トヨタの中型SUV、RAV4は2022年10月に2023年モデルに向けた一部改良の実施が計画されている。先行予約の受付は2022年8月頃にもスタートされる見込み。納期の長期化が予想されるなか、この一部改良のタイミングを狙ってオーダーが集中することになりそう。
前回、2021年12月の一部改良では、ハイブリッド車とPHV車に新デザインのヘッドランプを装備。また、ガソリン車とハイブリッド車には新デザインのアルミホイールを採用するといったエクステリアの改良が施されたが、いずれも小変更に留まっていた。大幅フェイスリフト実施による後期モデルの登場も期待されるが、これは次回2022年10月の一部改良でも実現されない見込み。マイナーモデルチェンジは2023年以降の実施となるだろう。
新型RAV4、2022年10月一部改良による2023年モデルは、15~20万円程度の大幅値上げが予想される
RAV4の2022年10月の一部改良では、法規対応、トヨタセーフティセンスのバージョンアップ、マルチインフォメーションディスプレイの大型化、最新ディスプレイオーディオの採用などが予想される。
これに伴う車両本体価格の改正は必至で、従来価格から15~20万円程度の値上げが想定される。装備の充実はあるものの、内装、外装デザインは従来型が踏襲される見込み。一部改良としては値上げ幅は大きくなりそうだ。

RAV4特別仕様車“オフパケ”はガソリン車だけでなくハイブリッドも採用拡大
2022年10月の一部改良では、特別仕様車も新しくなる。
従来型RAV4に設定されたAdventure“OFFROAD package”は、人気グレードとなっているが、パワートレイン選択肢として2.0Lガソリンのみが用意されてきた。
後継グレードとしてAdventure“OFFROAD package2”が設定され、2.5Lハイブリッド、2.0Lガソリン車の両方に設定される見込み。
RAV4のビッグマイナーチェンジは2023年以降
現行RAV4は2019年に日本発売されたモデルであるが、グローバルでは2018年に発売されており、販売5年目を迎えるタイミングに来ている。大幅なフェイスリフトを含めたマイナーモデルチェンジがあってもおかしくない時期だ。
ただし現在のところ、2022年10月発売モデル(2023年モデル)がマイナーチェンジ相当の改良になるといった情報は無い。マイナーモデルチェンジによりフェイスリフトされ、後期型デザインを採用した新型RAV4の登場は2023年以降まで待つ必要がありそうだ。

RAV4がフルモデルチェンジから3年経過、2021年12月1日に一部改良、Adventure E-Fourを日本導入
トヨタは2021年12月1日に、RAV4の「Adventure」グレードにハイブリッド車(E-Four)を追加、その他のグレードにも一部改良を実施した。
まずは価格の話からしておくと、基本的には値上がりとなる。消費税込み車両本体価格を従来ラインアップと比較すると、Xグレード系統が+31,000円、Gグレード系統が+56,000円、Adventureグレード系統が+177,000円の価格アップとなる。
新設される「Adventure HYBRID E-Four」は4,106,000円。
また、PHVに関しては「値上げなし」で従来の価格が維持された。
・RAV4:2,774,000円~4,106,000円
・RAV4 PHV:4,690,000円~5,390,000円
RAV4 Adventure 2.5L ハイブリッド(E-Four)を追加
2019年に日本発売された現行型RAV4であるが、オフロードイメージが強調された外観を持つ「Adventure」のパワートレイン選択肢は、これまで2.0Lガソリン(4WD)に限られていた。
また、欧州仕様にはそもそも「Adventure」の設定が無かったが、2022年モデルから「Adventure 2.5L ハイブリッド(E-Four)」を追加発売することが予告されていた。今回、日本向けラインアップにも、欧州仕様に準じたAdventure ハイブリッドモデルが導入された。
一部改良では、アルミホイールとハイブリッド車のヘッドランプが新デザインに
一部改良では、「Adventure」に新色アッシュグレーメタリック×グレイッシュブルーが設定された。
写真の通り、LEDヘッドランプも意匠変更されている。この新デザインのヘッドランプは、ハイブリッド車とPHV車に限り採用される。
