フォレスターのひどい納期が改善傾向、トランプ関税の影響軽減で日本向け生産増
新型SL系フォレスターは2025年4月に日本発売されました。発売から1カ月で国内受注は1万2000台弱に達していました。
好調な受注の反面、納期は延びており、特にS:HEV搭載モデルでは、契約者に対して1年以上の納期が告知されているケースもあります。
スバル車の多くが通常2~3ヶ月程度で納車されることと比べ、この新型フォレスターのS:HEVモデルの納期はひどく長い状況でした。
しかし現在、この長納期は改善傾向にあります。トランプ関税の影響を軽減するために米国向け輸出を控えているという話があり、その結果として日本向けの割当が増えているようです。
フォレスターは現状、日本で生産した車両を米国へ輸出しており、米国生産は行われていません。ただし米国工場(SIA)でのフォレスター生産が2025年秋に開始される計画でした。2025年6月25日に開催された株主総会でも米国生産について言及があり、この流れに大きな変更はないと考えられます。
今後、日米交渉の結果で関税率の軽減が想定され、さらにフォレスターに関しては米国生産の開始が控えていることから、ひとまず米国向け供給を減らし、受注が好調な日本市場を優先する動きは、合理的な判断と思われます。

新型「フォレスター」は酷いのか?<まとめ>は、次のページ
フォレスターを取り巻く悪評、改善部分もある
スバルの人気SUV「フォレスター」の6代目モデルは、そのデザインや性能に対して「ひどい」、「ダサい」、「悪い」との声が一部で上がっていました。また、エントリー価格は消費税込みで404万8000円に設定されるなど、ラインアップの価格帯は先代SK系から100万円程度上がっており、コストパフォーマンスが悪いと不満の声もあります。
外観については、武骨でアウトドア志向の強いこれまでのデザインから、米国ウケを狙った要素が強調されており、日本のユーザーからは「ダサい」と感じるユーザーが多く出てくるかもしれません。
また、THS技術採用のS:HEVにより燃費性能が向上するとしても、トヨタのRAV4やハリアーと比較すると依然として「悪い」数値になるでしょう。水平対向エンジンや、機械式のシンメトリカルAWDを採用するなどのスバルらしさは魅力ではあるものの、環境性能はトヨタのシステムと比較して劣ることになりそうです。

新型「フォレスター」は酷いのか?<まとめ>は、次のページ
悪評高かったフォレスターの燃費性能がストロングハイブリッド S:HEV搭載で大幅に改善
北米では2024年から先行販売されるフォレスター6代目モデルですが、2025年4月に日本仕様が発表されました。日本仕様は、ストロング ハイブリッドの2.5L S:HEVのほか、CB18型のターボエンジンがキャリーオーバーで採用されました。
S:HEVは先行して、クロストレックに搭載されてきました。続いて、北米向けフォレスターハイブリッドの発表も2025年2月のシカゴオートショーで先行デビューしていました。
S:HEVは、トヨタから技術供与を受けた新開発ボクサーハイブリッドです。その排気量はクロストレック S:HEVが2.5Lとなっており、さらにフォレスター S:HEVでも同様となりました。
これにより酷いとされてきた燃費性能が大幅に改善されることが期待されていました。
日本仕様のWLTCモード燃費は、以下の通りです。
- X-BREAK S:HEV および X-BREAK S:HEV EX … 18.8 km/L
- Premium S:HEV および Premium S:HEV EX … 18.4 km/L
- SPORT および SPORT EX … 13.6 km/L
1.8L DITを搭載する SPORT系グレードと比較して、2.5L S:HEV搭載車は大幅に燃費性能が改善しました。
ただし、トヨタのRAV4との比較では、新型フォレスターの燃費性能は劣るようです。RAV4の2.5Lハイブリッド車のWLTCモード燃費は20.3~20.6 km/Lとなっています。
水平対向エンジンの燃費性能が良くないことや、機械式のシンメトリカル AWDを採用することが燃費性能の面ではデメリットになることが予測されましたが、思っていたよりも良いと捉えるユーザーは多いのではないでしょうか。
