【N-BOX】実質マイナーチェンジ、電子パーキングブレーキ標準化、渋滞追従ACC装備、フルモデルチェンジ2023年後半予想

N-BOX

ホンダは、N-BOXを一部改良し、2021年12月17日に発売した。

N-BOX Custom STYLE+ BLACK

N-BOX Custom STYLE+ BLACK

一部改良では、電子制御パーキングブレーキが全車標準装備となった。これに伴いアダプティブクルーズコントロール(ACC)は渋滞追従機能付きに性能アップを果たす。いずれもN-WGNやN-ONEで先行導入されていた装備であるが、N-BOXへの採用が遅れていた。今回の一部改良で、ようやく装備された。

消費税込み車両価格は、通常N-BOXが144万8700~204万2700円。N-BOXカスタムが178万9700~225万2800円に設定される。

「N-BOX Custom STYLE+ BLACK」特別仕様車、Nシリーズ10周年

N-BOXのルーツは2011年12月発売の初代型にさかのぼる。ホンダが軽自動車事業の立て直しのため、プラットフォーム設計から新規開発した新世代軽自動車「Nシリーズ」の第一弾として市場投入された。

N BOX

初代N-BOX(2011年)

今回、10周年を迎えるということで、特別仕様車「N-BOX Custom STYLE+ BLACK(スタイルプラス ブラック)」が発売された。

N-BOX Custom STYLE+ BLACK(クリスタルブラックパール)

N-BOX Custom STYLE+ BLACK(クリスタルブラックパール)

「N-BOX Custom STYLE+ BLACK」は、上質かつ精悍なN-BOX Customのデザインに、こだわりのブラックをアクセントカラーとしたエクステリアが特徴。フロントグリル、リアライセンスガーニッシュをはじめとする各部に施したベルリナブラックがクールかつさらなる高級感が演出される。

N-BOX Custom STYLE+ BLACK(プラチナホワイトパール)

N-BOX Custom STYLE+ BLACK(プラチナホワイトパール)

さらに、N-BOX Customエンブレムやアルミホイールにも専用のブラック塗装を施し、より引き締まった印象に仕上げた個性あるデザインとなっている。

N-BOX Custom STYLE+ BLACK(メテオロイドグレーメタリック)

N-BOX Custom STYLE+ BLACK(メテオロイドグレーメタリック)

特別仕様車「N-BOX Custom STYLE+ BLACK」の消費税込み車両価格は、192万9400~219万0100円となる。

N-BOXの弱点だった、渋滞追従未対応のオートクルーズコントロール

2017年にフルモデルチェンジ発売された現行の二代目N-BOXは、昨年2020年末にマイナーモデルチェンジによるフェイスリフトを受けた。しかし、この時には電動パーキングブレーキは採用されず、ACCは停止速度に対応されなかった。

N-BOXは軽自動車部門で販売台数ナンバーワンの人気を誇ってきた。しかし、渋滞追従に対応しないACCについて、ユーザーのなかでは唯一の弱点とする考えもあった。

N-BOX

後期型 N-BOX / N-BOX カスタム

プラットフォームを同じくするN-WGNは2019年のフルモデルチェンジで全車速対応ACCと電子制御パーキングブレーキを装備済み。さらにN-ONEへも搭載車種が拡大されるなかで、再量販車種のN-BOXへの対応が遅れていたが、今回ようやく採用となった。

後期型 N-BOX

後期型 N-BOX

N-BOXのフルモデルチェンジは2023年頃の予想

そして、N-BOXのフルモデルチェンジは、2023年頃の実施が予想される。昨年2020年12月のマイナーモデルチェンジから3年程度は現行型の販売が継続されるだろう。2021年12月の一部改良で、渋滞追従機能付きオートクルーズコントロールを装備したことで、モデル末期の販売体制はより盤石となった。

後期型 N-BOX フロントグリル

後期型 N-BOX フロントグリル

 

