トヨタ・ルーミーのフルモデルチェンジは、2023年頃の実施が予想される。次期型では、シリーズ式ハイブリッドの「e-SMART HYBRID」搭載による環境性能の向上が期待される。

ルーミーのフルモデルチェンジは、いつなのか?2022年の実施は難しそう
現行型ルーミー(M900A/M910A型)は、2016年に発売された。姉妹車種として同じトヨタから「タンク」、OEM製造元のダイハツからは「トール」、さらにスバル「ジャスティ」の4車種がラインアップされる。その後、2018年の一部改良では安全運転支援システムが強化され、スマートアシストⅢが採用となった。
2020年9月にマイナーモデルチェンジでフェイスリフトを受けて後期型となっている。なお、この後期型からは姉妹モデルの一つタンクが廃止となっている。後期型の販売期間は3年程度は想定され、フルモデルチェンジは2023年頃までは行われないことが予想される。
また、トヨタのラインアップでは、ルーミーより一回り大きいシエンタが2022年7月にもフルモデルチェンジを受ける見込み。ルーミーは2列シート車、シエンタは3列シート車が主力という大きな違いがあるが、同じ時期に2種類の小型ワゴン車を発売させるとは考えにくい。こういった意味からもルーミーのフルモデルチェンジは2022年の実施では早すぎると考えられ、2023年頃が想定される。


次期ルーミーはDNGAプラットフォームを採用
次期ルーミーもダイハツ生産のOEMモデルとなる。ダイハツでは、DNGAプラットフォームをベースにした新型車を今後2025年までに15ボディタイプ、21車種を展開していく計画となっている。
なかでも、ルーミーは登録車クラスで販売台数も多く、DNGA導入の新型を期待する声が大きい。
ルーミーが販売台数2位、フルモデルチェンジしたわけではない
現在は3つの姉妹車種がラインアップされるが、なかでも販売実績が大きいのがトヨタ・ルーミーである。
2021年(1-12月)の車名別販売台数のデータによると。
- トヨタ・ヤリス(212,927台)
- トヨタ・ルーミー(134,801台)
- トヨタ・カローラ(110,865台)
- トヨタ・アルファード(95,049台)
- 日産・ノート(90,177台)
首位はトヨタ・ヤリスとなった。これには、遅れて登場した派生車のヤリスクロスの台数も合算されるから、2021年で一番売れている車種となったのは納得の結果である。

ルーミーが売れる理由、フルモデルチェンジはまだ先
そして、2021年の販売台数ランキングで2位となったのがトヨタ・ルーミーである。2020年9月のマイナーモデルチェンジのタイミングで、姉妹モデルのタンクと車種統合され、販売台数が上乗せされることになった。
そういった統計的にプラスとなる事情はあったものの、ルーミーは今のユーザーニーズを上手く捉えることができていると考える。
ルーミーは5人乗りのスーパーハイトワゴン車で、ボディサイズは全長3700mm×全幅1670mm×全高1735mm、ホイールベース2490mmとなる。電動化ニーズが高まるなかではあるが、ルーミーに用意されたエンジンは1.0LのNAとターボの2種類に限られる。
低価格な1.0L NAエンジンは1KR-FE型で、最高出力51 kW (69 PS) 、最大トルク92 N・m (9.4 kgf・m)となり、車体の大きさの割にはやや非力な仕様である。ただし、エントリー価格は155万6500円を実現する。
また、出力性能に余裕がある1.0Lターボの1KR-VET型搭載車は、最高出力72kW (98PS)、最大トルク140N・m (14.3kgf・m)となり、車両価格186万4500円からとなる。

軽自動車ランキングでは各社スーパーハイトワゴンが上位を独占
一方で、軽自動車の販売台数ランキングを見てみると、ルーミーが人気化しているのも納得がいく。
軽自動車部門での1位はホンダ・N-BOXで、これもフルモデルチェンジが2017年に実施された、さほど新しくないモデル。続いてスズキ・スペーシア、ダイハツ・タントとなっており、いずれもスーパーハイトワゴンのモデルで上位を独占している。
今、求められるクルマは、コンパクト、広い室内、スライドドア、低価格といった特徴を持っている。
ルーミーは、人気の軽スーパーハイトワゴンよりも一回り大きい、というポジションを獲得し販売台数を伸ばした。
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