新型ムーヴが正式発売、2025年6月5日
ダイハツは2025年6月5日、新型軽自動車「ムーヴ」を正式発売しました。認証不正問題に伴う開発スケジュールの見直しにより約2年遅れとなりました。すでに、5月12日から先行予約の受付が開始されていました。新型ムーヴの最大の注目点は全グレードで標準装備された後席スライドドアとなります。
新型ムーヴ価格表(消費税10%込み)
グレード | エンジン | 駆動 | 価格(円) |
L | NA | 2WD | 1,358,500 |
4WD | 1,485,000 | ||
X | 2WD | 1,490,500 | |
4WD | 1,617,000 | ||
G | 2WD | 1,716,000 | |
4WD | 1,842,500 | ||
RS | ターボ | 2WD | 1,897,500 |
4WD | 2,024,000 |
メーカー希望小売価格は1,358,500円から2,024,000円となります。ラインアップはL、X、G、RSの4グレードで、それぞれ2WDと4WDが用意されています。RSグレードにはターボエンジンが搭載されます。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
外観デザインは「ムーヴらしい“動く姿が美しい”端正で凛々しいデザイン」を掲げ、フロントからリアへと流れるキャラクターラインや伸びやかなウィンドウグラフィックによって躍動感が演出されています。縦型リアコンビネーションランプは初代モデルから継承されたアイコンであり、フロントグリルとヘッドランプはシームレスに一体化され、シャープさと先進性を強調しています。
インテリアでは機能美を優先し、インパネのオーディオ位置を低めに配置することで前方視界を広げました。
シートとドアアームレストには同一素材を採用し、統一感とともに腕への負担軽減にも配慮しています。RSおよびGグレードにはシルバーステッチ付きネイビー表皮やメッキ加飾が施され、上質さが際立っています。
ボディカラーは定番色から2トーンまで全13色を設定しており、新たに開発された「グレースブラウンクリスタルマイカ」を加えることで、動きの美しさを引き立てます。さらに、ダークメッキを基調に大人のスポーティさを演出する「ダンディスポーツスタイル」と、カッパー色の加飾を基調に上品さを強化する「ノーブルシックスタイル」を設定し、個性的な選択肢も用意されています。
走行性能はDNGAプラットフォームを基盤にムーヴ専用チューニングを施し、低速域から高速域までストレスのない加速性能を実現しています。RSグレードにはステップシフト制御が採用されており、リズミカルなエンジン音とリニアな加速感を生み出します。サスペンションとステアリングはムーヴ専用設定とし、動き出しの振動を抑えた上質な乗り心地と、キビキビしたハンドリングを両立させています。15インチタイヤと高性能ショックアブソーバーを備えるRSでは、高速道路走行時にも優れた安定感を確保しています。ドライビングポジションはフロントピラーの傾斜やヒップポイントを最適化し、運転席からの見晴らしを向上させました。ホールド性の高いシートにより、長時間の運転でも疲れにくい仕様となりました。燃費性能はWLTCモードで22.6㎞/Lを達成し、2030年度燃費基準80%をクリアしています。
安全装備では最新のステレオカメラを搭載した「スマートアシスト」を採用し、夜間歩行者や追従二輪車の検知に対応した衝突警報機能および衝突回避支援ブレーキ機能を備えています。ブレーキ制御付誤発進抑制機能が万一の踏み間違いを抑制し、ACC(アダプティブクルーズコントロール)はRSに標準、Gにはメーカーオプションで設定可能です。また、ディーラーオプションとしてBSM(ブラインドスポットモニター)を用意し、後方から接近する車両を検知してドライバーに警告します。専用電子カードキーを用いた急アクセル時加速抑制機能「プラスサポート」も選択可能であり、アクセル踏み過ぎ時に警報を鳴らすとともに加速を抑制します。ダイハツコネクトには「スマアシレポート」や「うっかりアシスト」などの見守り機能が充実し、車両メンテナンス時期通知やリコール未実施時のスマートフォン通知、過去1年分の走行履歴記録機能が追加され、安全運転と保守管理がサポートされます。
利便性の面では、全グレードで後席スライドドアを標準装備しています。RS・G・Xにはパワースライドドア(タッチ&ゴーロック機能/ウェルカムオープン機能付き)を採用し、閉まりきる前にフロントドアハンドルのタッチ式リクエストスイッチに触れるだけでドアロック予約が可能になります。ウェルカムオープン機能を使えば、降車時にインパネスイッチで次回の自動オープンを予約でき、車両接近時にスイッチ操作なしでドアが開くため、買い物帰りや両手に荷物がある状況でも快適に乗り降りできます。また、半ドア状態から自動で全閉するイージークローザー機能を全車に採用し、誰でも楽にドアを閉められるように配慮されています。さらに、運転席および助手席周辺には使い勝手の良い収納アイテムを配置し、2WD車にはラゲージアンダーボックスを設定することで、シューズ類や小物などの収納に便利なスペースが確保されています。前後乗員間距離として1,055㎜が確保され、リアシート左右分割ロングスライドにより荷室アレンジの自由度が高められており、日常の使い勝手に配慮したパッケージングが実現されています。
