VW ティグアンがマイナーチェンジ、高い走行安定性のコンパクトSUV

フォルクスワーゲン

VW ティグアンが、昨年マイナーチェンジを受けた

ティグアンはフォルクスワーゲンのコンパクトSUV。フォルクスワーゲンには、フルサイズSUVのとして、トゥアレグがラインアップされているが、ティグアンはちょうどその弟分になる。昨年2011年には、フェイスリフトを含めたマイナーチェンジが行われ、フロントフェイスはシングルフレームグリルの造形ラインから、ゴルフⅥの流れを受けたシンプルな横基調ラインに一新。LEDデイライト内蔵のヘッドライトも装備され、今風のフォルクスワーゲン顔になった。
ティグアン

フォルクスワーゲン・ティグアンに価格相当のプレミアム感はあるか?

このティグアンの評判の良いところは、パサート系のプラットフォームを使った剛性感の高いボディだ。多くのドイツ車に共通するといっていい高品質ボディが、このティグアンにもある。
ボディサイズは、全長4430mm×全幅1810mm×全高1710mmで、ホイールベースは2605mm。このクラスの国産コンパクトSUVとしては、エクストレイル、RAV4、CR-V、フォレスター、そして最近発売されたCX-5と強剛が名を連ねる。これら国産勢も欧州、北米マーケットを意識した剛性感の高いボディで、走行安定性への評価が高い車種が多い。しかし、ティグアンはこれらよりもワンランク上。しっかりした骨格を根拠とする車体の安定感は、雪道での走行でも安心感を与える。
4WDシステムはリアルタイム式で、このクラスの2LコンパクトSUVとしては標準的な駆動方式が採用されている。
都市部での使用であればティグアンの1.8mを超える全幅は、やや広く感じる場面もあるかもしれないが、短い全長のおかげでコンパクトで扱いやすい。全高が高く取られているので、ミニバン慣れしたユーザーでもキャビンに閉塞感を感じさせない。しかし、トゥアレグのようなフルサイズSUVと比較してしまうと、車内の絶対的な容量は少ない。それでも、パッケージングの良さはゴルフ譲りで、後席と荷室の割り当てバランスは良く、使い勝手のいいものに仕上がっている。
エンジンは2.0LのTSIエンジン搭載。10・15モード燃費は11.6と控えめの数値だが、街乗り、高速道路を含めた実用燃費は、同クラス日本車並かそれ以上と考えていいだろう。さらにマイナーチェンジ後は、燃費、出力とも、わずかに向上している。
トランスミッションは7速DSGに湿式クラッチが組み合わさる。乾式クラッチを搭載したゴルフなどのDSGに比べると、発進はマイルドでなめらかだ。
VW ティグアン
非常に完成度の高いティグアンであるが、価格競争力という意味では、少し問題を感じる。前述の例に上げた国産SUV勢が、いずれもなかなかの完成度な上に、中心価格帯は230万円~250万円程度。ティグアンはこれらより約150万円程度も高く、ベースグレードのSport & Styleが389万円もしてしまう。
メルセデスでもBMWでもアウディでもなく、フォルクスワーゲン。トゥアレグのコンパクト版であるティグアン。そこにちょうどよいプレミアム感を見いだせる人でないと、なかなか購入できないというのがティグアン最大の欠点か。

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