レヴォーグの次世代e-BOXER搭載モデルが、2025年に発売されることが予想される。
スバルは、2023年5月に「国内生産体制の戦略的再編」を発表した。一年前、2022年5月に発表したもののアップデート版となるが、これにより次世代e-BOXERの導入時期として2025年が明示化された。
次世代e-BOXERとは、トヨタから技術供与を受けて、スバルが独自開発する本格的ハイブリッドシステムである。これは水平対向エンジン、シンメトリカルAWD、THSの3つの技術を組み合わせて開発が進められている。
「国内生産体制の戦略的再編」の中で、スバルでは2車種の次世代e-BOXER搭載モデルの計画を明らかとしている。一つは矢島工場で生産される従来タイプのe-BOXER搭載車が、次世代e-BOXER搭載へとアップデートされるようだ。その車種はフォレスターであることが予想される。
もう一つの車種は本工場で生産され、現行ラインナップではe-BOXERの設定が無いモデルであると、資料から読むことができる。現在、本工場で生産されているモデルは、レヴォーグ、インプレッサ、クロストレック、WRX、BRZである。このうちe-BOXERの設定が無いのは、レヴォーグ、WRX、BRZである。この3車種のなかでは、ハイブリッド化が期待されるのは、レヴォーグしか無いだろう。これには、まもなく発売日を迎える派生SUVの新型レヴォーグ レイバックも含まれるはず。
一方、エクステリアでも大きな変化が予想される。国内販売されるレヴォーグは、初代からターボエンジンを搭載してきたが、次世代e-BOXERの搭載により、NAエンジン採用に伴う、ボンネットのエアスクープの消失がありそうだ。
ただし、エアスクープの無いレヴォーグの姿は、現行型レヴォーグをベースとしたものか、フルモデルチェンジを受けた次期レヴォーグなのかは、現在のところ予測が難しい。レヴォーグのモデルサイクルを6年と仮定すれば、2020年11月発売の現行レヴォーグは、フルモデルチェンジまであと1年程度という微妙なタイミングで、次世代e-BOXER導入時期を迎える。
「レヴォーグ」モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
レヴォーグ特別仕様車「Smart Edition」発売 2023年7月
スバルは、レヴォーグ特別仕様車「Smart Edition」を2023年7月3日に発表した。
現行レヴォーグは2020年10月にフルモデルチェンジ発売された2代目モデルで、2022年11月の一部改良によるC型が販売中となっている。
今回の「Smart Edition」は、カタログモデルの「GT」、「GT EX」グレードをベースに、先進の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステムや、スポーティさと上質感を感じさせるブラック塗装+切削光輝の18インチアルミホイール、高触感革の本革巻ステアリングホイールといったアイテムが採用された。お求めやすい特別なモデルとしている。既に2023年6月15日より受注を受け付けている。
消費税込み車両本体価格は、「Smart Edition(アイサイト X 無)」が、3,432,000円、「Smart Edition(アイサイト X 有)」が、3,542,000円となる。
「レヴォーグ」モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
「Smart Edition」の主要な特別装備
- 先進の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ&インフォテインメントシステム
- 高触感革の本革巻ステアリングホイール(シルバーステッチ仕上げ)
- 光輝加飾付きブラックベゼルヘッドランプ
- ブラック塗装+切削光輝の18インチアルミホイール
- 運転席10ウェイ&助手席8ウェイのパワーシート
- アルミパッド付きのスポーツペダル(アクセル、ブレーキ、フットレスト)
レヴォーグの納車時期
スバルは、レヴォーグの工場出荷時期の目処として、2023年6月9日時点で2ヶ月程度としている。SUVのフォレスターが4~5ヶ月程度、インプレッサ e-BOXERが5ヶ月程度というなかで、レヴォーグは比較的手に入りやすい車種となっている。
「レヴォーグ」モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
レヴォーグ 一部改良 C型 発売 2022年11月24日
レヴォーグの一部改良が2022年11月24日に実施された。
今回の一部改良は、小変更にとどまっており、エクステリアやパワートレインでの変更点は無し。一部改良の内容は「ヘッドランプ/室内灯消し忘れ時の自動消灯機能を追加」、「リレーアタック対策として、スマートキーへスリープ機能、およびモーションセンサーを搭載」、「ライティングスイッチの操作性見直し、2ポジション化」といったものとなる。ちなみに前回2021年11月の一部改良では、FA24型2.4L水平対向ターボエンジン搭載モデルを追加導入するという大掛かりなものであった。
また、昨今の原材料費の高騰が反映されたのか、STI Sport系グレードにおいて、5万5000円のアップという値上げも実施された。一方で、GT系グレードは、価格据え置きとなっており、値上げは免れた。
月間販売台数は1550 台に設定される。
「レヴォーグ」モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型レヴォーグ 一部改良 2.4Lターボ追加など 2021年11月
販売期間約1年を迎えるタイミングとなる2021年11月25日には、新たなパワートレイン選択肢として2.4Lボクサーターボ直噴エンジン(FA24型)が追加設定された。
このFA24型エンジンに合わせて開発された「スバルパフォーマンストランスミッション」も備わる。
