新型【アクア】フルモデルチェンジは2021年7月19日、居住性重視で差別化

アクア

トヨタの小型ハイブリッド車、アクアがフルモデルチェンジを受けて7月19日に正式発表される見通しとなっている。

アクアクロス 東京モーターショー2013

アクアクロス(コンセプト)

既に事前予約スタートという報道もあるが、まだ実質的には、商談の予約といった段階ではないだろうか。それでも購入希望者は早めの行動が重要になってくる。半導体不足の影響から、納期の遅れが予想されるからだ。

フルモデルチェンジによりアクアは、バッテリー新技術導入、ホイールベース延長

さて、新型アクアについて、現段階で想定される仕様をまとめてみる。

新型アクアのプラットフォームはTNGA-Bが採用され、昨年2020年2月発売のヤリス、同年8月発売のヤリスクロスに続く3作目ということになる。ハイブリッドエンジンも先行するTNGA-Bの車種と同様に、M15A-FXE型のダイナミックフォースエンジンに刷新される。

バッテリーについても新たな技術が導入される。従来型アクアはニッケル水素バッテリーを採用してきたが、新型アクアでは新世代のリチウムイオンバッテリー搭載モデルも導入される見込み。WLTCモード燃費の最高モデルは、従来型アクアの29.8km/Lを上回るのはもちろんのこと、相対的にボディサイズが小さくなるヤリスの36.0km/Lに迫る水準となりそう。

G'sアクア

G’sアクア(コンセプト)

また、コストアドバンテージのあるニッケル水素バッテリー搭載モデルも引き続き用意されるが、こちらは新技術のバイポーラ構造の採用により、性能を大幅向上させてくる可能性がある。

プレミアクア

プレミアクア(コンセプト)

そして、ヤリスとの差別化も注目されるところである。ヤリスはドライバーズカーとしての魅力があり、ボディサイズは絞られ、室内空間はタイトな仕上がりとなった。これに対する新型アクアは、居住性重視でファミリーニーズに応える仕様となる。日産・ノートやホンダ・フィットといった、居住性で強みのある他社コンパクトカーと肩を並べる水準にまでディメンションを拡大させてくる。

アクアはフルモデルチェンジでホイールベースが延長される

前述の通り、新型アクアとヤリスはTNGA-Bでプラットフォーム共用される。ただし、ホイールベースについては、従来型アクアが2550mm、ヤリスも2550mmというなか、新型アクアは2600mmとなる見込み。さらに新型アクアはルーフラインが高く設定されることで、Bセグメントハッチバックカーのなかでも広い室内空間を持つモデルに仕上げられる。

ヤリス

ヤリス

新型アクアのように居住性を重視することは、このクラスでは王道とも言える商品設計であるが、近年ではハイトワゴンタイプの車種に需要を奪われている状況であった。昨年フルモデルチェンジされた他社Bセグメント、フィット、ノートも居住性重視の設計であるわけだが、好調なハイトワゴン車からユーザーを取り戻すまでには至っていない。

フルモデルチェンジによりアクアが、フィットやノートと同じ轍を踏むのか、あるいはヤリスのように人気車種となれるのかが注目される。

フルモデルチェンジによりアクアのハイブリッドシステムも刷新

新型アクアのパワートレインとなるM15A-FXE型は、1.5Lの直列3気筒のダイナミックフォースエンジンで、現行型アクアの直列4気筒の1NZ-FXE型から、大きく進化することになる。

1.5L THSⅡ

従来型 1.5L ハイブリッド 1NZ-FXE

現行型アクアはハイブリッドシステムの都合上、2WDモデルのみのラインアップであったが、次期型は電気式4WDのE-Fourも用意される。

M15A-FXE ハイブリッド

新型 1.5L ハイブリッドM15A-FXE

また、次期型もコンベンショナルガソリンエンジンモデルは設定されず、ハイブリッド専用車となるだろう。

アクアのフルモデルチェンジで採用される、バイポーラニッケル水素バッテリー

アクアが登場したのは2011年12月。トヨタ最小のハイブリッド専用車として、Bセグメントカーのハイブリッド化を先導する役割が与えられていた。今回のフルモデルチェンジで二代目となるが、車体サイズと価格帯に応じた新しいハイブリッド技術を導入することで、小型車向けハイブリッドシステムの価値を高めていく狙いがある。

アクア

現行アクア

特に注目されるのは、駆動用バッテリーにバイポーラ・ニッケル水素電池が採用されるということである。従来からのニッケル水素電池の大幅改良版に相当し、高出力化が進化のポイントとなる。これによりモーター走行領域が拡大され、条件が揃えば、速度40km/h程度までのモーター走行が可能になる。

