SUV化、FF化など、これまで様々な情報が飛び交った新型クラウンであるが、2022年7月15日の発表では、その概ね全てと思われる4種類のボディタイプが披露され、いずれも市販化されることになる。
そのうち1つは、FRプラットフォームを継承する伝統的なセダンであった。残り3つのボディタイプ(クロスオーバー、スポーツ、エステート)については、SUVの流れを汲むエクステリアデザインが取り入れられた。
新型クラウン クロスオーバーは、SUVと4ドアクーペの融合、先行販売中
まず、商品化されるのは、GA-Kプラットフォーム採用の「クラウン クロスオーバー」で、先行して販売されている。
新型クラウン スポーツは、SUVと5ドアハッチバックの融合、2023発売予定
新型クラウンスポーツは、SUVと5ドアハッチバックを融合させたボディスタイルが採用された。
トヨタは2021年12月に、15モデルのバッテリーEVを発表していた。
その中の1つ「Crossover EV」は、新型クラウンスポーツのデザインスタディモデルであったことは間違いないだろう。つまり、新型クラウンスポーツのパワートレインはBEVということになる。
新型クラウン エステートは、中大型のクロスオーバーSUV
新型クラウンエステートは、中大型サイズのクロスオーバーSUVとなる。想定されるプラットフォームはGA-Kで、ホイールベースの開発目標値は2850mmとなっている。つまり、北米ハイランダー、中国クラウンクルーガーと同サイズのSUVとなる。
エクステリアは独自デザインではあるものの、結局はクラウンクルーガーと性質の近いモデルを中国以外の市場でも導入することになる。
ただし、パワートレインについては情報が少ない。フロントグリルのエアインテークデザインからは、PHEVを設定してくる可能性があるのではと予想される。
SUV版クラウンクロスオーバー登場によるクラウンセダン終了はデマだった
新型クラウンに関連し、拡散している情報のなかで真実ではない部分もあった。
クラウンセダンの終了はデマである。
ワールドプレミアされた新型クラウンの4つのボディタイプの中には、セダンも含まれており、2023年に発売される予定となっている。
これは従来型GA-Lナロープラットフォームが継承され、ロングホイールベース化される可能性が高い。パワートレインとしては、MIRAIのFCEVを流用する可能性がある。

トヨタはクラウンシリーズを簡単には販売終了、廃止にはできない
国内シェア圧倒的ナンバーワンを誇るトヨタは、幅広いニーズに応える懐の深さがある。消えゆく車種への措置は寛大だ。
例えば、5ナンバーサイズのカローラ アクシオ/フィールダーは一部改良を受けながら販売が継続されている。カローラシリーズの現行型が全車3ナンバーサイズとなってからも、5ナンバー車のセダンやワゴンを求めるユーザーのため、旧モデルの生産、販売が続けられている状況だ。
また、プレミオ、アリオンは14年近く基本構造を変えずに販売が継続され、2021年3月末にようやく販売終了となった。
トヨタ消えていく車種、プリウスα、プレミオ、ポルテ…
いつかクラウンシリーズに次期型が出せない状況となったとしても、最終型クラウンに手直しを加えながら、法規クリアの限界まで、ロングセラー商品として残されることを期待したい。

新型クラウンをSUV化する必要性はあるのか
クロスオーバーSUVスタイルがトレンドとなっているが、クラウンまでクロスオーバー化させる必要性はあったのか。
これからのEVが普及していく時代の中では、床面へのバッテリー積載の関係で、腰高なボディスタイルの流行が予想される。対して、FRセダンの特徴であった低く伸びやかなスタイルは、従来的なイメージになりかねない。こういった車体デザインのトレンドは、パワートレイン種別を問わず影響を受けることになる。腰高なスタイルを選択肢に用意しておくことは、クラウンのモデルネーム生き残りのための一つの策となるだろう。


220系最終モデルCROWN特別仕様車が2021年6月に発売
トヨタは、220系CROWNにコンセプトが異なる2つの特別仕様車を設定し、2021年6月30日より発売した。
CROWN 特別仕様車 RS“Limited Ⅱ”/RS Four“Limited Ⅱ”
特別仕様車のRS“Limited Ⅱ”/RS Four“Limited Ⅱ”は、RS/RS Fourをベース車に、ダークカラーで上質さと「スポーティ」さを高めた内外装が特徴となった。
インテリアでは、本革シート表皮+前席シートベンチレーションを装備。エクステリアは、マットブラック塗装の18インチ専用アルミホイール、漆黒メッキのフロントフォグランプリング、フロントグリル&バンパーなどで装飾された。
消費税込み車両価格は5,230,000円~5,670,000円で販売された。
CROWN 特別仕様車 S“Elegance Style Ⅲ”/S Four“Elegance Style Ⅲ”
もう一つの特別仕様車、S“Elegance Style Ⅲ”/S Four“Elegance Style Ⅲ”は、S/S Fourをベース車に、「エレガント」で高級感のある内外装に仕上げられた。
ハイパークロームメタリック塗装の18インチ専用アルミホイール、琥珀色の専用シート表皮、ドアトリム、センターコンソールサイドなどが装備の特徴となった。
消費税込み車両価格は5,290,000円~5,510,000円となった。
特別仕様車の共通装備
2つの特別仕様車の共通装備としては、イージークローザー、ナノイーX、専用加飾スマートキーが設定された。

自動車リサーチ 記事リスト | |
---|---|