ラパンのフルモデルチェンジはある?eWXで角丸長方形コンセプトだけ継続?
ラパンのフルモデルチェンジが実施されるかどうかは、大きな注目を集めています。軽自動車市場では、スライドドアを備えたハイトワゴン車が主流となり、従来型のベーシックな軽自動車はラインアップが縮小される傾向にあります。こうした市場の変化により、ラパンの進化も注目されています。
可能性として期待されているのは、新型アルトをベースにした新型ラパンとしてのフルモデルチェンジです。2021年12月に発売された新型アルトは、マイルドハイブリッドを採用し、大幅な進化を遂げました。
しかし、アルトバンやアルトワークスといった商用やスポーツモデルにおいても、未だ設定がされておらず、シリーズ全体の重要度が低下していることを感じさせます。
ラパンについても、新型アルトが登場してから2年が経過したものの、従来型の販売が継続されています。2022年6月には派生モデル「ラパンLC」が追加され、販売期間の長期化を示唆する動きも見られました。また、2023年12月に行われた価格改定による値上げも、フルモデルチェンジが先延ばしにされたという見方もありました。そういったなか、2024年内のフルモデルチェンジが期待されてきましたが、9月になった現在も具体的な情報や動きは確認できません。
一方で、2023年のジャパンモビリティショーでは、初代ラパンの角丸長方形デザインを継承したBEVコンセプト「eWX」が発表されていました。「eWX」は、全高が高めのSUVスタイルに仕上げられており、ラパンというよりもハスラーの後継モデルとしての要素が強いと見る向きもあります。
この「eWX」は、スズキが2030年までに国内で導入すると予告していた6種類のBEV(バッテリー電気自動車)の一つとして位置付けられており、乗用の軽自動車EVとして最初の市販モデルになることが期待されています。早ければ2025年の発売が予想されます。
ラパンの後継モデルがフルモデルチェンジされる場合、新型アルトをベースに最新のマイルドハイブリッドなどを搭載したエンジン車として登場する可能性がまず一つあります。一方で、次期型は存在せず、初代ラパンの特徴的な角丸長方形ヘッドランプを受け継ぐBEV専用車として、デザインコンセプトのみが継承されるかもしれません。ラパンの今後の方向性が注目されます。
「ラパン」フルモデルチェンジの<まとめ><現行型 新価格表>は、次のページ
ラパン、ラパンLCに値上げを実施 2023年12月
現行型の「ラパン」および「ラパンLC」は、2023年12月21日に値上げが実施されたことで、従来型の販売はしばらく継続されそうです。
値上げ幅は、全車一律77,000円で、ラパンは1,328,800~1,674,200円、ラパンLCは1,486,100~1,723,700円のラインアップとなりました。
「ラパン」フルモデルチェンジの<まとめ><現行型 新価格表>は、次のページ
ラパンのフルモデルチェンジに相当するBEVコンセプトは、初代型のデザインを踏襲
スズキは、軽BEVのコンセプトカーとして「eWX」をジャパンモビリティショーで初公開した。ラパンのフルモデルチェンジに相当するモデルとして期待される。
「eWX」のエクステリアは、ワゴンボディで角丸長方形をモチーフとしており、ラパンシリーズのなかでも特に初代モデル(2002~2008年)、2代目モデル(2008~2015年)の特徴を引き継ぎ、さらにEVとしての新しさが加えられている。
スズキは、2030年度までの日本市場向けBEV製品として6台の計画があることを発表していた。
この中には軽ワゴンボディのシルエットも含まれており、「eWX」はこれに相当するモデルとしても考えられる。
「ラパン」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ラパン後継「eWX」は、日常生活に溶け込むデザインコンセプト
ラパン後継として期待される「eWX」は、毎日の生活の中で自然と溶け込むワゴンEVとして設計されており、EVをこれから購入する顧客層に向けて、今までの車の使い勝手を維持しつつ、EV特有の快適さと楽しさを提供することを目指している。
スズキは「eWX」を通じて、使いやすさと新しい運転の楽しみを提供することで、車との新たな生活様式を提案している。 その実用性は、3395mmの全長、1475mmの全幅、1670mmの全高というコンパクトながらもゆとりのあるサイズ感で示されている。
