新型クラウン クロスオーバーが2022年9月1日に発売日を迎えた。先行販売されるのは、「CROSSOVER G Advanced(510万円)」、「CROSSOVER G Advanced Leather Package(570万円)」の2つのグレードとなる。
新型クラウンの価格リスト、エントリー435万円、車格ダウンで実質的に値下げ
新型クラウン価格表
グレード | パワートレイン | 消費税込み車両本体価格(円) |
CROSSOVER X | 2.5L ハイブリッド M25A-FXS型 AWD(E-Four) | 4,350,000 |
CROSSOVER G | 4,750,000 | |
CROSSOVER G Advanced | 5,100,000 | |
CROSSOVER G Leather Package | 5,400,000 | |
CROSSOVER G Advanced Leather Package | 5,700,000 | |
CROSSOVER RS | 2.4L ターボハイブリッド AWD(E-Four Advance) | 6,050,000 |
CROSSOVER RS Advanced | 6,400,000 |
従来型220系クラウンとの比較では、新型の値上げ幅は非常に抑えられた印象である。
プラットフォームについては、先代220系クラウンがプレミアムFR車向けのGA-Lのナロー版の採用であったことに対し、新型クラウン クロスオーバーではFF車向けのGA-Kを採用しており、車格ダウンとする見方もできる。
一方で新型クラウンは2WD車の設定が無くAWD車に限られたラインアップとなっており、またRSグレードではレクサスRX500hと共通となる最新の上級パワートレインを搭載するなどで高価格帯のモデルも充実された。全体としては435万円~640万円の価格帯となった。
新型クラウンのフルモデルチェンジ、4つのボディタイプが同時発表
新型クラウンのフルモデルチェンジ発表が実施された。4車種が同時発表となり、噂されていた全てのボディタイプの市販化が確定的となった。
なかでも「クラウン クロスオーバー」が先行導入され、正式発売日は2022年秋以降が予定されている。生産予定時期としては、一部の仕様で2023年1月以降となることが予告されており、やはり今後の納期の遅れが気になるところである。
新型クラウンは、シリーズトータルで年間20万台規模のグローバル販売が計画されている。ひとまず国内向けには 3,200台/月の基準台数が設けられている。
新型クラウン クロスオーバー(先行発売モデル)
- セダンとSUVの融合
- 2022年秋に発売され、一部グレードで生産開始
- 2023年1月以降に残りグレードの生産開始
- 新開発のデュアルブーストハイブリッドシステム(RSグレード)
- 進化を重ね熟成したシリーズパラレルハイブリッドシステム(その他グレード)
新型クラウン スポーツ (2023年発売予定)
- スポーツSUV
- バッテリーEVの可能性大
(開発目標値)全長4710mm×全幅1880mm×全高1560mm、ホイールベース2770mm
新型クラウン セダン(2023年発売予定)
- 正統派セダン
- FRの可能性
- FCEV(燃料電池車)の可能性
(開発目標値)全長5030mm×全幅1890mm×全高1470mm、ホイールベース3000mm
クラウン エステート(2023年発売予定)
- 機能的なSUV
- ワゴンとSUVのクロスオーバー
- パワートレイン未定
(開発目標値)全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mm、ホイールベース2850mm
クラウン クロスオーバー画像、エクステリア、インテリア、技術
新型クラウン クロスオーバーはGA-Kプラットフォーム採用、エンジン横置きFFレイアウト
新型クラウン クロスオーバーは、GA-Kプラットフォームの導入によりエンジン横置きのFFレイアウトが採用される。
これまでにGA-Kプラットフォームを採用してきたモデルは、カムリ、RAV4、ハリアーといったあたり。さらにプレミアムセダンとしてレクサスESでも導入例があり、エンジン横置きのFFレイアウトとはいえ、プレミアム車種にも使われてきたポテンシャルの高さを持つ。
そして、2022年6月1日には、GA-Kプラットフォームの最新モデルとしてレクサスRXが発表された。次期クラウンに搭載されるパワートレインは、新型RXシリーズの一部と共通化されることになる。
新型クラウン クロスオーバーのパワートレインラインアップは、「2.5L ハイブリッド(A25A-FXS型)」と「2.4L ターボ ハイブリッド(T24A-FTS型)」の二種類となる見込みで、いずれも電動化された4WDシステムとなる。
