スカイアクティブ・デミオ6/30に発売
スカイアクティブテクノロジー、予定を前倒ししてデミオに搭載
マツダはスカイアクティブ技術のデミオへの投入を当初、次期フルモデルチェンジのタイミングで行うことを予定していたが今年2011年の6/30のマイナーチェンジに合わせて、スケジュールを前倒しして投入することにした。
これには、他社のライバル車となるコンパクトカーへの相次ぐ低燃費車のデビューが背景にある。
まず、フィットがハイブリッドエンジンを搭載したタイプがデビューし、10・15モード走行燃費で30.0km/Lを達成。
さらに、トヨタのノーマルガソリンエンジン車のヴィッツもアイドリングストップシステムを備えて26.5km/Lの燃費でデビューしてきた上、ハイブリッドタイプのコンパクトカー、プリウスCのデビューが予定されている。
現行デミオについてもグレード13C-VでミラーサイクルエンジンとCVTの組み合わせによる、燃費性能の高いモデルが存在したが、より高い環境性能を持った車でなければ、激戦のコンパクトカー市場で勝ち抜くことができない、というのがマツダの判断である。
圧縮比14の新開発エンジンP3-VPS型
スカイアクティブ・デミオは、ノーマルガソリンエンジンでありながら30.0km/Lというハイブリッド車並みの脅威の燃費を達成させた。
これは圧縮比14の新開発のP3-VPS型エンジンがキーとなっている。
ガソリンエンジンが最も燃焼効率の上がる圧縮比は14~16と言われてきたが、このような高い圧縮比ではノッキングが発生してしまうので実現が難しかった。
この問題をマツダはキャビティ付きピストンの採用やクールドEGRによる燃焼室の冷却によって解決し、高圧縮比エンジンの開発に成功した。
これまで、他社の燃費性能の高いエンジンと言えば、トヨタやホンダの蓄電池と電気モーターを付加させたハイブリッドエンジンや、フォルクスワーゲンの小排気量+過給器を組み合わせたTSIエンジンが主であったが、いずれもコスト高になる機器の装備が必要であった。
これらの燃費改善システムと比較して、マツダの開発した高圧縮比エンジンは低コストで実現できることで注目が集まっている。
デュアル可変バルブタイミングの採用
新型のP3-VPSエンジンはマツダとしてはこの新型デミオが初めてとなるデュアルSV-T(デュアル可変バルブタイミング)が採用されている。
吸気側バルブのコントロールを電動化することで、エンジン停止時に次の再始動に最適化したバルブタイミングの調節が可能になった。
これによりi-stop(アイドリングストップシステム)の始動性を向上させている。
キャビティ付きピストン
ノッキングの防止のためピストン上部がくぼみをもたせた特殊な形状になっている。
これにより冷却効率が高まるほか、ガソリンの燃焼状態も理想に近づいた。
クールドEGR
ガソリン燃焼後の排ガスの一部を再び燃焼室に戻す過程で、排ガスを冷却水を使ってから戻すようにした。
これにより、シリンダー内の冷却効果が高まった。
インジェクターも改良
噴射口が6つ付いたソレノイドタイプのインジェクターは、新開発のキャビティ付きピストンに最適化された。