5人乗りで荷室が広いハイブリッドワゴン車
かつてデトロイトモーターショーにプリウスVとして発表されたワゴンタイプのプリウスをレビューしてみる。
元々はGW前にデビュー予定だったのだが、現在も震災の影響で延期されたままとなっている。
トヨタの生産体制が回復しつつあり、まもなくデビューしそうだ。
インパネはプリウスとは違うデザイン
まず現行のプリウスと異なるのがインパネ周りのデザインである。
プリウスワゴンはややメカニカルな雰囲気を敢えて残した感じがする。
メーターや操作系統がインパネのセンターに配置されているのはプリウスファミリーの流れを受け継いでいる。
写真は左ハンドル仕様のものであるが、日本の右ハンドル仕様では、写真に対してほぼシンメトリーは配置となる。
広大な荷室
リアシートは3:7の可倒式で、これを倒すと広大な荷室が生まれる。
リアハッチはワゴン車らしく広い開口口となっており、大きな荷物を積み込むことも可能だ。
リアのセンターシートはアームレストとして使う事ができる。
高さも丁度良く十分な大きさがあるので、単なる仕切りとしてではなく、リアシートの2名の乗客がリラックスするために使う事が可能だ。
気になったのはリアシートの質感だ。250万円前後の車体価格の車とは思えない、コストダウンを感じさせるシートとなっている。
可倒部分のヒンジが剥き出しなのは、コンパクトカークラスのリアシートを思い出させる。
プリウスワゴンはコンパクトカーの2倍近い車体価格となるので、価格に見合った雰囲気をユーザーとしては求めてしまう。
乗り心地は要チェックポイント
乗り心地については現行のプリウスはあまり良い評価がされていない。
取り立てて悪いわけではないが、値段と車体サイズなりの水準に届いていないのが正直な所だろう。
プリウスワゴンについては、この良いとされない乗り心地が、さらに悪くなることが懸念される。
サスペンションアームが現行プリウスのアルミ製からスチール製にコストダウンされることになっているのだ。
これは乗り心地の面ではマイナスに働く。
購入時の試乗では、路面の良いところだけでなく、やや荒れた部分でどのように感じるかチェックしたほうがいい。
路面のいい所で乗り心地の悪い新車なんて無い。
荒れた路面での体の揺らされ具合や、突き上げ感、揺れがすぐに収まるか等を気をつけよう。
自分の納得できる乗り心地であるかどうか、現行プリウスや他メーカーの車種とも比較して考えよう。
リチウムイオン電池は見送り
プリウスワゴンは広い荷室とコストダウンを重視したコンセプトとなっている。
そのため、高性能だがコスト高になるリチウムイオン電池の採用は、見送りとなった。
プリウスワゴンには、現行プリウスと共通のニッケル水素電池とハイブリッドエンジンの組み合わせが採用される。
また、この5人乗りプリウスワゴンとほぼ同時に発売が予定されている、7人乗りミニバンのプリウスアルファは、やや上級志向の位置付けのため、リチウムイオン電池が採用される。
これからの発売が楽しみなプリウスファミリーの2車種である。