ハスラーのマイナーチェンジでは、電動パーキングブレーキ採用、フェイスリフト実施、MT復活などが期待される
ハスラーの2023年度後半のマイナーチェンジでは、フェイスリフトの実施が期待される。
現行のハスラーは、2020年1月に発売された2代目モデルで、2022年5月には一部仕様変更を経て、2型に進化している。この年次改良はマイナーチェンジ相当の扱いであったものの、スズキ セーフティサポート非装着車の設定が廃止されるなど、装備の充実化を中心とした内容であった。
スズキは、5車種(うち軽自動車4車種)の一部仕様変更の実施と値上げを12月に行うことを発表したが、このなかに「ハスラー」は含まれていなかった。
2023年は、まだハスラーに対して特別仕様車の設定や仕様変更が実施されていない。年度の終盤に向けて、フェイスリフトを含むマイナーチェンジ相当の年次改良の実施が望まれる。
ジャパンモビリティーショーでは、ハスラーに関する出品は無かったものの、新型スペーシアにおいて、電動パーキングブレーキが採用されるなど大きなトピックがあった。電動パーキングブレーキ関連の装備は、ハスラーへもいずれ採用されることが予想されるが、その時期は明らかとなっていない。まずは、現行型の一部仕様変更のタイミングで採用されるかが注目される。
現状の納期については最近は大幅短縮の報告も多い。2023年に入ってからのハスラーの納期は、概ね半年程度の案内が多かったが、その半分程度の期間で納車されるケースが目立っている。マイナーチェンジ実現に向けたバックオーダー解消の兆しかもしれない。
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ハスラー、電動パーキングブレーキの装備いつ?
2022年5月のハスラー2型への一部仕様変更では、全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)が標準装備化されるという部分もあった。しかし一方で、同時採用が期待されていた電動パーキングブレーキは見送りとなっていた。ACCの動作において、停止保持を含めた渋滞追従に対応することができず、装備面での弱点となっている。
フルモデルチェンジを迎えた新型スペーシア、新型スペーシアカスタムの登場で、スズキが軽自動車向け電動パーキングブレーキが実用化された。
3型となる次回の一部仕様変更では、電動パーキングブレーキの装備が特に期待されている。
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ハスラーにマニュアルトランスミッション(MT)の復活も期待
また、マニュアルトランスミッション車の追加も、2型への一部仕様変更で期待されるものの一つであった。現行ハスラーに搭載されるパワートレインは、マイルドハイブリッド化されたR06A型(ターボ)とR06D型(NA)があり、いすれも組み合わさるトランスミッションはCVTのみとなっている。先代型ハスラーにマニュアルトランスミッションの5速MTモデルがあったことから、MTの復活を期待する声も大きい。
特にターボエンジンのR06A型に対応した5MTモデルが実現すれば、アルトワークス復活への布石にもなることから期待が高まる。
ワゴンRでは、2023年の改良で5MTの設定が継続されたものの、コンベンショナル版R06Dエンジンのみ。ハイブリッド版は引き続きCVTのみとなっている。
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ハスラーにBEVの計画あり、スズキ 2030年度に向けた成長戦略
スズキから、「ハスラー」にBEVの計画があることを思わせる発表があった。
スズキは、2023年1月26日に「2030年度に向けた成長戦略」を発表。その中で日本市場に向けたBEVの導入計画が公開された。これは、2030年度までに6モデルのBEVを市場投入するというもの。ただし、6モデルの内訳については、明言が避けられており、黒塗りされたシルエットによる表現にとどまっている。そのなかに「ハスラー」に酷似したモデルがあり、その隣には、多くのコンポーネントが共通化される「ワゴンR」らしきシルエットもある。
資料の上段左は、2018年の段階からEV化が検討されていた「イグニス」であることが予想される。
さらに、下段3モデルについて、左がいち早く発売されると思われる軽商用EVの「エブリィ」となるだろう。残りの2モデルについては、まだ見慣れない姿であるものの、インド発表されたばかりの「フロンクス」と「eVXコンセプト市販型」であることが想定される。
その後、ジャパンモビリティーショーでは、eWXとして乗用タイプの軽自動車BEVのコンセプトモデルが発表された。そのエクステリアは「ラパン」のデザインコンセプトを継承する角丸長方形をモチーフとしたもので、6モデルのいずれにも当てはまらないものであった。下段の3モデルは、発売時期が近く、シルエットに実物のエクステリアが反映されていると考えて良さそう。しかし、上段の3モデルのシルエットは、まだ具体的なモデルが確定していなかった可能性もありそうだ。
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2022年5月一部仕様変更と特別仕様車「J STYLEⅡ」発売
スズキの軽自動車「ハスラー」に一部仕様変更と特別仕様車「J STYLEⅡ」が設定され、2022年5月23日より発売される。
現行型ハスラーはSUVスタイルの軽自動車として、2020年1月にフルモデルチェンジ発売となり、2代目モデルの販売が行われてきた。販売期間約2年半のタイミングで実施される今回の改良は、安全装備の充実、ボディカラーの再編などが主な内容となる。
特に安全装備では、アダプティブクルーズコントロール(ACC)[全車速追従機能付]と車線逸脱抑制機能が標準装備化された。一方で、電動パーキングブレーキの装備は見送りとなる。
また、全方位モニター付メモリーナビゲーション装着車では、すれ違い支援機能が追加される。
