- 既存のカローラシリーズとは全くの別デザイン
- 日本発売ほぼ確定
- 中日新聞が2021年度内発売を報じた
- 2021年度販売目標台数の内訳にカローラクロスが含まれると中部経済新聞が報道
- ヤリスクロスとC-HRの間に割り込む
- 広い荷室が特徴
- タイ仕様は全幅1825mm
- 日本仕様はナローボディ版の可能性
以下で、「自動車リサーチ」が詳しく解説していきます。
カローラクロスがタイ、台湾で先行導入される
トヨタが2020年7月にタイで発表したカローラクロス。これが日本発売されるのかどうかが、注目されていた。その後、情報を精査していった結果、「日本発売予定」ということで、現段階では言い切っても良さそうである。
カローラクロスは、専用デザインのクロスオーバーSUV
カローラクロスは、その名の通りカローラシリーズの一つで、タイで先行発売され、現在では台湾でも販売されている。
新型12代目カローラのクロスオーバーSUVとしては、欧州のカローラTREKがあるが、これは実質的にはカローラツーリングワゴン欧州仕様からの派生グレードというのが実際の印象である。
カローラクロスは、現在のところ国内でラインアップされるスポーツ、ツーリング、セダンとは全く別デザインのモデルである。
カローラクロスは日本発売すると言い切る理由
カローラクロスは日本発売されると結論づける理由を挙げていく。
カローラクロスは国内で商標登録済み
まずは、トヨタは「カローラクロス」のモデルネームを2018年に日本の特許庁に申請済みであったことが挙げられる。ただ、とりあえず車名を押さえてはみたが、製品化されないことはよくある話。それでも商品企画の初期から日本発売の可能性を視野に入れていたことになる。
テスト車両が国内一般道で目撃される
そして、仮ナンバーで国内一般道を走行するテスト車両の画像が出回っていることも根拠の一つ。これも「必ず発売される理由」とまでは言えないが、目撃場所が箱根付近であることから、市場導入という明確な目的を持ったテスト走行であったことが疑われる。
国内向けYoutubeアカウントでカローラクロスのPVを紹介
またトヨタ自動車のYoutube国内向け企業アカウントで、カローラクロスのプロモーション動画がアップされていることも国内発売を期待させる理由の一つである。コンシューマ向けチャンネルではないが、海外専売車をこのチャンネルで紹介するのは珍しい。
カローラクロスについて地元新聞が報道
最後に発売を裏付ける決定打として、中日新聞がトヨタがカローラクロスの国内発売することを報道したことである。地元新聞が報じたとなると、今後、よほどの方針転換が行われない限り、発売に至るはず。2021年度内の発売とまで報じており、2021年秋の東京モーターショーでの車体出品、その後2022年初頭頃の発売日が典型的なスケジュールとして考えられる。(なお、2021年の東京モーターショーは、最悪でもオンライン開催はありそうで、完全中止ということはないはず。)
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トヨタは2021年度国内向け販売、320万台弱を目標
2020年度はコロナ禍ということで、トヨタは国内販売300万台の大台を割り込む見込みとなった。ただし、2021年度は大幅増に転じ、320万台弱が目標となっている。その内訳の中に、カローラクロスも入っていると中部経済新聞が報じている。
カローラクロスの国内向け公式声明はしばらくは無い?
今のトヨタは、ヤリスクロスを発売したばかりのタイミングだ。そこで「来年度カローラクロスを出す」となれば、ヤリスクロスの販売に水をさすことになる。そのためカローラクロスの国内販売について、公式な声明はしばらく出にくいのではと予想する。
トヨタのクロスオーバーSUVラインアップはこうなる
先に、トヨタのクロスオーバーSUV群をおさらいしておく。
以下、小さい方から、
- 「ライズ」ダイハツ生産のOEMモデル。消費税込み車両価格(以下同)167万9000円からのラインアップ。全長は3995mm。
- 「ヤリスクロス」2020年8月に発売されたばかりで、TNGA-Bプラットフォームを採用。179万8000円から、全長4180mm。
- 「C-HR」TNGA-Cプラットフォーム採用。238万2000円から、全長4360mm。
- 「RAV4」さらにワンサイズ上のTNGA-Kプラットフォーム採用、274万3000円から、全長4600mm。
- 「ハリアー」RAV4と同じくTNGA-Kプラットフォーム採用で、2020年6月にフルモデルチェンジを果たしたばかり。299万円から、全長4740mm
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カローラクロスはヤリスクロスとC-HRの間に割り込む
価格帯を見ると、ヤリスクロスとC-HRには開きがある。カローラクロスが割り込むのは、おそらくこの間となる。ただし、プラットフォームのクラスを考えるとC-HR寄りの価格帯になりそう。
ヤリスクロスはTNGA-Bなので、カローラクロスに対し明らかに格下である。
C-HRは、同じTNGA-Cながらもエクステリア重視の設計で荷室はタイト。エンジンラインナップは、1.2Lターボ or 1.8Lハイブリッドの2択のみで、プレミアムなイメージが与えられてきた。
カローラクロスは、広い荷室を備え、1.8L NAエンジン搭載モデルを用意することで、なるべく手に届きやすい価格帯の設定が予想される。1.8Lハイブリッドもラインアップされるだろう。
このほかトヨタには新型の2.0LダイナミックフォースエンジンのM20A-FKS型もある。これを搭載したグレード設定も可能性としては残されるが、カローラクロスのキャラクターを考えるとメインで売れるグレードとはなりにくい。
カローラクロスは、ナローボディ、電動パーキングブレーキ装備の日本専用仕様の可能性
カローラクロス タイ仕様のボディサイズは、全長4460×全幅1825×全高1620mm、ホイールベース2640mmとなる。
比較のために書いておくと、カローラツーリング 日本仕様は、全長4495×全幅1745×全高1460mm、ホイールベース2640mmである。
他社であれば、カローラクロスは、タイから輸入販売しそうな生産状況のモデルではある。しかし、国内販売規模が大きいトヨタであれば、日本国内での生産となるだろう。
そうなると、より日本市場で売りやすいナローボディ版の専用設計になることは可能性として残される。タイ仕様の全幅1825mmは、日本のニーズに合わない。左右をあと15mmずつ押さえ込めば全幅1795mmとなり、多くの機械式パーキングに対応できる。さらに日本専用仕様となると、他の国内向けカローラシリーズ同様に電動パーキングブレーキの装備は期待できる。タイ仕様は足踏み式である。
カローラ派生のSUVとしては、欧州のカローラTREKを日本市場に導入するという説が先にあったわけだが、これはカローラクロスの日本発売が確定的となったことで収束しそう。