新型シエンタの発売日は2022年7月となる見込み
トヨタでは小型ミニバン「シエンタ」のフルモデルチェンジに向けた準備が進められている。既にオーダーストップとなっている従来型170系シエンタであるが、部品供給不足により遅れていた生産も2022年6月を以って終了する計画となっている。翌7月にも、新型シエンタの生産がスタートし、発売日を迎える見込みとなっている。

シエンタの価格はフルモデルチェンジで値上げか
新型シエンタはボディサイズの拡大が見込まれている。さらに、安全装備類も充実されることで、車両価格の値上がりは避けられない。2022年に入ってから新しくなったミニバン、ノア・ヴォクシーも、先代型との比較では10万円以上は値上がりしている印象だ。
従来型シエンタは181万8500円~251万7000円という価格設定である。新型は190万円を超えたあたりがエントリーモデルとなりそう。
次期シエンタも5人乗り、7人乗りの設定を継続
そしてエントリーモデルは「ファンベース」グレードで、2列シート5人乗り仕様となる。もちろん3列シート7人乗り仕様も用意され、従来型のコンセプトは継続される。
シエンタの下のクラス登場の可能性
シエンタはフルモデルチェンジの度に、大型化と価格アップが盛り込まれてきたが、次期型ではさらに車格を上げてくる。そんななか、シエンタの下のクラスに置かれる新たな車種として発売が期待されるのが、パッソセッテを後継するダイハツ生産の新型3列シート車種である。

シエンタはフルモデルチェンジで居住性アップ、TNGA(GA-B)プラットフォーム採用
従来型シエンタ(170系)は2015年に発売された2代目モデル。3代目となる新型シエンタは、TNGA(GA-B)プラットフォームをベースに開発されている。GA-Bは既にヤリス、ヤリスクロス、アクアで市販車採用実績がある。
なかでも新型シエンタのホイールベースは、従来型シエンタの2750mmを超えて、2800mm近くにまで達する見込み。これは初代ノアのホイールベース2825mmに迫る値でもあり、居住性のアップに期待がかかる。ボディサイズは大きくなりそうだが、全長4.3m未満の水準は維持して欲しいところである。
エクステリアは、170系シエンタの曲線を多用したデザインから一転し、新型ではシンプルなラインで構成した箱型ミニバンらしいスタイルとなる。170系シエンタのデザインは特徴的な外観であったためユーザーによって好みが分かれたが、新型は万人受けを狙ったエクステリアとなりそう。

次期シエンタは、日本仕様にもシエンタクロスの設定が予想される
さらに、SUV志向のシエンタクロスの設定が予想される。
実は従来型シエンタも2020年12月にシエンタクロスオーバーとしてSUVグレードが台湾向けに発売されていたが、これについては日本導入の話がない。その理由は、フルモデルチェンジの時期が迫っていたためと考えられる。
台湾シエンタクロスオーバーは専用サスペンションで最低地上高を上げ、SUV風のバンパーアクセサリーとルーフレールを取り付けた程度のものである。
一方でヤリスシリーズには、専用エクステリアまで与えられたヤリスクロスがあり、販売も好調である。新型シエンタクロスについても専用エクステリアの本格的な仕様になることが期待される。

新型シエンタへのフルモデルチェンジ時期、発売日はいつ頃か
当初は、シエンタは2021年にはフルモデルチェンジされるのではという予想もあったが、2021年は一部改良に留まった。2022年はシエンタへの一部改良が実施されることが早い段階から判明しており、2022年のフルモデルチェンジというが期待されてきた。これも7月に発売日を迎えることで実現が間近となった。
また、2020年に発売されたヤリス、ヤリスクロスの販売が非常に好調であることもシエンタのフルモデルチェンジを急がない理由の一つと考える。
ヤリスシリーズと新型シエンタはパワートレイン部をはじめ多くのパーツが共用されることになる。しばらくはヤリスとヤリスクロスの生産能力を落としたくはないのではないか。
シエンタのライバル、フリードもフルモデルチェンジへ
シエンタのフルモデルチェンジは2022年夏の予想ということであったが、最大のライバル、フリードは2023年のフルモデルチェンジが予想される。
新型シエンタよりも後出しとなるため、有利な条件で価格と装備を設定してきそうだ。
シエンタのフルモデルチェンジ、トヨタのミニバン 3サイズ全てを2022~2023年に刷新予定
トヨタのミニバンラインアップは「小型のシエンタ」、「中型のノア/ヴォクシー」、「大型のアルファード/ヴェルファイア」の3種類のボディサイズが設定されているが、これらの全てはフルモデルチェンジを受けて、TNGA技術を導入した新型に切り替わる。
その第一弾となったのが、新型ノア・ヴォクシーで、既に2022年1月にフルモデルチェンジ発売となった。
そして、これに続く新型ミニバンの第二弾は、シエンタとなる見込みで、2022年夏頃にフルモデルチェンジ発売となる。
また、ミニバン最大級のアルファードは、2023年中盤頃のフルモデルチェンジが予想される。
シエンタに一部改良と特別仕様車発売、フルモデルチェンジ前の170系最終モデルか
シエンタに一部改良の実施と特別仕様車が設定され、2021年6月2日に発売となった。
フルモデルチェンジ前のシエンタの一部改良は、オートライト義務化への法規対応
今回のシエンタの一部改良については、コンライト(オートライト)を全車標準装備とした簡単なものである。このタイミングで手の込んだ改良が盛り込まれると、2022年に迫ったフルモデルチェンジのタイミングを疑う必要性が出てくるが、それには及ばないだろう。
オートライトについては、既に新型車に対しての義務化がスタートしている。継続生産車の乗用車については、2021年10月1日からの義務化が決まっており、今回のシエンタの一部改良は、これに対応したものとなる。
夕刻時間帯に事故が増える原因の一つに、ヘッドランプ未点灯が考えられてきた。低コストで装備でき、事故の減少も見込めるわけだから、義務化は当然の流れだろう。
これにより消費税込み車両価格は、わずかに値上がりで、181万8500円~258万0000円に設定された。
フルモデルチェンジに向けた最終型か、シエンタ特別仕様車“Safety Edition Ⅱ”は、こだわりのブラックアイテムと安全機能を装備
特別仕様車“Safety Edition Ⅱ”は、通常グレードの「G」と「FUNBASE G」をベースに、ガソリン車とハイブリッド車の両方に設定された。
インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]と後方の映像を表示し車庫入れをサポートするバックカメラを含むナビレディパッケージが特別装備される。
エクステリアではブラック加飾を施したアウターミラーやホイールキャップ、インテリアもブラックでまとめられる。
ボディカラーとしては、特別設定色グレイッシュブルー(写真のもの)を含む5色が設定される。
シエンタ特別仕様車の消費税込み車両価格は211万0000円~251万7000円に設定された。
自動車リサーチ 記事リスト | |
---|---|