ヤリスクロス 出荷販売停止、型式指定申請で不正行為
トヨタは2024年6月3日、型式指定申請に関する手続きで不正行為があったことを発表しました。「ヤリスクロス」を含む現行生産車3車種、過去生産車4車種の計7車種において、国が定める基準と異なる方法で試験を行っていたことが明らかになりました。
「ヤリスクロス」については同日から出荷と販売が停止されました。過去生産車も含めトヨタは「法規に定められている性能に問題ないことを確認している」ことから、直ちに使用を控える必要はないとしています。
「ヤリスクロス」では、歩行者と乗員保護試験におけるデータ不備が発覚しました。トヨタは国土交通省の指導のもと「速やかに適切な対応を進める」としています。
この他、過去生産車において、衝突試験などの試験方法に誤りがあったとされおり、これには現行生産モデルの「ヤリスクロス」などは含まれておらず、「クラウン」、「アイシス」、「シエンタ」、「レクサスRX」の4車種が該当しています。
トヨタは、グループの日野自動車やダイハツ工業、豊田自動織機で不正が相次いで発覚したことを受け、2024年1月に「グループビジョン」を発表していました。一連の不正を受けて国交省は自動車メーカーなどに社内調査を指示したところ、トヨタ本体でも不正が発覚しました。
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新型ヤリスクロスが一部改良、後期型?マイナーチェンジ相当にならず?2024年1月17日発売、予約受注受付中
新型ヤリスクロスの一部改良が2024年1月17日に実施された。
一部改良は、マイナーチェンジ相当の内容で後期型エクステリアが登場することも期待された。そのフェイスリフトの内容は、GR SPORTを除くグレードで、アッパーグリルパターンに新デザインを採用するに留まっている。外板色では、新色のマッシブグレーが追加された。
インテリアではコンソールボックス付きフロントソフトアームレストが採用された。Z、Gグレードにおいては、一部のインテリア加飾がガンメタリックへと変更された。
メーター部には7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイが標準装備された。また、最新のディスプレイオーディオも搭載され、コネクティッドナビが5年間標準で付帯する。低価格なXグレードでは、ナビレディパッケージが設定された。ディスプレイオーディオは最大8インチながらもHDMI端子付き、コネクテッドナビ対応で、HD画質への解像度アップなどが盛り込まれる。(一部で期待された、12.3インチフル液晶メーター、10.5インチディスプレイオーディオといった大型ディスプレイの採用は見送られた。)
実質的な値上げも行われ、値上がり幅は最大で22万円となる。ただし、その大部分は装備のグレードアップによるものと見ることもできる。標準装備がシンプルな「X」「HYBRID X」については、わずか1万1000円の値上げに留まっている。また、値引きについても、オプション装備の追加状況によっては、実施されているようだ。
ただし、納期については、長期化が避けられない状況で、ダイハツの不正問題による販売停止もその一因となっている。特にカテゴリが近いライズの代替として、ヤリスクロスが多くのケースで最初に検討されるだろう。ライズからヤリスクロスへのオーダー変更を行った顧客の納期が優先される状況となっている。
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ヤリスクロス後期型、マイナーチェンジ価格 2024年1月
グレード | 消費税込み車両本体価格(円) | |||
旧価格 | 新価格 | 価格差 | ||
1.5L HEV (2WD) |
HYBRID Z“Adventure” | 2,705,000 | 2,925,000 | 220,000 |
HYBRID Z | 2,606,000 | 2,809,000 | 203,000 | |
HYBRID G | 2,394,000 | 2,524,000 | 130,000 | |
HYBRID X | 2,284,000 | 2,295,000 | 11,000 | |
HYBRID GR SPORT | 2,750,000 | 2,954,000 | 204,000 | |
HYBRID U(KINTO専用) | – | 2,451,000 | ||
1.5L GAS (2WD) |
Z“Adventure” | 2,331,000 | 2,551,000 | 220,000 |
Z | 2,232,000 | 2,435,000 | 203,000 | |
G | 2,020,000 | 2,150,000 | 130,000 | |
X | 1,896,000 | 1,907,000 | 11,000 | |
GR SPORT | 2,367,000 | 2,571,000 | 204,000 | |
