スペーシア カスタムおよびノーマル車のフルモデルチェンジが進行中となっている。2023年10月25日のジャパンモビリティショーでは、ほぼ市販型と思われるコンセプトが出品された。11月22日に発売日を迎える予定となっている。本ページでは、カスタムの画像を中心に紹介していく。
新型スペーシア カスタムは全車電動パーキングブレーキを標準装備
新型スペーシアより電動パーキングブレーキが採用される。これは「セーフティプラスパッケージ」として、ブレーキホールド、全車速追従機能、停止保持機能付アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援機能とともに用意される。カスタムは全車標準装備で、ノーマル車は上位グレード「HYBRID X」にメーカーオプションで設定される。
真正面からのインテリア画像では、パーキングブレーキ関連のボタンがシフトレバーの影で見えにくい。
・電動パーキングブレーキ ・ブレーキホールド ・全車速追従機能、停止保持機能付アダプティブクルーズコントロール ・車線維持支援機能 |
||
スペーシア ノーマル車 |
HYBRID G | – |
HYBRID X |
メーカーオプション「セーフティプラスパッケージ」で装備(66,000円) |
|
スペーシア カスタム |
HYBRID GS | 標準装備 |
HYBRID XS | 標準装備 | |
HYBRID XS ターボ |
標準装備 |
「スペーシアカスタム」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型スペーシア カスタム/ノーマル車に9インチのディスプレイオーディオ採用
エアコン吹き出し口一体型の9インチのディスプレイオーディオ、正式名称「全方位モニター付メモリーナビゲーション・スズキコネクト対応通信機」はメーカーオプションとなる。カスタムとノーマル車の両方に設定され、全車に装備可能となる。(195,800円)
スマートフォン連携、ドライブレコーダー連動、HDMI入力にも対応する。
助手席側インパネトレーは、かなり広い。
「スペーシアカスタム」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型スペーシア カスタム/ノーマル車の上位グレードに後席オットマン採用
後席に設定される通称オットマン、正式名称「マルチユースフラップ」は、カスタムと標準車ともに上位グレードに用意される。カスタムは「HYBRID XS」「HYBRID XS ターボ」、ノーマル車は「HYBRID X」の各グレードで標準装備される。
「スペーシアカスタム」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型 スペーシア カスタム コンセプト、スペーシア コンセプトが出品、ジャパンモビリティショー
スズキは、「スペーシア カスタム コンセプト」をジャパンモビリティショーで参考出品した。スペーシア ノーマル車と伴に、3代目モデルへのフルモデルチェンジが迫っている。
従来型の特徴であったアルファード顔のメッキグリルをやめ、力強い二本のメッキバーでフロントの表情が作られる。スーパートール軽ワゴンのカテゴリでは、ライバルのホンダ・N-BOXもフルモデルチェンジが発表済みであるが、新型スペーシアカスタムのフロントデザインは、旧N-BOXカスタムのような雰囲気もある。
サイドビューはハンドル高さ上下二本のプレスラインが特徴で、シャープな印象に仕上げられた。
リアデザインは、リアコンビネーションランプ位置を下げて、一文字のメッキガーニッシュとの一体感が出された。エクステリア全体で直線基調が強められており、先代型から印象を変えている。
法改正もあり、バックカメラ装備率が上がることが予想される。これが映し出されるディスプレイオーディオの存在感が高められるのは、メーカー・車種を問わずトレンドとなっている。新型スペーシアカスタムでは、ディスプレイオーディオのフレームを大きく取り、この中にハザードスイッチとエアコン吹き出し口も含められる。
そして、後席ではオットマンの装備が注目されている。上位グレードのみでの設定となるが、N-BOXに対してアドバンテージとなりそう。
「スペーシアカスタム」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
スペーシアカスタムのフルモデルチェンジ、2023年10月にコンセプトがジャパンモビリティショーで出品
スペーシアシリーズの従来ラインアップには、「標準車」「カスタム」「ギア」「ベース」の4種類があった。今回、先行してフルモデルチェンジとなるのは「標準車」「カスタム」に限られる。SUVテイストの「ギア」は2024年度以降のフルモデルチェンジ、「ベース」もフルモデルチェンジを受けて継続されることが予想される。
同じ市場を狙うライバル、ホンダ・N-BOXは、先行予約がスタートしており、10月上旬にも発売日を迎える。スライドドアを備えたスーパートール軽ワゴンの市場に注目が集まっている。
現行スペーシア シリーズは、2022年に商用向けの「スペーシア ベース」という新しいバリエーションが導入された。モデル末期に小規模の変更で商品化が可能な派生車種を追加するのは、スズキの典型的な販売戦略と考えられる。フロントグリルパーツの流用など、前期型「スペーシア カスタム」からの要素を持つ「ベース」の追加は、逆にフルモデルチェンジが近いことを予感させるものであった。
