現行ジムニーのマイナーチェンジは、2023年内~2024年4月の実施予想
スズキの現行ジムニー(JB64)およびジムニーシエラ(JB74)は、2018年にフルモデルチェンジとして発売された4代目モデルである。その後、2022年7月20日に一部改良版が発表され、現在は3型が販売中となっている。
次回一部改良の4型モデルについては、マイナーモデルチェンジに相当するフェイスリフトが行われると予測されている。納期が約1年前後と見られている中、納車されるモデルは4型となる可能性があり、これに伴う価格アップがあるかもしれないことをユーザーに説明するケースも出てきている。さらに、2024年5月からは後退時車両直後確認装置の設置が継続生産車に対しても義務化される。したがって、2023年内から2024年4月の間には、4型への改良が行われることが予想される。
4型で装備が義務化される後退時車両直後確認装置とは、バックカメラ、センサー系検知システム、ミラーのいずれかを指す。バックカメラが標準装備となる場合、コストが大幅に上昇することになる。今回のジムニーの場合には、コーナーセンサーの標準装備化が予想される。
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また、ロングボディ版である新型ジムニーシエラ5ドアは、2023年1月にインドで世界初公開された。日本での2023年度内の発売が予想されており、このタイミングで3ドア版ジムニーシリーズもマイナーチェンジが行われる可能性がある。
ジムニー EV計画は、欧州向けだけなのか
ジムニーにEVモデルが追加されることがスズキから発表された。ただし、現在の計画では、欧州向けに留まっており、市場投入時期も2024~2030年度と幅をもたせた発表内容となっている。
スズキは2017年の東京モーターショーで、「e-SURVIVOR」を出品していた。これは2018年発売の現行ジムニーのコンセプトモデルに相当するが、そのパワートレインはBEVというものであった。スズキはBEV版のジムニーを相当に早い段階から構想していた。
今回の発表は「2030年度に向けた成長戦略」といったタイトルが付けられており、日本、欧州、インドの各市場におけるBEVの導入について、車種のシルエットを載せる形で発表された。ジムニーらしきシルエット(資料画像の右上のモデル)が掲載されていたのは、欧州向けのみとなる。
ちなみに、2030年度までに日本市場への投入を計画しているBEV車種としては、エブリィ、アルト、ハスラー、ワゴンR、インド発表があったばかりのフロンクス、eVXコンセプト市販型の計6モデルが想定される。
新型ジムニー 特別仕様車、4Sport Limited Edition、Brazil 2022年7月
新型ジムニーの特別仕様車「4Sport Limited Edition」が、2022年7月に発表された。限定台数100台のブラジル市場に向けた特別仕様車となっており、日本市場への導入時期は未定。
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ジムニー日本仕様については、2018年7月のフルモデルチェンジ発売以降、納期の長期化が問題となっており、通常モデルの生産販売で手一杯となっている状況だ。それでも、販売期間5年を過ぎる2023年には、特別仕様車の発売を期待する声も大きい。そんななか、発表されたブラジル向け特別仕様車「4Sport Limited Edition」は、注目を集めたモデルとなった。
「4Sport Limited Edition」の特徴は、積載力をアップさせるルーフラック、通常320mmの渡河水深限界を600mmにまで高めるシュノーケル、ピレリ M/T タイヤを装着した15インチアロイホイール、ワイドフェンダー、そしてロックスライダーが標準装備となる。
さらにエンジンチューンも行われており、「4Sport Limited Edition」では最高出力108ps/最大トルク138Nmを達成。通常ジムニーシエラの102ps/138Nmからのパフォーマンスアップを果たしている。
ただし、特別装備のせいで、やや犠牲となる部分もある。アプローチアングルは(現地仕様標準モデル37°から)31°に、デパーチャーアングルは(同49°から)40°に減少している。
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ジムニー【一部改良 3型 2022年】、5MT車にアイドリングストップ追加
停車時アイドリングストップシステムが5MT車に標準装備となった。また、これに伴い、インパネスイッチのレイアウト等が変更となる。
5MT車のアイドリングストップシステムは、Nでクラッチペダルから足を離すとエンジンが停止する機構となる。これに伴い、カタログ燃費(WLTCモード)が向上している。
ジムニー JB64W-3型(軽自動車)価格表
XGグレードとXLグレードは、スズキ セーフティ サポートが標準装備となった。
グレード | エンジン | 駆動方式 | 変速機 | 燃料消費率 WLTCモード走行 (km/L) |
価格(円) |
XG | 0.66L DOHC 吸気VVT ターボ |
パートタイム4WD | 5MT | 16.6 | 1,555,400 |
4AT | 14.3 | 1,654,400 | |||
XL | 5MT | 16.6 | 1,681,900 | ||
4AT | 14.3 | 1,780,900 | |||
XC | 5MT | 16.6 | 1,804,000 | ||
4AT | 14.3 | 1,903,000 |
ジムニーシエラ JB74W-3型(5ナンバー車)価格表
JLグレードは、スズキ セーフティ サポートが標準装備となった。
グレード | エンジン | 駆動方式 | 変速機 | 燃料消費率 WLTCモード走行 (km/L) |
価格(円) |
JL | 1.5L DOHC 吸気VVT |
パートタイム4WD | 5MT | 15.4 | 1,863,400 |
4AT | 14.3 | 1,962,400 | |||
JC | 5MT | 15.4 | 1,985,500 | ||
4AT | 14.3 | 2,084,500 |
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新型ジムニーの納期は、依然として1年を超えるケースが多い
半導体不足や新型コロナウイルス感染拡大などにより自動車の納期が長期化しているが、スズキのジムニーは特に影響を大きく受けている。契約時には、1年程度の納期を言い渡されることが多いようだが、その後の生産の進捗により、突如納期が縮まることもあるようだ。それでも契約者はいつになるかわからない納車日を待つことになり精神的負担は大きくなっている。
国内販売の中心となっているのは軽自動車のジムニーの方で、2021年は39,422台という販売実績となった。これは、フルモデルチェンジ直前の2017年の12,487台を大きく超える水準となっており、スズキも決して生産を怠っているわけではなようだ。執筆時点で、2022年の販売台数が確定していないが、2021年と同水準の数字になることが見込まれる。

ジムニー【一部改良 2021年】、全車オートライト対応など
軽四輪駆動車「ジムニー」、小型四輪駆動車「ジムニー シエラ」を一部仕様変更し、2021年10月20日より発売となった。
スズキセーフティサポート非装着車にもオートライトシステムが搭載されたほか、4AT車に停車時アイドリングストップシステムが追加された。また、「ジムニー」にスペアタイヤロアカバーが追加された。
消費税込みメーカー希望小売価格は、ジムニーが1,485,000~1,903,000円。ジムニーシエラが1,793,000~2,084,500円に設定された。
現行型の4代目ジムニーシリーズは、2018年のフルモデルチェンジ発売以来、長期間の納車待ちが常態化している。一部改良のタイミングで公表された年間国内販売目標台数は「ジムニー」15,000台、「ジムニー シエラ」1,200台としている。