ハリアーのマイナーチェンジは2024年以降の実施予想、2023年秋は一部改良に留まる見込み
現行の80系ハリアーは、2020年6月にフルモデルチェンジ発売された4代目モデル。2023年は秋頃に一部改良の実施が予想される。グレード再編と、値上げが主な内容となりそうで、大幅なエクステリア変更などは盛り込まれない見込み。フェイスリフトが含まれるマイナーチェンジは、2024年以降の動きとなりそうだ。
トヨタでは、2023年1月以降、国内向けモデルの生産を強化していく動きがあるが、特にハリアーは、その対象車種となっている。2022年の後半では月販2000台に満たないケースが目立っていたが、2023年1月 4,879台、2023年2月 7,843台、2023年3月 11,028台と大幅に増加し、この流れは新年度を迎えても、2023年4月 7,004台、2023年5月 6,193台と続いている。最近では、ハイブリッドZ系グレードは例外ながらも、PHEVを含めた多くのグレードで納期短縮の動きが顕著となっており、2023年秋頃の一部改良がスムーズに行われることが期待される。
前回の一部改良は2022年9月に実施され、装備の充実化やプラグインハイブリッドモデルの追加などがあった。しかし、現行型には未だフェイスリフトが実施されていない。
一方で、新型クラウン、新型プリウスといった最近のトヨタの主力モデルにおいては、ハンマーヘッドデザインを取り入れたフルモデルチェンジが実施されてきた。ハリアーへも、2024年以降のマイナーチェンジで、ハンマーヘッドデザインの採用が期待される。
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ハリアーもマイナーチェンジでハンマーヘッドを採用するのか?2024年以降の実施予想
2022年は、80系ハリアーへの初めての一部改良が9月に行われた。その実施にあたっては、オーダーカットや改良後モデルへの契約変更など、異例の措置もあった。
一部改良後も多数のバックオーダーを抱える状況が続いていたが、納車待ちユーザーの中にはマイナーチェンジの実施を懸念する声もあった。つまり、納車されて、すぐにデザインが古くなってしまう心配である。
トヨタのラインアップでは、2022年11月に新型プリウスが発表され、次期C-HRもデザインスタディモデルが発表された。これらは、コの字型ヘッドランプを採用した新世代のハンマーヘッドデザインが特徴となっている。こういった最新デザインの傾向は、マイナーチェンジ実施による後期型ハリアーでも採用される可能性があり、エクステリアのイメージが大きく変化するかもしれない。
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新型ハリアーの一部改良(2022年9月)グレード別の値上げリスト、受注再開とオーダーストップ
2020年6月のフルモデルチェンジ発売から、最初に実施された2022年9月の一部改良は、装備面で大幅な進化を遂げた。なかでも「Toyota Safety Sense」は機能追加されて全車標準装備となった。このほかにも12.3インチの大画面ディスプレイオーディオ、12.3インチ液晶メーターなどの採用が盛り込まれた。
一部改良による新価格は、2.0Lガソリン車が312万8千円~453万8千円、2.5Lハイブリッド車が371万8千円~514万8千円となる。これらは、従来モデル比で10万8千円~13万8千円の大幅値上げとなっている。追加されるプラグインハイブリッド車は、上級「Z」のワングレードで620万円に設定される。

一方で、エクステリアデザインは、PHEV車において専用フロントグリルが採用されるなど差別化が行われたものの、従来パワートレイン車へのフェイスリフトは実施されなかった。今後、新エクステリアデザイン採用の後期モデルへのマイナーチェンジが期待されるところである。
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新型ハリアーの値上げ幅 2022年10月 一部改良
新型ハリアーは、ガソリン/ハイブリッド、2WD/4WDの各グレードで共通の値上げ幅となる。
- Sグレード +138,000円
- Gグレード +119,000円
- G LEATHER PACKAGE (廃止)
- Zグレード +108,000円
- Z LEATHER PACKAGE +108,000円
新型ハリアーにPHEVを追加
