次期ハスラーBEVを思わせる軽乗用EVコンセプト、Vision e-Sky、航続270km超で2026年度内の量産化
スズキは、軽乗用BEVコンセプト「Vision e-Sky」を「ジャパンモビリティショー2025」で出品すると発表しました。
2023年発表のコンセプト「eWX」の深化版を思わせる提案で、次期ハスラーのBEV仕様につながる市販像を予感させます。
航続距離は270km以上を掲げ、2026年度内の量産化を目標としています。
「Vision e-Sky」は、eWXで提示された“角丸長方形”の意匠モチーフを受け継ぎながら、量産を見据えた現実的なプロポーションとディテールに刷新されています。
フロントは実装を想定したヘッドライト形状を採用し、四角形に組まれたLEDデイタイムランニングライトがアイコニックな表情をつくります。
フロント中央には刷新予定のスズキ新CIが配されているように見え、ブランドの新章を象徴するコンセプトであることを印象づけます。
外観の味付けは、eWXで強調されていたSUVテイストを適度に抑え、よりワゴンライクな雰囲気に寄せています。
具体的には、樹脂フェンダーは廃されますが、フロントバンパーやロッカーパネルにはSUVらしいブラックパーツが残ります。
ハスラーの系譜を感じさせつつ、ワゴンRやラパンのキャラクターを想起させる親しみやすさも与えられており、軽BEVの王道パッケージに“スズキらしさ”を織り込んだ印象です。
こういった状況からは、フルモデルチェンジが近いとされるハスラーの次期型は、Vision e-Skyが示すものとは全くの別デザインである可能性があるかもしれません。
Vision e-Skyのボディサイズの参考値は全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,625mmと公表されました。全高はeWX比で+5mm、現行ハスラー比では−55mmとなり、背の高さを抑えたぶんワゴンRに近いサイズ感へ調律されています。都心部の立体駐車場や狭路での取り回しを重視しながら、室内の居住性と使い勝手の最適解を探ったパッケージングといえるでしょう。
細部を見ると、格納式ドアハンドルやコンパクトなドアミラーなど、ショーモデルらしきディテールがまだ残されています。いずれも量産化に向けて、適切な視認性・安全性・法規適合の観点から、さらに調整が加えられることが想定されます。EVとしての走行レンジは270km以上を掲げ、軽BEVに求められる日常域の航続ニーズを満たす設定を志向しています。
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フルモデルチェンジで次期ハスラーもマイルドハイブリッド仕様は残ると予想
次期ハスラーは、ジャパンモビリティショーで示されたとおり、BEVだけのパワートレインラインアップになるというのは考えにくいです。
一般社団法人「全国軽自動車協会連合会」が発表した2024年の販売台数によると、ハスラーは9万2818台で、軽乗用車の車名別ランキングでは4位に入っています。これより上位は、「スペーシア」など後席スライドドア付きのスーパートールワゴンが占めており、後席ヒンジドアのモデルに限れば最も売れている状況です。こういったハスラーの大きなニーズを引き継ぐためにも、マイルドハイブリッド車の選択肢が用意されることが予想されます。
もちろん、現行型では採用されていない電動パーキングブレーキなど、最新の軽自動車向け装備も搭載されると見込まれます。
スズキの軽自動車のBEV導入計画は、まず商用軽自動車としての「eエブリイ」が予定されていました。これはダイハツ生産のOEMモデルで、認証試験不正問題の影響もあって遅れていたものの、改めて2025年度内の発売が予告されています。こうした経緯を考えると、「eハスラー」が「eエブリイ」よりも先に市販化される可能性は低いと考えられます。
まずは、マイルドハイブリッド版のハスラーがフルモデルチェンジを受け、その後で「eハスラー」が追加導入されるというのも、予想されるスケジュールの一つです。
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ハスラーにBEVの計画あり、スズキの2030年度に向けた成長戦略
スズキから、「ハスラー」にBEVの計画があることを思わせる発表がありました。
スズキは、2023年1月26日に「2030年度に向けた成長戦略」を発表しました。その中で日本市場に向けたBEVの導入計画が公開されました。これは、2030年度までに6モデルのBEVを市場投入するというものです。ただし、6モデルの内訳については明言が避けられており、黒塗りされたシルエットによる表現にとどまっています。そのなかに「ハスラー」に酷似したモデルがあり、その隣には共通パーツが多い「ワゴンR」らしきシルエットも見受けられます。
また、上段左のモデルは、2018年の段階からEV化が検討されていた「イグニス」であることが予想されます。
下段の3モデルについては、左がいち早く発売されると思われる軽商用EVの「eエブリィ」となるでしょう。中央は、まずはガソリン車が発売中の「フロンクス」。そして右がインドと欧州で先行発売された「e ビターラ」であることが想定されます。