次期【N-BOX】フルモデルチェンジでEV化は無い、軽自動車向け新開発ハイブリッド導入へ

次期N-BOXを語るにあたって避けては通れないのがパワートレインの電動化である。ホンダは2040年に世界販売する全ての新車をEVとFCEVにする目標を打ち出しているが、それよりも早い段階の2024年に、軽自動車規格のEVを発売させることを、社長自らが宣言している。

ホンダCEO

本田技研工業 代表取締役社長 三部敏宏 氏

軽EVの投入時期について、N-BOXのフルモデルチェンジ時期と近いものが示されてわけだが、少なくとも次期N-BOXについてはEVとはならず、新開発の軽自動車向けハイブリッドが採用される可能性が高い。2024年登場予告の軽EVは、N-BOXとは別の新型車種として発売されることが予想される。

後期型 N-BOX

後期型 N-BOX

とはいえ、2040年目標を掲げたホンダにとってN-BOXのEV化も行っていかねばならない。そのタイミングは次々回フルモデルチェンジに行われるのが妥当な線ではないだろうか。2030~2031年あたりに登場する4代目N-BOXでは、一部グレードでEVが選択できる状況になることが期待される。

新型N-BOXにマイルドハイブリッド搭載の可能性は低い

ホンダが目標とするEVとFCEVの完全移行時期まで、まだ18年以上もある。この間に課せられる燃費基準をクリアするためにも、開発中となっている軽自動車向けハイブリッドの導入は、ホンダの国内向け最量販モデルであるN-BOXの現実的かつ効果的な手段となるだろう。

N-BOX カスタム フロントグリル

前期型 N-BOX カスタム

ライバルのスズキは、これまで軽自動車セグメントの電動化においてリードしてきたが、これにはISGを使ったマイルドハイブリッドの採用であった。ただし、これから電動化をスタートさせる軽自動車メーカーにとっては、マイルドハイブリッドはタイミング的に良いアイデアとは考え難い。

新型ヴェゼル ティザー e:HEV

ホンダ e:HEV

特にホンダは1.5Lクラス車などで導入してきたe:HEVがある。次期N-BOXに搭載される新開発ハイブリッドとは、e:HEVの技術を軽自動車クラスに応用した本格ハイブリッドに仕上げられることが予想される。

次期N-BOXはEVと共用プラットフォームでフルモデルチェンジ

次期N-BOXのパワートレインは新開発ハイブリッドが主流となるだろう。ただし、プラットフォームレベルでは、次期N-BOXの段階でEV対応させておくほうが得策だ。

2022年春に日産は軽EVの「サクラ」を発売させる。このことが、軽自動車のEV化を加速させる可能性がある。

IMkコンセプト

日産・IMkコンセプト

EV化の進行スピードは予測し難い部分があり、次期N-BOXもモデル中期からEVモデルの追加が技術的には可能な状況にしておくほうが都合が良いだろう。

また、次期N-BOXのプラットフォームをEV対応させておくことは、ホンダがこれまで実行してきた軽自動車戦略の面からも合理性がある。ホンダの次世代軽自動車は、N-BOXをはじめとするNシリーズのプラットフォームを使った車種に集約される。

アクティトラックは販売を終え、S660は50台ばかりの追加生産を終えると、カタログ落ちとなる見込み。

今後、MRベースのプラットフォームで軽自動車を開発する予定はなく、ホンダの軽自動車は全てNシリーズのFFプラットフォームをベースにした車種となる。

S660 フロントグリル

S660

2024年の発売が予告されたホンダの軽自動車EVが、N-BOXなどとは別の専用プラットフォームになる可能性も残されてはいるが、ホンダ、一社の規模でこれを用意するというのは考え難い。つまり、次期Nシリーズのプラットフォームは、EV対応が前提となっている可能性が高いのだ。

Honda e リアコンビネーションランプ

Honda e

次期N-BOXにEVの選択肢は用意されるのか、軽自動車全体にEV化の波

軽自動車EVについては、前述の通りホンダが2024年、日産が2022年春の発売を予告している。さらに、ダイハツとスズキも、EVパワートレインを共同開発していくことになっており、その発売時期として遅くとも2025年という回答がスズキ社長から出されている。