また、一回の充電で最大230kmの航続距離を誇り、普段使いの利便性と週末の小旅行にも対応できる運用範囲を持っている。
「ラパン」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
「eWX」は、アルトラパンのエクステリアとインテリアのデザインコンセプトを踏襲
エクステリアデザインは、「すっきり、軽やか、あたらしい」というコンセプトのもと、シンプルで直感的なボディラインと、角丸のフォルムが特徴的なデザインを採用している。
また、EVらしさを表現するグレーのボディカラーに、ポップな高彩度のアクセントカラーを施すことで、先進性と同時にフレンドリーなイメージを演出している。
インテリアにおいても、エクステリアと同じ角丸長方形をモチーフにしたデザインが採用されており、空間全体に統一感を持たせている。インパネやコンソールはフローティングデザインを採用し、イエローとホワイトの明るい色使いで開放的な印象を強調している。
さらに、居心地の良いソファのようなシートは、長時間の運転でも疲れにくく、部屋の中にいるような快適さを運転者に提供する。
「ラパン」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型【ラパン LC】派生車追加、従来型デザイン車も一部改良、2022年6月
スズキ・ラパンに一部改良が実施され、2022年6月17日に発売となった。また、派生モデルに相当する、新たなボディタイプとして「ラパンLC」がラインアップに追加された。
「ラパン一部改良、LC追加」の<まとめ>は、次のページ
新型ラパンLCは、フルモデルチェンジではなく追加モデル
新型ラパンLCは、ラパンシリーズに新たに加わる派生モデルという位置付けとなる。通常ラパンとラパンLCを比較すると、外板パネルでデザインが変更されているのはフロント部分だけのようだ。
バックドアには、LCのエンブレムが貼られており、2005年の東京モーターショーで出品されたコンセプトカー「スズキ LC」のデザインを引き継いでいることが示されている。
スズキLCは、「自分にぴったり、うれしいサイズの小さなクルマ」がコンセプトの2シーター軽自動車であった。新型ラパンLCは、通常ラパンと同じく5ドア4人乗り仕様となった。
1967年発売のフロンテ360を彷彿とさせるレトロデザインが採用された。
「ラパン一部改良、LC追加」の<まとめ>は、次のページ
ラパンは一部改良で先行導入、フルモデルチェンジ版アルトの新技術
ベーシック軽自動車の「アルト」は、2021年12月に9代目へとなるフルモデルチェンジを受けた。
新型アルトの車両価格は94.38万円からに設定され、従来型からはエントリー価格は値上げということになった。これはホイールキャップ無しのグレードに至るまで、デュアルカメラブレーキサポートやカーテンエアバッグなどに安全装備を標準化させており、時代に合わせて中身は高付加価値化されている。
その後、多くの自動車価格が値上げされるなか、2023年7月の段階でも、アルトは同価格の設定が維持されている。
この新型アルトで導入された技術の一部は、ラパンシリーズの一部改良で早くも採用された。
「ラパン一部改良、LC追加」の<まとめ>は、次のページ
通常ラパンの一部改良(2022年)はマイナーチェンジ相当、パワートレイン変更
スズキのラインアップでは、ベーシック軽自動車のアルトが2021年12月にフルモデルチェンジを受けている。アルトの新技術が次期ラパンへも採用されることが予想されるが、2022年の一部改良で早くも装備されたものがある。
ラパンは一部改良で、最新ステレオカメラによるデュアルカメラブレーキサポートを採用
従来型ラパンには、安全運転支援装置は、単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせたデュアルセンサーブレーキサポートが採用されてきた。
今回の一部改良で、夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートが全車に標準装備された。
新型ラパンにR06A型エンジン(52PS)+新世代アイシンCVT採用
パワートレインに関しては、一部で期待されていたR06D型のマイルドハイブリッドの採用は見送りとなった。今回は、R06A型エンジンの吸気系の改良、そしてアルトでも搭載された新世代のアイシンCVTが採用された。
