新型クラウンセダンが2023年11月13日に発売されることが予告された。未だ正式な発売日は迎えていないものの、実質的な販売活動はスタートしている。一部ディーラーでは、新型クラウンセダンの抽選申し込みを受付けているようで、その申込書がSNSでリークしている。これによると抽選申込の締切日として、発売日の前日にあたる2023年11月12日が設定されているようだ。
また、これまで発表されてきた通り、新型クラウンセダンのパワートレインは、HEV(ハイブリッド車)とFCEV(燃料電池車)の2種類から選択可能となる。
元町工場での生産が計画されており、月販基準台数は600台。希少価値の高いモデルとなりそう。
ホイールベースは先行発表の通り3mとなった。採用したFRプラットフォームについてはプレスリリースで発表されていないが、GA-Lの採用が想定され、これは先代クラウンや、現行ミライとも共通となる。
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新型クラウンセダンHEVの車両本体価格は 730万円、新開発2.5Lマルチステージハイブリッド搭載
HEVは、新たに開発された2.5L マルチステージハイブリッドが搭載される。先代クラウン 3.5Lハイブリッド、またはレクサスLS500h、LC500hでは、V6 3.5L 8GR-FXS型のマルチステージハイブリッドが採用されてきたが、これらの技術をベースにしたダウンサイジング版に相当するだろう。
新型クラウンセダンのためだけに新開発したとは考えにくく、今後、トヨタおよびレクサスの2.5L HEVクラス車種への採用拡大も期待できそうだ。
新型クラウンセダンHEVの車両本体価格は730万円が設定された。先代クラウン3.5Lマルチステージハイブリッドのモデルが、RSアドバンス 7,107,000円、Gエグゼクティブ 7,393,000円といった価格であった。エンジンを2.5Lへダウンサイズして、従来3.5Lと同価格帯とすることで、昨今の自動車価格の値上がりを織り込んだようだ。
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新型クラウンセダンFCEVの車両本体価格は830万円
また、クラウンセダンFCEVは、第2世代FCシステムの採用としており、これは2020年にフルモデルチェンジした現行型ミライのシステムをベースにしたものとなる。3本の高圧水素タンクと燃料電池などを搭載し、1回あたり約3分の水素充填で約820km走行可能としている。
現行型ミライの価格は、エントリーがG 7,106,000円、最上級がZ“Executive Package Advanced Drive”8,600,000円となっている。実質的に、ミライのロングボディ版であることを考えると、新型クラウンセダン FCEVの830万円という価格は妥当なところか。
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新型クラウンセダン 走行テスト実施中 2023年10月
新型クラウンセダンについては、2023年10月の段階でもテストカーが目撃されていた。
既に、エクステリアは公開済みのため、三河の仮ナンバーが貼られたテストカーに擬装シールは貼られていない。リアビューでは、トランクリッドのトヨタのCI、「CROWN」の表記、「●FCEV」のバッジの3ヶ所が隠されているが、これらは2023年5月のプロトタイプ公開でデザインが明らかとなっている。またパワートレインラインアップとして「●HEV」があることも発表済みで、一般的なユーザーが購入可能な選択肢も与えられる。本テストカーがいずれのパワートレイン採用であるかは、写真からは判断が難しそう。
サイドビューでは、開発目標値3000mmというホイールベースの長さが目を引く。ロングホイールベース化されたGA-Lプラットフォームの継承が想定され、ボディサイズの開発目標値は、全長 5030mm×全幅 1890mm×全高 1470mmとなる。
サイドウィンドウからは、インテリアの一部を覗くことができる。本モデルは右ハンドル車であることが確認でき、日本仕様ということになるだろう。中央には、大型のディスプレイオーディオが備わる。
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クラウンセダン プロトタイプ出品 2023年5月
クラウンセダン プロトタイプが、2023年5月28~29日の日程で開催されたスーパー耐久富士24時間レース内のイベントで出品された。
これまで、クラウンセダンのボディは、2022年7月に発売中のクラウンクロスオーバーと同時に初公開されていた。さらに市販型に向けてバージョンアップされたモデルが、2023年1月の広州モーターショーで出品されていた。