装備面では、電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が採用され、渋滞時などでもドライバーの疲労が軽減されます。運転席・助手席シートヒーターや360°スーパーUV&IRカットガラスが装備され、室内の快適性が向上しています。メーカーオプションの9インチディスプレイオーディオは、ワイヤレス対応のApple CarPlayおよびAndroid Autoに対応し、音声操作でエアコン制御やメーター情報の表示切替が可能です。
Qi規格のワイヤレス充電器とHDMIソケット(インパネ1口)をセットで選択することで、車内の利便性がさらに高められています。ディーラーオプションの10インチスタイリッシュナビや前後カメラ+室内録画に対応したドライブレコーダーも用意されます。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型ムーヴのボディカラー
ボディカラーは、モノトーン10色とツートーン3パターンが用意されます。
モノトーン(全10色)
・ホワイト
・ブライトシルバーメタリック
・ブラックマイカメタリック
・スカイブルーメタリック
・シャイニングホワイトパール
・レーザーブルークリスタルシャイン
・サンドベージュメタリック
・グレースブラウンクリスタルマイカ
・コンパーノレッド
・クロムグレーメタリック
ツートーン(全3パターン)
・ブラックマイカメタリック × シャイニングホワイトパール
・ブライトシルバーメタリック × スカイブルーメタリック
・スムースグレーマイカメタリック × グレースブラウンクリスタルマイカ
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型ムーヴにハイブリッドは無し、しかし将来的に追加される可能性あり
新型ムーヴのフルモデルチェンジ初期モデルにはハイブリッド仕様が含まれていませんが、将来的に追加される可能性は高いと考えられます。

新型ムーヴの案内チラシ(画像提供 @copen125様)
ダイハツは軽自動車向けハイブリッド開発の中止を2024年7月に発表していました。しかしその後、2025年4月に、ダイハツが成長路線への回帰を図り、新型ムーヴにハイブリッドを設定する方針へ転換したことを日刊自動車新聞が報じていました。想定されるシステムは、ロッキーで採用済みの1.2リットル e-SMART HYBRID を軽自動車用エンジンで最適化したシリーズ式ハイブリッドで、モデルサイクル中期からの導入が予想されます。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型ムーヴ、実質的にはムーヴキャンバスから派生したベーシック車種に
新型ムーヴは、1995年に発売された初代モデルから数えて7代目にあたります。この新型ムーヴでは、これまでの商品コンセプトが大きく変更され、従来の後席ヒンジドアは廃止され、新たに両側にスライドドアが装備されます。この変更は、2022年にフルモデルチェンジを受けたキャンバスの派生車種であることが想定され、新たな方向性を示しています。
キャンバスは、現在「ストライプス」と「セオリー」という2つの異なるイメージでラインアップされており、「新型ムーヴ」としてベーシックでスポーティなエクステリアデザインが加わることになります。
上級モデルとして設定されていた「ムーヴ カスタム」は廃止されることが想定されており、従来のヒンジドアを装備したモデルは直接的な後継車種が設定されないことになるでしょう。従来コンセプトのモデルは6代目ムーヴが最後のモデルになる可能性が高くなっています。新型ムーヴの導入は、ブランドの進化だけでなく、市場のニーズに応じた技術的な進歩をも反映していることがうかがえます。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ムーヴ ハイブリッド、e-SMART HYBRID搭載車は無し
新型ムーヴには「e-SMART HYBRID」の搭載が期待されていましたが、フルモデルチェンジのタイミングでの採用は見込まれていません。ダイハツが開発したこのシリーズ式ハイブリッド技術は、1.2Lエンジン仕様がコンパクトSUVの「ロッキー/トヨタ・ライズ」で先行して採用されていました。また、軽自動車向けバージョンには排気量660cc未満の発電エンジンが搭載されるということでしたが、開発が中止となったことが2024年7月に発表されました。