アルトのR06A型は、アイシンCVT採用に伴い、最高出力が46PSに下げられていたが、今回の新型ラパンでは52PSが維持された。
「アルト ラパン」一部仕様変更の主な特長
安全装備
- 夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートを全車に標準装備。
- すれ違い支援機能や左右確認サポート機能、3Dビュー表示機能を追加。(全方位モニター用カメラパッケージ装着車)
- LEDヘッドランプを採用。(L、X)
機能&装備
- USB電源ソケット[Type-A/Type-C]を全車に標準装備。
- 「ナノイー X」搭載フルオートエアコンと360°プレミアムUV&IRカットガラスを追加。(X)
- 7インチのディスプレイオーディオを採用し、バックアイカメラ映像の表示や様々な車両情報の確認を可能とした。
エクステリア、車体色、シート表皮
- メッキフロントグリルを採用。(X)
- 車体色は新色の「トラッドカーキメタリック」と「テラコッタピンクメタリック」を設定し、2トーンルーフ仕様車のルーフ色に「ソフトベージュ」を採用。
- シート表皮は「ライトブラウン」と「ライトグリーン」を設定。(X)
「ラパン一部改良、LC追加」の<まとめ>は、次のページ
ラパン20周年、二度のフルモデルチェンジを経てヘッドランプは角目から丸目の歴史
アルトラパンシリーズは2002年発売の初代モデル(HE21S型)を原点としている。2022年で販売20周年を迎え、これまで2度のフルモデルチェンジを受けてきた。
初代ラパンは、発売当初から女性が顧客ターゲットとされていたが、2003年には男性をターゲットとした「ラパンSS」が発売された。ラパンSSは、スポーティな丸目ヘッドランプとフォグランプを特徴とし、ターボエンジンが搭載され、5速MTの選択肢が用意された。
「ショコラ」起源の丸目ヘッドランプは継続か
2008年には2代目ラパン(HE22S型)へのフルモデルチェンジが実施された。ヘッドランプは丸味を帯びながらもフレームは角目デザインが継続された。女性向けエクステリアとして、初めて完全な丸目ヘッドランプが装備されたのが、2013年に発売された派生モデル「ラパン ショコラ」からである。
その後、2015年には現行の3代目ラパン(HE33S型)にフルモデルチェンジされた。エクステリアは先代型の派生モデル「ショコラ」のコンセプトをベースにしたもので、丸目のヘッドランプが大きな特徴となった。
2021年にフルモデルチェンジを受けた新型アルトのヘッドランプは、台形をベースとした形状が続けられたが、これとの差別化を考えると、次期ラパンは丸目ヘッドランプを継続することが予想される。
またスズキは、2021年9月にワゴンRスマイルを発売していたが、こちらは横楕円形のヘッドランプの採用となっている。2022年はラパンとワゴンRスマイルといった2種類の新型女子向け軽自動車がスズキの販売店でラインアップされることになる。
ラパンのICE車としてのフルモデルチェンジはあるのか、現行型はLC追加で延命
現行アルトラパン(HE33S型)は2015年に発売された3代目モデル。ベースモデルのアルトが2021年12月にフルモデルチェンジを受けたものの、派生モデルのラパンは未だフルモデルチェンジが実施されていない状況となっている。
2022年6月には追加エクステリアパターンのラパンLCの発売があった。スズキが、モデル末期に別エクステリアの追加発売を行うことは、他車種においても度々行われてきた。ただし、2023年にラパンのフルモデルチェンジが行われるという話は無い。
デザインコンセプトを継承するeWXコンセプトが発表されたことで、2025年以降、BEVとして発売されることに期待したい。
「ラパン一部改良、LC追加」の<まとめ>は、次のページ
ラパンは廃止されるという予想もある、スライドドア車種のラインアップ強化の流れ
ラパンはカタログ落ちとなり、フルモデルチェンジは実施されないという可能性も浮上している。今後の軽自動車セグメントは、スライドドアを装備したワゴンボディのモデルが、より一層とラインアップ拡充されることになるかもしれない。
ダイハツは、次期ムーヴにおいて後席スライドドアを装備させることが確定しており、これはメーカーを問わず新たなトレンドになるかもしれない。その反面、低全高で後席ヒンジドアを特徴とするベーシックタイプの軽自動車は、ラインアップが縮小される可能性があり、ラパンの存続が危惧される状況となっている。
「ラパン一部改良、LC追加」の<まとめ>は、次のページ
