実現しています。
2023年10月改良時には安全・コネクテッド面の進化もありました。最新のToyota Safety Senseが全車に標準搭載され、交差点右折時の対向車や歩行者検知など予防安全機能が強化されています。車内ではコネクティッドナビ対応の新型ディスプレイオーディオを設定し、一部グレードには10.5インチの大型ディスプレイや車内Wi-Fiが導入されました。さらにZグレードには12.3インチのフル液晶メーターを標準装備とするなど、インテリアの先進性も高められています。一方、2023年改良時点ではエクステリア(外観)の変更は最小限に留まり、新色の追加とハイブリッドエンブレム意匠変更程度で、期待されていたフェイスリフト(外観刷新)は見送られました。
本格的な外観デザインの変更が行われたのは、その約1年半後となる2025年5月の大幅改良時です。このタイミングでカローラクロスはバンパーとグリル形状が刷新され、フロントマスクが「クラウン エステート」や「RAV4」にも通じる一体型グリルデザインへと生まれ変わりました。前後のランプ意匠も変更され、細長いクリアランスランプで左右ヘッドライトをつなぐ新デザインにより、洗練された都会的な印象とSUVらしい力強さを両立しています。またボディ同色でシームレスに繋がるフロントグリルやシンプルなハニカムメッシュのパターンを採用し、先進性と上質感が高められました(この新フロントフェイスは2024年2月にタイ仕様で先行公開されたデザインと共通のコンセプトです)。内装についても、2025年改良でシフトノブやシフトパネル周辺のデザインが刷新され、質感向上が図られています。
2025年5月の改良では先進機能の追加も話題となりました。トヨタ車初搭載の「SNOW EXTRAモード」は、雪道走行時にE-Four(電気式4WD)の前後駆動力配分を常時最適化し、滑りやすい路面での安定性を高める制御モードです。また日本初の新機能「シグナルロードプロジェクション(SRP)」も全車に採用されました。これはウインカー操作に連動して進行方向の路面に矢印形状の光を投影し、見通しの悪い夜間の交差点などで歩行者や他車への注意喚起を促すものです。これら安全・安心機能の充実により、カローラクロスは最新モデルらしい高度な装備を備えるようになっています。
特別仕様車の動きについては、2025年12月時点で日本市場向けの特別仕様モデルは公式には発表されていません。ただし、海外では北米トヨタが「カローラクロス ハイブリッド 那須エディション」というコンセプトモデルを披露して話題になりました。これは2025年11月のSEMAショーで公開されたカスタム仕様で、アウトドア志向の装備や約196PSの高出力システムを搭載した特別モデルです。あくまで参考出展のコンセプトカーですが、メーカーがこうした実験的モデルを示す姿勢にユーザーからも注目が集まっています。国内向け市販車としては、やはり2025年に追加されたGR SPORTが事実上「スポーティ仕様」の特別モデル的な役割を果たしており、今後もし限定モデルが投入される場合は公式発表に注目したいところです。
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今後予想されるマイナーチェンジ・次期モデルの見通し
現行カローラクロスは発売から約4年が経過し、2025年の大幅改良(事実上のマイナーチェンジ)によって中期モデルとしての商品力強化が図られました。このため、フルモデルチェンジ(次期型への全面刷新)はしばらく先になると見込まれます。一般的にトヨタ車のモデル周期は6~7年程度とされるため、初代カローラクロスの登場が2021年であることを踏まえると、次期モデルの登場は早くても2027年以降になる可能性が高いでしょう。ただし具体的な次期型に関する公式発表は現時点ではなく、詳細は不明です。
一方でカローラシリーズ全体では、ハッチバックのカローラスポーツやセダン、ワゴンのツーリングなど他の車種が2026年度に次世代モデルへ移行すると予想されています。ジャパンモビリティショー2025ではカローラコンセプトが発表されました。カローラクロスはそれらに比べてデビュー時期が遅かったため、SUVの需要が続く限り現行型での販売継続期間が長めになる可能性があります。実際、2025年5月に日本仕様がフェイスリフトを受けたことからも、少なくともあと数年は現行プラットフォームをベースに改良を重ねながら販売が続く見通しです。
競合車の動向にも注目しておく必要があります。かつて同クラスに位置したトヨタC-HRは国内販売を終了し、新型(2代目)は2023年に欧州で発表されたものの日本導入は未定となっています。結果として、国内のトヨタにおけるミドルサイズSUV市場はカローラクロスが一本化して担う状況です。他メーカーでは、ホンダ ヴェゼル(国内名:ヴェゼル)が2021年にフルモデルチェンジしており、こちらも高い人気を維持しています。ヴェゼルも数年内にマイナーチェンジが予想され、装備やデザインの刷新があるかもしれません。また日産キックスやマツダCX-30などもカローラクロスと近いサイズ帯のSUVとして挙げられ、各社とも電動化や先進装備の強化を図っています。カローラクロスはこうしたライバルに対して、2025年改良による最新装備や豊富な販売実績による信頼性をアピールポイントに、今後もしばらく競争力を保っていくでしょう。
今後の展望として、カローラクロスにさらなる派生モデルや追加グレードが登場する可能性も考えられます。例えば既に海外で展開されているプラグインハイブリッド(PHV)版や、上級志向の特別仕様車が日本にも投入されることがあれば注目されるでしょう。しかし、こうした情報は現時点では噂の域を出ず、具体的な計画は公表されていません。ユーザーとしては、現行モデルが熟成されて安定期に入っている今のタイミングで購入するのも賢明ですし、最新技術を盛り込んだ次期モデルを気長に待つ選択もあります。それぞれのニーズに合わせて動向を見極めていくことが大切でしょう。
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実用性・走り・燃費などの評価ポイント
