スズキは、「スペーシア カスタム コンセプト」をジャパンモビリティショーで参考出品することを発表した。通常スペーシアと伴に、3代目モデルへのフルモデルチェンジが計画されている。公開された画像からは、従来型の特徴であったアルファード顔のメッキグリルをやめ、力強い二本のメッキバーでフロントの表情が作られる。スーパートール軽ワゴンのカテゴリでは、ライバルのホンダ・N-BOXもフルモデルチェンジが発表済みであるが、新型スペーシアカスタムのフロントデザインは、旧N-BOXカスタムのような雰囲気もある。
サイドビューはハンドル高さ上下二本のプレスラインが特徴で、シャープな印象に仕上げられた。
リアデザインは、リアコンビネーションランプ位置を下げて、一文字のメッキガーニッシュとの一体感が出された。エクステリア全体で直線基調が強められており、先代型から印象を変えている。
法改正もあり、バックカメラ装備率が上がることが予想される。これが映し出されるディスプレイオーディオの存在感が高められるのは、メーカー・車種を問わずトレンドとなっている。新型スペーシアカスタムでは、ディスプレイオーディオのフレームを大きく取り、この中にハザードスイッチとエアコン吹き出し口も含められる。
そして、後席ではオットマンの装備が注目されている。上位グレードのみでの設定が予想されるが、N-BOXに対してアドバンテージとなりそう。
想定されるスケジュールは、2023年10月25日に東京ビッグサイトで開催される、ジャパンモビリティショーのプレスデーでワールドプレミアイベントを実施。その後2023年11月の予約受付スタートが予想される。発売は2023年12月となる見込み。
出品されるモデルは「コンセプト」とはしているものの、ほぼ市販型であることが想定される。通常「スペーシア コンセプト」も出品が予告されている。
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スペーシアカスタムのフルモデルチェンジ、2023年10月にコンセプトがジャパンモビリティショーで出品確定
スペーシアカスタムのフルモデルチェンジが迫っている。2023年10月25日にプレスデーがスタートするジャパンモビリティショーでは、コンセプトモデルの出品が予想される。早ければ11月頃にも予約受付が始まり、12月頃の発売が見込まれる。
スペーシアシリーズの現行ラインアップには、「標準車」「カスタム」「ギア」「ベース」の4種類がある。今回、先行してフルモデルチェンジとなるのは「標準車」「カスタム」に限られる見込み。SUVテイストの「ギア」は2024年度以降のフルモデルチェンジ、「ベース」もフルモデルチェンジを受けて継続されることが想定される。
同じ市場を狙うライバル、ホンダ・N-BOXは、先行予約がスタートしており、10月上旬にも発売日を迎える。スライドドアを備えたスーパートール軽ワゴンの市場に注目が集まっている。
現行スペーシア シリーズは、2022年に商用向けの「スペーシア ベース」という新しいバリエーションが導入された。モデル末期に小規模の変更で商品化が可能な派生車種を追加するのは、スズキの典型的な販売戦略と考えられる。フロントグリルパーツの流用など、前期型「スペーシア カスタム」からの要素を持つ「ベース」の追加は、逆にフルモデルチェンジが近いことを予感させるものであった。
2017年の東京モーターショーでは、現行モデルのほぼ市販型コンセプトが初公開となっていた。
ちょうど6年が経過し、次世代型に進化したスペーシアおよびカスタムが、東京ビッグサイトで披露されることになりそう。
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新型スペーシア カスタム、注目の装備は電動パーキングブレーキと後席オットマン
新型スペーシアカスタムでは、電動パーキングブレーキが採用されることが予想される。オートブレーキホールド機能も伴い、アダプティブクルーズコントロールは渋滞追従と停止保持を含めた動作が実現すると思われる。
ライバルのN-BOXは2021年の改良で同機能が採用されており、この部分でスペーシアは見劣りしていたが、ようやく追いつくことになりそうだ。ただし、スペーシアでは、車両価格をなるべく低く抑えるため、カスタムの上位グレードのみへの搭載となりそう。通常スペーシアおよびカスタムの下位モデルは、車両価格をなるべく抑える考えにより、足踏み式パーキングブレーキの継続採用が見込まれる。
また、スペーシアカスタムでは、後席オットマンの設定が用意されるようで、これも発表前から注目されている装備となっている。
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スペーシアカスタムはフルモデルチェンジしてもEVの設定無し、電動化はむしろ後退か