2017年の東京モーターショーでは、現行モデルのほぼ市販型コンセプトが初公開となっていた。
ちょうど6年が経過し、次世代型に進化したスペーシアおよびカスタムが、東京ビッグサイトで披露された。
「スペーシアカスタム」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
新型スペーシア カスタム、注目の装備は電動パーキングブレーキと後席オットマン
新型スペーシアカスタムおよびノーマル車の上位グレードでは、電動パーキングブレーキが採用される。オートブレーキホールド機能も伴い、アダプティブクルーズコントロールは渋滞追従と停止保持を含めた動作が実現すると思われる。
ライバルのN-BOXは2021年の改良で同機能が採用されており、この部分でスペーシアは見劣りしていたが、ようやく追いつくことになりそうだ。ただし、スペーシアでは、車両価格をなるべく低く抑えるため、ノーマル車への搭載は上位グレードのオプション装備となりそう。スペーシア ノーマル車の多くは、車両価格をなるべく抑える考えにより、足踏み式パーキングブレーキ装着車が主流となりそう。
また、スペーシアカスタムおよびノーマル車の両モデルは、後席オットマンの設定が用意されるようで、これも発売前から注目されている装備となっている。
「スペーシアカスタム」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
スペーシアカスタムはフルモデルチェンジしてもBEVの設定無し、電動化はむしろ後退
新型スペーシアカスタムおよび標準車に搭載されるNAエンジンは、最新のR06D型への刷新された。従来R06A型に対してロングストローク化され、高圧縮比(12.0)、給排気VVTが採用された。やはり燃費基準の達成のためかパフォーマンスダウンが伴っている。従来型スペーシアカスタムおよび標準車のR06A型と、新型スペーシアカスタムおよび標準車のR06D型のエンジン仕様を比較すると、最高出力は38kW(52PS)→36kW(49PS)、最大トルクは60Nm→58Nmとなっている。
また、ターボエンジンは引き続きR06A型が採用された。
従来型から引き続き、全車マイルドハイブリッドシステムの採用となったが、リチウムイオンバッテリーの容量削減によるコストダウンが図られている。従来型スペーシアのバッテリー容量は10Ahであったが、新型では3Ahとなった。
「スペーシアカスタム」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
スペーシアは、2030年までのBEVに含まれず
スズキは、2030年までに市場投入するBEVを2023年1月に発表した。
特に日本市場向けには6モデルを発表している。これによると、軽自動車ではエブリィ、ハスラー、ワゴンRといったモデルにBEVが設定されそうだが、スペーシアカスタムは含まれていなかった。スペーシアカスタムのBEV版は、フルモデルチェンジ後の3代目モデルでも設定されることは無さそうだ。
新型スペーシアカスタムのフルモデルチェンジには、スズキ&ダイハツの共同開発EVパワートレインは間に合わない
スズキとダイハツは、軽商用事業でのCASE(コネクテッド、自動運転、シェア、電動化)普及に向けて、CJP(Commercial Japan Partnership)に参画することを2021年07月21日に発表していた。これは、当時既に明らかとなっていた軽自動車向けEVパワートレインの共同開発を加速させることにもなるはず。まずは走行パターンが想定しやすい商用車で、電動化に限らずCASE全体での技術開発が進められ、将来的には乗用車へも応用されることになる。
より具体的には、まずはエブリィからBEVモデルが登場するが、これはダイハツ生産のOEMモデルとなる。
それでも2030年までには、自社生産と思われる軽自動車BEVの導入計画が発表されており、ジャパンモビリティショーでもeWXとしてコンセプトモデルが出品された。スズキの軽自動車BEVは他社よりも展開が遅れそうで、2023年フルモデルチェンジのスペーシアカスタムにおいては、BEVモデルの設定は難しそうである。
「スペーシアカスタム」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
スペーシアカスタムはフルモデルチェンジでレベル2自動運転相当を採用
スペーシアカスタムのフルモデルチェンジで期待されていたものは、新開発ハイブリッド以外にもある。安全運転支援システムである。
ライバルのN-BOX、タントは高速道路巡航時にステアリングに手を添えるだけで、車速コントロールと車線維持を自動制御するシステムが既に搭載されている。いわゆるレベル2自動運転と呼ばれる機能が、従来型スペーシアには導入されていなかった。2023年のフルモデルチェンジでは、「車線維持支援機能」が採用され、これはクロスビーの2020年10月の改良で採用されたものと同等であることが想定される。この他、「電動パーキングブレーキ 」「ブレーキホールド」「全車速追従機能、停止保持機能付アダプティブクルーズコントロール」の機能と統合された「セーフティプラスパッケージ」としてオプション設定、または標準装備され、自動運転レベル2相当に仕上げられる。