カローラクロスは日常ユースでの実用性に優れている点が高く評価されています。まず荷室(ラゲージ)容量は5名乗車時でも約487リットルとクラストップレベルの広さで、ゴルフバッグなら3個、スーツケースなら2個を余裕で積載可能です。後席もカローラシリーズ中トップクラスの広さが確保され、膝周りのゆとりが十分にあります。さらに後席にはリクライニング機能も標準装備されており、長距離ドライブでも乗員が快適に過ごせる工夫がなされています。大きく開く後席ドアや低めに設定された荷室開口部(地上高約720mm)も相まって、乗降性や積載性の面でユーザーフレンドリーな設計となっています。
走行性能については、街乗りから高速道路まで扱いやすくバランスの取れた走りが持ち味です。1.8Lハイブリッドモデルはシステム最高出力122PS相当で、電動モーターのトルクを活かしたスムーズな発進加速と低燃費を両立しています。2025年モデルではハイブリッドシステムの改良によりモーター出力が向上し、従来より力強い加速感が得られるようになりました。実際に市街地で試乗すると、ハンドリングの応答性が向上しており車両挙動がよりリニア(滑らか)になったことや、乗り心地が非常に良く上質な感覚さえあることが確認できます。静粛性についても普段の巡航時にはロードノイズやエンジン音がよく抑えられており、車内で会話がしやすい快適性があります。ただし、アクセルを深く踏み込んで急加速する場面ではハイブリッド特有のエンジン唸り音が聞こえ、「静かさ」という点では高級SUVほど徹底されていないという指摘もあります。
燃費性能はこのクラスのSUVとしてはトップレベルです。1.8Lハイブリッド車(FF)のWLTCモード燃費は約26.4km/Lに達し、日常の経済性に大きく貢献します。E-Four(4WD)仕様でも燃費への影響は比較的少なく、高効率なハイブリッドシステムのおかげでガソリン車に比べてランニングコストを低く抑えられるでしょう。一方で、2025年改良に伴うガソリン車廃止により純粋なガソリンモデルの選択肢がなくなったため、シンプルな機構のガソリン車を希望するユーザーには残念な面もあります。もっとも、ハイブリッド化によって燃費と静粛性が向上したメリットは大きく、総合的には日常使いに適した性能バランスを実現していると言えます。
安全面では、全車標準のToyota Safety Senseによる充実した予防安全支援が安心感を与えます。プリクラッシュセーフティ(自動ブレーキ)は夜間の歩行者検知や交差点での対向車検知にも対応し、レーンキープアシストやアダプティブクルーズコントロール(ACC)といった運転支援機能も備わります。ただし高度運転支援の一例である「ハンズオフ走行」(一定条件下での手放し運転支援)は搭載されておらず、この点は上級モデルと比べて機能面で物足りない部分かもしれません。またヘッドアップディスプレイ(HUD)やデジタルインナーミラーといった装備も設定がなく、先進装備を求める向きには残念な点として指摘されています。快適装備に関しても、シートヒーターやパワーシート、シートベンチレーションといった機能の多くが最上級のZグレードに集約されており、S以下のグレードでは選択できません。このため、「寒冷地でシートヒーターが欲しい」といったニーズがある場合はグレード選びに注意が必要です。
総じてカローラクロスは、「使い勝手の良さ」「燃費の良さ」「ほどよい走りの良さ」という日常使用で重視されるポイントにおいて高水準の評価を得ています。一方で装備面では上級SUVに及ばない部分もあり、購入前に自分の必要とする機能が含まれているグレードかどうか確認することが大切でしょう。
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どんな人にカローラクロスがおすすめか
カローラクロスは、そのサイズ感・性能バランスから幅広い層にマッチするオールラウンドなSUVです。他のトヨタSUVとの位置づけを比較すると、ヤリスクロスでは小さすぎるがRAV4ほど大柄な車は必要ない、といったユーザーにとって「ちょうどいいサイズ」として好適です。実際、全長4.4m台という車格は日本の道路事情や駐車環境で扱いやすく、それでいて後席や荷室に十分な余裕があるため、ファミリーカーとしても日常の買い物から週末のレジャーまで一本でこなせる懐の深さがあります。
トヨタ車内で近い存在だったC-HRは現在新型が国内未発売の状況のため、スタイリッシュなクーペSUVを求めるユーザーが流れてくるケースもあります。カローラクロスはC-HRほど尖ったデザインではありませんが、その分オーソドックスで視界も良好なため、運転のしやすさや実用性を重視する人には合っています。逆に個性的なデザインや走りの鋭さを求める場合は、限定的ながら「GR SPORT」グレードが用意されたことで対応できるようになりました。GR SPORTは専用チューニングでハンドリングが引き締められ、2.0Lエンジン+高出力モーターの組み合わせによる加速感も楽しめます。スポーティな走行フィールが欲しい人にはこの選択肢が用意された点で、従来のカローラクロスよりターゲットが広がったと言えるでしょう。
他メーカー勢と比べると、ホンダ ヴェゼルはハイブリッドの静粛性や内装の質感で定評があり、マツダCX-30はデザインや走行安定性に特徴があります。カローラクロスはそうした競合に対し、「トヨタ車ならではの信頼性・リセールバリュー」「車中泊もこなせる広い空間」「長く乗っても負担の少ない低燃費」といった強みで応えています。特に長距離ドライブやアウトドア用途で荷物を多く積む機会がある人、燃料代を抑えたい人、そしてトヨタの販売店ネットワークによるアフターサービスの手厚さを重視する人にとって、カローラクロスは安心して選べる一台でしょう。
購入時期の考え方については、2025年5月に大きな改良が入ったばかりであるため、直近でモデル末期になる心配は小さく、今は買い時と言えます。最新デザインや装備を備えた現行モデルが欲しい場合は早めに購入するのが良いでしょう。特にGR SPORTは2025年8月発売の新グレードで供給台数が限られる可能性もあり、狙っている場合はディーラーと相談しつつ早めの注文が無難です。一方で、モデルチェンジ直前に購入を避けたいという場合は、次期型情報を待つことになりますが、前述の通り次のフルモデルチェンジはまだ数年先と予想されます。そのため、現行モデルを購入して長く乗り、次期型が出る頃に改めて買い替えを検討するというプランでも遅くはないでしょう。結局のところ、カローラクロスは派手さこそないものの堅実で満足度の高いSUVですので、「扱いやすいサイズのSUVが欲しい」「燃費や維持費を重視したい」「信頼性の高い車で日常もレジャーもカバーしたい」といった人には特におすすめできるモデルです。
