【5ドア】ジムニー ロング日本発売の実現性、生産工場と欧州CO2規制の観点から考える

ジムニー

スズキ・ジムニーの好セールスが続いている。2018年の約20年ぶりとなるフルモデルチェンジから3年が経過しようとしているが、それでも納期は1年に及ぶケースもまだあり、人気の高さを計り知ることができる。

今回の記事は、追加発売が期待されるジムニーロング5ドア仕様について、生産工場と欧州のCO2規制の観点から考えてみる。

ジムニーロング5ドアの実現は、欧州のCO2排出量規制をどうクリアするのかにかかっている

ジムニーロング5ドアが待望されるなか、現行型の欧州向け生産は減少してきた

現行ジムニーは静岡県の湖西工場にて、国内向けと欧州向けが生産されてきた。現在、欧州向けについては、厳しくなるCO2排出量の規制をクリアすることができず、乗用車仕様の販売が停止されている。ただし、商用車については規制が緩いこともあり、ジムニーの欧州販売は暫定的に後部座席が無い貨物車仕様に限定されていく見込みである。

ジムニー 2シーター

ジムニー 2シーター 貨物車 欧州仕様

こういった欧州向けの生産減も相まって、湖西工場における国内向けジムニーの生産割り当て台数は増やされてきた。フルモデルチェンジ当初のジムニー、ジムニーシエラを合わせて約1350台規模であった月間販売計画は、現在は5000台規模にまで拡大されている。

ただ、それでも納期が縮まらないほどの国内需要の高さがある。

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ジムニーロング、5ドアはまだわからない、3ドアの欧州発売は可能性大

一方で、明るみとなったのが、開発中のロングボディ仕様である。ジムニーシエラをベースに、ホイールベースが約300mm延長された3ドア仕様が欧州でテスト走行されてきた。前述の通り、欧州ではジムニーの本格的な販売が停止となっているが、将来的にこのジムニーロングが欧州発売されることは、ほぼ間違いないだろう。

欧州ジムニー ロングボディ テスト車両

ジムニー ロングボディ テスト車両

ただし、現時点ではジムニーロングについて不明な部分は多く、CO2排出量の規制をどのようにクリアしていくのかもその一つ。ハイブリッドなど環境対策エンジンを使うのか、あるいは規制の緩い商用車としての販売も考えられる。前者なら、待望論が多い、5ドア仕様が設定される可能性は高くなるだろう。

そして、欧州向けジムニーシリーズの生産地についても、これまでと同じく湖西工場が担うことになるのか、わからなくなった。インドの現地工場であるマルチ・スズキで、ジムニーシエラ日本仕様と同等モデルの生産がスタートしているのだ。このマルチ・スズキで、欧州向けジムニーシリーズの生産をすることになれば、仮にジムニーロング5ドア仕様が欧州向けに登場しても、その日本発売の実現には輸入販売という障壁をクリアしなくてはならない。

ジムニー インド生産

スズキの発表によると、マルチ・スズキでのジムニーの生産は中南米、中東、アフリカなどに向けているとしている。

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ジムニーロング5ドアの実現性、発売が見込まれる3ドアから読み解く

今のところ、製品化が確定的となっているのは、欧州で販売される3ドアのロングボディ仕様で、商用ニーズに応えるモデルとなる。

そのホイールベースは2550mmとなり、2018年デビューの現行ジムニーシエラから300mmの延長となる。さらに全長も300mm延長の3850mmということなので、前後オーバーハングを変えずに、ホイールベース延長のみでロングボディ化されるということになる。

ジムニー ロングボディ テスト車両

ジムニー ロングボディ テスト車両

テスト車両の画像からは、前後のタイヤ間隔が大きく取られたロングホイールベースが確認できる。

なお、全幅は1645mm、全高は1730mmでジムニーシエラと変わらず。商用車ということなので、リアシートが取り外された広いラゲッジスペースを持つタイプも用意されるだろう。

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ジムニー5ドア仕様を計画しているから、ホイールベースを300mmも延長させた

そして、この車体をベースにした5ドア仕様があるという話だが、これについては憶測の域を出ていない、という意見もある。

しかし、リアオーバーハングを変えずに、ホイールベースが300mmも延長していることを考えると、これは後席の乗り心地と居住性が重視された結果と考えていいのではないか。

この開発中のロングボディ版が商用車に限られ、ボディ後半は荷物の積載がメインになるというなら、ホイールベースについて多少の延長はあったとしても、短く設計したほうが合理的だ。ショートホイールベースのほうが小回りも利くし、悪路走破性でも有利である。

300mmもロングホイールベース化されたボディの意味するところは、やはり、5ドア版が計画されているということだろう。

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5ドア版ジムニーの計画無しなら、リアオーバーハング延長でも良かった

スズキは東京オートサロン2019でジムニーシエラ ピックアップ スタイルを発表していた。

ジムニー シエラ ピックアップ スタイル

ジムニー シエラ ピックアップ スタイル

これは通常ジムニーワイドより全長が300mm延長されていたが、ホイールベースは変わらず。全長については、前述のロングボディのテスト車両と同じであるが、伸ばされた箇所が全く異なる。

ジムニー シエラ ピックアップ スタイル

ジムニー シエラ ピックアップ スタイル

このピックアップ スタイルのボディ後部は荷台であるが、このように2列目シートが無いか若しくは重視しない設計であれば、リアオーバーハングを伸ばしたほうが都合が良い。

ラダーフレーム構造の再設計すら必要ないのだから。

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