ハリアーに新たに加わるプラグインハイブリッドモデルは、駆動方式はE-Fourのみで「Z」のワングレード設定で620万円となる。装備類は、ハイブリッドのZ“Leather Package”がベースとなっておりレザーシートなども備わる。またハイブリッド車とガソリン車ではオプション8万8000円のパノラミックビューモニターが標準装備される。PHEV専用装備には、リアシートヒーター、AC100V 1500W電源などが含まれる。
ハリアー PHEVの特徴
- Zグレードに大容量リチウムイオンバッテリーを搭載したプラグインハイブリッドシステムを設定。モーターによる走行性能を高めるとともに、のびやかで上質な加速と低重心による優れた操縦安定性を実現
- 専用のフロントグリルなどを採用
- 専用外板色グレーメタリックを含む4色を設定。随所にブラック塗装を施したほか、内装には、インストルメントパネルからドアトリムへ金属メッシュ質感のダークレッドパイピングオーナメントを採用
- 最大1,500W(AC100V)の外部給電システムや後席シートヒーター、床下透過表示機能付パノラミックビューモニターを標準装備

ハリアーの納期、注文取り消し(オーダーカット)、一部改良後モデルへの切り替え交渉
トヨタの現行型80系ハリアーは2020年6月に発売された4代目モデル。これまで、発売初期モデルが約2年間販売されてきた。
ハリアーの納期、一部改良前モデルの生産が遅れていた
一部改良前のモデルについては、生産の遅れにより納期が長期化していた。コロナウイルス感染拡大などの理由により、部品の供給が滞り計画通りの生産ができていなかった。販売店では、一部改良前モデルで契約したユーザーに対し、注文取り消し(オーダーカット)交渉をするほどとなっていた。
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ハリアーの後期型へのマイナーチェンジは2024年以降、2023年は一部改良に留まると予想
ハリアーはその高い人気から、さらなる進化を求める声が絶えない。前回、2022年9月の一部改良では、大きなデザインの変更は見られなかった。間もなく実施されるであろう2023年秋の一部改良でも、細かな仕様の変更に留まりそうで、このほかにエントリーのSグレードが廃止されることが予想される。
マイナーチェンジの時期として2024年が予想される理由の一つとして、かつてオーダーストップ時に設定された販売枠が2024年5月までの生産となっていたことが挙げられる。その後、2023年の国内向け生産の大幅回復により、受注再開となったが、新たに契約したユーザーの納車の目安も概ね2024年とされており、当初の2024年5月を大きく超える案内は出されていないようだ。
マイナーチェンジにより、フェイスリフトを受けた80系ハリアー後期型の投入は、2024年の中盤頃が予想される。
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次期ハリアーへのフルモデルチェンジ、5代目登場はかなり先
フルモデルチェンジによる次世代ハリアー、5代目の投入時期についても気になるところ。ハリアーシリーズの前回フルモデルチェンジに要した期間は6年半であった。この3代目から4代目への移行期間を今後も維持するかは定かではない。自動車業界の現状を鑑みると、モデルの更新サイクルが早まることは考えにくく、ハリアーの5代目が登場するのは、2027年以降が予想される。
さらに、ハリアーの競合車種であるRAV4との販売競争の行方も、新型ハリアーの投入タイミングに影響を与える可能性がある。
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新型ハリアー80系は特にハイブリッド車が人気
現行の80系ハリアーは東南アジアからの部品供給不足による生産調整などを大きく受けてきた。それでも2021年は、74,575台の年間販売実績を残すことができたが、2022年は34,182台と半数以下に落ち込んだ。その後、2023年は販売台数が大幅回復している。
このほかの国内ブランド中型SUVの2022年の販売実績は、トヨタ・RAV4が31,118台、スバル・フォレスターが25,096台、マツダ・CX-5が31,399台、日産・エクストレイルが18,066台となっており、2021年に引き続きハリアーが首位の座をキープした。
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歴代ハリアーを比較、現行型は80系の4代目モデル
ハリアー初代モデルは、元祖プレミアム高級SUV
ハリアー初代型の販売がスタートしたのは1997年。当時は、まだ高級車と言えばFRセダンが存在感を示していた時代である。ただ、SUVカテゴリにおいてもランドクルーザー、三菱のパジェロといった本格的なクロスカントリー車は、上級車種としてのポジションを獲得していた。
