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ルノー日産アライアンスが三菱自動車を傘下に、これが最終目標か
燃費不正問題に揺らぐ三菱自動車であるが、日産自動車の傘下で再建される計画が進められつつある。
日産自動車と三菱自動車は2011年にNMKV社を共同出資で設立し、軽自動車部門の協業を行ってきた。これによって三菱ブランドのeKワゴンおよびeKスペース、日産ブランドではデイズおよびデイズルークスの各シリーズが販売されてきた。そして先月2016年4月、これらの車種のJC08モード燃費の値が不当に水増しされたものであることが、日産側の告発により明らかとなった。
その後の調査で、燃費性能の表示に不正があったモデルは、さらにRVRなど登録車にも存在することが判明。逆に不正の無かったモデルは、ミラージュ、デリカD:5、アウトランダーPHEVのほかに他社からOEM供給されるモデルとしている。
日産は2000億円以上をかけて三菱自動車の株式の34%を取得し、筆頭株主となる見込み。ルノー日産アライアンスによる年間販売台数は三菱自動車の100万台規模が加算され、950万台規模となる。これはトヨタ、フォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズのトップ3らに迫る水準だ。
軽自動車技術とプラグインハイブリッド、三菱自動車を傘下に入れ日産が得るものは大きい
さて、軽自動車事業が協業であるにもかかわらず日産が被害者的立場にあるのは、実際の開発生産が三菱自動車が担っていたことにあるだろう。燃費データ改竄はすべて三菱自動車側で行われていた。
これ以前にも三菱自動車は2000年のリコール隠し問題にはじまり、販売が振るわない状況がずっと続いていた。それでも軽自動車技術だけでなく、プラグインハイブリッド技術、タイを拠点としたアジア市場での販路、三菱グループ内での販売など魅力的な部分もあった。今後、不正があったモデルの補償問題は残るが、日産が三菱自動車を傘下に入れることで得るものは大きい。もちろん、このような着地点を想定して、日産は告発に踏み切ったものと想像するが。