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新型ハスラー、5速MT復活ならず、マニュアル車の追加発売は見送り
パワートレインでは、追加が期待されていたマニュアルトランスミッション車(5速MT)の設定は実現しない。従来型同様に全車マイルドハイブリッド+CVTが用意される。
通常ハスラーのグレードラインアップは「G」と「X」の2種類、エンジンタイプは「NA」と「ターボ」、駆動方式は「FF」と「4WD」が用意され、消費税込み車両本体価格は138万7100円~177万3200円となる。
また特別仕様車「J STYLEⅡ」は、インテリアおよびエクステリアで専用装備が奢られた上級グレードで、消費税込み車両本体価格は162万1400円~183万3700円でラインアップされる。
部品の供給状況が不安定な中ではあるが、ハスラーシリーズの月間販売目標台数として6,000台が公表されている。
2021年の販売実績は82,486台を記録しており、ワゴンRの派生クロスオーバーSUVというポジションながらも堅調なセールスとなった。

ハスラー モデルチェンジ 改良 まとめ
- 現行ハスラーは2020年1月フルモデルチェンジ発売の2代目
- 2022年5月の一部仕様変更による2型が販売中
- 2023年度後半の3型へのマイナーチェンジでフェイスリフトや電動パーキングブレーキ装備が期待される
- スズキの軽自動車向け電動パーキングブレーキは、フルモデルチェンジした新型スペーシアで実用化済み
- 2030年までのBEVモデルの導入計画に、ハスラーと似たシルエットあり
ハスラー 東京オートサロン 画像 2023年1月
「ハスラー」一部仕様変更の主な特長 2022年5月
充実した安全装備
- アダプティブクルーズコントロール(ACC)[全車速追従機能付]と車線逸脱抑制機能をハスラー全車に標準装備。
- 全方位モニター付メモリーナビゲーション装着車にすれ違い支援機能を追加。
車体色
- 新たに採用したソフトベージュ2トーン仕様車に「コーラルオレンジメタリック」を設定するなど、全13パターンの車体色。(ソフトベージュ2トーン4色、ガンメタリック2トーン4色、モノトーン5色)
- 2トーン仕様車のバンパーガーニッシュをルーフと同色に変更。
機能&装備
- USB電源ソケット(HYBRID X、HYBRID Xターボ)
- 時間調整付フロント間欠ワイパー(HYBRID X、HYBRID Xターボ)
- LEDヘッドランプ(HYBRID Gターボ)※2
- ルーフレール(HYBRID Xターボ)
ハスラー 画像 2022年5月
ハスラー特別仕様車「J STYLEⅡ」の主な特長(ベース車:HYBRID X、HYBRID Xターボ)
エクステリア
- 専用メッキフロントグリル
- メッキフォグランプガーニッシュ
- HUSTLERアルファベットエンブレム[メッキ](フロントフード)
- メッキドアハンドル
- ルーフレール
- J STYLEエンブレム(バックドア)
インテリア
- レザー調&ファブリックシート表皮[ブラウン&ダークブルー]
- レザー調ドアトリムクロス[ブラック](フロントドア)
- ドアトリムカラーガーニッシュ[チタニウムグレー]
- インパネカラーガーニッシュ[チタニウムグレー]
- フロアコンソールトレー[ドリンクホルダー付][チタニウムグレー]
- メッキインサイドドアハンドル
車体色
- 特別仕様車専用のウッディブラウン2トーンを採用したほか、ソフトベージュ2トーン仕様車に「アーバンブラウンパールメタリック」を設定するなど、全8パターンの車体色。(ウッディブラウン2トーン2色、ソフトベージュ2トーン3色、ガンメタリック2トーン3色)
機能&装備
- 「ナノイー X」※3搭載フルオートエアコン[エアフィルター付]
- 360°プレミアムUV&IRカットガラス
メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
機種名 | エンジン | 駆動 | 変速機 | 燃料消費率 WLTCモード走行 (km/L) |
燃料消費率 JC08モード走行 (km/L) |
エコカー減税 (重量税) |
価格(円) |
HYBRID G |
0.66L DOHC 吸排気VVT (マイルドハイブリッド) |
2WD | CVT | 25 | 30.4 | 50% | 1387100 |
4WD | 23.4 | 27.8 | 50% | 1521300 | |||
HYBRID Gターボ |
0.66L DOHC VVTターボ (マイルドハイブリッド) |
2WD | 22.6 | 26.6 | – | 1520200 | |
4WD | 20.8 | 24.4 | – | 1654400 | |||
HYBRID X |
0.66L DOHC 吸排気VVT (マイルドハイブリッド) |
2WD | 25 | 30.4 | 50% | 1538900 | |
4WD | 23.4 | 27.8 | 50% | 1673100 | |||
HYBRID Xターボ |
0.66L DOHC VVTターボ (マイルドハイブリッド) |
2WD | 22.6 | 26.6 | – | 1639000 | |
4WD | 20.8 | 24.4 | – | 1773200 | |||
特別仕様車 J STYLEⅡ |
0.66L DOHC 吸排気VVT (マイルドハイブリッド) |
2WD | 25 | 30.4 | 50% | 1621400 | |
4WD | 23.4 | 27.8 | 50% | 1755600 | |||
特別仕様車 J STYLEⅡ ターボ |
0.66L DOHC VVTターボ (マイルドハイブリッド) |
2WD | 22.6 | 26.6 | – | 1699500 | |
4WD | 20.8 | 24.4 | – | 1833700 |