新型クラウンエステート 発売、2025年3月13日
トヨタは新型クラウンエステートを2025年3月13日に発売しました。
クロスオーバー、スポーツ、セダンに続いてクラウン群の4つ目のモデルとなるエステートは、認証取得の遅れもあってか登場が大幅に遅れました。
シリーズのなかで、最も大きなボディサイズを持ち、仲間や家族と一緒に楽しむアクティブライフを念頭にユーティリティが追求されています。
パワートレーンにはハイブリッド車(HEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)が設定され、堤工場で生産されます。月販基準台数は1,500台(うちPHEVが500台)とされます。
ボディサイズは全長4,930mm、全幅1,880mm、全高1,625mmという堂々とした寸法です。
WLTCモード燃費はPHEVが20.0km/L、HEVが20.3km/Lとなります。
消費税込みメーカー希望小売価格は、「ESTATE RS」PHEV(A25A-FXS 2.5L・E-Four)が8,100,000円、「ESTATE Z」HEV(A25A-FXS 2.5L・E-Four)が6,350,000円に設定されます。
今回のエステートは「上質」「洗練」「余裕」と「機能性」を兼ね備える新たなデザインを提示しており、ワゴンとSUVを融合させた独自のスタイリングが印象的です。伸びやかなキャビンを活かせるGA-Kプラットフォームを採用し、車両前後を貫くシャープなショルダーラインを取り入れながら、フロントフード上のキャラクターラインと連続性を持たせることで流麗さとダイナミックさを両立しています。
さらに21インチの幅広大径タイヤ(アルミホイール)を装着して力強さを加え、バンパーと一体化したフロントグリルには車体と同色の意匠を用いてスタイリッシュさを際立たせています。
グリルのメッシュパターンを上から下に変化させる手法で洗練された印象を演出し、水平基調のデイライトランプを取り入れたハンマーヘッドフェイスや、バックドア面に配した一文字のリヤコンビネーションランプによって、ワイド感と先進性を強調しています。
内装にはクラウンシリーズ共通の「アイランドアーキテクチャー」が採用されており、メーター・ディスプレイを水平にレイアウトすることで運転操作に集中しやすい空間が目指されています。
サドルタンとグレイッシュブルーのトリム部分にはビンテージ調の「雲柄」をあしらい、上質さのなかにアクセントが効いた印象です。ボディカラーはモノトーン5色とバイトーン5色を用意し、PHEV専用色として「プレシャスメタル」と「マッシブグレー」のバイトーンカラーを設定しています。
インテリアカラーはシリーズ共通のブラックやサドルタンに加え、PHEV専用としてアクティブかつ洗練された「グレイッシュブルー」を唯一採用しました。
荷室容量は通常時570L、リヤシートを格納すれば1,470Lもの広さが確保され、大きな荷物を積みやすいだけでなく、トヨタとして初めて装備された「ラゲージルーム拡張ボード」により、後席折りたたみ時には長さ2mの完全フルフラットスペースが生み出されます。
荷室床面には利用者の大切な荷物を安心して置けるよう肌触りの良い素材が使われ、さらにラゲージ部には引き出し式のデッキチェアやデッキテーブルなどをスマートに収納できる工夫が盛り込まれています。
これらのアイテムにはクラウンの王冠マークがあしらわれ、シックな色合いで統一感と特別感を演出しながら、車中泊や外出先でも快適に過ごせるくつろぎ空間を実現しています。
走行面では「大人のアクティブキャビン」をコンセプトに、ストレスなく長距離移動を楽しめる乗り味を追求するサスペンション設定がなされています。高速域での操縦安定性を高めるDRSに独自のセッティングを施し、AVSにも減衰力の向上や摩擦低減を図る設定を加えています。
ノーマルモード、スポーツモード、リヤコンフォートモードの3つのドライブモードによって走りのキャラクターを明確化し、ドライバーや同乗者の好みに合わせて上質で快適な走行感覚を得られるよう工夫されています。なかでも後席の乗り心地を重視したリヤコンフォートモードは専用のDRS制御とAVS制御を組み合わせ、車内全席で揺れの少ないストレスフリーな移動を楽しめるよう配慮されています。
パワートレーンには効率向上と性能向上が追求された2.5Lハイブリッドシステムを搭載し、クロスオーバーやスポーツに採用されたフロントモーターと比較して約5割もの出力向上を果たしたことで、多くの荷物を積んだ状態でもゆとりある加速が可能になっています。
プラグインハイブリッドシステムにおいては出力密度の高い駆動用モーターを採用し、気持ちの良い加速と静粛性の両立を実現しています。さらに高いエネルギー密度を持つ大容量リチウムイオン電池を床下に配置することで車内空間を損なわず、EV走行距離を89km確保しているため、日常生活の大部分を電気だけでカバーできるメリットがあります。
シリーズのなかでもひときわ大きく、荷物や快適性を重視するユーザーに向けた新型クラウンエステートは、デザインや機能、走行性能のすべてにおいて“大人のアクティブライフ”を幅広く支える仕上がりになっています。