新型「フォレスター」は酷いのか?<まとめ>は、次のページ

新型フォレスターS:HEVは、THS導入で後悔させない燃費性能獲得か
新型フォレスター S:HEVは、THS技術の導入によるスバルの新たなチャレンジとして注目されていますが、一方でそのデザインや価格帯に対しては厳しい声も上がっています。
日本市場での受注もスタートし、納車が待たれる中、S:HEV搭載モデルのの評判がどう変化していくかも興味深いところです。スバルが今後どのようにこの批判に対応し、ユーザーの期待に応えるかが、ブランドの未来を左右するでしょう。
新型「フォレスター」は酷いのか?<まとめ>は、次のページ
新型フォレスター6代目 SL系、既に酷い評価が一部で
新型フォレスターの6代目モデルは、北米市場向けにFB25エンジンを搭載したモデルが先行して発売され、その価格帯は$29,695~$39,995(約433万~583万円、1ドル146円換算)でした。一方で国内向けには、SK系モデルでの特別仕様車「アーバンセレクション」が2024年7月に発表され、その販売期間が延長されました。
新型「フォレスター」は酷いのか?<まとめ>は、次のページ
新型フォレスターの評判とデザインへの懸念
新型フォレスターに対して、一部ユーザーからはそのデザインに対して「ダサい」との意見が見られます。
特に、従来のフォレスターの武骨さやアウトドア志向のイメージを好むファンからは、今回のモデルチェンジによるデザイン変更に対する不満が表明されています。また、北米向けにはFB25エンジンが搭載となりました。北米での価格帯の上昇に対しても「コストパフォーマンスが悪い」との意見が一部であるようです。
新型「フォレスター」は酷いのか?<まとめ>は、次のページ
「ひどい」と評される新型フォレスターのデザイン変更
すでに北米で先行販売が開始された新型フォレスターについて、一部のファンからは「ひどい」と酷評されており、そのデザイン変更が注目されています。特に、日本仕様もほぼ同様の内外装になると予想されているため、日本のスバルファンからも注目されています。
今回の新型フォレスターのデザインは、2019年に発表されたスバルのデザインコンセプト「BOLDER」が採用されているかは不明です。明らかなのは、フロントデザインが大幅に変更されていることで、従来のSK型とは異なる印象を与えています。
SK型では特徴的だったコの字型デザインの前後ランプが、新型ではデイタイムライトが細くなり、その主張が弱まっている点が「ダサい」と感じられることもあるでしょう。
さらに、ヘキサゴングリルのフレームの主張が弱くなり、ホンダ・CR-VやトヨタRAV4に近いデザインという意見もあります。
特に、ヘッドランプがフォード エクスプローラーの先代モデルに似ており、スバルらしさが失われたと感じるファンもいます。
新型「フォレスター」は酷いのか?<まとめ>は、次のページ
「ひどい?」のか、SK系フォレスター後期(D型、E型)の外観デザイン
SK系フォレスターは、2018年にフルモデルチェンジ発売された5代目モデルである。そのエクステリアを巡っては、残念ながら「ひどい」と酷評されるケースもある。その理由の一つとして考えられるのが、マイナーチェンジのタイミングで実施された、デザインコンセプトの変更である。
SK系フォレスター発売の2018年当時は、スバルはデザインコンセプトとして「Dynamic × Solid」をテーマとしており、これは2014年3月にジュネーブ発表された「SUBARU VIZIV 2 CONCEPT」によって示されていた。フォレスターの前期モデル(A型~C型)は、この「Dynamic × Solid」のテーマでデザインされたエクステリアに仕上げられている。
その後、スバルは2019年3月に「SUBARU VIZIV ADRENALINE CONCEPT」を公開しており、この時に新デザインテーマとして「BOLDER」を発表した。
フォレスターに「BOLDER」が導入されたのは、2021年8月のマイナーチェンジのD型からとなる。
