ジムニー5ドア仕様が、2023年1月にインドの「Auto Expo 2023」で発表された。日本発売も期待されており、その時期は2023年度後半が予想される。
日本向けには、2023年1月の東京オートサロンへの出品が期待されたが、これは叶わなかった。また、インドのマルチ・スズキから、日本へ1台輸送された船便の履歴も話題となっていたが、これは、日本国内でのテスト走行が目的であると考えられ、国内発売の可能性が残される。タイミング的には、2023年10月に開催予定となっているジャパンモビリティーショーへの出品が期待され、これが国内初公開となるかもしれない。
インド仕様車によると、ジムニー5ドアのボディサイズは、全長3985mm×全幅1645mm×全高1720mm。ホイールベース2590mmとなる。現行ジムニーシエラと比較して、ホイールベースは+340mm、全長は+435mm拡大する。また、パワートレインについては、K15B型1.5L NAとトランスミッション5MT/4ATの組み合わせで、日本のジムニーシエラと近いものが採用されたが、重量増に伴う調整は施されていそうだ。
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ジムニー 5ドアは、何人乗りか?4人乗りの可能性が高い
新型ジムニー5ドアの乗車人数が何人になるのかも気になるところ。インドでは3列シート車の設定も噂されていたが、現在のところ発表されているのは2列シート車に限られる。新型ジムニー5ドアでは、全長が拡大されたものの、全幅については従来のジムニーシエラ3ドアと寸法上の違いが無い。後席に大人3人が乗車するのは、かなり無理がありそうだ。インド仕様車の後席ヘッドレストも、やはり2名分のみ装備されている。ジムニーシエラ 5ドアとして国内導入されても、乗車定員は4名に設定されることが予想される。
ジムニー 5ドア ロングの電動化パワートレインは、ストロングハイブリッド?マイルドハイブリッド?EV?
ジムニー 5ドア ロングボディに搭載されるパワートレインはどのようなものになるのか。まずコンベンショナルエンジンとしては、現行ジムニーシエラと共通となる1.5L NAのK15B型の採用が予想される。
一方で、欧州や日本など先進国向けには電動パワートレインの搭載が必須となってきている。これには新型エスクードの「ストロングハイブリッド」と、欧州S-CROSSの「48Vマイルドハイブリッド」の二案が予想されてきた。さらに、スズキは、2030年までに投入するBEVを予告した。このなかで欧州仕様については、ジムニーらしき姿もあり、BEV搭載の可能性も浮上している。
ジムニー 5ドアEVの可能性、発売されても欧州向けに限られそう
スズキは、「2030年度に向けた成長戦略」を2023年1月に発表した。そのなかで日本、欧州、インドの各市場へ導入予定のBEVモデルが車種のシルエット付きで公開された。そして、欧州向けのBEVの1つに、ジムニーシリーズと思われるシルエットが確認された。
抽象化されたシルエットはジムニーシリーズの顔付きであることは間違い無さそうだが、3ドアなのか5ドアなのかは判断が難しい。また、こういったシルエットのBEVは、日本やインド向けの車種のなかには含まれなかった。ジムニーシリーズからBEVモデルが発売されそうだが、いずれにせよ、欧州向けに限られそうだ。
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ジムニー5ドアロングは、新型エスクードのストロングハイブリッド搭載の可能性
2022年春のマイナーチェンジで、新型となったエスクードは、従来通りハンガリー生産モデルの輸入が継続されたが、日本仕様と欧州仕様ビターラには、新開発のストロングハイブリッドが初搭載となった。
これにはメインユニットとしてK15C型のNAガソリンエンジンが採用された。組み合わさるPB03A型モーターの出力は、24.6kWということで、スズキが生産するもののなかでは最も本格的なハイブリッドシステムに仕上げられた。
スズキは、2025年までにインド市場へのBEVや高出力ハイブリッド車の導入を目標としていることを公表していた。つまり近い将来に、新型エスクードハイブリッド並の高出力ハイブリッドが、マルチ・スズキで生産対応されることが予想されていた。また、ジムニー5ドアへの搭載にあたっては、エスクードとはエンジン搭載方向が異なり、縦置き化していく必要があるだろう。
ジムニー5ドアロングに欧州S-CROSSの48Vマイルドハイブリッド搭載の可能性
そして、ジムニー5ドアロングへの搭載が期待される、もう一つのパワートレインとして考えられてきたのが、新型S-CROSS欧州仕様に搭載される48Vマイルドハイブリッドである。
メインユニットにはK14D型の1.4L ターボ(ブースタージェットエンジン)を搭載し、WA06B型のモーターは出力10kWとなる。こちらのパワートレインもエンジン縦置き化の設計変更が必要となる。
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ジムニー 5ドアが、インドから日本に1台輸送
スズキ「ジムニー5ドア」 ロングボディ仕様は、インド市場を皮切りに2023年5月の発売が予定されている。プレスデー2日目の2023年1月12日のインド・オートエキスポでは完成車体が初公開され、同日にインド市場向けの先行予約もスタートした。
一方で、インドのマルチ・スズキから日本に向けて、1台の「ジムニー5ドア」が送られたのが確認されていた。これまで目撃されてきたテストカーに貼られていた開発コード「YWD 5DR …」のモデルが、船便のリストに入っているという。
