
クラウンスポーツ スパイショット リーク画像@inatetsu0823様ご提供
新型「クラウンスポーツ」は、2023年の年末頃の発売が予想される。遂に、国内を走行中のテスト車両がスパイショットされた。

クラウンスポーツ スパイショット リーク画像@MACCHa_tart様ご提供
クラウンスポーツのパワートレインについては、「BEV説」と「PHEV説」の2つがあった。スパイショットからは、左右のリアフェンダーに合計2つの給油口または充電口が存在しているのが確認できる。仮に「BEV」であるなら普通充電口と急速充電口、「PHEV」であるなら給油口と充電口ということになるだろう。少なくとも「HEV」や「コンベンショナルエンジン車」である可能性は無くなった。
クラウンスポーツに貼られたバッジの雰囲気から、PHEV確定を出すのは早すぎではないか
次に話題となっているのが、バックドアのバッジである。拡大すると先頭は「●」で、末尾は「V」ではないだろうか。
「●」は、新型プリウスで車体への貼り付けが初採用となった「BEYOND ZERO」のアイコンで、「宇宙船から見た地球」を意味する。
「●」を採用するバッジは、現在のところ「●HEV」と「●PHEV」の2種類が存在し、クラウンスポーツに貼られるのがこれらのいずれかであるなら「●PHEV」ということになる。ただし、これだけでクラウンスポーツがPHEVであることを確定するのは早すぎる。「BEYOND ZERO」のアイコンは電動車全般に用いられることが想定される。今後、「●BEV」や「●FCEV」が登場する可能性があり、特に前者が最初に貼られるモデルは、新型クラウンスポーツかもしれない。
シールで隠されたバックドアのバッジだけで、パワートレイン種別を判断するのは、現段階では難しいように思える。
クラウンスポーツ、BEVからPHEVへの変更は簡単にできるのか?
クラウンスポーツは、新型クラウンシリーズの4つのボディタイプの一つとして、2022年7月にデザインスタディモデルがエクステリアが公開されていた。
その姿は、2021年12月の「バッテリーEV戦略に関する説明会」で発表済みの「Crossover EV」と同様のデザインであったことから「BEV」となる可能性が高いと考えられてきた。
しかし、その後にトヨタのBEV戦略の見直しがロイターによって報じられた。その検討対象の車種として、特に「クラウン」シリーズが名指しされており、クラウンスポーツは「PHEV」に変更されたのでは、という噂があった。BEVであればe-TNGAプラットフォーム、PHEVであればTNGA-Kプラットフォームの採用が想定されるが、BEVからPHEVの変更ともなれば、プラットフォームの変更も伴いそうだ。ただし、e-TNGAは、TNGA-Kから派生したEVプラットフォームという経緯があり、その変更は比較的容易である可能性はある。
クラウンスポーツ、e-TNGAならフロントフェンダーに充電口では?
一方、今回のクラウンスポーツ開発車両のリーク画像から、左右リアフェンダーへの給油口あるいは充電口の配置が確認できるが、これはe-TNGA車種の「bZ4X」が左右フロントフェンダーに充電口をそれぞれ配置していることと一致しない。
また、TNGA-KのハリアーPHEVは、左右リアフェンダーに給油口と充電口を備えており、クラウンスポーツと一致する。これらの事実については、クラウンスポーツがPHEVである可能性を高めるものかもしれない。
ただし、間違いなくBEVとして計画されていた「Crossover EV」の写真からは、充電口がリアフェンダーに配置されているのが薄っすらと確認できる。
給油口あるい充電口の位置で、BEVかPHEVを判別するのも、やはり現段階では難しそうである。
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「クラウンスポーツ」はBEVで計画されている可能性
「クラウンスポーツ」のエクステリアデザインは既に公開済み。2022年7月の市販型「クラウン クロスオーバー」の発表会では、コンセプトモデルとして「クラウン スポーツ」「クラウン セダン」、「クラウン エステート」の3モデルも同時公開された。
なかでも「クラウン スポーツ」は、ハッチバックタイプのクロスオーバーSUVに仕上げられており、2021年12月の「バッテリーEV戦略に関する説明会」で出品されていたコンセプトカー「Crossover EV」そのものであった。
つまり、「クラウンスポーツ」はBEVで計画されている可能性が濃厚で、プラットフォームには「e-TNGA」の採用が見込まれる。
しかしその後、トヨタのEV戦略の大幅な見直し検討が、ロイターによって2022年10月に報じられた。
「e-TNGA」は、ガソリン車からBEVへの移行期に最適化されている。従来のガソリンエンジン搭載車と同じ製造ラインで生産されることが前提で、これでは他ブランドBEVに対して、コストや製品クオリティなどで競争力を持つことが難しい。世界的なBEVへの移行が想定以上のスピードで進むなか、もっと本格的なBEVを早期に製品化させる必要性が出てきている。