クラウン クロスオーバーRSは、トヨタ初の2.4Lターボハイブリッド搭載
なかでも、新型クラウン クロスオーバーの最上級となるRSグレードには、RX500hと基本システムを同じくする新開発の2.4Lターボハイブリッドが搭載される。
メインユニットの2.4Lターボエンジンは、T24A-FTS型でフロントモーターとDirect Shift-6ATが備わる。リアドライブは高出力/高トルクのモーターを内蔵するeAxleによって行われ、プロペラシャフトによるフロントエンジンからの動力伝達は行われない。レクサス RZの「DIRECT4」は、トヨタ版の「E-Four Advance」として呼名が変えられて新型クラウンに採用される。これにより、4輪の駆動力と制動力が接地荷重に応じてコントロールされることでドライバーの意に沿った車両姿勢が実現される。
また、駆動用バッテリーについてもRX500h同様に、バイポーラ式ニッケル水素バッテリーの採用となった。
次期クラウン クロスオーバー通常グレードは、2.5L ハイブリッドを横置き搭載
RSを除く、新型クラウン クロスオーバーの通常グレードには、2.5L ハイブリッドのA25A-FXS型が搭載され、こちらが販売の主力となるはず。
A25A-FXS型は従来型220系クラウンでも搭載されてきており、一見するとキャリーオーバーであるが、新型ではFFレイアウトのGA-Kプラットフォーム採用により、エンジン搭載方向が変更される。従来型の縦置きから、新型の横置きとなり、基本システムはカムリなどと近くなるだろう。発売当初の駆動方式はE-Fourのみが設定されグレードラインアップが組まれるが、後追いで燃費性能を重視した2WDモデル、つまりFF車が設定される可能性は残される。
フルモデルチェンジ版、新型クラウンは北米でも発売予定、当初は日本からの輸出モデル
GA-Kプラットフォームを採用する新型クラウンは、北米と中国で販売される予定となっており、特に北米では2022年10月の発売計画が明らかとなっている。北米クラウンは、2022年の販売終了が発表されていた北米アバロンの後継というポジションで販売されることになる。国内向け、北米向けのいずれのモデルも、日本生産される計画で、トヨタは新型クラウンにおいて円安ドル高による為替メリットを享受することになりそうだ。
今後の展開によっては、販売の中心がグローバル市場に移っていく可能性は十分に考えられる。
FR版の新型クラウンが開発中、新型クラウンセダンは従来型GA-Lナロープラットフォーム継承か
従来型プラットフォームのGA-Lナローをキャリーオーバーさせたフルモデルチェンジも計画されていた。そのモデルは、新型クラウンセダンである可能性が高い。
発売はまだ少し先で2024年頃が想定される。
正確には従来型220系クラウンからのフルスキンチェンジ版ということになり、基本骨格を大きく変えずに内外装デザインが完全リニューアルされる。むしろこちらが正当な後継モデルと考えることもできる。
クラウン クロスオーバーのボディスタイルはSUV+ファストバック
新型クラウン クロスオーバーは、通常セダンにクロスオーバーSUVの要素を加えた腰高なボディスタイルとなる。そのボディサイズは、全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mm、ホイールベース2850mmとなる。
全高は従来型4WDモデルから75mm上げられており、近年のスポーツセダンらしいスタイルからは逸脱している。さらに、ボディ後半のルーフラインがなだらかに傾斜したファストバックのスタイルが取り入れられているのも特徴となる。
ちなみに、中国市場向けには「クラウンクルーガー」として、北米ハイランダーの姉妹モデルが販売されている。典型的なクロスオーバーSUVがクラウンシリーズの一つとしてラインアップされている。新型クラウン エステートとして発表されたモデルは、ハイランダーおよびクラウンクルーガーのスキンチェンジ版である可能性は残される。
新型クラウンが前日にリーク
2022年7月15日のワールドプレミアが予告されていたが、直前になって名古屋トヨペットがSNSで完成車体のレンダリング画像をリークさせてしまった。
ワールドプレミアの様子はライブ中継された。
ワールドプレミアイベントでは、4つボディタイプが同時公開されるというサプライズ。
新型クラウンについては、日本だけでなく、米国での2022年10月の発売計画が明らかとなっていた。米国トヨタのツイッターアカウントでも、新型クラウンのティザー画像が公開されている。
