N-BOXがフルモデルチェンジへ、ホンダ軽自動車の次期型はNシリーズに絞られる

N-BOX

N-BOXはフルモデルチェンジする、次期型が開発中

ホンダではN-BOXのフルモデルチェンジに向けての開発が進められている。通算3代目となる次期N-BOXの発売時期は2023年後半が想定される。N-BOXの昨年2020年の販売台数は19万5984台となり、4年連続して日本で一番売れたクルマとなった。これだけ圧倒的な販売実績があれば、次期型が計画されるのは当然の流れである。

後期型 N-BOX

後期型 N-BOX

その一方でホンダでは、軽自動車事業を縮小させる動きもあった。これによりアクティ トラックとS660は生産中止の判断が下され、いずれも今後の生産予定台数を完売済み。実質的なセールス活動を終えている。

S660 フロントグリル

S660

N-BOXの好調を背景に、ホンダの軽自動車はプラットフォーム共用されるNシリーズに集約されることになる。

N-BOX人気に依存するホンダの軽自動車事業

ただし、Nシリーズも安泰とは言い切れない。

(2021年2月の販売台数)

  • N-BOX 18,591台
  • N-WGN 5,206台
  • N-ONE 1,916台
  • N-VAN 1,993台

N-BOX以外で目立って売れているモデルが無いのだ。近年のホンダの軽自動車事業は、N-BOXの人気に依存したものであり、これに続くヒット作が出せていない。

後期型 N-BOX CUSTOM

後期型 N-BOX CUSTOM

今後N-BOXが、市場環境の変化などにより、圧倒的な販売台数を維持できなくなれば、ホンダの軽自動車事業全体が窮地に陥ることは想像に難くない。

2020年の国内Bセグメントの一斉フルモデルチェンジがN-BOXの販売に影響

実は既にN-BOXの人気は陰り始めている。N-BOXのようなトールワゴン軽自動車と、登録車のBセグメントクラスは、別カテゴリとして扱われがちだが、ユーザー目線では価格帯や室内の広さが近く、事実上は競合している。その国内Bセグメントの主力、フィット、トヨタ・ヤリス、日産・ノートが昨年2020年に揃ってフルモデルチェンジしており、なかでもヤリスの販売が好調となっている。2021年の新車販売台数の首位はN-BOXではなく、ヤリスとなる流れが出来始めているのだ。

ヤリス

ヤリス

N-BOXは2021年末にマイナーモデルチェンジを受けて後期型に切り替わった。内外装ともリフレッシュされたものの、その効果は今のところ販売台数の結果として大きく表れていない。

N-BOX

後期型 N-BOX / N-BOX カスタム

後期型N-BOX、全車速ACCと電動パーキングブレーキの装備は見送られた

現行型N-BOXは2017年に発売された2代目モデルである。2020年12月のマイナーモデルチェンジでは販売期間3年半が経過するタイミングで、後期型に切り替わった。

この後期型N-BOXで、新たに装備されることが期待されていたのが、全車速ACC(オートクルーズコントロール)と、電動パーキングブレーキであるが、これらは見送りとなった。

後期型 N-BOX

後期型 N-BOX

なぜN-BOXに全車速ACCが望まれるのか

N-BOXのマイナーモデルチェンジにおいて、全車速ACCが特に望まれていたのには理由がある。同じ軽スーパーハイトワゴンとしてカテゴライズされるライバル車、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タント、日産・ルークスの何れもが全車速ACCを装備しており、残るはN-BOXだけという状況なのである。

さらに、ホンダの軽自動車、N-WGNも2019年のフルモデルチェンジで全車速ACCと電子制御パーキングブレーキを装備済みであるから、技術的なハードルは低いはずと考える。

N-BOX カスタム フロントグリル

前期型 N-BOX カスタム

N-BOXが全車速ACCを装備しないのは慢心か

一方で、今回のN-BOXのマイナーモデルチェンジのタイミングでは、敢えて全車速ACCを装備させないというのも合理性がある。ホンダには全車速ACCが無くともN-BOXを売っていける自信があるはずだ。

後期型 N-BOX リアコンビネーションランプ

後期型 N-BOX

2021年2月の軽自動車販売台数は、
1位 N-BOX 18,591台
2位 スペーシア 15,328台
3位 タント 13,876台
4位 ルークス 10,973台
といった結果となっている。

N-BOXの首位は相変わらずで、全車速ACCを付けなくてもセールス面で問題が無いことは実証された。ただし、2位のスペーシアが間を詰めており、いつまでもN-BOXに全車速ACCを装備しないままでいると、いずれは販売面でのデメリットが大きくなるだろう。

N-BOX

後期型 N-BOX / N-BOX カスタム

ホンダが本当に売りたいのはN-BOXよりもフィット

今のホンダとしてはフルモデルチェンジから間もないフィットを売りたいはず。2020年2月に発売となったフィットは、当初はライバルのトヨタ・ヤリスに販売台数でリードしていたが、その後ヤリスに追い抜かれた。2021年2月の販売台数は、

  • ヤリス 20,559台
  • フィット 5,782台

いつの間にかヤリスの完全勝利という状況になっている。

軽スーパーハイトワゴンとBセグメントコンパクトは競合しやすく、必要以上にN-BOXを魅力的にしても、それはそれで問題なのである。

FIT NESS

フィット

フィットは全車速ACC装備だが、ヤリスは多くのグレードで未装備。全車速ACCは、現状の小型車クラスでは販売競争の決め手になっていないようにも思える。

モデル末期のテコ入れで、全車速ACC導入を期待

結局は、N-BOXのマイナーモデルチェンジの目玉は、エクステリアの大幅刷新ということになった。人気車種だけあって街中で溢れてきた感もある。そんななかでのフェイスリフトの効果は大きいかもしれない。

後期型 N-BOX フロントグリル

後期型 N-BOX フロントグリル

インテリアデザインもリフレッシュされた。

N BOX インテリア

新型 N-BOX 後期型

シートバックテーブルが標準装備となった。

ただし、競争の激しい軽スーパーハイトワゴン市場において、N-BOXがこの程度のマイナーモデルチェンジで、フルモデルチェンジまでおよそ3年を乗り切れるのか微妙である。この先、モデル末期のテコ入れで、全車速ACCが導入される可能性も残されているのではないか。

タイトルとURLをコピーしました