この1台の「ジムニー5ドア」について、東京オートサロン2023でのサプライズ出品を期待する声も多かったが、これは実現せず。その目的は、東京オートサロンへの出品ではなく、日本国内におけるテスト走行である可能性が高いだろう。
ジムニー5ドアのサプライズ出品の期待も叶わず、メインステージが「空車」、意味深な東京オートサロン出展概要
2022年12月23日、スズキは東京オートサロン2023の出展概要を発表し、ブースイメージの画像1点を公開した。これによると、今回のスズキブースは、「アウトドア」テイストのデザインで装飾されており、ジムニー5ドアの発表としても相応しい雰囲気に仕上げられている。そして、フロアには展示車両7台が置かれているものの、中央のメインステージは「空車」のままという、意味深な内容となっていた。
フロアの7台は、「ソリオ、スペーシア ベース×2、ハスラー、スペーシア ギア、エブリイワゴン、クロスビー」であることが発表されている。ジムニーについては、5ドアどころか、3ドア仕様ですら発表車両の中に含まれていない。
中央のステージに「ジムニー5ドア」がサプライズで出品されるのでは、という期待もあった。
しかし、東京オートサロンで実物を見る限り、これは単なるトークショーのお立ち台のようにしか見えない。ロングボディ化により、全長が大幅拡大された「ジムニー5ドア」には、あまりにもステージが狭すぎた。
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新型【ジムニー 5ドア シエラ ロング】オートエキスポ2023でのワールドプレミアが予想されてきた
新型「ジムニー シエラ 5ドア ロングボディ」の日本発売について、確定的な情報は無いものの、その可能性は大いに残される。しかし日本発売のスケジュールは2023年度後半までは待たされることになりそう。
「ジムニー 5ドア ロングボディ」は、まずはインドのマルチ・スズキ生産による現地仕様が2023年5月に先行発売される見込み。日本を含めたグローバル市場での販売展開はその後となりそうだ。
これまで、マルチ・スズキから日本へ輸入販売された前例としては、2020年7月まで販売されたバレーノがある。これと同様に「ジムニー シエラ 5ドア ロングボディ」が日本へ輸入販売されることが期待される。
ジムニーロング 3ドア商用車仕様の欧州発売も確定的か
また、「ジムニー ロング 3ドア 商用車仕様」については、欧州で販売される可能性は高いだろう。CO2排出量規制の緩い商用車での販売を目論んだもので、目撃されているテスト車両もこのモデルということになる。
ジムニー シエラ 5ドア ロングボディは、5人乗りと7人乗り
「ジムニー シエラ 5ドア ロングボディ」は5人乗り仕様と、7人乗り仕様の両面で開発が進められていると考えられる。特に5人乗り仕様は、全長4m未満となる見込みで、ホイールベースや全長は、これまでに目撃されてきた偽装塗装の3ドアロングテストカーと共通化されるはず。
ただし、7人乗り仕様ともなると、さらに全長を拡大させねば、3列目シートの搭載は難しそう。これにはリアオーバーハングの延長などが予想される。

ジムニーLWB(ロングホイールベース)は、リークされたロードマップ上にも明記されているが
2022~2025年の間に、スズキからデビューするSUVモデルのロードマップとして有名な図である。ここにも「JIMNY LWB & HEV」が2024年のマイナーチェンジのタイミングでグローバル市場で発売されることが図示されている。
左下には情報ソースとして、7つの自動車メディアのWebアドレスが書かれている。つまりこの図はリーク情報というより、自動車メディアの予想を丁寧にまとめたものに過ぎないのだが、かなり現実的な予想となっている。
ジムニーロング 5ドアはホイールベースが延長される
リアオーバーハングではなくホイールベース延長なので、3ドア仕様に加え5ドア仕様が登場するのは予想がついていた
スズキは東京オートサロン2019でジムニーシエラ ピックアップ スタイルを発表していた。
これは通常ジムニーワイドより全長が300mm延長されていたが、ホイールベースに変更は無い。全長については、ジムニーロングのテスト車両と同じであるが、伸ばされた箇所が全く異なる。
このピックアップ スタイルのボディ後部は荷台であるが、このように2列目シートが無いか若しくは重視をしない設計であれば、リアオーバーハングを伸ばしたほうが都合が良い。
手間のかかるホイールベース延長を敢えてやったということは、後席に人が乗った場合の居住性を重視した表れだろう。
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ジムニー5ドアロングボディ仕様、Googleストリートビュー掲載の真相
余談となるが、開発中の5ドアロングボディ仕様が、Googleのストリートビューで発見され話題となった。
偽装無しの状態で、三重県鈴鹿市内を走行するジムニー5ドアロングボディ仕様であるが、その前後のコマでは、同色の3ドアジムニー通常モデルの画像が確認できる。つまり、この5ドア仕様はGoogleストリートビューが偶然に生み出した合成写真というわけだ。
よく見ると窓から見える運転席と後席に座っている方は、同一人物のようであるし、後席ドアバイザー前方が欠落している。リムジンに迫るような長すぎるホイールベースも現実離れしている。
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ジムニーロング5ドア日本仕様は、国内生産?インドから輸入?