新型ムーヴが軽自動車として「e-SMART ハイブリッド」を初めて搭載する車種になるという期待もありました。2022年10月の日刊自動車新聞の報道では、2023年秋にダイハツから軽HVが発売されると報じられ、これは「ムーヴ」の当初のフルモデルチェンジの時期と近いものでした。特に、「新型ムーヴ e-SMART HYBRID」がジャパンモビリティショー2023へ出品されることが期待されましたが、実現しませんでした。
新技術としては、「DNGAプラットフォーム」や「D-CVT」といった技術の採用が新型7代目ムーヴのフルモデルチェンジで期待されています。これらの技術の組み合わせにより、新型ムーヴはその性能と利便性をさらに向上させることが予想されます。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
出遅れたムーヴのフルモデルチェンジ、軽自動車市場はN-BOX、スペーシアの新型が注目
2023年後半より、軽自動車のセグメントでは新たな販売競争が盛り上がっています。ムーヴのライバルである、ホンダ・N-BOXとスズキ・スペーシアがフルモデルチェンジを果たしました。
ダイハツも新型ムーヴを市場に投入し、ライバルたちとの競争に名乗りを上げる予定でした。しかし、2023年、ダイハツは多くの困難に直面しました。試験不正が発覚したほか、大規模なリコールが発生し、さらには部品供給先の火災もありました。
2023年5月には、ロッキーとライズのハイブリッドモデルでのポール側面衝突試験における不正が発覚しました。この不正は非常に重大な問題とされ、結果的には生産停止にまで発展しました。この生産停止が、新型ムーヴの発売遅れの切っ掛けとなりました。

新型ムーヴの案内チラシ(画像提供 @copen125様)
2023年5月にダイハツから一部のユーザーに向けて配布されたリーフレットが、新型ムーヴに関する唯一の公式情報源となっています。リーフレットには、新型ムーヴの構造において大きな変更が予定されていることが記されています。特に後席スライドドアの採用は注目され、これは従来のコンセプトを大きく覆すものです。しかし、期待されていた軽自動車向けのe-SMART HYBRIDの採用が見送られていることも確認されました。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型ムーヴも「不正の対象となる車種」であった可能性
2023年、ダイハツは新型ムーヴの市場投入に向けたフルモデルチェンジの準備を進めていました。しかし、同年4月と5月に発覚した不正問題により、新型車の投入が一時停止されました。この不正問題は、車種の安全性や品質に関する基準を満たしていない可能性があるとされ、業界内外で大きな注目を集めました。
2023年12月20日には、ダイハツの第三者委員会が新たに174件の不正が発覚したと報告しました。これにより、現行販売モデルの多くが不正の対象となりました。この発表の中で、「開発中車種」が不正の対象に含まれていることが明らかにされ、具体的には新型ムーヴである可能性が高いと考えられます。新型ムーヴは、リーフレットの配布だけでなく認証申請も実施されていたため、開発がほぼ完了していたことが想定されます。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型ムーヴへのフルモデルチェンジ、実質キャンバスのデザイン違い派生車種を想定
2022年のダイハツでは、ムーヴの派生モデルである「ムーヴ キャンバス」が先行してフルモデルチェンジされるという番狂わせがあった。その理由は、ヒンジドアを装備する従来コンセプトによるムーヴの終了と考えることができそう。
ムーヴシリーズは、スライドドア装備モデルが本流として、継続されることになる。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ムーヴはフルモデルチェンジでe-SMART HYBRIDの搭載が期待されるが、初期モデルでは採用無し
ダイハツはシリーズ式ハイブリッドのe-SMART HYBRIDを軽自動車へ導入する方針でいる。e-SMART HYBRIDは、これまで1.2Lエンジン版が登録車のロッキーに搭載されてきたが、さらに発電エンジンの排気量が660cc未満の軽自動車向けがあることが明らかとなっている。
その最初の搭載モデルは、2023年のフルモデルチェンジが予想されるムーヴであることが期待される。ただし、ミライースの後継モデルも初搭載モデルとして有力な候補となっている。
次期ムーヴへのD-CVTの採用は、ターボ車に限られる可能性
新型ムーヴがフルモデルチェンジを果たす2023年という発売時期を考えた場合、従来的なコンベンショナルガソリンエンジン車の採用継続も予想される。この場合、トランスミッションとしては遊星ギア式動力分割機構を備えた金属ベルト式CVTの「D-CVT」の採用が期待される。
