ダイハツは、2024年4月19日に、ロッキー/ライズのハイブリッド車の基準適合性の確認完了を発表しました。これにより、ロッキー/ライズ/レックスの全パワートレインタイプが生産および販売再開に向かうことになります。
ダイハツは、2023年12月20日に全モデルの出荷停止措置を取りました。2024年3月18日よりロッキー、ライズ、レックスのガソリン車の生産を先行して再開していました。ハイブリッド車については、大規模認証不正の発端となったモデルでもあり、2023年5月19日からという長期間にわたって出荷停止となっていました。今回、基準適合性の確認が完了したことで、販売再開に向けて動き出すことになるでしょう。
ダイハツでは、国土交通省による立会試験が行われてきましたが、ロッキー、ライズのハイブリッド車とムーヴキャンバスの基準適合性の確認が遅れていました。今回、ダイハツの現行販売車種の全ての確認が完了しました。型式指定の取り消し処分となったグランマックス トラックとそのOEMモデルを除く、全ての車種の生産と販売の再開が見込まれます。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ロッキー/ライズ/レックスのガソリン車が先行して再開
ダイハツはロッキー/ライズ/レックスのガソリン車の生産を2024年3月18日より再開することを発表した。なお、ハイブリッド車は引き続き出荷停止の措置が継続される。
ダイハツでは、2023年12月20日に、全てのモデルが出荷停止の措置が取られた。現在は、国土交通省による立会試験などを行い、道路運送車両法の基準に適合しているかの検証を進めている段階にある。
一方、2024年5月の法規対応も差し迫ったテーマとなっており、4月下旬にレックスの現行モデルの生産を終了することをスバルは告知した。「後退時車両直後確認装置」装着の義務化が継続生産車にも適用されることになり、一部改良なしでは販売ができない状況となる。これについては、ロッキー/ライズも含めて、一部改良を実施した新型の生産に切り替わることが想定される。
以上は、あくまで「ガソリン車」の話である。
ロッキー/ライズのハイブリッド車については、今回の大規模認証不正の発端となったモデルの一つでもあり、2023年5月19日より出荷が停止されたままとなっている。この間、納車待ちであった契約者には強制キャンセルなども行われた。これにより、多数のバックオーダーは解消されているだろうから、出荷再開が優先されるモデルでは無いはず。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ロッキーに派生車種の発売計画あり、認証不正により実現性は不透明
現行型ロッキーは、2019年11月にダイハツより発売されたコンパクトSUVで、姉妹車種として、トヨタ・ライズ、スバル・レックスがラインアップされてきた。
クロスオーバーSUVブームのなか、ロッキーは比較的手軽なサイズと価格が設定されていることもあり販売は好調で、2023年(1~12月)の販売台数は、姉妹車種合計で8万台を超えた。さらに、この勢いに乗じてか、派生車種と思われる「ロッキー スペース」なるモデルネームが、ダイハツによって日本国特許庁に商標出願されていることが明らかとなった。これにはトヨタ版の「ライズ スペース」もある。
これらは、現行型ロッキーよりも一回り大きいトヨタ・ヤリス クロスの対抗となるようなモデルか、あるいは以前より噂されていた新開発の3列シートSUVの可能性がある。「ロッキー スペース」の発売時期としては、2024年が予想されていたが、ダイハツの認証不正により実現は現実的ではなくなった。2025年以降の発売に期待したい。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ロッキー 一部改良で値上げ、2022年11月発売
ロッキーが一部改良を受けて、2022年11月1日に発売された。2021年11月にe-SMART HYBRIDを搭載するハイブリッド車をラインアップに追加してから1年が経過するタイミングとなる。法規対応と値上げが主な内容となった。
また、ロッキーとほとんど同じエクステリアが与えられた姉妹車種「レックス」がOEM生産され、スバルから2022年11月11日に発売された。
レックスは1.2L NAエンジン搭載の2WDモデルのみが設定される。ハイブリッドモデルや1.0Lターボ車、4WD車は設定されない。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
小型SUVロッキーに新開発e-SMARTハイブリッドシステムを搭載、ダイハツ独自開発、2021年11月
小型車を中心にラインアップを展開するダイハツであるが、大きな課題とされてきたのが電動化であった。シリーズ式ハイブリッドのe-SMART HYBRIDを新開発し、人気SUVのロッキー/ライズに搭載し発売させた。
ロッキーシリーズの月間販売目標台数は2000台で、そのうちe-SMART HYBRIDが700台を占める。生産はダイハツの滋賀工場にて行われる。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ロッキーだけじゃない、e-SMART HYBRIDは他モデルにも展開、軽自動車版も予定
ダイハツがシリーズ式ハイブリッドの開発に意欲的であることは、かつてより特許出願の状況から予想がついていたが、ようやく市販車搭載として実用化に至った。また、トヨタグループの技術とノウハウが活用されたことも公式に発表されている。
さらにe-SMART HYBRIDは軽自動車へ採用拡大していくことが予告されている。今回ロッキーに採用された発電専用エンジンの排気量は1.2Lであったが、軽自動車向けの660cc未満のシステムが存在するようだ。
新開発のe-SMART HYBRIDは、ガソリンエンジンで発電し、その電力を使用してモーターで走行するシリーズ式ハイブリッドが採用された。他メーカーでは日産がe-POWERとして採用しているシステムと近い。
