現行型ロッキーは、2019年11月にダイハツより発売されたコンパクトSUVで、姉妹車種として、トヨタ・ライズ、スバル・レックスがラインアップされてきた。2023年秋は、販売5年目となるタイミングでもあり、フェイスリフトを含むマイナーチェンジの実施が期待される。しかし、現時点ではオーダーストップの動きは見られない。ダイハツは、2023年3月30日時点の工場出荷時期を公表しており、これによるとロッキーはガソリン車、ハイブリッド車ともに5ヶ月以上としている。さらに、ライズのハイブリッドモデルについては、2024年以降の納期を案内している販売店もあり、2023年秋が期待されるマイナーチェンジは、現実的なスケジュールではなさそうだ。
クロスオーバーSUVブームのなか、ロッキーは比較的手軽なサイズと価格が設定されていることもあり販売は好調で、2022年度(4~3月)の販売台数は、姉妹車種合計で9万台を超えた。さらに、この勢いに乗じてか、派生車種と思われる「ロッキー スペース」なるモデルネームが、ダイハツによって日本国特許庁に商標出願されていることが明らかとなった。これにはトヨタ版の「ライズ スペース」もある。

これらは、現行型ロッキーよりも一回り大きいトヨタ・ヤリス クロスの対抗となるようなモデルか、あるいは以前より噂されていた新開発の3列シートSUVの可能性がある。「ロッキー スペース」の発売時期としては、2024年が予想されており、これはロッキーのマイナーチェンジと同時に実施されるかもしれない。
「ロッキー」一部改良、マイナーチェンジの<まとめ><新価格表>は、次のページ
ロッキー 一部改良で値上げ、2022年11月発売
ロッキーが一部改良を受けて、2022年11月1日に発売された。2021年11月にe-SMART HYBRIDを搭載するハイブリッド車をラインアップに追加してから1年が経過するタイミングとなる。法規対応と値上げが主な内容となった。
また、ロッキーとほとんど同じエクステリアが与えられた姉妹車種「レックス」がOEM生産され、スバルから2022年11月11日に発売された。

レックスは1.2L NAエンジン搭載の2WDモデルのみが設定される。ハイブリッドモデルや1.0Lターボ車、4WD車は設定されない。
「ロッキー」一部改良、マイナーチェンジの<まとめ><新価格表>は、次のページ
小型SUVロッキーに新開発e-SMARTハイブリッドシステムを搭載、ダイハツ独自開発、2021年11月
小型車を中心にラインアップを展開するダイハツであるが、大きな課題とされてきたのが電動化であった。シリーズ式ハイブリッドのe-SMART HYBRIDを新開発し、人気SUVのロッキー/ライズに搭載し発売させた。
ロッキーシリーズの月間販売目標台数は2000台で、そのうちe-SMART HYBRIDが700台を占める。生産はダイハツの滋賀工場にて行われる。
「ロッキー」一部改良、マイナーチェンジの<まとめ><新価格表>は、次のページ
ロッキーだけじゃない、e-SMART HYBRIDは他モデルにも展開、軽自動車版も予定
ダイハツがシリーズ式ハイブリッドの開発に意欲的であることは、かつてより特許出願の状況から予想がついていたが、ようやく市販車搭載として実用化に至った。また、トヨタグループの技術とノウハウが活用されたことも公式に発表されている。
さらにe-SMART HYBRIDは軽自動車へ採用拡大していくことが予告されている。今回ロッキーに採用された発電専用エンジンの排気量は1.2Lであったが、軽自動車向けの660cc未満のシステムが存在するようだ。
新開発のe-SMART HYBRIDは、ガソリンエンジンで発電し、その電力を使用してモーターで走行するシリーズ式ハイブリッドが採用された。他メーカーでは日産がe-POWERとして採用しているシステムと近い。