ラパンのエンジン車がフルモデルチェンジされるならマイルドハイブリッドシステム搭載予想
ラパンのエンジン車のフルモデルチェンジは、あったとしても2024年以降となりそうだが、実現すれば、ハイブリッドシステムの導入となるはず。2021年12月に発売された新型アルト同様に、小型のISG(モーター機能付き発電機)を使ったマイルドハイブリッドシステムによる電動化が予想される。また、コンベンショナルガソリン車も用意されることで、低価格モデルのラインアップ継続も期待される。
(このページには、権利者より報道目的または個人的・非営利目的の場合のみの使用が許可されている画像・動画を使用しています。)
新型ラパンに電動パーキングブレーキは装備されるのか
先行してフルモデルチェンジされた新型アルトでは、電動パーキングブレーキの採用が見送られていた。新型スペーシアでは、スズキ軽自動車初の電動パーキングブレーキが採用され、これは他モデルにも採用が拡大されることが予想される。
電動パーキングブレーキによって実現されるオートブレーキホールドは、アダプティブクルーズコントロールと組み合わさることで、ドライバーの負担は大幅に軽減される。近年は軽自動車でも人気の装備となっているが、スズキの車種は、車両価格の高額化を避けるためか、導入が遅れている印象である。
「ラパン一部改良、LC追加」の<まとめ>は、次のページ
アルトラパン モデルチェンジ まとめ
- 2021年12月 ベースモデルのアルトがフルモデルチェンジ
- 2022年6月 ラパンシリーズ 一部仕様変更(4型)、LC追加により、フルモデルチェンジせずに販売期間延長
- 2023年12月 価格改定で販売継続
- 次期型はBEVなのか?通常ガソリン/マイルドハイブリッドのフルモデルチェンジが実施されない可能性も
ラパンのデザインコンセプトを後継する「eWX」
- ラパンのデザインコンセプトを後継する「eWX」がジャパンモビリティショーで発表
- 丸角長方形デザインを採用
- 航続距離230kmのBEV
- 軽自動車規格
- 全高1670mmのワゴンボディ
- 2030年までに発売、日本向け6車種BEVの一つ
- 2025年以降の発売予想
ラパン 価格改定 2023年12月
機種名 | 駆動 | 新価格(円) | 旧価格(円) | 差額(円) |
G | 2WD | 1,328,800 | 1,251,800 | 77,000 |
4WD | 1,441,000 | 1,364,000 | 77,000 | |
L | 2WD | 1,436,600 | 1,359,600 | 77,000 |
4WD | 1,541,100 | 1,464,100 | 77,000 | |
X | 2WD | 1,573,000 | 1,496,000 | 77,000 |
4WD | 1,674,200 | 1,597,200 | 77,000 |
ラパンLC 価格改定 2023年12月
機種名 | 駆動 | 新価格(円) | 旧価格(円) | 差額(円) |
L | 2WD | 1,486,100 | 1,409,100 | 77,000 |
4WD | 1,590,600 | 1,513,600 | 77,000 | |
X | 2WD | 1,622,500 | 1,545,500 | 77,000 |
4WD | 1,723,700 | 1,646,700 | 77,000 |
ラパン後継の可能性 eWX ジャパンモビリティショー画像 2023年10月
ラパンシリーズ 現行型 2015年フルモデルチェンジまとめ
- 2015年6月発売 3代目モデルが販売中
- プラットフォームのHEARTECT導入済み
- 2022年6月に一部仕様変更で4型となり、専用エクステリアの派生車種「ラパンLC」を追加発売
- デュアルカメラブレーキサポート、新CVTが一部仕様変更で導入され、モデルサイクル延長の可能性
ラパンシリーズ 一部仕様変更 2022年6月(4型)
- 派生車ラパンLCを設定
- 「Xグレード」のフロントグリルを従来「モード」の別デザイン採用
- R06A型エンジン(52PS)+新世代アイシンCVT
- 「デュアルカメラブレーキサポート」採用
- USB Type-AおよびType-Cを装備
- LEDヘッドランプ採用
- 全方位モニター用カメラが機能アップ
- バックアイカメラ付ディスプレイオーディオを採用
- 「ナノイーX」を採用
- ボディカラー変更