その後、採用されるパワートレインと発売時期が発表された。これによると、HEV、FCEVが用意され、いずれも2023年秋の発売が予告された。今回出品された車両には、FCEVのバッジが貼られている。
今回、出品された車両は、中国仕様ということで、左ハンドルでディスプレイ表示など一部で中国語の表記が含まれるものとなる。広州モーターショーでの公開時には、エクステリアは明らかとなっていたものの、インテリアは非公開の状況であった。
そして、今回のクラウンセダンはプロトタイプながらも、走行が可能な状態となっており、ほぼ完成車両としての初公開となった。
2023年10月25日にプレスデーを迎えるジャパンモビリティーショーでの、日本仕様の公開が期待される。
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新型クラウンセダン、ヘッドランプユニットの点灯パターン
デイタイムライト OFF
デイタイムライト ON
ヘッドランプON
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新型クラウンセダンはHEVとFCEVが採用される
4つのボディタイプが用意される新世代クラウンシリーズであるが、このセダンだけがフロントノーズが長く、FRレイアウトの採用が想定されてきた。つまり従来クラウン直系の後継車種と考えられ、プラットフォームはGA-Lナローの採用となるだろう。新型クラウンセダンのボディサイズ、ホイールベースなどは開発目標値として以下のものが公表された。
- ホイールベース:3000mm
- 全長:5030mm
- 全幅:1890mm
- 全高:1470mm
- タイヤサイズ:19インチ/20インチ
- 定員5名
- HEV(FR)2023年秋頃発売
- FCEV(FR)2023年秋頃発売
FCEVについては、以前より開発が噂されていたMIRAIのロングホイールベース版に相当するモデルと考えることもでき、これをクラウン名義で販売するというのが、実質的なところかもしれない。また、HEVも設定されることが明らかとなった。
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クラウンセダンの発売時期は2023年秋頃が予告された
新型クラウン セダンは2023年秋頃の発売が予告された。
2022年、クラウンはFFレイアウト採用という大きな節目を迎えた。一方で、新型クラウンシリーズには、合計4種類のボディタイプが設定され、特に「クラウン セダン」では、従来的なFRレイアウトが継承される。
現在のところ、クラウンセダンについて公表されているのは、市販型プロトタイプ相当と思われる車体と開発目標値であるボディサイズのみ。なかでも、ホイールベースは 3000mmと発表されている。クラウンクロスオーバーの2850mm、クラウンエステートの2850mm、クラウンスポーツの2770mmと比較して、クラウンセダンのホイールベースは最も長くなる。
新型クラウンセダンは、長いホイールベースと、短いフロントオーバーハングを特徴としており、FRレイアウトの採用が推測される。公開された真横からのレンダリング画像から、これらを計測し比率を算出した結果でも、FRレイアウトである可能性は高い。
そうなると採用されるプラットフォームはどうなるのか。4つのボディタイプの1車種だけのために、新規にプラットフォーム開発をすることは無いだろう。まだ設計が古いとは言えないGA-Lナロープラットフォームのキャリーオーバーが予想される。そして、これは220系クラウンのホイールベース2920mmから80mm延長させた、3000mmのロングホイールベース版ということになるだろう。
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新型クラウンセダンのFCEV版は、事実上MIRAIのロングホイールベース派生車
新型クラウンセダンがGA-Lプラットフォームの採用であるなら、搭載されるパワートレインはどうなるのか。新型クラウンセダンの発売時期としては2023年秋が計画されている。カーボンニュートラルが急速に進められる中、220系キャリーオーバーの直4ハイブリッドを採用したところで、クラウンシリーズ伝統のセダンに相応しいパワートレインと言えるだろうか。
新型クラウンセダンへの搭載パワートレインとして候補となっているのが、MIRAIから流用されるFCEVである。
センタートンネルと後輪の前と後に配置された水素タンクは3本で、ボンネット内の重量物は、エンジンではなく、水素と酸素の化学反応によって電力を取り出すFCスタックが置かれる。電気モーターで後輪が駆動されるFRということになる。