そんななか、ハリアーは都市型のプレミアムSUVという、当時としては斜め上を行くコンセプトで市場投入されたわけだが、これが人気を博した。
さらに、北米市場ではプレミアムブランドのレクサスから、RXシリーズとして販売されたことも相まり、高級イメージを定着させることに成功した。
トヨタ・ハリアーが旧モデル継続のなか、レクサスは新型RX導入
その後、レクサスブランドが国内導入され、新型のRXシリーズが日本でも販売されるようになった。
一方で、ハリアーはトヨタブランドでのラインアップが継続されたが、旧型のままであったため、次第にその存在感は薄れていった。
「ハリアーは2代目モデルを以てカタログ落ち」といった噂も流れたが、10年にも及ぶ販売期間を経て、3代目へのフルモデルチェンジを遂げた。
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ハリアー3代目は国内専用車種としてフルモデルチェンジ
3代目ハリアーは、大型化したRXシリーズと決別し、日本市場に向けた独自設計が与えられた。
エンジン選択肢では、直4 2.0L NAというリーズナブルなユニットを追加。そして、これまであったV6エンジンが廃止されるなど、車格ダウンとも言える変更が盛り込まれた。
それでもハリアーが築き上げてきたプレミアムイメージは、まだユーザーの記憶の中に残っていた。レクサスRXと比べれば完全に格下となったが、手に届きやすい価格設定もあってよく売れた。
日本市場向け車種として、好調なスタートを切ることができた3代目ハリアーであったが、モデル後期に差し掛かると、またもやラインアップ廃止の噂が流れた。その理由はRAV4の日本導入である。
RAV4はミドルクラスSUVの主力市場である北米で、絶大な人気を獲得しており、グローバルモデルとしてのポジションを確立していた。
グローバルモデルとして揺るぎない販売実績があるRAV4を前に、日本専売のハリアーの存続が難しいことは明らかであった。
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ハリアー4代目へのフルモデルチェンジはグローバルモデル化で実現
それでもハリアーはフルモデルチェンジを受けることに成功し、4代目へと進化した。その決め手となったのが、グローバルモデル化である。4代目ハリアーは北米、中国でも販売されることになった。激戦の中型SUVのセグメントをRAV4とハリアー併売の2モデル体制で、トヨタブランドの中でラインアップしていくことになった。北米では、ヴェンザ(Venza)の車名で売られる。
ハリアー4代目モデルは、国内では2020年6月に発売された。そして、従来のトヨペット店から、全販売チャネルでの取り扱いとなったのも大きな変化である。これにより、車種に人気があれば、販売台数が出やすい環境になった。
フロントの鷹のエンブレムがトヨタマークに変更されたのは、全販売チャネルでの取り扱いになったため。
全販売チャネルのデメリットは、不人気化したときの落ち込みが激しくなることである。ハリアーのほかトヨタではアルファードが人気化したが、逆にヴェルファイア、C-HRといったモデルの販売台数の減り方が顕著である。ユーザーが販売チャネルの垣根を超えて、車種を選んでいることの表れとなった。

ハリアーと共通プラットフォーム、新型2車種が2022発売された
80系ハリアーはグローバルプラットフォームのTNGA(GA-K)が採用されている。GA-KプラットフォームのクロスオーバーSUVタイプの車種としては、これまでRAV4、レクサスNX、さらに海外向けにはハイランダーなどが販売されてきた。さらにGA-K採用のクロスオーバーSUVモデルは、新型クラウンとレクサス新型RXを追加している。
レクサスRXは約7年ぶりのフルモデルチェンジとなった。最上級のRX500hでは、新開発の2.4Lターボハイブリッドが搭載される。このシステムは、2.4LターボのT24A-FTS型をメインユニットとし、リアドライブは高出力モーターのeAxleによって行われる上級ハイブリッドとなる。
さらに、クラウン クロスオーバー RSグレードでも、この2.4Lターボハイブリッド(デュアルブーストハイブリッド)が搭載された。トヨタブランド車への採用が進むことで、ハリアーへの搭載も期待したいが、ハリアーは先代3代目モデルから車格が下げられた経緯がある。現在のところハリアーに2.4L デュアルブーストハイブリッドが搭載されるという話は無い。
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ハリアー 一部改良、マイナーチェンジ後期型 まとめ