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新型クラウンエステート 車中泊 ラゲッジ 実測値まとめ
- 5人乗車時のラゲッジ奥行きは 約1030mm
- ラゲッジフロアからバックドア開口上部までの高さ 約703mm
- バックドア開口幅、下部の比較的広い箇所 約1116mm
- ラゲッジ幅が最も狭くなる、ホイールハウス部分 約1013mm
- 後席背もたれ延長の先端からバックドア内張り 約1960mm
- ドライバーズシートが運転できるシート位置の背もたれからフロア後端まで 約1904mm
- 助手席の最前方シート位置の背もたれからフロア後端まで 約2214mm
- 助手席の最前方シート位置の背もたれと、後席延長背もたれの隙間約 244mm
測定使用機器:ボッシュ(BOSCH)レーザー距離計 ZAMO3
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クラウンエステート、延期に次ぐ延期でようやく発売、認証取得遅れ
クラウンエステートの発売時期に関する経緯として、当初はホームページに「2023年度内」と記載されていましたが、「2024年央以降」に変更され、最初の延期が明らかになりました。その後、SNS上で「2024年7月末」という情報がリークされ、販売員もそれを認めるなど、発売準備が進んでいると考えられました。しかし、読売新聞によって「2024年10月以降」への延期が報道され、発売は実現しませんでした。その後、2024年末以降の発売が見込まれましたが、2025年3月という具体的なデビュー時期が報道されました。
当初、トヨタは延期の理由を「商品の作り込みのため」と説明していました。しかし、トヨタグループ内での不正発覚もあり、その影響が見え隠れしていました。その後、この問題はグループ内にとどまらず、トヨタ自動車本体でも型式認証不正が発覚する事態となりました。トヨタは新規の認証取得を見送る判断をしてきており、新型クラウン エステートもその影響を受けたと思われます。
クラウン エステートは、2022年7月に発表されたクラウンシリーズ全4車種のうちの一つで、エクステリアとインテリアのデザインは先行して公開されてきました。
一方、マツダの新型「CX-80」も発売が遅れていましたが、2024年10月に日本発売されました。
CX-80はクラウン エステートの直接的なライバルと見ることもでき、両モデルとも国内向けとしては大型のクロスオーバーSUVという特徴を持っています。「クラウン エステート」は2列シートであるのに対し、「CX-80」は3列シートが設定されており、乗車定員は大きな違いの一つです。
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新型クラウンエステートPHEVの車両価格は800万円前後が予想された
新型クラウンエステートへ搭載されたPHEVは、GA-Kプラットフォームに対応した、2.5L PHEV(A25A-FXS型)で、先行してクラウンスポーツなどで市販車搭載実績がある。
そのクラウンスポーツ PHEVは、765万円の価格設定となった。同じクラウンシリーズでボディサイズが大きくなるクラウンエステートでは、これを上回る価格が予想されてきたが、発売日には810万円と発表された。
この他、比較的低価格なHEV(4WD)モデルも用意され、635万円に設定された。
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クラウンエステートのインテリア動画公開、後席背面に仕掛け有り
トヨタが公開した「クラウンエステート」のインテリア動画からは、車中泊にも対応した、工夫された後席シートの構造を見ることができる。
後席をフォールディングさせると、完全フラットの荷室が登場する。ここまでは、他のいくらかの車種でも実現していそうだが、後席ヘッドレストと前席シートバックの隙間をどう埋めるかという問題があった。
後席シートの裏側には、通常5名乗車時には折りたたみ収納された板が仕込まれている。車中泊時には、この板を前方に展開することで、後席ヘッドレストの上に覆いかぶさり、ラゲッジ後端から前席シートバック直前までのフラットな床面を実現している。
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新型クラウンエステートはGA-Kプラットフォーム、ロングホイールベース採用
複数のボディタイプでシリーズ化される新型「クラウン」であるが、なかでもミドルクラスのSUVスタイルに仕上げられるのが「クラウン エステート」となる。かつてワゴン車に使われていたモデルネームが、16年ぶりに復活採用されることになる。
ボディスタイルはSUVで、プラットフォームにはTNGA(GA-K)のロングホイールベース版が採用される。トヨタが海外販売してきた従来車種、北米「ハイランダー」や中国「クラウンクルーガー」といったモデルとキャラクターが近い。これらと比較して、「クラウンエステート」の全高が低く抑えられており、よりスポーティな仕上がりとなった。定員は5名で、3列シートや7人乗りの設定は無い。