欧州向けジムニー販売停止で増やすことができた、国内向けの生産台数
現行型ジムニーは、発売当初は静岡県の湖西工場にて、国内向けと欧州向けが生産されてきた。現在は、欧州向けは乗用車仕様の販売が停止中。また、湖西工場では、ジムニーLCVの生産も行われていると思われるが、予定台数は非常に少ないようだ。
欧州向けのジムニーシリーズの生産は基本的には大幅減ということになり、湖西工場における国内向けジムニーの生産割り当て台数は増やされてきた。フルモデルチェンジ当初のジムニー、ジムニーシエラを合わせて約1350台規模であった月間販売計画は、5000台規模にまで拡大された。
ただし、直近では半導体不足による生産調整のため減らされた。

マルチ・スズキでもジムニーの生産スタート
さらにグローバルに目を向けると、インドの現地工場であるマルチ・スズキで、ジムニーシエラ日本仕様と同等モデルの生産がスタートしている。
スズキの発表によると、マルチ・スズキでのジムニーの生産は中南米、中東、アフリカなどに向けているとしている。それでも、ジムニーシリーズ全体としての生産能力が増強されたことで、他の生産工場の負担軽減が期待される。国内向けジムニー、ジムニーシエラの納期短縮も期待でき、ジムニー 5ドア ロングを国内生産する余裕も出てくるかもしれない。
ジムニーロングの発売時期にマイナス材料、半導体不足による生産調整で通常モデルの納期が縮まらない
現行型ジムニーおよびジムニーシエラは発売時の好受注に始まり、コロナによる生産減を経て、最近では半導体不足による生産調整を強いられている。納期が縮まらない状況が続いているのだ。
現在のところ、オーダーの際に言い渡される納期としては1年前後の期間が多いようだが、実際にはそれより相当に早く納車されるケースもある。正確な納車時期が読めないというのが実情だろう。このような現行モデルの対応で手一杯の状況では、派生モデルであるジムニーロングの発売は後回しにされそうである。
しかし、海外向けの派生モデルが2021年夏に複数の市場でデビューしている。英国向けのジムニーLCVもその一つである。
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ジムニーロングの発売に好影響か、英国向けジムニーLCVが発売、派生モデルが追加される段階になった
LCVは「Light Commercial Vehicle」の略で小型商用車を意味する。欧州ではCO2排出量規制の関係で乗用タイプのジムニーが販売停止となっているが、規制の緩い商用車の枠で新たに発売されたのがジムニーLCVである。シート配列は前席のみの二人乗り仕様で、後ろの広いラゲッジとは格子状の金網で仕切られる。
残念ながらジムニーLCVが日本発売される予定はない。ただし、通常ジムニーの納期が縮まらない状況下においても、派生モデルを出していく姿勢が見られたのは、ジムニーロング発売に向けてのプラス材料と言えそうだ。
ジムニー 5ドアロングは欧州が主力、現行ジムニー3ドアの欧州仕様は電動化に遅れ販売規模縮小
ジムニー ロングボディのテスト車両が目撃されてきたのは「欧州」であり、やはりここを主力市場の一つとして、開発されていると考えられる。欧州ではCO2排出量規制が厳格化しており、メーカーに課せられる罰金制度も始まっている。
現行ジムニーの欧州販売は、後部座席未装着で広いラゲッジとした、二人乗りビジネス仕様のみの販売に縮小されており、これはまだ規制が緩い商用車の販売枠を活用したものである。欧州市場における現行ジムニーの本格的な販売はストップしている状況だ。
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