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カローラ クロスがマイナーチェンジ相当の一部改良を実施、GR SPORT追加、2025年5月
トヨタは2025年5月23日、カローラ クロスの一部改良モデルを正式に発売しました。既に販売店では、4月上旬より先行予約の受付をスタートさせていました。
先行発表されていた海外仕様に近いデザインのフェイスリフト、ガソリン車の廃止、そしてGR SPORTモデルの追加が主な内容です。
新価格帯は、2,760,000~3,895,000円となります。従来比では、E-Fourモデルが+50,000円、Zグレードが装備の充実化で+180,000円の値上げとなります。2WDモデルのGとSについては値上げは行われず、価格が据え置かれています。ガソリン車の廃止と、最上級のGR SPORT追加により、価格帯は大きく上がっています。
価格は消費税10%込み
| グレード | パワーユニット | 駆動方式 | 旧価格 | 新価格 | 差額 |
| G | 1.8L HEV | 2WD | 2,760,000円 | 2,760,000円 | 0円 |
| G | 1.8L HEV | E-Four | 2,969,000円 | 3,019,000円 | 50,000円 |
| S | 1.8L HEV | 2WD | 2,980,000円 | 2,980,000円 | 0円 |
| S | 1.8L HEV | E-Four | 3,189,000円 | 3,239,000円 | 50,000円 |
| Z | 1.8L HEV | 2WD | 3,250,000円 | 3,430,000円 | 180,000円 |
| Z | 1.8L HEV | E-Four | 3,459,000円 | 3,689,000円 | 230,000円 |
| GR SPORT | 2.0L HEV | E-Four | – | 3,895,000円 | – |
| 旧G X(ガソリン) | 2.0L GAS | 2WD | 2,184,000円 | 廃止 | – |
| 旧G(ガソリン) | 2.0L GAS | 2WD | 2,410,000円 | 廃止 | – |
| 旧Z(ガソリン) | 2.0L GAS | 2WD | 2,900,000円 | 廃止 | – |
今回の改良では、内外装のデザインを大幅に変更し、よりアーバンかつアクティブな印象を強めています。
外装ではバンパーとヘッドランプを刷新し、ボディ同色のグリルを採用して都会的な上質感を演出しました。先行発表されていた海外仕様と同様のフェイスリフトが実施されましたが、日本仕様の中央エンブレムはトヨタのCIとはならず、カローラマークの「C」のままです。ただしGR SPORTについては、日本仕様もトヨタのCIが採用されました。トヨタ自動車東日本によるグローバル向けを含めた生産については、2025年5月より開始されています。トヨタのCIエンブレムとシームレスグリルを採用した新型カローラクロスの海外仕様車が陸送車で運ばれるシーンも多く目撃されてきました。
Zグレードには意匠変更した18インチアルミホイールを装着し、GR SPORTには新設定の19インチアルミホイールを導入します。内装ではシフトノブとシフトパネル周辺のデザインを刷新し、質感向上と使い勝手の改善を図りました。
機能面では、トヨタ初となる「SNOW EXTRAモード」と国内初となる「シグナルロードプロジェクション」を採用しました。SNOW EXTRAモードはドライブモードセレクトに追加され、従来発進時・旋回時・スリップ時にのみ稼働していたE-Fourをフルタイム化し、雪上のあらゆる走行シーンで前後の駆動力を緻密に制御して高い走行安定性を実現します。
シグナルロードプロジェクションはフロントターンランプと同期して路面に矢印形状を描画し、見通しの悪い交差点などで歩行者などへの早期車両認知に寄与する機能で、照射はフロントターンランプのみ、ウインカーの動きに合わせ矢印が点滅します。
快適性と安全性を高める装備も充実し、Zグレードにはシートベンチレーション(運転席・助手席)を標準装備し、GR SPORTとZグレードにはアダプティブハイビームシステムがメーカーオプションで用意されました。GR SPORT、Z、Sの各グレードにはパノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)をオプション設定し、GR SPORTとZグレードにはディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plusが採用されました。
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カローラクロス GR SPORT を追加
トヨタは2025年5月23日、トヨタ GAZOO Racing が展開するスポーツグレード「GR SPORT」シリーズに「カローラ クロス GR SPORT」を追加し、8月4日に発売すると発表しました。「GR SPORT」は量産車をベースに GR の走りを味わえるスポーツ仕様を指します。
新たに設定されたカローラ クロス GR SPORTでは、GR ヤリスや GR カローラの開発ドライバーが参画し、ボディ剛性の強化と足回りの専用チューニングが実施されました。
フロントにマクファーソンストラット式、リヤにダブルウィッシュボーン式サスペンションが採用され、それぞれ専用セッティングを施して操舵応答性と操縦安定性を高めながら、上質な乗り心地が両立されています。
具体的にはフロントロアアームブッシュの高硬度化、リバウンドスプリング内蔵ショックアブソーバの採用、コイルばね定数の最適化に加え、車高を10 ミリ下げた低重心化を図り、リヤバンパー内部にロアバックリインフォースを追加してさらなるボディ剛性が確保されました。
パワートレーンには高熱効率・高出力の2.0L M20A-FXS エンジンを組み合わせたハイブリッドシステムが専用搭載され、1.8L ハイブリッドの2ZR-FXEエンジンを搭載するカローラクロスの通常グレードと大きく差別化されています。