新型スペーシアカスタムなど、次期スペーシアシリーズに搭載されるNAエンジンは、最新のR06D型への刷新が予想される。従来R06A型に対して、ロングストローク化、高圧縮比(12.0)、給排気VVTの採用となる。やはり燃費基準の達成のためかパフォーマンスダウンが伴うことが予想される。現行スペーシアカスタムのR06A型と、新型ワゴンRスマイルのR06D型のエンジン仕様を比較すると、最高出力は38kW(52PS)→36kW(49PS)、最大トルクは60Nm→58Nmとなっている。
また、ターボエンジンは引き続きR06A型の採用が予想される。
マイルドハイブリッド車の継続も予想されるが、リチウムイオンバッテリーの容量削減によるコストダウンが図られるかもしれない。スペーシアとは車体重量が近い最新モデルのワゴンRスマイルでは、バッテリー容量は3Ahしか積まれていない。一方、従来型スペーシアのバッテリー容量は10Ahとなっている。
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スペーシアは、2030年までのBEVに含まれず
スズキは、2030年までに市場投入するBEVを2023年1月に発表した。
特に日本市場向けには6モデルを発表している。これによると、軽自動車ではエブリィ、ハスラー、ワゴンRといったモデルにBEVが設定されそうだが、スペーシアカスタムは含まれていなかった。スペーシアカスタムのBEV版は、フルモデルチェンジ後の次期型でも設定されることは無さそうだ。
新型スペーシアカスタムのフルモデルチェンジには、スズキ&ダイハツの共同開発EVパワートレインは間に合わない
スズキとダイハツは、軽商用事業でのCASE(コネクテッド、自動運転、シェア、電動化)普及に向けて、CJP(Commercial Japan Partnership)に参画することを2021年07月21日に発表していた。これは、当時既に明らかとなっていた軽自動車向けEVパワートレインの共同開発を加速させることにもなるはず。まずは走行パターンが想定しやすい商用車で、電動化に限らずCASE全体での技術開発が進められ、将来的には乗用車へも応用されることになる。
より具体的には、まずはエブリィからBEVモデルを設定し、さらに2030年までにハスラー、ワゴンRへと展開することになるだろう。2023年度後半のフルモデルチェンジが予想されるスペーシアカスタムにおいては、BEVモデルの登場は難しそうである。
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スペーシアカスタムのライバル N-BOX、デザインコンセプトが近いアルファードがフルモデルチェンジ
現行スペーシアカスタムは2017年12月にフルモデルチェンジされた2代目モデル。通常スペーシアの上位モデルに位置付られ、「アルファード風」の迫力あるフロントデザインが特徴となっている。さらに、2021年12月24日には、フェイスリフトを含むマイナーチェンジ相当の一部改良を受けた。これにより、フロントグリルは新デザインのフルメッキ仕様となり、より一層「アルファードらしさ」に磨きが掛けられていた。
一方で、本家アルファードのほうも、2023年6月にフルモデルチェンジを受けた。新型アルファードは従来型のウロコ柄のグリルデザインを踏襲しながらも、曲線を多用することでさらに高級感のある仕上がりとなった。
新型スペーシアカスタムが、新型アルファードのデザインに追従してくるのかも気になるところである。
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スペーシアカスタム、2021年のマイナーチェンジは、フェイスリフトとスズキコネクト採用
スペーシアカスタムの2021年のマイナーチェンジの内容は、さらにアルファード顔となったフロントデザイン採用のほかに、新サービスのコネクテッドサービス「スズキコネクト」が導入された。またインストルメントパネルはアクセント色が変更され、安全運転支援システムとしては車線逸脱抑制機能が採用された。車両価格は1,663,200~2,006,400円となった。

現行スペーシアカスタムで後悔しない色、ホワイト系、ブラック系が人気
現行スペーシアカスタムのボディカラーは7色が設定されている。
- フェニックスレッドパール
- ピュアホワイトパール
- インディゴブルーメタリック2
- アーバンブラウンパールメタリック
- スチールシルバーメタリック
- ムーンライトバイオレットメタリック
- ブルーイッシュブラックパール3
ただし、ピュアホワイトパール、スチールシルバーメタリック、ムーンライトバイオレットパールメタリック塗装車は消費税込み22,000円高となる。
さらに、以下の4色にはブラック2トーンルーフが消費税込み44,000円高で設定可能となっている。
- スチールシルバーメタリック
- フェニックスレッドパール
- ピュアホワイトパール
- インディゴブルーメタリック2
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スペーシアカスタムの下取り価格で後悔しないボディカラーは?