クロスビーのアダプティブクルーズコントロールは全車速対応で渋滞時の再発進も可能。車線を含めた前方認識は日立オートモティブシステムズ製のステレオカメラによるシステムによって行われる。これはスバルのアイサイトで採用実績があり、そこからさらに進化を遂げている。
「スペーシアカスタム」フルモデルチェンジの<まとめ>は、次のページ
スズキにはスペーシアカスタムのほかに、新たなスライドドア車種を投入した
スズキの軽自動車ラインアップでは、共通プラットフォーム「HEARTECT」の第二世代型の導入が2021年12月発売の新型アルトからスタートしており、スペーシアカスタムなどへの導入も待望されるところである。一方、新たな「スライドドア装備」の軽自動車として、ワゴンRスマイルが2021年9月に発売された。
スペーシアカスタムのフルモデルチェンジ時期が当初の想定よりも遅れたのは、スライドドア装備の軽自動車で選択肢が増えたことも理由となっていそうだ。
(このページには、権利者より報道目的または個人的・非営利目的の場合のみの使用が許可されている画像・動画を使用しています。)
スペーシアカスタム フルモデルチェンジ まとめ
まとめ更新日: 2023/11/09
- ほぼ市販型、スペーシア カスタム/ノーマル車 コンセプトがジャパンモビリティショーで出品
- 2023年11月9日フルモデルチェンジ発表
- 2023年11月22日に発売予定
- ワゴンRを後回しにし、スペーシアが先行して新型へ
- ライバルのホンダ・N-BOXもフルモデルチェンジ
- 電動パーキングブレーキ、停止保持&渋滞追従機能はノーマル車上位グレードオプション設定、カスタム標準装備
- 後席オットマンの設定
- 次期型にはBEVは設定されない
- NAモデルは現行R06A型から、最新R06D型エンジン採用
- マイルドハイブリッド車のバッテリー容量は下げられた
新型スペーシア カスタム コンセプト 2023年10月 画像 ジャパンモビリティショー
新型スペーシア シリーズ 2023年10月 コンセプト発表
スペーシアカスタムのライバル N-BOX、デザインコンセプトが近いアルファードがフルモデルチェンジ
現行スペーシアカスタムは2017年12月にフルモデルチェンジされた2代目モデル。通常スペーシアの上位モデルに位置付られ、「アルファード風」の迫力あるフロントデザインが特徴となっている。さらに、2021年12月24日には、フェイスリフトを含むマイナーチェンジ相当の一部改良を受けた。これにより、フロントグリルは新デザインのフルメッキ仕様となり、より一層「アルファードらしさ」に磨きが掛けられていた。
一方で、本家アルファードのほうも、2023年6月にフルモデルチェンジを受けた。新型アルファードは従来型のウロコ柄のグリルデザインを踏襲しながらも、曲線を多用することでさらに高級感のある仕上がりとなった。
新型スペーシアカスタムが、新型アルファードのデザインに追従してくるのかも気になるところである。
スペーシアカスタム、2021年のマイナーチェンジは、フェイスリフトとスズキコネクト採用
スペーシアカスタムの2021年のマイナーチェンジの内容は、さらにアルファード顔となったフロントデザイン採用のほかに、新サービスのコネクテッドサービス「スズキコネクト」が導入された。またインストルメントパネルはアクセント色が変更され、安全運転支援システムとしては車線逸脱抑制機能が採用された。車両価格は1,663,200~2,006,400円となった。
従来型スペーシアカスタムで後悔しない色、ホワイト系、ブラック系が人気
現行スペーシアカスタムのボディカラーは7色が設定されている。
- フェニックスレッドパール
- ピュアホワイトパール
- インディゴブルーメタリック2
- アーバンブラウンパールメタリック
- スチールシルバーメタリック
- ムーンライトバイオレットメタリック
- ブルーイッシュブラックパール3
ただし、ピュアホワイトパール、スチールシルバーメタリック、ムーンライトバイオレットパールメタリック塗装車は消費税込み22,000円高となる。
さらに、以下の4色にはブラック2トーンルーフが消費税込み44,000円高で設定可能となっている。
- スチールシルバーメタリック
- フェニックスレッドパール
- ピュアホワイトパール
- インディゴブルーメタリック2
スペーシアカスタムの下取り価格で後悔しないボディカラーは?
後悔したくないなら、人気のホワイト系、ブラック系がオススメ
マイナーモデルチェンジでますますアルファード顔となったスペーシアカスタムであるが、やはりホワイト系、ブラック系が人気のボディカラーとなっており、下取り価格の面でも後悔しない選択となりそう。
スペーシアカスタムに限っては、シルバーの人気が無く、下取り価格で後悔しそう
定番色の中ではシルバー系の人気が低い印象である。一般的に汚れが目立ちにくいボディカラーとして好まれるが、スペーシアシリーズのなかでもカスタムを選ぶユーザー層では少数派のよう。
これ以外のレッド系、ブルー系、バイオレット系、旧モデルのイエロー系なども、中古車市場などでの流通量から判断すると極端に少ないわけでは無いが、ホワイト系、ブラック系に対してタマ数が少なく、平均相場でも僅かに低い傾向にある。
ブラック2トーンカラーは下取り価格よりも、ユーザーの好みで判断したほうが後悔が少なそう
また、ルーフを別色としたブラック2トーンカラー仕様も人気であるが、必ずしも下取り価格を左右するポイントになっていないだろう。4万4000円の価格アップは、これからオーナーとなるユーザーの好みで判断したほうが後悔が少なそう。