7人乗りプリウスαとウィッシュを比較

トヨタ

上質感を求めるならプリウス、便利なファミリカーならウィッシュ

ワゴン版プリウスとしてデビューしたプリウスα。その7人乗りバージョンを現行のウィッシュと比較してみる。
この2車種はハイブリッドシステムの有無の違いを除けば、車体サイズ、乗車定員など共通する部分が多く比較の対象になりやすい。
7人乗りプリウスαは300万円から、一方ウィッシュは184万円からとかなりの価格差があり、ガソリン代の差額を考慮しても7人乗りプリウスαは割高感がある。

ボディサイズ比較

プリウスαが全長4615mm×全高1575mm×全幅1775mm。これに対しウィッシュは全長4590mm×全高1590mm×全幅1690。
全長の25mmの差はほとんど誤差の範囲だろう。
プリウスαの全高が15mm低いが、これはミニバンとしての広々感に効いてくる。
ウィッシュは全幅を1695mmと5ナンバーサイズに抑えていることも注目したい。プリウスαのような伸びやかなエクステリアとはいかないが、取り回しのいいボディサイズは日常での使い勝手がいい。

3列目シートの実用性には大きな差がある

プリウスαとウィッシュの寸法上の全長についてはほぼ同じであるが、プリウスαはハイブリッドシステムの容積分、室内の広さにしわ寄せが来ている。
特に3列目シートは非常に窮屈で、ドライバーとして客を乗せるのを躊躇ってしまう。
ウィッシュでの3列目シートの乗客のニースペースが握りこぶし一つ分だとすれば、同じ条件でのプリウスαでは手のひらが入るか入らないかぐらいの余裕しかない。
3列目シートを使う機会のある人にとって、この差は大きく感じるはずだ。
3列目シートのクッションの厚みはどちらの車種も補助席のレベルで乗り心地に関しての期待はできない。

ただし1列目の運転席および助手席の出来は、プリウスαの方がコストがかかっていて上質。ウィッシュは悪くはないが普通のファミリカーの範疇を出ていない。
2列目シートも同様にプリウスαの方が上質感があるし、さらに幅が広いので評価が高い。ただし、室内高に余裕がないので座面高が低く設定してあり、大人の男性であればひざ周りがしっくりこないはずだ。
ウィッシュの2列目シートは質素だが、より自然な着座ができると感じた。

走りの質はプリウスαが有利

ガソリンエンジン部分は1.8Lでどちらもほぼ同じの出力といえる。プリウスαに限ってはこれに強力なモーターアシストが付くわけだから、当然2クラスぐらい上の走行性能になる。
乗り心地については、プリウスαの方が重厚でしなやかなサスペンションが効いており評価が高い。

燃費の差はどれぐらいになるか?

プリウスαの10・15モード燃費は31.0km/L、これに対しウィッシュは16.4km/L。
ただしこれはあくまでもカタログ燃費。
既に多くのユーザー燃費データが寄せられているノーマルの三代目プリウスのデータからプリウスαの実燃費を予測してみると、14~18km/Lぐらい、平均で16km/L程度になると予想できる。
一方ウィッシュの実燃費は12.33km/Lというユーザー燃費データが出ている。
この燃費の差がどれぐらいの燃料費の違いになるか、ガソリン価格1リッター150円で計算すると、10万キロ走行で約28万円、20万キロ走行で56万円となる。
20万キロも走行するようなケースは一般家庭の自家用車としてはそう多くないだろうから、燃料費の節約という理由だけでは、なかなか選択できないのがプリウスαである。

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