ドライブモードセレクトには GR SPORT 専用の SPORT モードが新設され、このモードではエンジン回転数を通常より高く維持してモーターのパワーを合わせることで、アクセル操作に対するレスポンスが一段と高められました。
さらに、10速シーケンシャルシフトマチックを専用設定し、発進から高速域までダイレクトかつ低燃費な走りが提供されます。
外観では、開口部をサイドに配置して空流を最適化した進化版 Functional MATRIX グリルを備える専用フロントバンパーが象徴的です。ヘッドランプ意匠を一文字につなげたアッパーグリルは薄く、アンダーグリルは低く構成し、低重心と安定感が強調されています。
ダーククリア切削光輝とブラック塗装を組み合わせた19 インチアルミホイール、ブラック仕上げの窓枠モールやリヤバンパーロアガーニッシュ、専用エンブレム類が採用され、オプションで GR ロゴ入りのレッド塗装ブレーキキャリパーも設定されます。
ボディカラーはブラックルーフと組み合わせるツートーン3色「エモーショナルレッドⅡ、プラチナホワイトパールマイカ、アッシュ」がラインアップされる専用設定です。
インテリアには、横Gがかかる場面でも身体をしっかり支える GR ロゴ付きスポーツシートを導入し、滑りにくいスエード調素材「ブランノーブ®」とグレーステッチ、スモークシルバーメタリックの加飾で質感が高められました。
本革巻き3本スポークステアリングホイールには専用パドルシフトを装備し、アクセルとブレーキにはアルミペダルが採用されています。
センタークラスターやインパネオーナメント、ヒーターコントロールパネルなどにもスモークシルバーの加飾が施され、専用スマートキーには GR ロゴがあしらわれるなど、内外装ともにスポーティな世界観が統一されています。
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カローラクロスにフェイスリフトが実施され、販売期間はまだ続きそう
現行の12代目カローラシリーズは2018年にグローバルでフルモデルチェンジされ、カローラクロスは2020年に世界初公開、2021年9月に日本市場へ導入されました。
カローラスポーツやセダン、ツーリングといった他のボディタイプは、2026年度から順次13代目へのフルモデルチェンジが始まると予想されます。一方でカローラクロスは販売開始から日が浅いため、しばらくは現行型をベースにしたモデルの販売が継続される見通しです。2025年の一部改良ではマイナーチェンジ相当のフェイスリフトの実施となりました。
なお、トヨタ自動車東日本では、GA-Cプラットフォームを採用する先代型C-HRを生産してきましたが、2023年7月に生産を終了しています。フルモデルチェンジを受けた新型C-HRはトルコ工場で生産されており、国内向け販売は実現していません。
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タイ仕様カローラクロスがマイナーチェンジ実施、2024年2月
2024年2月、カローラクロスのタイ仕様がマイナーチェンジを受けて発表されました。
フロントグリルは、ボディと同色かつ境界部分をシームレスに一体化させたデザインが採用されており、これはレクサスRXや新型LBXで見られる最新デザインを踏襲していると考えられます。同様のフロントデザインは、トヨタブランドでもクラウンエステートで採用されます。
グリルパターンはカローラクロス独自のデザインで、シンプルなハニカムメッシュが用いられています。トヨタがモデル中期に大幅なフェイスリフトを行うのは近年では珍しく、カローラクロスは2020年7月にタイで先行発売されてから3年半が経過するタイミングとなります。
日本仕様はタイ仕様から14ヶ月遅れで発売され、2023年10月に大規模な改良が施されたばかりです。この改良には、大型ディスプレイオーディオの採用やパワートレインの変更が含まれており、マイナーチェンジに相当するものと考えられていました。しかし、タイ仕様に準じたフェイスリフトを伴う本当のマイナーチェンジは、これからの展開として期待されます。
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カローラクロスが一部改良、2023年10月
カローラクロスの一部改良(マイナーチェンジ相当)が2023年10月18日に実施されました。今回の改良では、パワートレインの大幅な変更や内装の先進的な装備の追加が行われています。
昨今の原材料価格の値上がりや、装備のグレードアップにより、価格は¥170,000から¥260,000の値上げとなりました。エントリーモデルは旧価格¥1,999,000から新価格¥2,184,000にアップし、最上級のZ ハイブリッド E-Fourは旧価格¥3,199,000から新価格¥3,459,000となりました。
新型カローラクロス 価格表(消費税込み)
| エンジン | 駆動方式 | グレード | 旧価格 | 新価格 | 値上げ幅 |
| ガソリン NA 旧 1.8L (2ZR-FAE型) ↓ 新 2.0L (M20A-FKS型) |
FF | G-X | ¥1,999,000 | ¥2,184,000 | ¥185,000 |
| G | ¥2,240,000 | ¥2,410,000 | ¥170,000 | ||
| S | ¥2,400,000 | 廃止 | – | ||
| Z | ¥2,640,000 | ¥2,900,000 | ¥260,000 | ||
| 1.8L ハイブリッド(2ZR-FXE型) 旧 第4世代 ↓ 新 第5世代 |
FF | G | ¥2,590,000 | ¥2,760,000 | ¥170,000 |
| S | ¥2,750,000 | ¥2,980,000 | ¥230,000 | ||
| Z | ¥2,990,000 | ¥3,250,000 | ¥260,000 | ||
| E-Four | G | ¥2,799,000 | ¥2,969,000 | ¥170,000 | |
| S | ¥2,959,000 | ¥3,189,000 | ¥230,000 | ||
