スズキ・パレットとダイハツ・タントの比較
パレットのライバルとして挙げられるのはタントだ。口コミでもこの二車で比較検討したという報告も多く、どういった違いがあるのかまとめてみた。
ライバル車 ダイハツ・タント
総合力ではパレットの方が上
簡単に言うと、少しでも広い室内空間を求めるならばタントを選択するのがいい。
ただし、パレットでも十分広いし、使い勝手や乗り心地そして運転のしやすさなど総合的に判断するとパレットの方が優れる。
では、要素ごとに見てみよう。
室内の広さ
パレットでもかなり広いと言えるが、タントの方が一回り上の広さを感じる。特にタントの室内幅1,350mmは5ナンバー車に迫る数値である。ただし薄い側面は車体剛性や衝突安全性能が犠牲になっていることも考慮しておこう。
パレットは低床化技術が導入されているのも注目だ。全高を落として室内高を高くすることに成功している。
室内長:パレット2,085mm、タント2,160mm(パレットが-75mm)
室内幅:パレット1,280mm、タント1,350mm(パレットが-70mm)
室内高:パレット1,365mm、タント1,355mm(パレットが+10mm)
全高:パレット1,735mm、タント1,1750mm(パレットが-15mm)
スライドドア
パレットが両側スライドドアを採用しているのに対し、タントは左側スライドドアのみだ。
タントは左側がピラーレスになり、開口部を広くしたのがアピールポイントであるが、フロントドアを同時に開けなければピラーの有るパレットと開口幅はほとんど変わらない。
スライドドアに関しての口コミは概してパレットの方が高評価だ。
加速性能
元気のいい加速のタントに対し、ゆっくりのパレットという評価が多い。車体重量もパレットの方が両側スライドドアにした事と厚い側面の影響で30kgほど重い。
試乗車で比べる場合の注意点は、タントの試乗車はほとんどターボ車を用意しているのに対し、パレットはNA車を多く用意している。したがって単純に比較できないことも要注意だ。
また、トランスミッションの違いも加速性能を左右する。4AT車のNAエンジンでは、パレット、タント共に加速性能は期待できない。CVTならNAエンジンでも交通の流れに乗るのは比較的容易だ。現在のラインナップではパレット、タント共に全車CVTが採用されているので心配が要らない。中古車で購入を検討している場合は4ATとCVTの違いを確認しておこう。
パレットはターボエンジンでも燃費がいい。予算に余裕があるなら、ターボエンジンにした方が後悔がないだろう。
乗り心地、ハンドリング
乗り心地、ハンドリングについてはパレットの口コミ評価が高い。パレットは頑丈なボディと低床化、そして専用開発したサスペンションなど乗り心地やハンドリングを上げる要素にコストをかけている。背の高い軽自動車を運転している気がしないと評判だ。
逆にタントは、室内空間を広げることに力を注いだ。揺れも激しく、高速道路の運転も疲れる。
この違いは大きいものだが、重要と考えるかは顧客によるだろう。近所の買い物や保育所の送り迎え程度なら重要ではなくタントのより広々とした空間を魅力に感じるだろう。しかし、たまには遠出したりするファーストカーとして考えるなら、パレットの乗り心地やハンドリングの良さは重要なポイントだ。
シート
前席、後席のシートの出来もパレットの方が評価が高い。
パレットのフロントシートはホールド感があり、長時間の運転にも対応した感じがある。
パレットのリアシートはスライドがしにくいものの、クッションも良くサスペンションの出来も相まって乗り心地は良好だ。
パレットのスペック
エンジン、トランスミッション
NAエンジンはK6A型直3DOHC VVT、ターボエンジンはK6A型 658cc 直3 DOHC インタークーラーターボとなっている。どちらもワゴンR等でおなじみで信頼性も高い。
トランスミッションは初期モデルは4ATの設定があったが、現在は全車CVTだ。CVTの仕上がりもスムーズで口コミでも評価が高い。一昔前のCVT車のギクシャク感はない。
サスペンション
パレットはトールワゴン軽自動車のカテゴリーを越えた乗り心地とハンドリング性能を持っており評価が高い。サスペンションは専用設計されたもので、フロントがマクファーソン・ストラット式、リアがI.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式コイルスプリングとなっている。