軽自動車のEV化は、近い将来にほぼ間違いなく起こる。

来春発売、日産の軽EV「SAKURA」
3https://car-research.jp/imk/ev-3.html

次期N-BOXのフルモデルチェンジ開発、ホンダの軽自動車事業は継続されるが…

申し分ない販売実績を誇ってきたN-BOXも、次期型へのフルモデルチェンジが危ぶまれる場面もあった。ホンダが軽自動車事業からの撤退を検討していたという話である。

ただ、これも今となっては、心配には及ばない。ホンダの軽自動車は、プラットフォーム共用されるNシリーズに車種を絞り、継続していく方針が明確となっている。

S660

N-BOXの昨年2020年(1月~12月)の販売台数は19万5984台となり、4年連続して日本で一番売れたクルマとなった。その後、発表された2020年度(4月~3月)の販売台数は19万7900台で、これは首位のトヨタ・ヤリス20万2652台に次ぐものであった。

これだけ圧倒的な販売実績があれば、次期型が計画されるのは当然の流れである。

N-BOX人気に依存するホンダの軽自動車事業

N-BOXの好調を背景に、ホンダの軽自動車はプラットフォーム共用されるNシリーズに限り、フルモデルチェンジに向けて開発されることになる。ただし、販売台数を見ていくと問題点が無いわけではない。

(2021年上半期の販売台数)

  • N-BOX 110,551台
  • N-WGN 27,695台
  • N-ONE 13,969台
  • N-VAN 15,102台

N-BOX以外で目立って売れているモデルが無いのである。近年のホンダの軽自動車事業は、N-BOXの人気に依存したものであり、これに続くヒット作が出せていない。

今後N-BOXが、市場環境の変化などにより、圧倒的な販売台数を維持できなくなれば、ホンダの軽自動車事業全体が窮地に陥ることは想像に難くない。

2020年の国内Bセグメントの一斉フルモデルチェンジがN-BOXの販売に影響

N-BOXのようなトールワゴン軽自動車と、登録車のBセグメントクラスは、別カテゴリとして扱われがちだが、ユーザー目線では価格帯や室内の広さが近く、事実上は競合している。その国内Bセグメントの主力、フィット、トヨタ・ヤリス、日産・ノートが昨年2020年に揃ってフルモデルチェンジしており、なかでもヤリスの販売が好調となっている。2020年度の新車販売台数の首位はN-BOXではなく、ヤリスとなったのも、こういった流れも理由の一つだろう。

ヤリス

ヤリス

N-BOX、2020年末マイナーモデルチェンジ以降も販売好調

2011年にスタートしたホンダの軽自動車Nシリーズは、2021年7月の段階で累計販売300万台を達成していた。なかでもN-BOXの販売比率は3分の2に達している。

2021年上半期(1-6月)は、N-BOXの販売台数が110,551台と好調であった。軽自動車販売台数でナンバーワンであることはもちろんのこと、世界的な自動車向け半導体不足による減産が問題となるなかで、N-BOXはハイペースでの販売が進んでいた。

後期型 N-BOX CUSTOM

後期型 N-BOX CUSTOM

N-BOXの2020年度末のマイナーモデルチェンジでは、電動パーキングブレーキが装備されないなど期待はずれな部分もあったわけだが、これは2021年末の一部改良で標準装備となった。

そして、ワンサイズ上のホンダのニューモデル、フィットのセールスが失速している状況もN-BOXの販売にとっては皮肉にもプラスに働いているはず。ライバルのトヨタ・ヤリスの販売が好調であることからも、国内Bセグメントハッチバックの需要は依然として根強いものがある。ただし、コストパフォーマンス、燃費、居住性といった実用的なアピールでは、N-BOXのようなスーパーハイト軽ワゴンに太刀打ちできない流れになってきている。

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