| Z | ¥3,199,000 | ¥3,459,000 | ¥260,000 |
最大の注目点は、パワートレインの大幅な変更です。1.8Lハイブリッドエンジンは第5世代へと進化し、フロントとリアのモーター出力が向上しました。これにより、SUVらしい力強い走りがさらに磨かれています。
また、ガソリンエンジンもパフォーマンスアップが図られ、従来の1.8Lエンジンから2.0L NAのダイナミックフォースエンジン(M20A-FKS型)へと切り替わりました。
内装面では、先進的な装備が追加されました。特に、12.3インチのフルデジタルメーターや10.5インチのディスプレイオーディオの採用が注目されています。これらの装備により、より快適で便利なドライビング環境が提供されます。
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カローラクロスの一部改良、エクステリアはほぼ変わらず
今回の一部改良により、新型カローラクロスはパワートレインと電装品の面で大幅な進化を遂げました。一方、エクステリアの変更はほとんどありません。
バックドアのハイブリッドのバッジが新タイプ「●HEV」に張り替えられた程度です。しかし、ボディカラーには新色のマッシブグレーを含む8色が設定され、ハイブリッド車にはツートーンの3色が追加されました。内装色も、ハイブリッドZのツートーンボディカラー選択車にブルーが用意され、多様な選択肢が増えています。
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新型カローラクロスの納期、マイナーチェンジ発売前から先行予約で長期化
カローラシリーズでは、先行してスポーツ、セダン、ツーリングのボディタイプが2022年にマイナーチェンジ相当の改良を受けていた。これに相当する改良がカローラクロスも約1年遅れで実施された。
今回はマイナーチェンジということでフェイスリフトなどエクステリアにも手が加えられることが期待された。しかし、新色の設定とハイブリッド車のバッジ変更に限られ、大きな内容は盛り込まれなかった。
一方、期待されたGR SPORTの日本発売は、今回のタイミングでは実施されなかった。
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カローラクロスが残される、国内のGA-CクロスオーバーSUV
これまでトヨタのラインアップでは、GA-Cプラットフォーム採用のクロスオーバーSUVが2つ用意されてきたが、そのうちの一つ「C-HR」が販売終了となった。
一方、欧州向けには、フルモデルチェンジで2代目となる新型C-HRが発表された。トルコ工場で生産され、日本への輸入販売も期待されるが、具体的な情報は無し。発表時に、欧州向けであることが強調された通り、少なくとも当面の間は、日本発売されることは無いだろう。
今後は、残されたカローラクロスに国内の需要が集中することになる。カローラクロスのこれまでの受注状況については、散発的に生産枠が開放されることはあるものの、オーダストップの期間が長くなっていた。マイナーチェンジのタイミングでは、本格的な受注再開を迎えることになる。
カローラクロスに販売車種が絞られたことで、新型を待望するユーザーも多くなりそう。マイナーチェンジにより販売再開を果たしても、受注停止となるまでの期間は短いかもしれない。
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後発のカローラクロスも、先発車種に準じた改良の内容が予想される
カローラシリーズのなかでも「スポーツ」、「セダン」、「ツーリング」の3モデルは、2022年にパワートレインラインアップの変更や装備品の大幅な改良を受けてきた。
なかでもディスプレイオーディオはコネクティッドナビに対応され、上位グレードでは10.5インチ液晶、またメータパネルにも12.3インチ液晶が採用された。このあたりは2023年秋のカローラクロスの改良においても、同等の内容で改良されることになりそう。
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マイチェン版、新型カローラクロスは第5世代 1.8L ハイブリッド搭載
カローラクロスと共通のTNGA-Cプラットフォーム採用のクロスオーバーSUV、C-HRは、グローバル向けにはフルモデルチェンジ発表されたが、現在のところ、日本向けには発売されない見通し。従来型C-HRの販売は終了している。
これにより、国内向けモデルで、「第4世代 1.8L ハイブリッド」を搭載するのが、「カローラクロス」に絞られていた。
カローラクロス以外のカローラシリーズは既に第5世代 1.8L ハイブリッドを採用

「カローラクロス」が発売されたのは2021年9月ということで、現行世代の「カローラシリーズ」の中でも発売が遅かった。ボディタイプ別では、2018年6月発売の「スポーツ」、2019年9月発売の「ツーリング」と「セダン」がラインアップされるが、先行販売されてきたこれら3車種はマイナーチェンジも一足早く、2022年秋に実施された。このタイミングで、新型「ノア、ヴォクシー」で市販車採用が始まった第5世代ハイブリッドが、「スポーツ、セダン、ツーリング」の各カローラシリーズに導入済みとなった。
また、「欧州仕様カローラクロス」については、2022年秋のタイミングで、第5世代ハイブリッドに切り替わっている。
カローラクロス2023年秋マイナーチェンジで第5世代ハイブリッド採用の予想
前述のような流れもあり、カローラクロスが2023年秋のマイナーチェンジで、第5世代 1.8Lハイブリッドを導入することが想定される。
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カローラクロスが半数近く、2022年カローラシリーズの販売台数
2022年は、カローラシリーズ全体で131,548台の年間販売台数を記録した。なかでもカローラクロスは、販売台数の約45%にあたる59,070台を占め、シリーズのなかでも主力モデルとなっている。
基本的には受注停止中となっているカローラクロスであるが、トヨタは2023年3月の年度末に向けて国内向けモデルの生産強化を行ってきた。2023年1月のカローラクロスの販売台数は、7770台となり、これは発売以来最多となった。