日本向けにはフロント側面からのティザー画像が公開されていたが、米国向けティザー画像はヘッドランプ正面からのものとなる。日本国特許庁で意匠登録されていたモデルと同じのようで、左右のヘッドランプを繋ぐ一文字のデイタイムランニングライトが確認できる。
トヨタの米国向け商品ラインアップでは、TNGA-Kプラットフォーム採用の大型セダンとして販売されてきた「アバロン」が2022年モデルを以って終了する。この新型クラウンが北米アバロンの実質的な後継車種という考え方がある。
新型クラウンは、モデルネームは主に日本市場で愛されてきたものが継承される。一方で、FFレイアウトのTNGA-Kプラットフォームの採用、エクステリアデザインの方向性、ボディサイズといったあたりは、むしろアバロンの流れを引き継いでいるという見方ができる。
新型クラウンの「画像リーク」「動画公開」「価格リスト」
トヨタ新型クラウンのフルモデルチェンジが迫っている。既に特設サイトが立ち上がっており、2022年7月15日にワールドプレミアが行われることが予告されている。
特設サイトでは7月11日に、フロント側面のティザー画像が公開された。
特設サイト開設日の7月6日の時点では未公開だったティザー画像であるが、実はソースコードの中にティザー画像へのリンクが埋め込まれており、直接アクセスするとPC端末向け、スマートフォン端末向けの各ティザー画像が見れる状態となっていた。
翌週には正式公開された画像ではあるものの、特設サイトの制作部門がコードを消し忘れて、リークさせてしまった疑いがあるだろう。
ティザー画像のトーンを変えてみるとホイールデザインがチラ見できる。これは特許庁に意匠登録されている新型クラウンと同じホイールデザインのように見える。また、ブラックのサイドモールとフェンダーモールが確認でき、やはりSUVテイストに仕上げられているようだ。
16代目となる新型クラウンシリーズは複数のボディタイプが検討されてきたが、まずは「クラウン クロスオーバー」と呼ばれるセダンにSUVテイストを取り入れたモデルが発売されることになる。
新型クラウンのエクステリアは特許庁で意匠登録済み
トヨタが日本国特許庁へ意匠登録していた内容が、2022年6月20日に発表されており、そこでは新型車両のエクステリアデザインを確認することができる。
そのフロントノーズの先端にはクラウンの冠が置かれており、タイミング的にも2022年7月発売の新型クラウンそのものと考えられる。ただし、出願時(2021年7月9日)の暫定デザインということになり、そこからいくらかの修正はあったはず。
意匠登録された箇所には、左右のヘッドランプを繋ぐ部分も含まれており、そこには特徴的な一文字のラインが存在する。
新型クラウンには、後追いでBEVモデルが追加される見込み。そのデザインスタディモデルは、2021年12月14日のバッテリーEV戦略に関する説明会で出展されたモデルの一つ「bZ SDN」であったと考えられ、そこでも一文字に点灯されたデイタイムランニングライトが確認されていた。
意匠登録されたクラウンとbZSDNは、リアクォーターウィンドの形状も酷似している。
また、新型クラウン クロスオーバーは、発売当初はハイブリッドエンジン車のみがラインアップされる見込みで、メッシュタイプのフロントグリルが採用されることになりそう。対するbZ SDNはエンジンの存在を感じさせないBEVらしいフロントデザインが採用された。
意匠登録出願時のエクステリアではリアデザインも示されており、一文字のランプと、ファストバックらしいボディスタイルが確認できる。
クラウンは一部改良予定車種に含まれなかった、フルモデルチェンジ発表2022年7月実施
トヨタは、現行販売車種に対する2022年の一部改良を予定している。半導体不足で納期が長くなっていることから、一部改良を予定している車種の受注を一旦停止させ、その後、改良済みモデルに販売を切り替えていく動きが早めに出ていた。
そんななか、クラウンは一部改良予定モデルの中に含まれていない。つまり、予想されていた通り、2022年7月頃にフルモデルチェンジされる可能性が高まっていた。
特にクラウンに関しては、「発売日ありき」の車種であることも重要なポイントである。FF化を受け入れてまで、モデルネームを存続させる意義の一つは、クラウン新型投入の度に乗り換えてくれるユーザーニーズに応えることである。現行型は2018年発売の15代目モデルであり、これが古くならないタイミングでトヨタは次期型を提供する必要がある。
クラウンは67年の歴史、平均4年半の周期でフルモデルチェンジ
クラウンの歴史は1955年発売の初代モデルが原点となっている。
2022年は既に、15代目モデルのオーダー受付が終了している。この間の67年を、平均で4年半の周期でフルモデルチェンジしてきた。