現行MIRAIは、クラスとしては後席が狭いことが弱点とされてきた。そして、これを改善したロングホイールベース版の開発が噂されていた。予てから開発してきたロングホイールベース版のMIRAIを、ブランド力で実績のあるクラウン名義で販売する、ということになる。
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クラウンセダンが中国発表、より市販型に近づいた「皇冠 Sedan」 2023年1月
クラウンセダンは2022年7月にはデザインスタディ相当のモデルがワールドプレミアとなり、発売時期として2023年が予告されていた。2023年1月に広州モーターショーで発表されたモデルは、より市販型に近い、プロトタイプであることが想定される。外板パネルの継ぎ目の位置なども変更されており、生産を前提とした現実的なモデルに仕上げられている。ナンバープレートに表記された中国でのモデルネームは「皇冠 Sedan」となっていた。
デザインスタディモデルでは、フロントとリアのドアハンドルが一直線に並ぶことで、水平基調が強調されていた。今回発表のモデルでは、実用的な大きさにドアハンドルが大きくなっており、さらにリアドアハンドルはわずかに角度をつけて取り付けられているように見える。
左後方側面には四角形のフューエルリッドカバーが備わる。FCEVの採用が噂されるクラウンセダンであるが、ここからパワートレイン種類を判別するのは難しそう。
リアのテールランプは、クラウンクロスオーバーのように中央をトヨタエンブレムで区切ったものではなく、完全な一文字型となる。この一文字ランプの上方にトヨタエンブレム、下方に「CROWN」の文字が配置される。
今回の広州モーターショーでの出品により、新型クラウンセダンは中国市場での発売が確定的となった。日本市場と比較して、中国市場におけるプレミアムセダンの人気は高く、市場規模も大きい。その需要を満たすため、パワートレイン選択肢の一つに、ガソリンを燃料とするハイブリッドなどが含まれる可能性が考えられたが、事実、HEVの設定も予告された。
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新型クラウンセダンなど、GA-LとGA-K車種のレンダリング画像からフロントオーバーハングの比率を算出
FRレイアウトは一般的に、ホイールベースに対して、フロントオーバーハングが短くなるという特徴がある。新型クラウンセダン、及び既に仕様が判明しているGA-LナローとGA-Kプラットフォームの4車種(220系クラウン、新型クラウンクロスオーバー、新型レクサスRX、カムリ)について、真横からのレンダリング画像より計測を行い、ホイールベースを100%とした場合のフロントオーバーハングの長さを算出した。
この結果、新型クラウンセダンのフロントオーバーハングの比率は、GA-Lナロープラットフォームの220系クラウンに匹敵するほど小さいものであった。新型クラウンセダンは、GA-Kプラットフォームを採用するモデルとは明らかにボディの特徴が異なり、FRレイアウトが採用されていることが想定される。
レイアウト | プラットフォーム | WB [mm] | WB比率 | フロントオーバーハング比率 | |
220系クラウン | FR | GA-Lナロー | 2920 | 100% | 26.4% |
新型クラウンセダン | ? | ? | ? | 100% | 28.0% |
新型クラウンクロスオーバー | FF系 | GA-K | 2850 | 100% | 31.6% |
新型レクサスRX | FF系 | GA-K | 2850 | 100% | 33.0% |
カムリ | FF系 | GA-K | 2825 | 100% | 31.6% |
GA-Lナローは2018年フルモデルチェンジのクラウンからスタートしたばかり、引退は早すぎる
GA-Lナロープラットフォームは、現行ラインアップではFCEVのMIRAIで採用されるのみとなっており、また、2018年発売の220系クラウンから採用がスタートしたばかりで、クラウンシリーズでの採用を廃止するには早すぎる時期にある。
クラウンの16代目へのフルモデルチェンジにあたっては、GA-Kプラットフォーム採用モデルとは別に、GA-Lナロープラットフォームを継承した次期型FRセダンの計画があった。今回発表された「クラウン セダン」のボディは、計画中の「FRセダン」そのものであると考えられる。
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クラウンセダンはGA-LナローのFR継承、GA-K採用クロスオーバーから先行販売