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カローラクロスの納期
カローラクロスは2021年9月に日本発売されたクロスオーバーSUV。昨今の自動車業界を取り巻く厳しい環境のなか、大変な人気車種となっており、納期が長期化していた。トヨタは、2023年9月12日時点の工場出荷時期として、ガソリン車、ハイブリッド車ともに「詳しくは販売店にお問い合わせください」としている。
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カローラクロス GR SPORT追加の期待が高まる、テストカーらしきモデルがスパイショット
「カローラクロス GR SPORT」の追加発売が待望されるが、2023年10月頃の一部改良のタイミングでは実施されない。既に台湾、タイ、インドネシアをはじめとする海外市場では、先行して「カローラクロス GR SPORT」が販売されている。

「カローラクロス GR SPORT」らしきテストカーもスパイショットされている。その擬装シールが貼られた車体からは、通常「カローラクロス」をベースとしつつも、大型のアンダーガードの装着が確認できる。特に擬装パターンの白黒コントラストが大きい箇所では、専用のエアロパーツの装着が予想され、その範囲は、フロントバンパー、サイドスカート、フェンダーアーチ、リアバンパーと広範囲に及ぶ。カローラクロス GR SPORTタイ仕様とも特徴が近そうだ。
「カローラクロス GR SPORT」の国内仕様については、2023年1月の東京オートサロンでの出品が期待されたが、これは実現しなかった。
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新型カローラクロス発売、2021年9月、価格とグレード構成、消費税込み199.9万円~ 2021年9月
トヨタは、新型カローラ クロスを2021年9月14日に発売した。
消費税込み車両本体価格は1.8L ガソリン車(FF)が199.9~264万円(旧価格)、1.8Lハイブリッド車(FF/E-Four)が259~319.9万円(旧価格)に設定された。
| 1.8L ガソリン NA(2ZR-FAE型)旧価格 | ||
| FF | G-X | 1,999,000円 |
| G | 2,240,000円 | |
| S | 2,400,000円 | |
| Z | 2,640,000円 | |
| 1.8L ハイブリッド(2ZR-FXE型)旧価格 | ||
| FF | G | 2,590,000円 |
| S | 2,750,000円 | |
| Z | 2,990,000円 | |
| E-Four | G | 2,799,000円 |
| S | 2,959,000円 | |
| Z | 3,199,000円 | |
カローラクロス日本仕様のパワートレインは、1.8LのNAガソリンがFFのみ、1.8LハイブリッドはFFとE-Fourが用意される。
グレード構成は、ベーシック「G」、装備充実「S」、最上級「Z」がそれぞれのエンジンと駆動方式に用意されるのが基本となる。さらに199.9万円(旧価格)のエントリーモデルとして「G-X」がガソリン車のみに設定される。
2019年より販売されてきたカローラツーリング G-Xグレードは、消費税込み車両本体価格201万3000円(旧価格)で設定されている。カローラクロスはSUV化されているわけで、値上がりとなるのが一般的であるが、むしろワゴンのカローラツーリングに対して安い価格設定となった。
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カローラクロス日本仕様ハイブリッド車の価格はツーリングに対し僅かに値上がり
ハイブリッドの方はどうか。価格の基準となりそうなのが、カローラツーリング ハイブリッド S 2WDモデルの261万1000円(旧価格)である。カローラクロス ハイブリッド S 2WDモデルは275万0000円(旧価格)であるから、Sグレード同士の比較ではカローラクロスが高くなる。
また、現行のC-HR ハイブリッドは274万5000円(旧価格)からラインアップされており、ボディサイズが少し大きいカローラクロスが259万円(旧価格)からというのは価格競争力を感じるところである。

カローラクロスの特徴
1. SUVならではの高いユーティリティ
① 背の高いボディスタイルを存分に生かした快適性
見晴らしのいい視界の高さを確保するとともに、頭上空間にもゆとりを設けることで、どの席に座っても、街乗りからロングドライブまであらゆるシーンで快適に過ごせる室内空間を実現。前席は、SUVならではの高いアイポイントに加え、細いフロントピラーとスッキリしたインストルメントパネルにより見切りが良く運転のしやすい空間とし、後席は、大きく開くリヤサイドドアで乗り降りがしやすく、加えてリクライニング機能をリヤシートにも設けることで、高い居住性・快適性が備えられた。また、解放感抜群のパノラマルーフを設定し、大きなガラス面でどの席からも空が眺められる解放的な視界が広がるほか、電動ロールシェードで日差しのコントロールも自由自在となる。
②多彩な荷室アレンジを実現し使い勝手の良いラゲージ
ラゲージ容量は、5人乗車時でもクラストップレベルの487Lを実現。また後席を倒すとさらに広いスペースを確保でき、ロードバイクの搭載が可能となる。荷物の積み下ろしのしやすさにもこだわり、ラゲージ開口部は地面から720mmの高さに設定したことで小柄な方でもラクに荷物の積み下ろしができるほか、ハンズフリーパワーバックドアはカギを携帯した状態でリヤバンパーの下に足を出し入れするだけで、両手がふさがっていても簡単にバックドアを開閉できる。また、カローラ クロス専用設計の高機能収納ボックス「ラゲージアクティブボックス」を使用すると、荷物を車外から見えない状態で収納することができるほか、ふたを閉じるとラゲージの床面をフラットにして広い荷室空間を活用できるなど、多彩な荷室アレンジが可能となる。
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2. 都会的な上質感と、SUVならではの躍動感を両立したデザイン