レヴォーグ FA24型エンジン搭載モデルの消費税込みメーカー希望小売価格は、「STI Sport R」が4,389,000円(値上げ)、「STI Sport R EX」が4,774,000円(値上げ)となる。これらは、同日にフルモデルチェンジ発売となった新型WRX S4日本仕様のFA24型エンジン搭載車と全く同じグレード名・価格が設定された。
また、これまでラインアップされてきたCB18型エンジン搭載車を含めての一部改良も実施された。
サンルーフをメーカー装着オプションとして新たに設定。パワーリヤゲートは、車内からドアロックしている状態でも運転席スイッチでの開閉操作が可能となり、日常の使い勝手が向上した。
安全面では、アイサイトXの「ドライバー異常時対応システム」機能により車線内で停車した際、全てのドアを自動で開錠し、非常時の車外からのアクセス・救出をスムーズに行えるようになった。
また、ボディカラーには、よりスポーティな世界観を表現する「セラミックホワイト」、「サファイアブルー・パール」、「イグニッションレッド」が新たに設定された。
「レヴォーグ」モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
レヴォーグ2代目モデル、EXグレードが人気
スバルの新型レヴォーグが2020年10月に発表された。既に先行発売の受付を8月より開始していたが、この正式発表の段階で8290台の予約数を獲得済み。そのなかでもアイサイトX搭載のEX系グレードの比率は93%となる。完全新設計となった新世代アイサイトへの期待が数字からも示された。
新世代アイサイトは、ステレオカメラをVeoneer製に変更
スバルの先進運転支援システム「アイサイト」は、これまで日立オートモティブ社、ルネサスエレクトロニクス社など主に国内メーカーとの協力によりデバイスの開発と供給が行われてきたが、一方で、根本からのシステム刷新も迫られていた。
そんななか新世代アイサイトで採用されたステレオカメラは、これまでダイムラーなどへの供給実績があるスウェーデンのVeoneer(ヴィオニア)社製のものとなった。
新世代アイサイトでは、このステレオカメラの広角化が盛り込まれ、認知範囲が広くなった。さらに、77GHz帯のミリ波レーダーによる認知も加わり、より高いレベルの先進運転支援システムが実現される。交差点での衝突回避支援もその一つで、ブレーキ制御だけでなくステアリング制御も加わる。
「レヴォーグ」モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
アイサイトXを装備するEXグレードが人気
この新世代アイサイトの機能を最大限に発揮するのがアイサイトXで、EX系グレードに装備される。準天頂衛星みちびき、3D高精度地図データによるサポート、11.6インチ縦長のセンターインフォメーションディスプレイ、12.3インチフル液晶メーターがセットで備わる。
そもそも新型レヴォーグのインテリアは、中央の大型ディスプレイありきでデザインされている。EXグレードを選択しなければ、ここが空白になってしまうか、価格的に割りに合わないオプションナビを設定するしかない。こういったこともEXグレードが人気となっている理由だろう。
アイサイトXは、主に自動車専用道路での機能が追加される。「渋滞時ハンズオフアシスト」、「渋滞時発進アシスト」、「カーブ前速度制御」、「料金所前速度制御」、「アクティブレーンチェンジアシスト」、「ドライバー異常時対応システム」が備わる。
なお、手放し運転は、ドライバーが前方確認をしている状態のみで機能する。こういったドライバーの動きは「ドライバーモニタリングシステム」によって監視されている。
「レヴォーグ」モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
レヴォーグの後席は、ニースペースをさらに拡大
新型レヴォーグはSGP(スバルグローバルプラットフォーム)が採用される。
ボディサイズは、従来型から拡大となる。
全長 4,755mm(従来比+65mm )
全幅 1,795mm(従来比+15mm )
全高 1,500mm(従来比+10mm )
ホイールベース 2,670mm(従来比+20mm )
特にホイールベースが拡大した分については、そのままが後席に充てられた。レヴォーグの後席ニースペースは従来型でも余裕があったが、新型は更にゆとりを感じさせるものになっている。
CB18型水平対向エンジン搭載、新開発1.8Lボクサーターボ
新型レヴォーグに搭載されるエンジンは新開発のCB18型1.8Lボクサーターボエンジンである。
ボア・ストロークが80.6mm×88.0mmの直噴で、最高出力が177ps、最大トルクが30.6kg-mとなる。
燃費性能は、WLTCモードで13.6km/L、JC08モードで16.5km/L。
従来型エンジンは1.6LターボでJC08モード16.0km/Lであったので、新型は排気量アップながらも燃費改善していることになる。
駆動方式は4WDで、トランスミッションはCVTとなる。CVTの変速比幅が拡大していることもあり、シーケンシャルシフトは従来型6速から新型8速に多段化している。
STI SPORTはZF製の電子制御ダンパーが備わるのも魅力の一つである。
レヴォーグ モデルチェンジ まとめ
- 2023年秋 D型への年次改良はフェイスリフト無しの可能性
- 2025年、次世代e-BOXER搭載モデル登場の可能性
- 2020年10月フルモデルチェンジ発表
- SGP(スバルグローバルプラットフォーム)採用
- 最新CB18型、1.8Lターボエンジン搭載
- 2021年11月の一部改良で、FA24型2.4Lターボエンジンモデルを追加
- 2022年7月3日 特別仕様車「SMART EDITION」発表
新型レヴォーグ 一部改良の内容 2022年11月
- ヘッドランプ/室内灯消し忘れ時の自動消灯機能を追加
- リレーアタック対策として、スマートキーへスリープ機能、およびモーションセンサーを搭載
- ライティングスイッチの操作性を見直し、「車幅灯/尾灯&OFF」を 1ポジションから、「車幅灯/尾灯」と「OFF」に分け、2ポジションに変更
- GT系グレードは、値上げなし
- STI Sport系グレードは、5万5千円の値上げ