e-SMART HYBRIDは現在のところ2WDのシステムのみが用意される。マイナーチェンジでは4WDの追加が期待されるが、現在のところ具体的な情報は無い。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型ロッキーのラインアップ
新型ロッキーのエンジン、駆動方式に組み合わせによるパワートレインラインナップは3種類となる。
- 1.2L HEV e-SMART HYBRID(FF)
- 1.2L NA ガソリン(FF)
- 1.0L ターボ(4WD)
新型ロッキー 1.2L HEV e-SMART HYBRID(FF)
ロッキー e-SMART HYBRIDで提供される駆動方式はFFのみとなる。100%モーター駆動による走行の特徴は、レスポンスの良い加速性能と高い静粛性となる。
また環境性能も優秀で、発電と充放電を最適に制御することで、コンパクトSUVクラストップレベルの低燃費と低価格が実現された。
エンジンは発電専用に最適化し新開発された直列3気筒1.2LのWA-VEX型で、最高出力82 PS、最大トルク105 Nmのスペックとなる。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型ロッキー 1.2L NA ガソリン(FF)
一方で、より低価格なガソリンエンジン車もラインアップされるが、そのFFモデルには新開発の直列3気筒 1.2L エンジンのWA-VE型が搭載され、最高出力87 PS、最大トルク113 Nmのスペック。同タイプエンジンとしては高い燃費性能が実現された。低回転時のエンジントルクが高められ、日常の走行シーンで使いやすい性能に仕上げられている。
新型ロッキー 1.0L ターボ(4WD)
従来の1.0Lターボエンジンは4WD車に限り、採用が継続される。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型ロッキー e-SMART HYBRIDの便利な機能、装備
スマートペダルを装備、ブレーキ踏み込み頻度を減らす
スマートペダルとして、アクセルペダルの踏み込みの強弱による加減速機能が備わったことで、ブレーキペダルの使用頻度を減らした車速コントロールが可能となった。
スマートペダルは特に加減速を繰り返す走行パターンで、アクセルとブレーキの踏み変え頻度を下げることになり、ドライバーへの負担が軽減される。こういったアクセル操作の特徴も日産のe-POWERに近いと言えるだろう。
スマートペダルをOFFにすることで、従来車通りの運転フィールを継承した走行も可能となる。
また、力強い発進加速を特徴とする「ノーマルモード」と燃費に優しい「エコモード」が選択可能となる。低速ではクリープ走行を残すことで、街乗りや駐車時の扱いやすさは従来のAT車が再現されている。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
最新のステレオカメラを採用、スマートアシストが進化
ダイハツ車で最多となる19個の予防安全機能が搭載された。
衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ機能が夜間の歩行者検知に対応。標識認識機能は、最高速度と一時停止の標識認識種類が増やされた。路側逸脱警報機能、ふらつき警報機能も追加された。
電動パーキングブレーキ(オートブレーキホールド機能付)採用
電動パーキングブレーキの採用により、全車速追従機能付ACCに停車保持機能が追加された。自動運転化技術のなかでも実用性の高い機能のため、最近は注目しているユーザーも多い。
CTA(コーナリングトレースアシスト)搭載
コーナリング時に車両が外側に膨らんでいることを検知した場合、内輪にわずかな制動力を加えることで旋回方向が補正される。コーナリングを安定化させる機能が追加された。
災害時でも使える100V 1500Wの外部給電機能
停車中であればスマートフォンの充電や、万が一の時に合計1500W以下の電気製品が使える外部給電機能が搭載された。
「ロッキー」一部改良、モデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
(このページには、権利者より報道目的または個人的・非営利目的の場合のみの使用が許可されている画像・動画を使用しています。)
ロッキー モデルチェンジまとめ
まとめ更新日: 2024/04/21
- 2019年11月 フルモデルチェンジ発売。モデルネームは22年7ヶ月ぶりに復活仕様された。
- 別デザイン、別仕様のOEM車種、「ライズ」をトヨタに車体供給
- 2021年11月 一部改良で新開発シリーズ式ハイブリッドの「e-SMART HYBRID」搭載モデルを追加
- 2022年11月 の一部改良は法規対応と1万円の値上げ
- ロッキーとほとんど同じエクステリアのOEM姉妹車種、スバル・レックス発売
- 2023年12月20日 ダイハツ生産の全車種が出荷停止
- 2024年3月18日よりガソリン車の生産再開
- 2024年4月19日にハイブリッド車の基準適合性の確認完了
- ロッキーの派生車種「ロッキー スペース」が計画中
新型ロッキー 価格リスト 2022年11月
グレード |
エンジン | トランスミッション | 駆動 | 価格(円) |
L | 1200cc NA | CVT | 2WD | 1,677,000 |
X | 1,820,000 | |||
Premium G | 2,068,000 | |||
X HEV |
1200cc HEV e-SMART HYBRID |
- | 2WD | 2,126,000 |
Premium G HEV | 2,357,000 | |||
L | 1000cc TC | CVT | 4WD | 1,954,800 |
X | 2,096,700 | |||
Premium G | 2,328,200 |
ライズ 2021年11月 一部改良の内容
- 新開発ハイブリッドエンジン搭載モデル(FF)の追加
- 1.2L NA ガソリン車(FF)を追加
- 従来1.0L ターボ車は4WDモデルのみで継続