①堂々とした逞しさを表現したエクステリア
「アーバン・アクティブ」をデザインコンセプトとして、SUVらしいダイナミックで洗練されたエクステリアデザインが採用された。ガラス面やフロント・リヤのランプに伸びやかなデザインを施したアッパー部と、ワイドで安定感のあるバンパー部のデザインのコントラストにより、都会的かつ堂々としたプロポーションとなる。外板色には都会的で洗練された雰囲気を持つ全8色が設定された。
②上質で開放的なインテリア
インストルメントパネルからドアトリムにかけて連続性のあるデザインで室内空間に広がりが感じられるほか、室内照明は全てLEDを採用するなど、カジュアルな雰囲気の中に、上質かつ洗練された質感のインテリアを実現。フロントシートには、スリムな背面部と高いホールド性を両立したスポーティなシートが採用された。
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3. クラストップレベルの低燃費と、アクティブでスムーズな走り
①気持ちの良い、意のままの走りを実現するパワートレーン
4. 先進の安全・安心機能
①最新の予防安全パッケージ
日常のあらゆるシーンでドライバーを支援する最新のToyota Safety Senseを全車標準装備。またパーキングサポートブレーキとバックガイドモニターをG“X”を除く全グレードに標準装備し、駐車場など狭い場所でも安心して運転できる。さらに、障害物の有無にかかわらずペダル踏み間違い時の急加速を抑制するプラスサポートが設定される。
②災害時など、万が一の時に役立つ給電機能
アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)と非常時給電モードをハイブリッド車にオプション設定。停電など非常時には車両駐車時に「非常時給電モード」にすると、電気ポットやドライヤーなどの家電製品が使用可能な非常用電源として活用することができ、もしもの時に頼れる安心機能が備えられる。
また、ガソリン車・ハイブリッド車とも、普段の走行時には車内のUSB端子を通じてスマートフォンなどの電子機器の充電が可能となる。
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カローラクロスのサイズと価格をトヨタのクロスオーバーSUVラインアップと比較
トヨタの現行および近年のクロスオーバーSUV群をサイズごとにおさらいしておく。
- 「ライズ」ダイハツ生産のOEMモデル。消費税込み車両価格(以下同)167万9000円(旧価格)からのラインアップ。全長は3995mm。
- 「ヤリスクロス」2020年8月に発売されたばかりで、TNGA-Bプラットフォームを採用。179万8000円(旧価格)から、全長4180mm。
- 「C-HR」販売終了モデル。TNGA-Cプラットフォーム採用。238万2000円(旧価格)から、全長4360mm。
- 「RAV4」さらにワンサイズ上のTNGA-Kプラットフォーム採用、274万3000円(旧価格)から、全長4600mm。
- 「ハリアー」RAV4と同じくTNGA-Kプラットフォーム採用で、2020年6月にフルモデルチェンジを果たしたばかり。299万円(旧価格)から、全長4740mm
以上、小さい方から列挙したが、新型カローラクロスが割り込むのは、ヤリスクロスと初代C-HRの間ということになる。
カローラクロスとC-HRは同クラスSUVながらも差別化される
カローラクロスは、プラットフォームにTNGA(GA-C)を採用したクロスオーバーSUVである。
このような車種は、既にトヨタブランドからC-HRとして2016年から販売されてきたが、特に2021年に入ってからは、販売が低迷しており、新たな車種の導入が望まれるところであった。
C-HRは、ハイブリッドもあるが、1.2Lターボもラインアップされる。スポーティーなエクステリアと引き換えに、インテリアとラゲッジは狭く設定された。
一方で、カローラクロスは大きなボディサイズとパッケージングの良さが特徴となる。エクステリアはC-HRほどのスタイリッシュさは感じないが、飽きの来ないオーソドックスなSUVスタイル。ラゲッジの広さはRAV4には及ばないものの、プラットフォームがワンサイズ上のハリアーを超えるほどになり、アウトドアでのレジャーに対応する。
カローラ派生のSUVとしては、欧州のカローラTREKを日本市場に導入するという説が先にあったわけだが、これはカローラクロスが日本発売されたことで収束しそう。
カローラクロス北米仕様にはダイナミックフォースエンジン搭載
カローラクロスは、グローバルでの展開が先行してきた。これまでタイ工場で生産された車体が、台湾、インドネシア、フィリピンをはじめとするアジア地域で販売されてきた。その後、南米ブラジルでの現地生産と販売もスタートしており、さらに北米仕様向けモデルも発表済み。
カローラクロス北米仕様に搭載されるパワートレインは、169hp、2.0Lのダイナミックフォースエンジンで、トランスミッションは発進ギア付きのダイレクトシフトCVTと発表された。
M20A-FKS型と考えられるこのエンジンは、これまで日本国内のカローラツーリング 2000 LimitedやレクサスUXといったGA-Cプラットフォームのなかでも上級車種に搭載されてきたものである。
ただし北米のラインアップでは、M20A-FKS型はGA-C車種で使われるエンジンとして一般的な扱いのようだ。既にカローラのセダン、ハッチバックの通常モデルでも搭載されており、カローラクロスという理由で特別にハイパフォーマンスなエンジンが与えられるというわけではない。
カローラクロス日本仕様は高岡工場で2021年8月生産スタートの見込み、遅れてM20A-FKS型搭載車
カローラクロス北米仕様とは異なり、日本仕様のエンジン選択肢としては、1.8Lのハイブリッド(2ZR-FXE型)とコンベンショナル(2ZR-FAE型)の2タイプが用意される。これら国内向けカローラシリーズで一般的に搭載されるエンジンが、流用されると考えていいだろう。
駆動方式は、1.8Lハイブリッドの方はFFとE-Fourの設定があるが、1.8Lコンベンショナルの方はFFのみとなる。
1.8Lコンベンショナルガソリン車には価格を抑えたエントリーグレードも用意されるだろう。これを呼び水に、販売好調なヤリスクロスの購買層を巻き込むことで、販売台数が増えることが予想される。