アルミホイールもリフレッシュされており、これは全車に新デザインが与えられた。
今回、販売期間3年というタイミングでもあり、マイナーモデルチェンジを期待する声もあったが、これには至らない一部改良程度の内容であった。
RAV4、おすすめグレード
RAV4のグレード構成は、まずはエンジン選択肢から確認してくと理解がしやすい。
エンジンは3種類から選択
エンジンは「2.0L NA コンベンショナル」と「2.5L ハイブリッド」と「2.5L プラグインハイブリッド」がある。WLTCモード燃費は、後の価格表にまとめておく。
2.0L NA コンベンショナルガソリン車
ガソリン車はM20A-FKS型の2.0L NAのダイナミックフォースエンジンが採用される。
- 最高出力:171ps
- 最大トルク:21.1kgf・m
- 駆動方式:FF/4WD
低価格なエントリーモデルとしてFF車が用意される。
ガソリン+4WDの組み合わせが、パワートレイン選択肢の中で最もグレードラインナップが充実している。
ガソリン4WDの上級グレードにはダイナミックトルクベクタリングAWDを採用
AdventureとG”Z”以上の上級グレードには、トヨタが世界に先駆けて市販化した世界初の4WDシステム、ダイナミックトルクベクタリングAWDが導入されている。走行状況に応じ、前後トルク配分に加えて後輪トルクを左右独立で制御し、旋回時の車両安定性を高める「トルクベクタリング機構」、4輪駆動が不要な時にはプロペラシャフト前後で動力伝達を切断し燃費向上を図る「ディスコネクト機構」が採用される。
2.5L ハイブリッド車
ハイブリッド車はA25A-FXS型のダイナミックフォースエンジンの2.5L THSⅡが採用される。
- 最高出力:178ps
- 最大トルク:22.5kgf・m
- フロントモーター:88kW/20.6kgf・m
- リアモーター:40kW/12.3kgf・m(4WDモデルのみ)
- 駆動バッテリー:6.5Ah(ニッケル水素式)
- 駆動方式:FF/4WD(E-Four)
4WDモデルは、E-Four方式で高出力リアモーターが採用されるのが特徴となる。
2.5L プラグインハイブリッド車
ハイブリッド車と同じくA25A-FXS型ダイナミックフォースエンジンの2.5L THSⅡが採用されるが、細かな設定は異なるようだ。バッテリー容量とフロントモーター出力については、ハイブリッド車から大幅アップしている。また駆動方式はE-Fourのみの設定となる。
- 最高出力:177ps
- 最大トルク:22.3kgf・m
- フロントモーター:134kW/20.6kgf・m
- リアモーター:40kW/12.3kgf・m
- バッテリー容量:18.1kWh(リチウムイオン式)
- 駆動方式:4WD(E-Four)
グレード構成と価格、燃費性能
ベーシックなXグレード、装備充実のGグレードを主軸に、各種パッケージ、派生グレードが設定される。また、Adventureは専用エクステリアが与えられる。
また、PHVについては、別系統で「Gグレード」、「G”Z”」、「BLACK TONE」が用意される。
(2021年12月1日 価格改定)
グレード | エンジン | 駆動方式 | 消費税込み車両価格 | WLTCモード | EV走行距離 |
[km/L] | [km] | ||||
X | ガソリン | 2WD | \2,774,000 | 15.8 | – |
4WD | \3,005,000 | 15.2 | – | ||
ハイブリッド | 2WD | \3,374,000 | 21.4 | – | |
E-Four | \3,627,000 | 20.6 | – | ||
G | ガソリン | 4WD | \3,447,000 | 15.2 | – |
ハイブリッド | E-Four | \4,085,000 | 20.6 | – | |
Adventure | ガソリン | 4WD | \3,487,000 | 15.2 | – |
特別仕様車Adventure”OFFROAD package” | 4WD | \3,637,000 | 15.2 | – | |
Adventure | ハイブリッド | E-Four | \4,106,000 | 20.3 | – |
G”Z package” | 4WD | \3,595,000 | 15.2 | – | |
