「スペーシア ベース」は、2023年度後半にフルモデルチェンジを受けることが予想される。2022年8月の発売から約1年の販売期間を経てのフルモデルチェンジと、気の早い展開となりそう。
軽自動車セグメントでは、スライドドア車へのニーズが増えており、ライバルのダイハツは主力ワゴンのムーヴをスライドドア化させて、2023年夏にフルモデルチェンジ発売する見込み。スズキもワゴンRのフルモデルチェンジを保留し、先にスペーシアシリーズをフルモデルチェンジさせるなどスライドドア車を優先して開発していく構えである。
「スペーシアベース」は、「スペーシア」および「スペーシアカスタム」とは、ほとんどのパーツが共用されている。「スペーシア」シリーズがフルモデルチェンジを受けるなかで、「スペーシア ベース」だけが従来型の生産を続けるとは考えにくく、同様に新型へのフルモデルチェンジを受けることが期待される。
スズキがモデル末期に、専用エクステリアのモデルを追加発売し、短い販売期間を経てフルモデルチェンジを実施する例はこれまでにもある。先代型スペーシアにおいても、現行型へのフルモデルチェンジが実施される約1年前に、専用エクステリアの「スペーシア カスタムZ」を追加発売させていた。
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新型スペーシア BASEを2台出品、東京オートサロン2023ではアウトドアでの使い方を提案
新型スペーシアベースは東京オートサロン2023でも出品された。車中泊仕様、カフェ仕様の2台が展示された。
新型スペーシア ベースが発売、4ナンバー軽四輪貨物車 2022年8月
スズキは、軽商用車 新型「スペーシア ベース」を2022年8月26日に発売した。
新型スペーシア ベースは、「遊びに仕事に空間自由自在。新しい使い方を実現する軽商用バン」をコンセプトに、商用車の積載性や広い荷室空間、使い勝手のよさと、乗用車のデザインや快適性、運転のしやすさを融合した新型軽商用車となる。
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新型スペーシアベースの消費税込み車両本体価格は1,394,800円から
機種名 | エンジン | 駆動 | 変速機 | 燃料消費率 WLTCモード走行 (km/L) |
燃料消費率 JC08モード走行 (km/L) |
エコカー減税(重量税) | 消費税込み車両本体価格(円) |
GF | 0.66L DOHC 吸排気VVT |
2WD | CVT | 21.2 | 25.8 | 免税 | 1,394,800 |
4WD | 19.9 | 24.8 | 1,518,000 | ||||
XF | 2WD | 21.2 | 25.8 | 1,547,700 | |||
4WD | 19.9 | 24.8 | 1,667,600 |
新型スペーシアベースの床面はフルフラット、低いラゲッジ開口
パッケージングは、隙間のないフルフラットなフロアと低く抑えた荷室開口地上高による、使いやすく荷物が出し入れしやすい荷室空間と、スペーシアと同等の乗り降りしやすいシート高や乗り心地のよいフロントシートによる、快適な前席空間が両立された。また、全車標準装備のマルチボードを使い、車中泊やワーケーションなど、目的に合わせて室内空間を自由にアレンジすることが可能となる。
さらに、オーバーヘッドシェルフやリヤクォーターポケット、フロアコンソールトレーなど多彩な収納スペースを設置したほか、ユーティリティーナットやLEDルームランプ、運転席&助手席シートヒーター、助手席シートバックテーブル、防汚タイプラゲッジフロア、USB電源ソケット[Type-A/Type-C]を採用し、利便性の高い室内空間となった。

新型スペーシア ベースのエクステリアは前期型スペーシアカスタムのフロントグリルを採用
デザインは、フロントグリルやドアハンドル、ドアミラー、バックドアガーニッシュなどの加飾をブラックで統一することで、重厚感を強調するとともに、リヤクォーターパネルやチェッカープレートをモチーフにした専用エンブレムを採用し、お気に入りの道具感を演出された。また、インパネカラーパネルやリヤクォーターポケットなどのアクセントカラーにグレーイッシュブルーを採用し、力強さ表現された。
フロントデザインは、スペーシアカスタム前期型からパーツ流用されていると思われる。新型ベースでは、カスタム前期型のメッキ加飾は採用されていないが、ピアノブラックで上質に塗装されている。
車体色は、新色「モスグレーメタリック」をはじめとする全5色のラインアップとなる。
新型スペーシア ベースは、スズキ セーフティ サポートを全車標準装備
安全面では、夜間の歩行者も検知するデュアルカメラブレーキサポートなどを搭載するスズキ セーフティ サポートが全車に標準装備されたほか、XFには全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)が採用された。また、すれ違い支援機能を搭載した全方位モニター用カメラをメーカーオプションとして設定された。さらに、LEDヘッドランプ、LEDフォグランプを全車に標準装備し、安全機能が充実された。
新型「スペーシア ベース」は、経済産業省や国土交通省などが普及を推進する「サポカーS ワイド」、国土交通省による「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS2)認定車」、「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」に該当する。
スペーシア ベースは、前期型カスタムのフロントグリルを復活採用
スペーシアシリーズは2021年12月にマイナーチェンジを受けており、特に「スペーシア カスタム」については、フロントグリルデザインが全面刷新されていた。これによる「スペーシア カスタム 後期型」では、押し出し感を更に強めたフルメッキ仕様のグリルが採用され、以前にも増して「アルファード感」を強めている。
新型スペーシア ベースのフロントデザインは、マイナーチェンジ前の「スペーシア カスタム 前期型」のグリルデザインを復活採用しているようだ。ただし、メッキ処理されているのはスズキの「S」エンブレム部分のみで、これ以外はブラック塗装がなされている。「スペーシア カスタム 前期型」から譲られた繊細なグリル造形が与えられながらも、移動販売車など商用用途のベース車としても使いやすいエクステリアデザインに仕上げられている。
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スズキは「スペーシア ベース」の商標登録を2021年2月に出願、発売が待望されていた
スズキはSPACIA BASE(スペーシア ベース)として、商標登録を2021年2月15日に出願しており、スペーシアシリーズに派生車種が追加されることが噂されていた。今回ようやく市販化されることになる。
一方で、ダイハツではタントの派生車種として「タント ファンクロス」を追加発売する。

実質的に国内販売専用となる軽自動車を取り巻く状況は厳しくなっている。人気のスーパーハイト軽ワゴンのカテゴリでもモデルサイクルが延長される流れとなっており、各社とも低予算で開発できる派生モデルの投入により商品力を維持していく方策が取られる。