2021年6月のカローラシリーズ全体の販売台数は9,189台であった。カローラクロス導入後は、これが15,000台程度になると言われている。カローラクロス単体の生産規模としては6,000台程度が見込まれる。
カローラクロスは国内生産、後追いでダイナミックフォースエンジンが発売される可能性
タイ工場からの輸入販売になるという説もあったが、愛知県豊田市の高岡工場での生産が計画されている。国内生産が実現したことで、グレード構成は装備別に3タイプしっかり用意されることになる。エンジン種別と駆動方式の違いを掛け合わせ、9種類の車両型式が設定される見込み。
そして、ガソリン車は、ダイナミックフォースエンジンのM20A-FKS型に2023年秋のマイナーチェンジで変更となり、さらにハイブリッド車も第5世代に切り替わる。
従来型カローラシリーズが一部改良、新型カローラクロス追加に備えてきた
トヨタは、カローラ、カローラ ツーリング、カローラ スポーツの一部改良を実施し、2021年7月2日に発売した。
セダンのカローラ、ワゴンのツーリングには、ペダルの踏み間違いによる急加速を抑制するプラスサポートが販売店装着オプションとして採用された。また、ウイルスや菌の抑制に効果があるOHラジカルを含む微粒子イオンを「ナノイー」の10倍量放出する「ナノイーX」を助手席側エアコン吹き出し口に設置し、これはW×Bグレード、Sグレードにオプション採用となる。W×Bグレードの設定色としては、センシュアルレッドマイカが追加された。
ハッチバックのスポーツは、ボディカラーに新規開発色のエモーショナルレッドⅢが採用された。
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カローラクロスが日本発売されるまで
カローラクロスは国内で商標登録済み
まずは、トヨタは「カローラクロス」のモデルネームを2018年に日本の特許庁に申請済みであった。ただ、とりあえず車名を押さえてはみたが、製品化されないことはよくある話。それでも商品企画の初期から日本発売の可能性を視野に入れていたことになる。
テスト車両が国内一般道で目撃される
そして、仮ナンバーで国内一般道を走行するテスト車両の画像が出回った。目撃場所が箱根付近であることから、市場導入という明確な目的を持ったテスト走行であったことが疑われていた。
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国内向けYoutubeアカウントでカローラクロスのPVを紹介
またトヨタ自動車のYoutube国内向け企業アカウントで、カローラクロスのプロモーション動画がアップされていることも国内発売を期待させる理由の一つであった。コンシューマ向けチャンネルではないが、海外専売車をこのチャンネルで紹介するのは珍しい。
カローラクロスについて地元新聞が報道
発売を裏付ける決定打として、中日新聞がトヨタがカローラクロスの国内発売することを報道していた。地元新聞が報じたとなると、今後、よほどの方針転換が行われない限り、発売となった。
カローラクロスも含まれる、トヨタ2021年度 国内販売320万台弱を目標
2020年度はコロナ禍ということで、トヨタは国内販売300万台の大台を割り込む見込みとなった。ただし、2021年度は大幅増に転じ、320万台弱が目標となっていた。その内訳の中に、カローラクロスも入っていると中部経済新聞が報じていた。

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カローラクロス まとめ
まとめ更新日: 2025/12/06
- トヨタ「カローラクロス」は2021年発売のカローラ初SUVで、ヤリスクロスとRAV4の中間サイズに位置する万能コンパクトSUV。
- 2025年5月にデザイン刷新を含む大幅改良を実施し、ガソリン車を廃止して全車ハイブリッド化。新たにスポーティ志向の「GR SPORT」グレードを追加。
- 現行グレード構成は「G」「S」「Z」+「GR SPORT」で、価格帯は約276万~389.5万円(税込)。
- 直近の改良ではパワートレーン性能向上や大型ディスプレイ導入、安全装備強化など商品力を向上。一方でヘッドアップディスプレイ非搭載など惜しい点も。
- 2025年改良でフロントマスクを一新し、バンパー一体型グリルや新ライト採用で都会的かつ力強い外観に。SNOW EXTRAモードや路面矢印投影など先進機能も追加。
- 荷室487Lや広い後席空間など実用性が高く、燃費もハイブリッドFFで26km/L台とトップクラス。小回りも利き、日常使いから旅行まで使いやすい。
- 弱点として、シートヒーターやパワーシート等の快適装備がZ以外では選べず、先進装備でも一部上位SUVに劣る部分がある点に注意。
- 今後フルモデルチェンジは数年先と予想され、当面は現行型の改良版が継続。新型C-HR未導入もあり、国内ミドルSUV市場をカローラクロスが主力として担う。
- 扱いやすいサイズと信頼性・経済性から、幅広いユーザーにマッチ。他のトヨタSUVが大きすぎたり小さすぎたり感じる人、燃費や維持費重視の人に特におすすめ。
一部改良の内容 2023年10月
- フェイスリフト無し
- 12.3インチフルデジタルメーターの採用(Zグレード標準装備)
- コネクティッドナビ対応
- 10.5インチディスプレイオーディオの採用(HEVがZとS、GASがZにオプション設定)
- ドライバーのステアリング・ブレーキ操作をサポートするプロアクティブドライビングアシスト採用
- プリクラッシュセーフティに交差点右折時の対向直進車および右左折時の対向方向からの横断歩行者検知機能を追加
- 車内Wi-Fi
- 1.8L ハイブリッドシステムに第5世代の最新版を採用
- ガソリンNAモデルに、2.0Lダイナミックフォースエンジン採用
- 値上げ幅、¥170,000 ~ ¥260,000
- GR SPORTの追加設定なし










































































































































