現行スペーシアカスタムは2017年12月にフルモデルチェンジされた2代目モデル。通常スペーシアの上位モデルに位置付られ、「アルファード風」の迫力あるフロントデザインが特徴となっている。
スペーシアカスタム、一部改良でマイナーモデルチェンジ相当のフェイスリフト、フルモデルチェンジは遅れそう
先代型販売期間は5年足らずであったこともあり、モデルサイクル的に2022年のフルモデルチェンジ実施が期待される。ただし、2021年12月24日の一部改良では、フロントグリルが新デザインとなり、より一層「アルファードらしさ」に磨きがかかった。このフェイスリフトを受けたため、しばらくは現行型の販売継続が予想される。2022年内にフルモデルチェンジされる可能性は低くなった。
このほか、スペーシアカスタムの一部改良では、新サービスのコネクテッドサービス「スズキコネクト」が導入された。またインストルメントパネルはアクセント色が変更され、車線逸脱抑制機能が採用された。車両価格は1,663,200~2,006,400円となった。


スペーシアカスタムのフルモデルチェンジのタイミングは、ベーシック軽自動車の後
スズキでは、共通プラットフォーム「HEARTECT」の第二世代型の導入が2021年12月発売の新型アルトからスタートしている。この第二世代HEARTECTは、今後ラパンやワゴンRといったベーシックタイプの車種から採用拡大されることになるだろう。スーパーハイトワゴンのスペーシアカスタムへの導入とフルモデルチェンジは、その後のタイミングとなりそうだ。
またスズキでは、スペーシアカスタムに次ぐ新たな「スライドドア装備」の軽自動車として、ワゴンRスマイルが2021年9月に発売となったばかりである。しばらくは、新型ワゴンRスマイルの販売が強化されることになり、スペーシアカスタムのフルモデルチェンジを急ぐ必要もなさそうだ。
現行スペーシアカスタムで後悔しない色、ホワイト系、ブラック系が人気
現行スペーシアカスタムのボディカラーは7色が設定されている。
- フェニックスレッドパール
- ピュアホワイトパール
- インディゴブルーメタリック2
- アーバンブラウンパールメタリック
- スチールシルバーメタリック
- ムーンライトバイオレットメタリック
- ブルーイッシュブラックパール3
ただし、ピュアホワイトパール、スチールシルバーメタリック、ムーンライトバイオレットパールメタリック塗装車は消費税込み22,000円高となる。
さらに、以下の4色にはブラック2トーンルーフが消費税込み44,000円高で設定可能となっている。
- スチールシルバーメタリック
- フェニックスレッドパール
- ピュアホワイトパール
- インディゴブルーメタリック2
スペーシアカスタムの下取り価格で後悔しないボディカラーは
マイナーモデルチェンジでますますアルファード顔となったスペーシアカスタムであるが、やはりホワイト系、ブラック系が人気のボディカラーとなっており、下取り価格の面でも後悔しない選択となりそう。
定番色の中ではシルバー系の人気が低い印象である。汚れが目立ちにくいボディカラーとして好まれやすいが、スペーシアシリーズのなかでもカスタムを選ぶユーザー層を考えると、これに当てはまるケースは少数派のよう。
これ以外のレッド系、ブルー系、バイオレット系、旧モデルのイエロー系なども、中古車市場などでの流通量から判断すると極端に少ないわけでは無いが、ホワイト系、ブラック系に対してタマ数が少なく、平均相場でも僅かに低い傾向にある。
また、ルーフを別色としたブラック2トーンカラー仕様も人気であるが、必ずしも下取り価格を左右するポイントになっていないだろう。4万4000円の価格アップは、これからオーナーとなるユーザーの好みで判断したほうが後悔が少なそう。
スペーシアカスタムはモデルチェンジでレベル2自動運転を装備できるか
スペーシアカスタムのフルモデルチェンジで期待したいものは、新開発ハイブリッド以外にもある。安全運転支援システムである。
ライバルのN-BOX、タントは高速道路巡航時にステアリングに手を添えるだけで、車速コントロールと車線維持を自動制御するシステムが既に搭載されている。いわゆるレベル2自動運転と呼ばれる機能が、スペーシアには未だ導入されていない。ただし、スズキ・クロスビーの2020年10月の改良では、この機能が盛り込まれており、今後スペーシアカスタムを含めたスズキの主力モデルへの水平展開が予想される。
クロスビーのアダプティブクルーズコントロールは全車速対応で渋滞時の再発進も可能。車線を含めた前方認識は日立オートモティブシステムズ製のステレオカメラによるシステムによって行われる。これはスバルのアイサイトで採用実績があり、そこからさらに進化を遂げている。
新型スペーシアカスタムのフルモデルチェンジには、スズキ&ダイハツの共同開発EVパワートレインは間に合わない
スズキとダイハツの関係が親密になってきた。2021年07月21日には、軽商用事業でのCASE(コネクテッド、自動運転、シェア、電動化)普及に向けて、CJP(Commercial Japan Partnership)にスズキとダイハツも参画することが発表された。これは既に明らかとなっていた軽自動車向けEVパワートレインの共同開発を加速させることにもなるはず。まずは走行パターンが単純な商用車で、電動化に限らずCASE全体での技術開発が進められ、将来的には乗用車へも応用されることになる。
ただし、2024年頃のフルモデルチェンジが予想されるスペーシアカスタムにおいては、影響は限定的となりそう。
スズキの軽自動車EV化は2025年頃まで遅れる
スズキは、軽自動車のEV化の時期について、2025年までに投入する予定であることを発表した。
日本の軽自動車では2022年春に日産からIMKコンセプトの市販型EV「SAKURA」の発売がスケジュールされている。次にホンダが2024年の軽EVの発売を予告している。スズキの軽自動車EVは2025年ということだが、スーパートールワゴンのスペーシアカスタムのEV化については、さらに先となりそうだ。