ジャパンモビリティーショー2023では、eWXと呼ばれる乗用タイプの軽自動車BEVコンセプトが発表されました。
そのエクステリアは「ラパン」のデザインコンセプトを継承する角丸長方形をモチーフとしています。しかし、最低地上高や全高のスケール感からは軽自動車SUVと判断できる特徴を持ったモデルでした。丸目のヘッドランプを特徴とするハスラーのデザインコンセプトは大きく変更されることになるものの、BEV版ハスラーと呼ぶに相応しいモデルが計画されています。
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ハスラー マイナーチェンジ相当ならず小変更、3型一部仕様変更は装備充実と値上げ、タフワイルド復活
ハスラーの3型への一部仕様変更は、2024年5月24日に実施され正式発売となりました。
新たに「ハスラー タフワイルド」が設定され、同日より発売されました。これは特別仕様車ではなく、通常カタログモデルとしてのラインアップとなり、先代型にも設定があった「タフワイルド」が復活しました。
LEDヘッドランプが全車標準装備となります。「HYBRID X」および「HYBRID Xターボ」には「ナノイー X」搭載フルオートエアコンが採用され、360°プレミアムUV&IRカットガラスも導入されます。また、シートバックアッパーポケットが採用され、快適装備が充実しました。全車コネクテッドサービス「スズキコネクト」に対応しています。
「HYBRID X」と「HYBRID Xターボ」のエクステリアは、HUSTLERアルファベットエンブレム、メッキフォグランプガーニッシュ、メッキドアハンドルが採用されました。インテリアについては、ダークグレーのレザー調&ファブリックシート表皮とブラックパールのインパネカラーガーニッシュが採用され、質感が高まりました。
「ハスラー タフワイルド」のエクステリアには、専用フロントグリル、メッキバンパーガーニッシュ、タフワイルドエンブレム、ブラックメタリックの15インチアルミホイール、ルーフレールが採用され、タフで存在感のあるデザインに仕上げられています。
インテリアには撥水加工を施したファブリックシート表皮、ドアトリムクロス、マットカーキを基調とした専用のインテリアカラーが採用され、アクティブな印象を持たせています。
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新型ハスラー 3型 一部仕様変更 2WD車 消費税込み 価格表 2024年5月
※消費税込み
旧価格(円) | 新価格(円) | 値上げ(円) | |
タフワイルド ターボ | 1,838,100 | ||
HYBRID Xターボ | 1,639,000 | 1,750,100 | 111,100 |
HYBRID Gターボ | 1,520,200 | 1,596,100 | 75,900 |
タフワイルド | 1,760,000 | ||
HYBRID X | 1,538,900 | 1,672,000 | 133,100 |
HYBRID G | 1,387,100 | 1,518,000 | 130,900 |
3型となった2024年5月現在のハスラーの価格を見ていきます。
価格表は2WD車に基づいており、4WD車の場合は各々134,200円のアップとなります。
2型で設定されたXグレード系とGグレード系は、3型でも継承されています。これらのグレードにはそれぞれNA HYBRIDとターボ HYBRIDのパワートレインが設定されています。
価格については、各グレードで75,900円から133,100円の値上げが見られます。
また、タフワイルドはNAが1,760,000円、ターボが1,838,100円に設定され、最上級グレードとしての扱いとなります。
さらに、2トーンカラーについても値上げがあり、従来の2型の44,000円から5,500円の値上げとなり、現在49,500円となっています。
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新型ハスラーの通常モデルへのフェイスリフトは実施されない
新型ハスラー 3型の発売に際し、販売期間が4年半に迫るタイミングということで、マイナーチェンジ相当のフェイスリフトが期待されていました。しかし、これは盛り込まれませんでした。
ただし、新たに追加された「タフワイルド」は、「NA HYBRID」および「ターボ HYBRID」の両方に設定され、専用のフロントデザインを装備しています。この追加に伴い、従来人気のあった特別仕様車「JスタイルⅡ」は廃止となります。一方、通常の「Gグレード」および「Xグレード」については、「NA HYBRID」および「ターボ HYBRID」ともに引き続き販売されます。
法規対応では、アルトなどで実施済みのメーター内にリヤパーキングセンサー作動表示灯が追加されました。
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ハスラーの電動パーキングブレーキ装備はいつ?
