クラウンクルーガーは2021年の上海モーターショーで公開されたモデル。次期CROWNはクロスオーバー車になるという噂のなかで登場したモデルだけに、中国市場だけでなく日本発売も待望された。


中国仕様クラウンクルーガーは、日本では販売されない
次期CROWNのクロスオーバー化について、その最初の報道は2020年11月の中日新聞によるものであった。さらにトヨタ内部の関係者によるプロジェクトの存在を肯定するコメントがいくつもキャッチされてきた。その約半年後に上海モーターショー2021で発表されたのが中国の「クラウンクルーガー」である。
クラウンクルーガーは、北米ハイランダーを中国市場に導入する際に姉妹モデルとして設定されたモデルネーム。これは、噂となっていたCROWNのクロスオーバーモデルを正に具現化した車種でもあった。
ただし、その販売は中国に限られ、日本市場で販売される計画は無い。
前述の通り、日本市場向けには別の計画が進行中であり、中国の「クラウンクルーガーとは」異なる。
クラウンクルーガー中国仕様がハイランダーと同時発表
当初の情報では、北米ハイランダーをベースにした別デザインで、クラウンのエンブレムが備わるとされてきた。そして、上海モーターショーのクラウンクルーガーが、正にこの条件を満たすモデルとなった。
同ショーでは中国仕様ハイランダーの新型も同時デビューとなったわけが、クラウンクルーガーとは姉妹車種の関係にある。これらの中身はほとんどが共通化されるが、内外装の差別化によってクラウンクルーガーが上級ポジションに置かれる。
クラウンクルーガーのボディサイズは全長5015mm×全幅1930mm×全高1750mmとなる。ランドクルーザー300系と比較しても、クラウンクルーガーの方が、全長において上回っており、相当に大きな車体であることがわかる。
また、クラウンクルーガーとランドクルーザー300のホイールベースは、いずれも2850mmであるが、ボディ骨格は全くの別物となる。ラダーフレーム構造を取り入れたランドクルーザー300に対し、クラウンクルーガーはTNGA(GA-K)プラットフォームが採用される。
別の見方をすれば、カムリ、RAV4、ハリアーなどとプラットフォーム共用の関係にあり、クラウンクルーガーはロングホイールベース化されている。
中国ではクラウンクルーガーのほか、クラウンヴェルファイアもある
クラウンクルーガーというモデルネームについても様々な意見が出されているところである。これまでCROWNシリーズは中国市場でも販売されてきており、一般的に高級車として認識されるほどのポジションを確立してきた。
ただし、近年はレクサス車種のほうが、トヨタ系高級車として新鮮なイメージがあるのも事実。「CROWN」というモデルネームが持つブランド力は、中国ですら「かつての高級車」のイメージになりつつあった。
そして、同じ上海モーターショーで発表されたのが、クラウンヴェルファイアである。中国において「CROWN」は、高級モデルの冠として、車種を問わず使っていく方針なのだろうか。
これと同じブランディングを日本でやったとしても、ユーザーに受け入れてもらえるとは考え難い。
クラウンクルーガーは日本発売されないが、新型が計画中
クラウンクルーガーはボディサイズがあまりにも大きなモデルとなっていることもあり、日本で販売される予定は無い。日本向けには新型CROWNが計画中となっており、これには別デザインのクロスオーバースタイルの派生モデルが登場する予定となっている。