G | PHV | E-Four | \4,690,000 | 22.2 | 95 |
G”Z” | E-Four | \4,990,000 | 22.2 | 95 | |
BLACK TONE | E-Four | \5,390,000 | 22.2 | 95 |
Xグレード
- ガソリン(FF/4WD)
- ハイブリッド(FF/E-Four)
FF車は、このXグレードしか用意されていない。エントリーグレードながらも「17インチアルミホイール」を装備している。運転席まわりでは、「ウレタン巻きステアリングホイール」、「アナログメーター」、「運転席6ウェイマニュアルシート」を採用。
このほか「ファブリックシート表皮」、「8インチディスプレイ」などが装備される。
Gグレード
- ガソリン(4WD)
- ハイブリッド(E-Four)
全てのパワートレイン選択肢が設定されている中心グレードとなる。エクステリアは「18インチアルミホイール」、「シルバー系塗装のスキッドプレート」の装備、またインテリアは「ステッチ付きの合皮シート」を採用し、Xグレードからワンランクアップされた雰囲気となる。
ドライバーズシート周辺でも装備が充実される。「運転席8ウェイパワーシート」「9インチディスプレイ」「本皮巻きステアリングホイール」「シフトノブ」「ステアリングヒーター」「オプティトロンメーター」が採用される。
さらにハイブリッドモデルに限られるが、荷室に「ハンズフリーバックドア」が装備される。
Adventure
- ガソリン(4WD)
- ハイブリッド(E-Four)
専用エクステリアのAdventureは、ガソリン4WDモデルに加え、ハイブリッド(E-Four)が新たに加わった。
基本的にはGグレード並の装備を引き継ぎながらも、タイヤホイールはさらにインチアップされた「19インチ専用デザイン」を採用。Adventureならではのエクステリアの要となっているのが、「フロントバンパー」「フロントグリル」「スキッドプレート」「シルバーホイールアーチモール」でいずれも専用デザインとなる。
インテリアでも「専用シート」が与えられる。
「ダイナミックトルクベクタリングAWD」装備車となる。
特別仕様車 Adventure”OFFROAD package”
- ガソリン(4WD)
通常Adventureから、さらにオフロードテイストを強めたのが、特別仕様車のAdventure”OFFROAD package”である。足回りは、「専用デザインの18インチアルミホイール」で、「オールテレーンタイヤ」を採用し、「最低地上高+10mm」のサスペンションセッティングが施される。
専用デザインパーツとして「スキッドプレート」「ルーフレール」が装備される。また、インテリアでも「専用合成皮革シート」に「レッドステッチ」が施される。
G”Z package”
- ガソリン(4WD)
Gグレードは、ハイブリッドモデルのみにしか「ハンズフリーバックドア」が装備されなかったが、これをガソリン4WDモデルに採用したのが、G”Z package”となる。
また、「ダイナミックトルクベクタリングAWD」が装備されるのも大きな特徴である。
PHV「G」
プラグインハイブリッド車のベースモデルとなる。
シート表皮はスポーティーな「レザテック」を採用。運転席は「8ウェイパワーシート」、助手席は「4ウェイマニュアルシート」が備わる。
運転席と助手席いずれも「快適温熱シート」が採用される。
PHV「G”Z”」
PHV「G」をベースに上級装備が追加される。
サイドミラーの補助確認装置が「カメラ式」となり、「足元照明」も採用される。
シート表皮が「合成皮革/パーフォレーション+レッドステッチ付」となり、通常Gからグレードアップとなる。
運転席は「シートポジションメモリー」を装備。また、助手席は「4ウェイパワーシート」が採用される。これら両フロントシートは「シートベンチレーション」が備わる。
ラゲッジでは「パワーバックドア」が装備される。
PHV「BLACK TONE」
PHV「G”Z”」から、さらに上級装備が採用される。
エクステリアでは「19インチアルミホイール」が与えられる。
運転席まわりでは、「デジタルインナーミラー」の標準化のほか、「カラーヘッドアップディスプレイ」、「雨滴感応式フロントオートワイパー」により快適なドライブが支援される。
また、ラゲッジでは「ハンズフリーパワーバックドア」にグレードアップされる。