フルモデルチェンジを果たした新型キャンバスおよびタフトでは、コストが重視された結果、「D-CVT」の採用はターボエンジン車に留まった。一方で、2019年7月にフルモデルチェンジ発売された新型タントでは、NA車、ターボ車を含めて全車に「D-CVT」が採用されている。このあたりの採用実績から、NAエンジンを搭載する軽自動車への「D-CVT」の導入は、車体重量の重いモデルに限定しているようだ。次期ムーヴへの「D-CVT」導入も、ターボ車のみに限られる可能性がある。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型ムーヴよりもルーミーのフルモデルチェンジを優先か
ダイハツでは試験不正、大規模リコールに次ぐ、新たな問題として、2023年6月18日に仕入先が火災に遭った。これによる部品欠品のため国内完成車工場の稼働を一部停止させていた。これも7月10日より順次、操業が再開された。
そして、火災による部品欠品の対応では、ダイハツの各モデルに対する姿勢も表面化した。ムーヴについては、ちょうど生産が行われていない時期であったが、ダイハツの多くの車種の生産が停止された。
そのなかでも、トールと姉妹車種のトヨタ・ルーミーについては、生産停止の対象車種とはならなかった。これについては、部品の共通化が多くの車種間で行われるなか、たまたまトールとルーミーの部品が火災による影響を免れることができたのか。あるいは、在庫部品がルーミーに優先的に供給され、親会社のトヨタへの納品を遅らせたくなかったのかは不明。いずれにせよ、トヨタが発表する注文からの工場出荷時期によれば、今回の火災の影響で、ルーミーの納期が長期化するという状況にはならなかった。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
遂に従来型6代目ムーヴ生産終了、姉妹車種と派生車種は先行して販売終了していた
従来型6代目ムーヴが生産終了となったが、姉妹車種、派生車種については先行して生産終了、販売終了が発表されていた。
スバルブランドから販売されてきたムーヴの姉妹車種ステラは、既に生産終了が発表されており、在庫販売を以って現行型モデル全ての販売終了が告知されていた。
また、ムーヴがベースの派生車種、キャスト スタイルは2023年6月上旬に生産終了すると告知されていた。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ムーブのフルモデルチェンジ、延期2023年6月19日発売は実現せず、大幅再延期の可能性
フルモデルチェンジを遂げた新型ムーヴはスライドドア採用という大きな進化が盛り込まれる。リーフレットも配布され発売間近というところまで漕ぎ着けていたが未だ発売の目処は立っていない。
フルモデルチェンジのスケジュールについては、当初計画されていたのが、2023年5月10日のティザーキャンペーン開始というものであった。しかしダイハツは、4月28日に海外向け車種の側面衝突試験不正に関する謝罪を行い、これによる自粛のため最初の延期が実施された。

新型ムーヴの案内チラシ(画像提供 @copen125様)
しかし、一部の顧客に向けた新型ムーヴを案内するリーフレットについては発送が手配されたままとなっていたようで、その内容は公に知られるものとなった。新型ムーヴのエクステリアはもとより、後席スライドドアが装備されることや価格帯までもが明らかとなった。また、フルモデルチェンジで期待されていた、軽自動車向けハイブリッドが用意されないことも判明した。
その後、ダイハツにおいては国内向けモデルの法令違反が発覚した。「ロッキー/トヨタ・ライズ」のハイブリッドモデルにおいて、ポール側面衝突試験の報告に虚偽があるというものであった。これについては、その後の社内試験により、実際の品質、安全性には問題が無かったことを5月26日に発表している。
そして、同日5月26日付けで、ダイハツは14.7万台規模のリコールを届け出てた。これには、令和元年に製作したムーヴの一部も含まれている。ムーヴ、キャスト、ミラ イース、ミラ トコット、タント、ウェイク、ハイゼット キャディー、ムーヴ キャンバス、コペン、ハイゼット トラックのリコールについて(届出番号 5321)
この大規模リコールによる対応が、新型ムーヴの6月19日発売スケジュールを再延期させる直接的な原因となっていたようである。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ムーヴよりも先にフルモデルチェンジされたムーヴキャンバス
かつての「ムーヴ」は、セールス実績の面からもダイハツを代表する軽自動車モデルであった。しかし、軽自動車セグメントを取り巻くニーズは変化しつつあり、近年では、スライドドアを装備したモデルが、ブランドを問わず販売の中心となっている。ムーヴ シリーズでも、スライドドア装備の派生車種「ムーヴ キャンバス」がラインアップされており、2022年は本家の「ムーヴ」を差し置いて、2代目へのフルモデルチェンジが実施された。これは、ヒンジドアを採用してきた従来型ムーヴの重要度が、相対的に下がっていることを感じさせるものであった。