4つのボディタイプが用意されワールドプレミアを迎えた新型クラウンは、クロスオーバーが先行して販売される。新型クラウン クロスオーバーはカムリやレクサスESと共通化される「GA-K」プラットフォームを採用するもので、遂にクラウンシリーズは「FFレイアウト化」という大きな節目を迎えた。
そしてもう一つ、FRレイアウトを継続する計画も進められていた。これは従来型220系クラウンから「GA-L ナロー」プラットフォームがキャリーオーバーされるものである。220系クラウンのフルスキンチェンジ版とも思われたが、FCEVの採用となればMIRAIの派生ロングホイールベース版と考えた方が近くなりそう。
220系クラウンのTNGAプラットフォーム(GA-L)をキャリーオーバー、新型クラウン セダンは2023年秋発売予告
新型クラウン セダンは、FF化やクロスオーバーSUV化に対する販売店やユーザーの反発や要望から湧き上がったものと考えられ、開発のスタートが遅れた。発売時期として2023年秋頃が予告された。
従来型クラウンは2018年の発売であり、モデルサイクルが延びると、フルモデルチェンジの度に乗り換えてきたユーザーを取りこぼすことになる。これは国内向けクラウンをFR車の一本に絞ることができなかった理由の一つにもなっているかもしれない。
クラウンのフルモデルチェンジ、FRモデルは次が最終型となる可能性
新型クラウン セダンに限られるが、FRレイアウトで開発されている可能性が高いことは、ファンにとっては朗報であったはず。それでも、クラウン向けのFRプラットフォームを新規開発することが難しい状況には変わりはない。これはレクサスのLSシリーズの事情と関わっている。
2018年発売の220系クラウンは、GA-Lプラットフォームのナロー版が採用されている。これはレクサスのLSシリーズ、およびLCシリーズでのGA-Lプラットフォームの全幅を縮小させたものである。
そして現在、このGA-Lプラットフォームの次世代型が開発される段階にある。その開発で重視されるのは、LSシリーズが進むべき方向である。クラウンではないのだ。LSシリーズは、レクサスのフラグシップセダンでもあり、グローバルモデルでもあるから優先されるのは当然である。
レクサスLSシリーズは、フルモデルチェンジで全幅拡大へ
LSシリーズのライバルとされるのは、以下のいわゆるドイツ御三家であるが、これらの全幅はいずれも拡大傾向にある。
- メルセデス・ベンツ新型Sクラスは、全幅1954mm。
- Audi A8は、全幅1945mm。
- BMW 7シリーズは、全幅1950mm。
居住性、安全性の向上のため、御三家を代表する、フラグシップ プレミアムセダンのカテゴリでは、1950mm前後の全幅とするのが必至となってきている。
対するレクサスLSシリーズ現行型の全幅は1900mmである。これに続く次期型では、ドイツ御三家に倣い、全幅を拡大していかねば、商品力で不利となってしまう状況にある。
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クラウンは、あくまで国内向け、フルモデルチェンジ後も全幅1800mm以下が要求される
一方で、国内市場にターゲットが絞られたクラウンに要求される全幅は、1800mm以下である。これはグローバルで見れば、普及車クラスの水準である。例えば、VW・ゴルフの全幅は1790mm、プジョー・308の全幅は1805mmである。
220系クラウンは、FRセダン最上級のGA-Lベースでありながら「ナロー版」という既にギリギリの設計を強いられていた。元のGA-Lプラットフォームがさらに拡大となれば、もう1800mmに収めるのは無理というわけである。
ひとまずGA-Lナロー版がキャリーオーバーされて、クラウン次期型FRセダンが開発中となっているが、このプラットフォームをいつまでも使い続けるわけにもいかない。クラウンシリーズは、いずれは完全にFFレイアウトのモデルに絞られることが予想される。
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クラウンセダン まとめ
まとめ更新日: 2023/11/02
- クラウンセダン 2023年11月13日発売予定
- FCEV 830万円
- HEV 730万円
- 一部販売店で抽選申込開始
- 自走可能プロトタイプが2023年5月に国内発表済み
- GA-Lナロープラットフォーム(FRレイアウト)
- ロングホイールベース 3000mm
- 燃料電池車(FCEV)とハイブリッド(HEV)を採用
- FCEVは事実上ミライのロングホイールベース版
- HEVは新開発2.5Lマルチステージハイブリッド
- ホイールベース :3000mm
- 全長:5030mm
- 全幅:1890mm
- 全高:1470mm
- タイヤサイズ:19インチ/20インチ