1.5L HEV (4WD) |
HYBRID Z“Adventure” | 2,936,000 | 3,156,000 | 220,000 |
HYBRID Z | 2,837,000 | 3,040,000 | 203,000 | |
HYBRID G | 2,625,000 | 2,755,000 | 130,000 | |
HYBRID X | 2,515,000 | 2,526,000 | 11,000 | |
HYBRID U(KINTO専用) | – | 2,682,000 | ||
1.5L GAS (4WD) |
Z“Adventure” | 2,562,000 | 2,782,000 | 220,000 |
Z | 2,463,000 | 2,666,000 | 203,000 | |
G | 2,251,000 | 2,381,000 | 130,000 | |
X | 2,127,000 | 2,138,000 | 11,000 |
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新型ヤリスクロス欧州仕様が、マイナーチェンジ実施 2023年11月
欧州仕様については、先行してマイナーチェンジが発表された。しかし、日本仕様のマイナーチェンジは、欧州仕様とは内容が大きく異なるようなので、参考程度にとどめておく必要がありそう。
欧州仕様のフロントエクステリアは、一部グレードで新デザインのガーニッシュが採用され、新たな表情が与えられた。
欧州仕様のインテリアでは12.3インチのフル液晶メーターが上位グレードに設定されたが、これは日本仕様には導入されない見込み。また、欧州仕様のディスプレイオーディオには最大10.5インチ液晶タッチスクリーンが採用されたが、これも日本仕様には採用されない見込み。
欧州仕様のパワートレインでは、上級グレードの「Premiere Edition」 と「GR SPORT」で、システム最高出力を高めた「HYBRID 130(132 DIN hp/97 kW)」が搭載されるが、日本仕様には導入されない見込み。これ以外の一般的なグレードでは、従来からの「HYBRID 115(116 DIN hp/85 kW)」搭載モデルが継続される。
また、静粛性の向上が盛り込まれた。具体的には、エンジン騒音に関する4つの主要なエリアを改善。左側のエンジンマウントにダイナミックダンパーの追加、吸気ホースにレゾネーターの採用、インナーダッシュサイレンサーを単層から三層構造に変更、カウルトップサイレンサーに追加フェルト。さらに、風切り音と道路騒音に対処するために、フロントガラスおよび前後の側面ウィンドウには、より厚いガラスが使用される。
これらのほか、欧州仕様新型ヤリスクロスには、スマートデジタルキーによる簡単アクセス、Toyota T-Mateの機能強化および拡張、最新世代のトヨタセーフティセンスシステムの導入が盛り込まれる。
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ヤリスクロスはマイナーチェンジで商品力強化、トヨタの中から競合モデルが計画中
トヨタは2023年5月、インドネシアで新型ヤリスクロスHEVを発表した。
フロントデザインは、日本でこれまで販売されてきたモデルとは異なり、RAV4顔に仕上げられた。一部では、これが後期型ヤリスクロスのエクステリアになるのではという予想もあるが、その可能性は低そう。
ヤリスクロス インドネシア仕様のプラットフォームは、GA-Bが採用されるあたりは日本仕様と同じ。しかし、全長は日本仕様が4,180mmなのに対し、インドネシア仕様は4,310mmと一回り大きく、全くの別物である。インドネシア仕様と同等のモデルが別名で日本発売される可能性は残されるものの、現在のところ確定的な情報は無い。
国内市場における、ヤリスクロスの新たな競合モデルとして、予想されるのは以下の2つの車種である。
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ヤリスクロスの競合モデルの可能性1:ヤリスクルーザー
一方、「ヤリスクルーザー」なる新たな派生車種の計画も気になるところ。2021年12月のバッテリーEV戦略発表会で発表された「COMPACT CRUISER EV」がデザインスタディモデルとなるが、その車体のタイヤには「YARIS CRUISER」の文字が記されていた。
ヤリスクルーザーは、フランスの「Toyota Europe Design Development」でデザインされたモデルである。2023年は、同所でデザインされた二代目C-HRデビューしたが、これは日本発売されない。その理由の一つに、日本向けには一回り小さいヤリスクルーザーが控えているためではないか、という憶測もある。
ヤリスクロスの競合モデルの可能性2:ライズ スペース
