アイミーブ、エントリーグレードMの設定でEVが普及
これまで電気自動車のi-MiEVは、軽自動車規格の小さな車でありながら補助金の交付を受けても実質負担額が300万円もしていた。
ガソリンエンジンを装備しない完全な電気自動車(EV)として注目が集まっていたが、この車両価格の高さがネックで、購入先は一部の法人や官公庁に限られ、なかなか普及が進まない状況であった。
今回、バッテリー容量を減らすなど機能を制限したエントリーグレード「M」が登場し、その車両価格の実質負担額は188万円となった。
EV普及に拍車がかかりそうだ。
エントリーグレードM(実質負担188万円)
新しく設定された「M」は主にバッテリー容量を減らしてコストダウンさせたモデル。1回の満充電からの航続距離がJC08モードで120km。「G」の180kmと比較してもバッテリー容量が少なくなったのがわかる。
ただし、用途を限定すれば、一日に120kmというのは必要十分な走行距離とも言える。
普段の買い物や送り迎えであれば、全く問題がない。
2台目の車としてもいい選択肢になってくる。
バッテリーのほか、ステアリングやシフトノブがウレタン樹脂へ、シートについては素材が簡素になりアジャスターが省略、スチールホイール+ホイールキャップの採用などと、コストダウンは随所に見られる。
上級グレード「G」(実質負担284万円)
「M」と比較して96万円も高いが装備は充実。(これでも補助金差し引き前で459万9000円から380万円に車体価格は引き下げられている。)
ヘッドライト、リアコンビネーションランプはLED化されるほか、アルミホイールが装備されるなどエクステリアも差別化される。
専用ナビ、シートヒーターが標準装備されるあたりも満足度が高い。
より上質な内装を望むなら、プレミアムインテリアパッケージのオプション設定も可能だ。
航続距離は180kmとガソリン車と比べればまだまだの水準だが、遠出できる可能性が出てきた。
回生ブレーキの性能が向上
ブレーキペダル連動回生ブレーキ機能も性能アップしている。
これにより従来比で20%の走行距離が伸びた。
災害時には電源車としての可能性も
大容量バッテリーやハイブリッドエンジンを搭載する自動車は、災害時の電源車としての可能性が注目される。
東日本大震災では、大容量の100V電源供給が可能なエスティマハイブリッドが長期間停電が続いた被災地で、電源供給車として活躍していた。
そんな中、i-MiEVもAC電源が供給可能になるオプション(ACパワーサプライEZ)を1万5540円で設定している。
ただしこれによって、供給できる電力量はたったの100W。性能的にはホームセンターで売っている2000円程のDC-ACコンバーターと同等かそれ以下で、お薦めできないディーラーオプションだ。
これとは別に1500Wの電源供給ができるオプションを現在開発中とのこと。1500Wあればテレビや電子レンジまで稼動させる能力があるので、災害時にも活躍しそうだ。