後悔したくないなら、人気のホワイト系、ブラック系がオススメ
マイナーモデルチェンジでますますアルファード顔となったスペーシアカスタムであるが、やはりホワイト系、ブラック系が人気のボディカラーとなっており、下取り価格の面でも後悔しない選択となりそう。
スペーシアカスタムに限っては、シルバーの人気が無く、下取り価格で後悔しそう
定番色の中ではシルバー系の人気が低い印象である。一般的に汚れが目立ちにくいボディカラーとして好まれるが、スペーシアシリーズのなかでもカスタムを選ぶユーザー層では少数派のよう。
これ以外のレッド系、ブルー系、バイオレット系、旧モデルのイエロー系なども、中古車市場などでの流通量から判断すると極端に少ないわけでは無いが、ホワイト系、ブラック系に対してタマ数が少なく、平均相場でも僅かに低い傾向にある。
ブラック2トーンカラーは下取り価格よりも、ユーザーの好みで判断したほうが後悔が少なそう
また、ルーフを別色としたブラック2トーンカラー仕様も人気であるが、必ずしも下取り価格を左右するポイントになっていないだろう。4万4000円の価格アップは、これからオーナーとなるユーザーの好みで判断したほうが後悔が少なそう。
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スペーシアカスタムはフルモデルチェンジでレベル2自動運転を装備できるか
スペーシアカスタムのフルモデルチェンジで期待したいものは、新開発ハイブリッド以外にもある。安全運転支援システムである。
ライバルのN-BOX、タントは高速道路巡航時にステアリングに手を添えるだけで、車速コントロールと車線維持を自動制御するシステムが既に搭載されている。いわゆるレベル2自動運転と呼ばれる機能が、スペーシアには未だ導入されていない。ただし、スズキ・クロスビーの2020年10月の改良では、「車線維持支援システム」として、この機能が盛り込まれており、今後スペーシアカスタムを含めたスズキの主力モデルへの水平展開が予想される。
クロスビーのアダプティブクルーズコントロールは全車速対応で渋滞時の再発進も可能。車線を含めた前方認識は日立オートモティブシステムズ製のステレオカメラによるシステムによって行われる。これはスバルのアイサイトで採用実績があり、そこからさらに進化を遂げている。
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スズキにはスペーシアカスタムのほかに、新たなスライドドア車種を投入した
スズキの軽自動車ラインアップでは、共通プラットフォーム「HEARTECT」の第二世代型の導入が2021年12月発売の新型アルトからスタートしており、スペーシアカスタムなどへの導入も待望されるところである。一方、新たな「スライドドア装備」の軽自動車として、ワゴンRスマイルが2021年9月に発売された。
スペーシアカスタムのフルモデルチェンジ時期が当初の想定よりも遅れたのは、スライドドア装備の軽自動車で選択肢が増えたことも理由となっていそうだ。

スペーシアカスタム フルモデルチェンジ まとめ
- 2023年度後半のフルモデルチェンジ予想
- ワゴンRを後回しにし、スペーシアが先行して新型へ
- 2023年10月開催のジャパンモビリティショーで新型コンセプト参考出品
- 正式発表と予約は2023年11月の予想
- 生産、発売は2023年12月の予想
- ライバルのホンダ・N-BOXは、2023年10月5日にフルモデルチェンジ正式発表予定
- カスタム上位グレードに電動パーキングブレーキ、停止保持&渋滞追従機能の採用予想
- 後席オットマンの設定予想
- 次期型にはBEVは設定されない
- 本格ハイブリッドも用意されない予想
- 現行R06A型から、最新R06D型エンジン採用予想
- マイルドハイブリッドは、バッテリー容量削減でコストダウンの可能性
- 2023年6月にフルモデルチェンジした新型アルファードのデザインを追従するのかが注目