2022年5月のハスラー2型への一部仕様変更では、全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールが標準装備化されました。しかし一方で、同時採用が期待されていた電動パーキングブレーキは、見送りとなっていました。アダプティブクルーズコントロールの動作において、停止保持を含めた渋滞追従に対応することができず、装備面での弱点となっていました。
一方で、スズキの軽自動車ラインアップのなかでは、フルモデルチェンジを受けた新型スペーシア、新型スペーシアカスタムが導入されており、これらには同社軽自動車として初の電動パーキングブレーキが採用されました。
その後に実施された、ハスラーの3型への一部仕様変更では、採用の期待が高まりましたが、これは実現しませんでした。ハスラーへの電動パーキングブレーキの導入は、フルモデルチェンジまで行われない可能性があります。
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ハスラーにマニュアルトランスミッション(MT)の復活も期待
先代型ハスラーにはマニュアルトランスミッションの5速MTモデルが存在していたため、MTの復活を望む声があります。現行ハスラーの2型や3型への一部仕様変更で期待されるものの一つでもありましたが実現していません。
現行ハスラーに搭載されているパワートレインは、マイルドハイブリッド化されたR06A型ターボとR06D型NAがあり、いずれもトランスミッションはCVTのみとなっています。
なかでも、ターボエンジンのR06A型に対応したMTモデルが実現すれば、アルトワークス復活への布石にもなるという見方もでき期待が大きいです。
スズキの軽自動車ラインアップの中では、ワゴンRが2023年の改良で5MTの設定が継続されました。しかし、これと組み合わさるのは、コンベンショナル版のR06Dエンジンに限られています。
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2022年5月一部仕様変更と特別仕様車「J STYLEⅡ」発売
スズキの軽自動車「ハスラー」に一部仕様変更と特別仕様車「J STYLEⅡ」が設定され、2022年5月23日より発売されました。
現行型ハスラーはSUVスタイルの軽自動車として、2020年1月にフルモデルチェンジ発売となり、2代目モデルの販売が行われてきました。販売期間約2年半のタイミングで実施される今回の改良は、安全装備の充実、ボディカラーの再編などが主な内容となりました。
特に安全装備では、全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線逸脱抑制機能が標準装備化されました。一方で、電動パーキングブレーキの装備は見送りとなりました。
また、全方位モニター付メモリーナビゲーション装着車では、すれ違い支援機能が追加されました。
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新型ハスラー、5速MT復活ならず、マニュアル車の追加発売は見送り
パワートレインでは、追加が期待されていたマニュアルトランスミッション車(5速MT)の設定は実現しない。従来型同様に全車マイルドハイブリッド+CVTが用意される。
通常ハスラーのグレードラインアップは「G」と「X」の2種類、エンジンタイプは「NA」と「ターボ」、駆動方式は「FF」と「4WD」が用意され、消費税込み車両本体価格は138万7100円~177万3200円となる。
また特別仕様車「J STYLEⅡ」は、インテリアおよびエクステリアで専用装備が奢られた上級グレードで、消費税込み車両本体価格は162万1400円~183万3700円でラインアップされる。
部品の供給状況が不安定な中ではあるが、ハスラーシリーズの月間販売目標台数として6,000台が公表されている。
2021年の販売実績は82,486台を記録しており、ワゴンRの派生クロスオーバーSUVというポジションながらも堅調なセールスとなった。

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ハスラー モデルチェンジ 改良 まとめ
まとめ更新日: 2025/10/09
ハスラー フルモデルチェンジ予想
- ジャパンモビリティショー2025、EVコンセプトVision e-Sky出品
- Vision e-SkyのSUV要素控えめ、次期ハスラーとは別デザインか
- 現行ハスラーは2020年1月フルモデルチェンジ発売の2代目
- スズキの軽自動車向け電動パーキングブレーキは、フルモデルチェンジした新型スペーシアで実用化済み
- 2030年までのBEVモデルの導入計画に、軽SUVらしきシルエットあり
3型 改良 2024年5月