しかし、マイナーチェンジということもあり、「BOLDER」導入の対象とならない部分も多く残された。SK系フォレスターのエクステリアは、前コンセプトの「Dynamic × Solid」と新コンセプトの「BOLDER」が混在した状況となっており、「ひどい」と言われるデザインの理由の一つとして考えられる。
ひどい「フォレスター」改善へ、<まとめ>は、次のページ
フォレスター、「Dynamic × Solid」、「BOLDER」の年表
- 2014年3月 … SUBARU VIZIV 2 CONCEPT「Dynamic × Solid」発表
- 2018年3月 … FMC 5代目フォレスター エクステリア発表
- 2019年3月 … SUBARU VIZIV ADRENALINE CONCEPT「BOLDER」発表
- 2021年6月 … ビッグマイナーチェンジ 新型フォレスター エクステリア発表
ひどい「フォレスター」改善へ、<まとめ>は、次のページ
ひどいフォレスターとは違う、完全「BOLDER」デザインの2モデル
一方で、「BOLDER」のデザインコンセプトでフルモデルチェンジされたモデルが、新型レヴォーグと新型WRXである。
フロントデザインを比較してみても、新型レヴォーグと新型WRXのヘキサゴングリルからヘッドランプへと続くラインが自然なのに対し、フォレスターはSUVらしい無骨さを差し引いて見ても、このラインが自然に描かれているように感じられない。
ひどい「フォレスター」改善へ、<まとめ>は、次のページ
「ひどい」と言われるSK系フォレスターの燃費
フォレスターは、グローバルでも需要が多い中型SUVのモデル。国内ブランドのライバルでは、RAV4、ハリアー、エクストレイル、アウトランダー、CX-5といったモデルが挙げられる。なかでもフォレスターの「燃費がひどい」と酷評されるケースがある。
各モデルの4WD車における、WLTCモード燃費は、以下の通り。
- フォレスター 2.0L ハイブリッド 14.0 km/L
- フォレスター 1.8L ターボ 13.6 km/L
- RAV4(2.5L E-Four)20.3~20.6 km/L
- ハリアー(2.5L E-Four)21.6 km/L
- HR-V(2.0L e:HEV 4WD)21.7 km/L
- エクストレイルT33(1.5L ターボ e-POWER e-4ORCE)18.3~18.4 km/L
- アウトランダー(2.4L PHEV 4WD)16.2~16.6 km/L
- CX-5 (2.5L ガソリン 4WD) 13.0 km/L
- CX-5 (2.5L ターボ 4WD) 12.2 km/L
- CX-5 (2.2L ディーゼル 4WD 6AT) 16.6 km/L
(※2023年2月 調べ)
この中では、CX-5のターボモデルが最も低い数値となったが、人気のディーゼル車の燃費性能は、さほど悪くなさそう。フォレスターは、2つのパワートレイン設定があるが、いずれも燃費性能が悪い。
フォレスターは、実用燃費においても、街乗りで10km/L未満、郊外・高速で10~15km/L程度というケースが多く、昨今の中型SUVとしては燃費が「ひどい」と評価されるケースもある。
2.0L e-BOXERはハイブリッド化は遂げてはいるものの、モーター出力 10kWのいわゆるマイルドハイブリッドと呼ばれる程度のもので、燃費向上効果は限定的と考えられる。
ひどい「フォレスター」改善へ、<まとめ>は、次のページ
(このページには、権利者より報道目的または個人的・非営利目的の場合のみの使用が許可されている画像・動画を使用しています。)
フォレスターが「ひどい」と言われる理由 まとめ
まとめ更新日: 2025/06/25
- SK系フォレスターは燃費やエクステリアデザインについて「ひどい」という評価が多い
- SL系は北米仕様が先行して2024年にフルモデルチェンジ、エクステリアデザインに「ひどい」という評判が出た
- 新型フォレスター日本仕様は2025年4月3日に受注開始され、2.5Lストロングハイブリッド(S:HEV)と、1.8Lターボが採用された
- 次世代e-BOXERは、「水平対向エンジン×シンメトリカルAWD×THSハイブリッド」という3つの技術が柱で、ひどい燃費の改善に期待