N-BOXのフルモデルチェンジは、2023年頃の実施が予想される。
N-BOXは2020年12月にマイナーモデルチェンジが実施されており、そこから3年程度は現行型の販売が継続されるはず。
さらに2021年12月の一部改良で、渋滞追従機能付きオートクルーズコントロールが装備されており、モデル末期の販売体制はより盤石となった。
次期【N-BOX】フルモデルチェンジでEV化は無い、軽自動車向け新開発ハイブリッド導入へ
次期N-BOXを語るにあたって避けては通れないのがパワートレインの電動化である。ホンダは2040年に世界販売する全ての新車をEVとFCEVにする目標を打ち出しているが、それよりも早い段階の2024年に、軽自動車規格のEVを発売させることを、社長自らが宣言している。
軽EVの投入時期について、N-BOXのフルモデルチェンジ時期と近いものが示されていたわけだが、少なくとも次期N-BOXについてはEVとはならず、新開発の軽自動車向けハイブリッドが採用される可能性が高い。2024年登場予告の軽EVは、N-BOXとは別の新型車種として発売されることが予想される。
とはいえ、2040年目標を掲げたホンダにとってN-BOXのEV化も行っていかねばならない。そのタイミングは次々回フルモデルチェンジに行われるのが妥当な線ではないだろうか。2030~2031年あたりに登場する4代目N-BOXでは、一部グレードでEVが選択できる状況になることが期待される。
新型N-BOXにマイルドハイブリッド搭載の可能性は低い
ホンダが目標とするEVとFCEVの完全移行時期まで、まだ18年もある。この間に課せられる燃費基準をクリアするためにも、開発中となっている軽自動車向けハイブリッドの導入は、ホンダの国内向け最量販モデルであるN-BOXの現実的かつ効果的な手段となるだろう。
ライバルのスズキは、これまで軽自動車セグメントの電動化においてリードしてきたが、これはISGを使ったマイルドハイブリッドの採用であった。ただし、これから電動化をスタートさせる軽自動車メーカーにとっては、マイルドハイブリッドはタイミング的に良いアイデアとは考え難い。
特にホンダは1.5Lクラス車などで導入してきたe:HEVがある。次期N-BOXに搭載される新開発ハイブリッドとは、e:HEVの技術を軽自動車クラスに応用した本格ハイブリッドに仕上げられることが予想される。

N-BOXのフルモデルチェンジの歴史、次期型JF5/6系は2023年の発売予想
N-BOXは販売期間6年弱でフルモデルチェンジを受けている。このモデルサイクルが維持されるなら次期型へのフルモデルチェンジは2023年あたり。国内の車名別販売台数でも上位の車種だけに、大幅に遅れることなく、3代目へのフルモデルチェンジが実施される可能性が高い。
初代N-BOXは2011年に発売、大ヒットモデルに
初代N-BOX(JF1/2系)は、2011年12月に発売された。ホンダの新世代軽自動車、Nシリーズの第一弾として登場し、ホンダの得意とするセンタータンクレイアウト採用による低床化により、広いキャビンスペースが実現された。
販売3年目を迎える2013年12月のマイナーチェンジでは、燃費性能、安全装備の強化などが盛り込まれた。さらに、2015年2月のマイナーチェンジでは、フェイスリフトが実施された。
2017年、N-BOXがフルモデルチェンジで二代目に、外観はキープコンセプト
2017年9月にはフルモデルチェンジを受けて、2代目N-BOX(JF3/4系)の販売に切り替わった。エクステリアは、大ヒットとなった初代型からのキープコンセプトながらも、プラットフォームやパワートレインといった主要部分が新開発されており、大幅な軽量化と燃費性能の向上が果たされた。また、ホンダセンシングを軽自動車として初採用された。
2020年12月にマイナーチェンジ、N-BOXの弱点は渋滞追従未対応のオートクルーズコントロール
2020年末にマイナーモデルチェンジによるフェイスリフトを受けた。しかし、この時には電動パーキングブレーキは採用されず、ACCは停止速度に対応されなかった。
N-BOXは軽自動車部門で販売台数ナンバーワンの人気を誇ってきた。しかし、渋滞追従に対応しないACCについて、ユーザーのなかでは唯一の弱点とする考えもあった。
プラットフォームを同じくするN-WGNは2019年のフルモデルチェンジで全車速対応ACCと電子制御パーキングブレーキを装備済み。さらにN-ONEへも搭載車種が拡大されるなかで、再量販車種のN-BOXへの対応が遅れていた。
【N-BOX】実質マイナーチェンジ、電子パーキングブレーキ標準化、渋滞追従ACC装備、フルモデルチェンジ前も商品力アップ
現行販売されるN-BOXは、2021年12月17日の一部改良モデル。
この一部改良では、電子制御パーキングブレーキが全車標準装備となった。これに伴いアダプティブクルーズコントロール(ACC)は渋滞追従機能付きに性能アップを果たす。いずれもN-WGNやN-ONEで先行導入されていた装備であるが、N-BOXへの採用が遅れていた。今回の一部改良で、ようやく装備された。
消費税込み車両価格は、通常N-BOXが144万8700~204万2700円。N-BOXカスタムが178万9700~225万2800円に設定される。
「N-BOX Custom STYLE+ BLACK」特別仕様車、Nシリーズ10周年
N-BOXのルーツは2011年12月発売の初代型にさかのぼる。ホンダが軽自動車事業の立て直しのため、プラットフォーム設計から新規開発した新世代軽自動車「Nシリーズ」の第一弾として市場投入された。
10周年を迎えるタイミングで発売されたのが、特別仕様車「N-BOX Custom STYLE+ BLACK(スタイルプラス ブラック)」である。
「N-BOX Custom STYLE+ BLACK」は、上質かつ精悍なN-BOX Customのデザインに、こだわりのブラックをアクセントカラーとしたエクステリアが特徴。フロントグリル、リアライセンスガーニッシュをはじめとする各部に施したベルリナブラックがクールかつさらなる高級感が演出される。
さらに、N-BOX Customエンブレムやアルミホイールにも専用のブラック塗装を施し、より引き締まった印象に仕上げた個性あるデザインとなっている。
特別仕様車「N-BOX Custom STYLE+ BLACK」の消費税込み車両価格は、192万9400~219万0100円となる。
N-BOX、2020年末マイナーモデルチェンジ以降も販売好調
2011年にスタートしたホンダの軽自動車Nシリーズは、2021年7月の段階で累計販売300万台を達成した。なかでもN-BOXの販売比率は3分の2に達している。
2021年上半期(1-6月)は、N-BOXの販売台数が110,551台と好調であった。軽自動車販売台数でナンバーワンであることはもちろんのこと、世界的な自動車向け半導体不足による減産が問題となるなかで、N-BOXはハイペースでの販売が進んでいた。
N-BOXの2020年度末のマイナーモデルチェンジでは、電動パーキングブレーキが装備されないなど期待はずれな部分もあったわけだが、これは2021年末の一部改良で標準装備となった。
そして、ワンサイズ上のホンダのニューモデル、フィットのセールスが失速している状況もN-BOXの販売にとっては皮肉にもプラスに働いているはず。ライバルのトヨタ・ヤリスの販売が好調であることからも、国内Bセグメントハッチバックの需要は依然として根強いものがある。ただし、コストパフォーマンス、燃費、居住性といった実用的なアピールでは、N-BOXのようなスーパーハイト軽ワゴンに太刀打ちできない流れになってきている。