このため、「e-TNGA」をベースとした新型BEVの市場投入計画をキャンセルするとともに、次世代BEVプラットフォームの前倒し導入が検討されている。これは、BEV専用ラインの導入だけでなく、ギガプレス(大型アルミ鋳造機)の採用なども検討対象に含まれる。
その一方で、発売中の「e-TNGA」採用モデル「bZ4X」については、増産が検討されている。新規の「e-TNGA」採用車種の発売中止で空きとなった生産枠が活用されることになるだろう。
新プラットフォーム採用のBEV登場までは、既存ラインアップの「bZ4X」などの販売台数を増やすことで乗り切ることになる。
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トヨタ、EV戦略見直し検討 クラウンなど開発一時停止=関係者
トヨタ自動車が電気自動車(EV)事業を巡り、戦略の修正を検討していることが分かった。基本設計のプラットフォーム(車台)も見直しの対象に含めており、2030年までにEV30車種をそろえるとしていた従来の計画の一部は既にいったん止めた。
(中略)
小型の多目的スポーツ車(SUV)「コンパクトクルーザー」や高級車「クラウン」のEV版も含まれる。
(中略)
見直しの焦点となっているのは、トヨタがEV用に開発した「e-TNGA」と呼ばれるプラットフォーム(車台)。…
新型クラウンスポーツの想定される仕様、予想価格
新型クラウンスポーツのボディサイズ
新型クラウンスポーツは開発目標値ならがもボディサイズが示されている。
- ホイールベース:2770mm
- 全長:4710mm
- 全幅:1880mm
- 全高:1560mm
新型クラウンスポーツはe-TNGAプラットフォームを採用
トヨタの新世代BEVは、e-TNGAと名付けられた共通プラットフォームをベースに開発される。新型クラウンスポーツがBEVであればe-TNGAの採用となるだろう。
既にe-TNGAプラットフォームで商品化されたモデルは、bZ4Xと姉妹モデルのスバル・ソルテラがあり、さらにレクサス・RZ450eも加わった。これらの車種はいずれもホイールベースが2850mmで、SUVのボディスタイルを採用したものである。
新型クラウンスポーツは5ドアハッチバックとクロスオーバーSUVを融合させたボディスタイルが採用された。まるで、ポルシェ・マカンのような風貌に仕上げられている。新型クラウンスポーツのホイールベースは2770mmということで、先行する3つのe-TNGA車種と比較して80mm小さくなる。
ただし、トヨタブランドのフラッグシップである「クラウン」を名乗るだけあって、車格的にはbZ4Xより上級に仕上げられることが予想される。むしろRZ450eに近いぐらいのプレミアムイメージとなるだろう。bZ4XとRZ450eはバッテリーサイズこそ同等の71.4kWhという容量を搭載するが、両者のモーター出力パフォーマンスは全く異なる。bZ4Xのフロント80kw、リア80kwに対し、RZ450eはフロント150kw、リア80kwで、後者のフロントのモーター出力は大幅に強化されている。こういった関係性の中で、クラウンスポーツの仕様がどのようになるのかが注目される。
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新型クラウンスポーツの価格を予想
クラウンスポーツのエントリー価格は、700万円前後が予想される。
先行してe-TNGAプラットフォームを採用する市販モデルは、bZ4Xと姉妹車種のスバル・ソルテラがある。リース専用車のbZ4Xは参考価格として、FWDモデルが600万円、4WDモデルが650万円で設定されている。またソルテラは、FWDが594万円、AWDが638万円となっており、さらにET-HSグレードとして本革シートなど上級装備をまとったハイクオリティモデル(AWD)が682万円で設定されている。
クラウンスポーツのエントリー価格は、ソルテラのET-HSグレードと同程度か上回ることが予想され、その額は700万円前後になることが予想される。販売の中心となってくるグレードの価格帯は、さらに上となりそう。
新型クラウンスポーツにはステアバイワイヤシステム装備の可能性
ステアバイワイヤシステムも新型クラウンスポーツで採用が期待されるものの一つ。ステアバイワイヤシステムはRZ450eで導入済みだが、bZ4Xにおいては中国仕様に限り用意され日本仕様には設定が無い状況となっている。

クラウンスポーツ発売予定 まとめ
- 「バッテリーEV戦略に関する説明会」の「Crossover EV」市販型
- e-TNGAプラットフォーム採用のBEVの可能性
- 発売時期として2023年を予告(2023年末ごろ予想)
- トヨタのBEV計画の見直しによりPHEV化の可能性あり
- ホイールベース2770mm(先行販売中クラウンクロスオーバーは2850mm)
- 全長4710mm✕全幅1880mm✕全高1560mm
- 予想エントリー価格700万円前後か?(共通プラットフォームのソルテラ最上級682万円を超えると予想)
- RZ450eで先行導入されるステアバイワイヤシステムの採用で差別化の予想