一方で、6代目ムーヴの価格ラインナップを見てみると、エントリーモデルは 113万5200円で用意されている。「ムーヴ キャンバス」のエントリー価格 149万6000円との差は大きい。こういった価格面でのメリットもあってか、ムーヴの販売台数はモデル末期でありながらも堅調に推移してきた。価格の面からは、ヒンジドア装備の軽自動車は、まだまだラインナップの中では無くてはならない存在となっており、これからはミライースが担うことになる。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
ムーヴの歴史は1995年から始まる、2023年フルモデルチェンジで7代目登場へ
ムーヴシリーズのスタートは、1995年にまで遡る。当時の軽自動車規格は現在よりもボディサイズが一回り小さい旧規格であった。しかし翌1996年には、衝突安全性を理由に軽自動車規格は全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下に改訂され、現在と同じボディサイズへと拡大された。
ムーヴシリーズにおいては、1997年に上級グレードの「カスタム」が登場するも、1998年には早くも2代目モデルへフルモデルチェンジを受け、新たな軽自動車規格に対応された。
ムーヴシリーズは、これ以降も短いサイクルでのフルモデルチェンジが実施されており、2002年に3代目モデル(L150/152/160S型)、2006年に4代目モデル(L175/L185S型)、2010年に5代目(LA100/110S型)、2014年に6代目(LA150/160S型)が発売となった。
現行の6代目モデル登場までは、平均3年10ヶ月の周期でフルモデルチェンジが実施されてきたわけだが、6代目モデルの販売は既に8年目に突入しており、フルモデルチェンジが遅れている状況である。
ただしその間に、スライドドア装備の派生車種としてムーヴキャンバスを2016年に発売。ムーヴ 通常モデル/カスタムのマイナーチェンジも2017年に実施されており、市場環境の変化に応じて商品力が維持されてきた。
新型ムーヴのフルモデルチェンジは延期、不正の膿を出し切り、2025年の発売に期待
新型ムーヴにおける当初の2023年5月に発表というスケジュールは大幅に延期されたままである。
新型ムーヴの登場も期待されたジャパンモビリティショー2023であるが、ダイハツはプレスカンファレンスを自粛した。新型ムーヴに関する出品も無く、発売に向けた具体的な動きは見られなかった。
ダイハツは2023年末に、生産終了する複数の車種を発表しました。
ダイハツのラインアップでは、従来型ムーヴについては、販売を終了。ミラトコットが2023年12月上旬に生産を終了し、登録車のブーンも2023年12月中旬で生産が終了することが決定している。また、本家のトヨタ・カムリと同様に、OEMモデルのアルティスも2023年12月下旬に生産が終了する予定となっている。
「新型ムーヴ」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
現行型ムーヴ、2021年9月の一部改良内容
現在販売中のモデルは、2021年9月の一部改良モデルと、その特別仕様車となる。フルモデルチェンジが迫っており、これらが現行型最終モデルとなるだろう。
- オートライトを標準装備(法規対応。2021年10月1日より継続車にも義務化される装備となる。)
ムーヴ / ムーヴカスタム
- 全11グレードから9グレードに 集約
- 特別仕様車「カスタムX “VS SAⅢ”」を新設定(ベースの「カスタムX “ Limited SAⅢ”」にパノラマモニター対応カメラを特別装備)
特別仕様車「カスタムX “VS SAⅢ”」の車両価格は、2WD 1,419,000円、4WD 1,545,500円となる。
ムーヴ フロントシートリフト(昇降シート車)
- 従来の「カスタムX “Limited SAⅢ”」にパノラマモニター対応カメラを標準装備した「カスタムX “LimitedⅡ SAⅢ”」を新設定
- 従来の 「X “SAⅢ”」に純正ナビ装着用アップグレードパックを標準装備した「X“LimitedⅡ SAⅢ”」を新設定
(このページには、権利者より報道目的または個人的・非営利目的の場合のみの使用が許可されている画像・動画を使用しています。)
新型ムーヴ、フルモデルチェンジまとめ
まとめ更新日: 2025/06/06
- 2025年5月12日に先行予約スタート
- 2025年6月5日に正式発売
- 「新型ムーヴにHV」があることを日刊自動車新聞が報道 2025年4月10日
フルモデルチェンジによる新型ムーヴの特徴
- 両側スライドドア装備でコンセプトを大きく変更
- 実質的に2022年に先行フルモデルチェンジされたムーヴキャンバスから派生するベーシック車種
- DNGAプラットフォームによる軽量化
- D-CVTの採用
- 従来カスタム廃止
- 軽自動車向けe-SMART HYBRID追加の可能性
新型ムーヴ 画像 2025年6月
新型ムーヴの案内チラシ 画像提供ありがとうございます
新型ムーヴの案内きたけどスライドドアなんや! pic.twitter.com/loZiuLGuY7
— おっちー (@copen125) May 10, 2023