e-SMART HYBRIDは現在のところ2WDのシステムのみが用意される。マイナーチェンジでは4WDの追加が期待されるが、現在のところ具体的な情報は無い。
「ロッキー」一部改良、マイナーチェンジの<まとめ><新価格表>は、次のページ
新型ロッキーのラインアップ
新型ロッキーのエンジン、駆動方式に組み合わせによるパワートレインラインナップは3種類となる。
- 1.2L HEV e-SMART HYBRID(FF)
- 1.2L NA ガソリン(FF)
- 1.0L ターボ(4WD)
新型ロッキー 1.2L HEV e-SMART HYBRID(FF)
ロッキー e-SMART HYBRIDで提供される駆動方式はFFのみとなる。100%モーター駆動による走行の特徴は、レスポンスの良い加速性能と高い静粛性となる。
また環境性能も優秀で、発電と充放電を最適に制御することで、コンパクトSUVクラストップレベルの低燃費と低価格が実現された。
エンジンは発電専用に最適化し新開発された直列3気筒1.2LのWA-VEX型で、最高出力82 PS、最大トルク105 Nmのスペックとなる。
「ロッキー」一部改良、マイナーチェンジの<まとめ><新価格表>は、次のページ
新型ロッキー 1.2L NA ガソリン(FF)
一方で、より低価格なガソリンエンジン車もラインアップされるが、そのFFモデルには新開発の直列3気筒 1.2L エンジンのWA-VE型が搭載され、最高出力87 PS、最大トルク113 Nmのスペック。同タイプエンジンとしては高い燃費性能が実現された。低回転時のエンジントルクが高められ、日常の走行シーンで使いやすい性能に仕上げられている。
新型ロッキー 1.0L ターボ(4WD)
従来の1.0Lターボエンジンは4WD車に限り、採用が継続される。
「ロッキー」一部改良、マイナーチェンジの<まとめ><新価格表>は、次のページ
新型ロッキー e-SMART HYBRIDの便利な機能、装備
スマートペダルを装備、ブレーキ踏み込み頻度を減らす
スマートペダルとして、アクセルペダルの踏み込みの強弱による加減速機能が備わったことで、ブレーキペダルの使用頻度を減らした車速コントロールが可能となった。
スマートペダルは特に加減速を繰り返す走行パターンで、アクセルとブレーキの踏み変え頻度を下げることになり、ドライバーへの負担が軽減される。こういったアクセル操作の特徴も日産のe-POWERに近いと言えるだろう。
スマートペダルをOFFにすることで、従来車通りの運転フィールを継承した走行も可能となる。
また、力強い発進加速を特徴とする「ノーマルモード」と燃費に優しい「エコモード」が選択可能となる。低速ではクリープ走行を残すことで、街乗りや駐車時の扱いやすさは従来のAT車が再現されている。
「ロッキー」一部改良、マイナーチェンジの<まとめ><新価格表>は、次のページ
最新のステレオカメラを採用、スマートアシストが進化
ダイハツ車で最多となる19個の予防安全機能が搭載された。
衝突警報機能、衝突回避支援ブレーキ機能が夜間の歩行者検知に対応。標識認識機能は、最高速度と一時停止の標識認識種類が増やされた。路側逸脱警報機能、ふらつき警報機能も追加された。
電動パーキングブレーキ(オートブレーキホールド機能付)採用
電動パーキングブレーキの採用により、全車速追従機能付ACCに停車保持機能が追加された。自動運転化技術のなかでも実用性の高い機能のため、最近は注目しているユーザーも多い。
CTA(コーナリングトレースアシスト)搭載
コーナリング時に車両が外側に膨らんでいることを検知した場合、内輪にわずかな制動力を加えることで旋回方向が補正される。コーナリングを安定化させる機能が追加された。
災害時でも使える100V 1500Wの外部給電機能
停車中であればスマートフォンの充電や、万が一の時に合計1500W以下の電気製品が使える外部給電機能が搭載された。