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GA-KプラットフォームのSUVといえば、国内では「ハリアー」や「RAV4」、「レクサスNX」といったホイールベース2690mmのものに限られていた。
そんななか、2022年には「クラウンクロスオーバー」、「新型レクサスRX」が発売され、GA-Kの2850mmロングホイールベース版を採用するモデルが国内ラインアップに加わっている。
新型「クラウンエステート」は、居住性が重視された広いキャビンスペースが与えられる。レクサス新型RXに対するトヨタブランド版という位置づけという考え方もできるだろう。
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新型クラウン エステート、実質的に中国車クラウンクルーガーを別設計で日本発売
また、2021年に中国で「クラウン クルーガー」が発表されたときは、その日本発売の可能性についても話題となっていた。「クラウン クルーガーの日本発売は無い」という予想が大多数であったが、結局はクラウン名義で特徴が近いモデルを日本発売させることになった。
ただし、クラウンクルーガーに装備される3列シートは、新型「クラウン エステート」では設定されない。
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新型クラウン エステートはHEVとPHEVを採用
新型クラウンエステートへ搭載されるパワートレインは、HEVとPHEVが採用される。ロイターは、日本向けの新型クラウンシリーズの中に、プラグインハイブリッドが存在することを報道していた。PHEVはクラウンエステートのほか、クラウンスポーツにも採用された。
新型クラウンの4つのボディタイプの中で、特にツアラーとしての側面が大きいのが、このクラウンエステートである。PHEVならではの航続距離の長さと、ガソリン給油が可能なことは、ユーザーから大きな支持を得そう。
また、新型クラウンエステートのフロントグリルのエアインテークが閉じられたスタイルであることも、PHEVらしさを感じさせる部分である。

クラウンエステート(米国名Crown Signia)ワールドプレミア、日本時間2023年11月15日 正午
新型クラウンエステートの米国向けモデル「クラウン シグニア(Crown Signia)」が発表された。2024年夏の米国発売が予告された。
日本仕様クラウンエステートは、2023年度内の発売が予告されており、パワートレイン選択肢としてHEVとPHEVが用意される見込み。米国仕様は、HEVのみが用意され、システム最高出力243HPで4WDの設定であることが発表された。2.5L A25A-FXS型ハイブリッドのE-Fourということになるだろう。
インテリアでは、12.3インチのフルデジタルメーターのほか、12.3インチのディスプレイオーディオが備わる。
新型クラウンシグニアは、米国でのトヨタ・クラウンモデルの第二弾となる。2023年に、トヨタ・クラウン(クロスオーバー)が、51年のブランクを経て米国市場で復活している。
また、米国向けクラウンシグニアの最終組立は堤工場で行われることも発表された。
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新型クラウンエステートが2023年年度内発売予定、SUVとワゴンのクロスオーバー

新型クラウンの16代目へのフルモデルチェンジ発表は2022年7月に行われた。そこでは、FFレイアウトの採用というクラウンシリーズにとって大きな節目を迎えることになったが、なかでも驚かされたのは、数年前から噂されていた4つのボディタイプ全てが市販化されるということである。

「クラウン」は、1955年の初代モデルから先代15代目モデルまで、セダンという枠の中で発展してきたわけだが、新型16代目以降はボディ形状を問わず、トヨタのフラグシップ級の複数車種を統合するブランドネームとして使われることになる。
そして、4つのボディタイプに採用されるプラットフォームも多種多様となる。そんななか、「クラウン エステート」は、先行発売される「クラウン クロスオーバー」と共通プラットフォームとなる。ホイールベース2850mmのGA-Kプラットフォームが採用される。
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新型クラウンエステート発売 まとめ
まとめ更新日: 2025/03/26
- 日本発売2025年3月13日
- 延期の経緯、2023年度内→2024年央→2024年7月末→2024年10月以降→2024年12月以降→2025年3月
- 全長4930mm × 全幅1880mm × 全高1620mm
- 定員5名、3列シート無し
- 「ホイールベース 2850mm」の「GA-Kプラットフォーム」は、クラウンクロスオーバーと共通
- HEVとPHEVが用意される
- 米国仕様クラウンシグニアが発表(2023年11月14日 米国時間)
- 2024年6月米国発売