- 2023年1月より生産が本格回復
- 受注再開、納期は大幅短縮となった
- 2023年秋頃に一部改良の実施見込み
- 2024年にマイナーチェンジによる後期型登場予想
- ハンマーヘッドデザインの採用などフェイスリフト期待
ハリアー 一部改良 まとめ 2022年10月
- ハリアーに一部改良(発売日2022年10月4日)
- プリクラッシュセーフティに交差点右折時の対向直進車及び右左折時の対向方向から横断してくる歩行者を検知する機能を追加した予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備
- コネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオを採用。12.3インチの大画面ディスプレイを設定したほか、車載ナビを搭載。クルマがWi-Fiスポットになる、「車内Wi-Fi」を採用
- 12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイを採用
- ハリアー PHEVを追加(発売日2022年10月31日)
- ハリアー PHEVは発売前から、各販売店の予定台数が予約済みでオーダーストップ
- ハリアー PHEVは、抽選で生産順番が決められ、納期は運次第
ハリアー PHEV 画像 2023年1月
新型ハリアー価格表(2WD ハイブリッド)2022年9月発表
旧価格(円) | 新価格2022年9月改定(円) | 差額(円) | |
S ハイブリッド・2WD | 3,580,000 | 3,718,000 | 138,000 |
G ハイブリッド・2WD | 4,000,000 | 4,119,000 | 119,000 |
G“Leather Package” ハイブリッド・2WD | 4,300,000 | (廃止) | (廃止) |
Z ハイブリッド・2WD | 4,520,000 | 4,628,000 | 108,000 |
Z“Leather Package” ハイブリッド・2WD | 4,820,000 | 4,928,000 | 108,000 |
新型ハリアー価格表(2WD ガソリン)2022年9月発表
旧価格(円) | 新価格2022年9月改定(円) | 差額(円) | |
S ガソリン・2WD | 2,990,000 | 3,128,000 | 138,000 |
G ガソリン・2WD | 3,410,000 | 3,529,000 | 119,000 |
G“Leather Package” ガソリン・2WD | 3,710,000 | (廃止) | (廃止) |
Z ガソリン・2WD | 3,930,000 | 4,038,000 | 108,000 |
Z“Leather Package” ガソリン・2WD | 4,230,000 | 4,338,000 | 108,000 |
新型ハリアー価格表(E-Four ハイブリッド)2022年9月発表
旧価格(円) | 新価格2022年9月改定(円) | 差額(円) | |
S ハイブリッド・E-Four | 3,800,000 | 3,938,000 | 138,000 |
G ハイブリッド・E-Four | 4,220,000 | 4,339,000 | 119,000 |
G“Leather Package” ハイブリッド・E-Four | 4,520,000 | (廃止) | (廃止) |
Z ハイブリッド・E-Four | 4,740,000 | 4,848,000 | 108,000 |
Z“Leather Package” ハイブリッド・E-Four | 5,040,000 | 5,148,000 | 108,000 |
新型ハリアー価格表(4WD ガソリン)2022年9月発表
旧価格(円) | 新価格2022年9月改定(円) | 差額(円) | |
S ガソリン・4WD | 3,190,000 | 3,328,000 | 138,000 |
G ガソリン・4WD | 3,610,000 | 3,729,000 | 119,000 |
G“Leather Package” ガソリン・4WD | 3,910,000 | (廃止) | (廃止) |
Z ガソリン・4WD | 4,130,000 | 4,238,000 | 108,000 |
Z“Leather Package” ガソリン・4WD | 4,430,000 | 4,538,000 | 108,000 |
新型ハリアー価格表(E-Four プラグインハイブリッド)2022年9月発表
価格(円) | |
Z PHEV・E-Four | 6,200,000 |