- 3型への一部仕様変更、正式発売2024年5月24日
- タフワイルドを新たに設定
- タフワイルドは専用フロントグリルデザイン
- 法規対応(メーター内にリアパーキングセンサーの作動表示灯を追加)
- 値上げ
- G系統グレード、X系統グレード継続
- 従来の特別仕様車JスタイルⅡは廃止
- 小変更にとどまり、マイナーチェンジ相当のフェイスリフト無し
- 電動パーキングブレーキ装備無し
ハスラー ジャパンモビリティショー 画像 2023年10月
ハスラー 東京オートサロン 画像 2023年1月
「ハスラー」一部仕様変更の主な特長 2022年5月
充実した安全装備
- アダプティブクルーズコントロール(ACC)[全車速追従機能付]と車線逸脱抑制機能をハスラー全車に標準装備。
- 全方位モニター付メモリーナビゲーション装着車にすれ違い支援機能を追加。
車体色
- 新たに採用したソフトベージュ2トーン仕様車に「コーラルオレンジメタリック」を設定するなど、全13パターンの車体色。(ソフトベージュ2トーン4色、ガンメタリック2トーン4色、モノトーン5色)
- 2トーン仕様車のバンパーガーニッシュをルーフと同色に変更。
機能&装備
- USB電源ソケット(HYBRID X、HYBRID Xターボ)
- 時間調整付フロント間欠ワイパー(HYBRID X、HYBRID Xターボ)
- LEDヘッドランプ(HYBRID Gターボ)※2
- ルーフレール(HYBRID Xターボ)
ハスラー 画像 2022年5月
ハスラー特別仕様車「J STYLEⅡ」の主な特長(ベース車:HYBRID X、HYBRID Xターボ)
エクステリア
- 専用メッキフロントグリル
- メッキフォグランプガーニッシュ
- HUSTLERアルファベットエンブレム[メッキ](フロントフード)
- メッキドアハンドル
- ルーフレール
- J STYLEエンブレム(バックドア)
インテリア
- レザー調&ファブリックシート表皮[ブラウン&ダークブルー]
- レザー調ドアトリムクロス[ブラック](フロントドア)
- ドアトリムカラーガーニッシュ[チタニウムグレー]
- インパネカラーガーニッシュ[チタニウムグレー]
- フロアコンソールトレー[ドリンクホルダー付][チタニウムグレー]
- メッキインサイドドアハンドル
車体色
- 特別仕様車専用のウッディブラウン2トーンを採用したほか、ソフトベージュ2トーン仕様車に「アーバンブラウンパールメタリック」を設定するなど、全8パターンの車体色。(ウッディブラウン2トーン2色、ソフトベージュ2トーン3色、ガンメタリック2トーン3色)
機能&装備
- 「ナノイー X」※3搭載フルオートエアコン[エアフィルター付]
- 360°プレミアムUV&IRカットガラス
メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
機種名 | エンジン | 駆動 | 変速機 | 燃料消費率 WLTCモード走行 (km/L) |
燃料消費率 JC08モード走行 (km/L) |
エコカー減税 (重量税) |
価格(円) |
HYBRID G |
0.66L DOHC 吸排気VVT (マイルドハイブリッド) |
2WD | CVT | 25 | 30.4 | 50% | 1387100 |
4WD | 23.4 | 27.8 | 50% | 1521300 | |||
HYBRID Gターボ |
0.66L DOHC VVTターボ (マイルドハイブリッド) |
2WD | 22.6 | 26.6 | – | 1520200 | |
4WD | 20.8 | 24.4 | – | 1654400 | |||
HYBRID X |
0.66L DOHC 吸排気VVT (マイルドハイブリッド) |
2WD | 25 | 30.4 | 50% | 1538900 | |
4WD | 23.4 | 27.8 | 50% | 1673100 | |||
HYBRID Xターボ |
0.66L DOHC VVTターボ (マイルドハイブリッド) |
2WD | 22.6 | 26.6 | – | 1639000 | |
4WD | 20.8 | 24.4 | – | 1773200 | |||
特別仕様車 J STYLEⅡ |
0.66L DOHC 吸排気VVT (マイルドハイブリッド) |
2WD | 25 | 30.4 | 50% | 1621400 | |
4WD | 23.4 | 27.8 | 50% | 1755600 | |||
特別仕様車 J STYLEⅡ ターボ |
0.66L DOHC VVTターボ (マイルドハイブリッド) |
2WD | 22.6 | 26.6 | – | 1699500 | |
4WD | 20.8 | 24.4 | – | 1833700 |