さらに、これまでヤリスクロスよりも一回り小さいクロスオーバーSUVとしてラインアップされてきた、「ライズ」については、派生車種が2024年後半に登場することが見込まれている。
モデルネームは、「ライズ スペース」が検討されているようで、既に商標出願が済まされている。これらのモデルの特徴や詳細は、まだ明らかになっていないが、ヤリスクロスと直接競合する可能性がある。
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ヤリスクロス 一部改良 2022年8月
ヤリスクロスの一部改良が実施され2022年8月8日に発売日を迎える。新たに、スポーツグレードとして「ヤリスクロス GR SPORT」、専用パーツを装備した「ヤリスクロス Z“Adventure”」が追加される。
ヤリスクロスの一部改良では、ドライブレコーダー付自動防眩インナーミラーが全車にオプション設定された。また、Zグレードの内装色にブラックが新設定された。
車両価格は、通常ヤリスクロスが1,896,000円~2,936,000円に設定される。
ヤリスクロスの販売が好調、ヤリスがベースのSUV派生車種
ヤリスクロスは2020年8月に発売されたモデル。ハッチバックモデルの通常ヤリスから約半年遅れでデビューした派生モデルで人気車種となっている。ヤリスクロスの2021年度(4月~3月)の販売台数は95,740台を記録しており、全ヤリスシリーズの約半数を占めている。
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ヤリスクロス Z“Adventure”
ヤリスクロスに新たに設定された Z“Adventure”の車両価格は2,331,000円~2,936,000円となる。
主な装備は以下の通り。
- 専用バンパー(フロント/リヤ)
- ルーフレール(シルバー)
- 専用シート表皮(合成皮革[サドルタン]×ツイード調ファブリック[ブラック])など
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ヤリスクロス GR SPORT
ヤリスクロス GR SPORTの車両価格は、ガソリン車が2,367,000円、ハイブリッド車が2,750,000円に設定される。
ヤリスクロス GR SPORTの主な装備
専用剛性アップパーツ
ベース車の高いボディ剛性をより高水準なものにするため、フロア下とロアバックにブレースが追加される。操縦安定性の向上とフラットな乗り心地が実現される。
専用サスペンション&電動パワーステアリング制御
運動性能向上に向け、車高を10mm下げるとともに、スポーツタイヤ「FALKEN FK510 SUV」が装着される。同時に、ブッシュ、コイルスプリング、ショックアブソーバー、電動パワーステアリングが、よりスポーティな特性にチューニングされる。軽快な走りとクルマとの一体感のある操縦性が実現される。
専用パワートレーン制御&ドライブシャフト(ハイブリッド車)
モーターの過渡特性を最適化し、加速、減速時のアクセルレスポンスが向上される。また、モーター駆動のレスポンスをよりダイレクトにタイヤに伝えるため、ドライブシャフトのねじり剛性を向上させ、スポーティな走りに磨きがかけられる。パワートレーンにも改良が加えられる。
エクステリア
フロントのフォグベゼル、リアディフューザーを専用意匠にし、ベース車から踏襲したワイド&ローなスタンスへと進化を遂げた。ラジエーターグリル(アッパー・ロア)、リアバンパーロアカバーには、GRの‘G’をモチーフにしたスポーティなメッシュタイプへ意匠変更されたほか、専用18インチアルミホイール(切削光輝/センターオーナメント付)、及び、GR SPORT専用エンブレムが採用される。
インテリア
体をしっかりとサポートしてくれるスポーティシート及び専用シート表皮(エアヌバック+合成皮革)が採用され、また内装の加飾は、グロスを抑えたダークメタリック塗装に統一された。
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ヤリスクロス モデルチェンジ まとめ
まとめ更新日: 2024/07/26
- 型式指定申請のデータ不備が発覚し、出荷停止(2024年6月3日)
ヤリスクロス 一部改良 2024年1月
- フロントグリルパターンがデザイン変更
- センターアームレスト採用
- 12.3インチフルデジタルメーターの採用無し(7インチ標準装備)
- 10.5インチディスプレイオーディオの採用無し
- 欧州仕様の上級パワートレイン「HYBRID 130」は不採用
ヤリスクロス まとめ
- 2020年8月 発売
- 2022年8月 一部改良、GR SPORT追加など
- 2023年1~2月 オーダーストップ、7月に一部で受注再開
- 2024年頃、トヨタ内での競合モデル発売予想(ヤリスクルーザー、ライズ スペース)