SUV化などを取り入れた新型クラウンシリーズは、4つのボディタイプが用意された。先行発売中の「クロスオーバー」に続き、「スポーツ」と「セダン」も2023年内に発売日を迎える見込み。
そして最後となる「エステート」は、最もSUVらしいラゲッジスペースが与えられており、流行のアウトドアニーズにも応えられるモデルとして注目されてきたが、発売日は2024年頃まで遅れることが予想される。
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CROWN OUTDOOR CONCEPT は後席可倒式、早くもマイナーチェンジでの採用期待
発売中の「クロスオーバー」をベースにカスタマイズされた「CROWN OUTDOOR CONCEPT」が東京アウトドアショー2023、大阪オートメッセ2023で出品された。
「CROWN OUTDOOR CONCEPT」は、純正には無い機構である「可倒式後席シート」が装備され、ラゲッジスペースの拡大を実現したモデルとなる。
通常クラウンクロスオーバーでは、後席中央部分に限りトランクスルー機能が備わり、スキー板や釣竿などの長尺物の積載が可能となっている。ただし、これでは一般的なSUVに対して積載力で劣り、アウトドアニーズに十分に応えることができていなかった。
もちろん後席が可倒式になったことはメリットばかりではなく、ロードノイズや後席の乗り心地の面ではデメリットとなっている部分もあるだろう。それでも、マイナーチェンジなどのタイミングでの追加設定が期待される。
派手なLEDライトの装着により、完全に顔付きが変わっている。タイヤのインチアップ、ワイドフェンダー、車高アップと迫力あるSUVスタイルに仕上がっている。
ヒッチメンバーにはクラウンの王冠マークが装飾される。
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新型クラウンは、4つのボディタイプ、SUV化、FF化
SUV化、FF化など、これまで様々な情報が飛び交った新型クラウンであるが、2022年7月15日の発表では、その概ね全てと思われる4種類のボディタイプが披露され、いずれも市販化されることになる。
そのうち1つは、FRプラットフォームを継承する伝統的なセダンであった。残り3つのボディタイプ(クロスオーバー、スポーツ、エステート)については、SUVの流れを汲むエクステリアデザインが取り入れられた。
新型クラウン クロスオーバーは、SUVと4ドアクーペの融合、先行販売中
まず、商品化されたのは、GA-Kプラットフォーム採用の「クラウン クロスオーバー」で、先行して販売中となっている。
新型クラウン スポーツは、SUVと5ドアハッチバックの融合、2023年夏発売予定
新型クラウンスポーツは、SUVと5ドアハッチバックを融合させたボディスタイルが採用された。
トヨタは2021年12月に、15モデルのバッテリーEVを発表していた。
その中の1つ「Crossover EV」は、新型クラウンスポーツのデザインスタディモデルであったことは間違いないだろう。つまり、新型クラウンスポーツのパワートレインはBEVということになるだろう。
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新型クラウン エステートは、中大型のクロスオーバーSUV
新型クラウンエステートは、中大型サイズのクロスオーバーSUVとなる。想定されるプラットフォームはGA-Kで、ホイールベースの開発目標値は2850mmとなっている。つまり、北米ハイランダー、中国クラウンクルーガーと同サイズのSUVとなる。
エクステリアは独自デザインではあるものの、結局はクラウンクルーガーと性質の近いモデルを中国以外の市場でも導入することになる。
ただし、パワートレインについては情報が少ない。フロントグリルのエアインテークデザインからは、PHEVを設定してくる可能性があるのではと予想される。
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SUV版クラウンクロスオーバー登場によるクラウンセダン終了はデマだった
新型クラウンに関連し、拡散している情報のなかで真実ではない部分もあった。
クラウンセダンの終了はデマである。
ワールドプレミアされた新型クラウンの4つのボディタイプの中には、セダンも含まれており、2023年終盤に発売される見込みとなっている。
これは従来型GA-Lナロープラットフォームが継承され、ロングホイールベース化される可能性が高い。パワートレインとしては、MIRAIのFCEVを流用する可能性がある。
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新型クラウンをSUV化する必要性はあるのか
クロスオーバーSUVスタイルがトレンドとなっているが、クラウンまでクロスオーバー化させる必要性はあったのか。
これからのEVが普及していく時代の中では、床面へのバッテリー積載の関係で、腰高なボディスタイルの流行が予想される。対して、FRセダンの特徴であった低く伸びやかなスタイルは、従来的なイメージになりかねない。こういった車体デザインのトレンドは、パワートレイン種別を問わず影響を受けることになる。腰高なスタイルを選択肢に用意しておくことは、クラウンのモデルネーム生き残りのための一つの策となるだろう。
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