アクアはフルモデルチェンジで居住性重視、ヤリスと差別化

次期アクアはフルモデルチェンジで居住性重視、女性も選びやすいイメージに

次期アクアはフルモデルチェンジでコンパクトながらも高い居住性が与えられ、ヤリスとは異なるキャラクターが与えられる。

まずボディサイズについては、わずかにヤリスよりも次期アクアが大きくなる見込み。ヤリスは全長3940mmで、4m未満に抑えられていることも特徴の一つであった。アクアでは全長が4mを超えることになる。このサイズアップは後席とラゲッジの余裕として反映され、ファミリーユーザーからの支持を得るだろう。

ヤリスにあったスポーティー感は、フルモデルチェンジ後のアクアでは控えめとなり、女性ユーザーからも選ばれやすい商品に仕上がる。

電動パーキングブレーキなどオートクルーズコントロールと連動した装備も今どきのクルマらしく整えられるだろう。

GR SPORT アクア

現行 GR SPORT アクア

ヤリスはドライバーズカー、男性から支持

一方で、先にフルモデルチェンジされたヤリスは、手動のサイドブレーキを装備し、エンジンフード高さを抑えた視界の良さなどが特徴で、ドライバーズカーとしての性格が強調されている。

最上級にはGRヤリスも設定され、スポーツイメージの強いモデルに仕上げられた。欧州市場や国内でも男性から支持が得やすい商品設計となっている。

ヤリス インテリア

ヤリス インテリア

GR ヤリス

ただし昨今のBセグメントカーとしては、室内はタイトに設定してあり、これはユーザーによってメリットにもデメリットにもなる。新型フィット、新型ノート、そしてフルモデルチェンジを受けるアクアが、日常の足として使いやすいゆとりある室内に仕上げられることと対称的だ。

現行型アクアのセールスは低迷、フルモデルチェンジ前の現行型販売は、ほぼ終了

2021年4月の販売台数は、ヤリスが19,974台、アクアは2,581台であった。

ヤリスはフルモデルチェンジから一年が経過するタイミングではあるものの衰え知らずで、車名別ランキングも首位となっている。これには昨夏に追加発売された派生車種のヤリスクロスもカウント加算され勢い付いている。

一方でアクアは、ヤリスの納車が本格化した2020年春以降は販売台数が低下している。それでもモデル末期で商品力が相対的に低下していることも考慮すれば健闘した方だろう。お買い得な特別仕様車 S-Style Blackも設定され、従来型販売の最後のテコ入れが行われたが、これもほぼ完売となった。

アクア インテリア

現行アクア

フルモデルチェンジを受けたアクアと直接対抗しそうな新型車、ノートオーラ

フルモデルチェンジのラッシュを迎えている国内コンパクトカークラスであるが、2021年3月になると言われていた発売が延期になったモデルが存在する。日産・ノートオーラである。

ノートオーラはノートの基本構造をベースに設計された上級モデル。新たな発売時期として2021年6月頃が想定されており、これはアクアの発売時期とも近い。

新型アクアの直接的な対抗車種になることが予想される。

アクアのフルモデルチェンジで、トヨタのBセグメントハッチバック2車種体制が維持される

トヨタの国内向けBセグメントハッチバックカーは、アクアとヴィッツの2モデル体制でラインアップされてきた。昨年2020年にはヴィッツがグローバルモデルのヤリスに名称を改め、フルモデルチェンジを果たした。

ハイブリッドシステムがコンパクトクラスにまで普及した現在、アクアの存在意義は薄れ、今回のフルモデルチェンジは行われないのではという噂もあった。

最終的に、アクアはフルモデルチェンジを受けることになったが、トヨタでは生産停止となるモデルもある。
トヨタ消えていく車種、プリウスα、プレミオ、アリオン、ポルテ、スペイド
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新型アクア、フルモデルチェンジで求められるもの、ハイブリッドだけでは特徴にならない

アクアの発売当初はトヨタで最も小さなハイブリッドカーとしての役割が与えられていた。しかしその後、ヴィッツハイブリッドが登場したことで、アクアの立ち位置は曖昧となっていた。

アクア ハイブリッド

アクア初期型

アクアのフルモデルチェンジは販売店統合も考慮されたものに

さらに、トヨタ系列の販売店統合の流れにより、トヨタ系であればどこに行っても同じ車種が選べる状況となった。

アクア リアコンビネーションランプ

現行アクア

そんななかで同じGA-Bプラットフォームを採用する小型ハッチバックカーが2車種も近い時期にフルモデルチェンジされるということは、これらをいかに差別化していくかということが重要となる。

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