ダイハツ・タントおよびタントカスタムの一部改良が2022年秋冬に実施される見込み。これに備えた販売調整のため、従来型タントの受注が一旦終了となる動きが出ている。
現行型タントは2019年7月に発売された4代目モデル。初代モデル回帰の横長ヘッドランプユニットを特徴としたエクステリアには、これまで手が加えられてこなかった。今回の改良はフェイスリフトを含めた大掛かりなものとなることが予想され、マイナーチェンジ相当の内容となりそう。
タントに派生クロスオーバーSUV追加の可能性、ウェイク後継車
一方でダイハツの軽自動車ラインアップでは、スライドドア装備で全高1,835mmの広大なキャビンを特徴とするウェイクが、2022年8月11日に生産終了となることが正式に予告されている。
このカタログ落ちとなるウェイクの後継モデルとして、タントに新たな派生モデルが計画されており、マイナーチェンジのタイミングで発売される見込み。
ウェイクのポジションを引き継ぐタント追加モデルは、クロスオーバーSUVテイストのエクステリアになるとされており、スズキ・スペーシアギアと直接対抗する車種となりそう。
タントのマイナーチェンジではスマートアシストの装備と機能充実が予想される
タントは軽自動車セグメントの中でも特に人気のボディタイプであるスーパートール軽ワゴンであることからも、従来通り約6年というモデルサイクルのペースが維持されるだろう。
販売期間3年を過ぎた2022年秋冬頃の一部改良では、新デザインのエクステリアのほか、装備面でも安全運転支援システムのスマートアシスト搭載車のさらなる拡充が予想される。
ちなみに前回、2021年秋の改良では、一部グレードで電動パーキングブレーキとオートブレーキホールドが装備され、特に高速道路渋滞時におけるアダプティブクルーズコントロールの利便性が向上した。また、ターボエンジン搭載車にはコーナリングトレースアシスト機能が標準装備され、旋回性能が向上している。

タントのハイブリッド化はいつ?軽自動車版「e-SMART HYBRID」が導入される時期
2022年秋冬のタントのマイナーモデルチェンジで期待されるもののなかには、新開発の軽自動車向けe-SMART HYBRID搭載車の追加があった。ハイブリッド車の追加発売が待望されているわけだが、これは見送りになっている可能性がある。
ダイハツは、2021年11月に新開発のシリーズ式ハイブリッド、e-SMART HYBRIDを小型SUVのロッキーに搭載させ発売した。これには発電エンジンの排気量が660cc未満の軽自動車版があることが予告されていた。
e-SMART HYBRIDは、軽自動車のなかでも特に車体重量が大きいタントへの搭載が期待されているが、最初の採用車種は2023年頃にフルモデルチェンジ発売されるミライースかムーヴの次期型になることが予想される。
タントにe-SMART HYBRIDが搭載されるのは、2022年秋冬のマイナーモデルチェンジのタイミングではなく、2025年頃が想定されるフルモデルチェンジ時となる可能性があり、まだしばらくは待たされることになりそうだ。

軽自動車の電動化は進行する、タント ハイブリッドの登場時期にEVを投入予定
ダイハツの軽自動車は、スズキが採用してきたISG方式のマイルドハイブリッドを使わない方針を取ってきており、これまで電動化が遅れていた。軽自動車向けe-SMART HYBRIDの導入により、ようやく電動化が前進することになる。
例外的に、2005年発売のハイゼットカーゴ・ハイブリッドがあったが、車両価格と燃費性能のバランスが良いとは言えず、大きなセールスに結びつけることができなかった。
またダイハツの軽自動車のEV化については、EVプラットフォームをスズキと共同開発することを発表している。その市販化タイミングは2025年頃になる見込みで、これはタントハイブリッドの登場時期と近くなりそう。
ライバルの日産&三菱は2022年5月20日に軽自動車EVを発表した。さらにホンダも2024年の軽自動車EVの発売を予告している。軽自動車のEV導入時期については、ダイハツとスズキは少しタイミングが遅れることになる。
