新型「ソリオ HYBRID SZ」が、東京オートサロン2023および大阪オートメッセ2023で出品された。本モデルは、2022年12月に追加発売された、「新型ハイブリッド」搭載車となっており、先代型SZグレード搭載の10kWモーターのシステムがブラッシュアップを受けて、新型ソリオのラインアップに復活した。
東京オートサロンおよび大阪オートメッセは、カスタムカーイベントという性格を持つが、「ソリオ HYBRID SZ」については、ディーラーオプションのフロアマット(ジュータン)(スタイリッシュグラデーションブラック)が装着された。
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ソリオにはBEVは設定されるのか?スズキが「2030年度に向けた成長戦略の発表」
スズキは2023年1月に、2030年度までに市場投入するBEVを発表していた。
図の上段左と中央にワゴンスタイルの小型車が2モデルある。これを「ワゴンRとソリオ」と考えるか、あるいは「アルトとワゴンR」と考えるかで意見が分かれている。現行ソリオは2020年12月に発売されたまだ新しいモデル。2023年後半にはマイナーチェンジが予想される。さらにフルモデルチェンジによる次期型の登場となると、随分と先の話になりそうだが、これにはBEVの設定があるかもしれない。
ソリオ HYBRID SZ / バンディット HYBRID SVが追加 2022年12月
「ソリオ HYBRID SZ(消費税込み車両本体価格 2,222,000円)」、「ソリオ バンディット HYBRID SV(同 2,246,200円)」がラインアップに追加され、2022年12月15日に発売となった。
今回パワートレイン選択肢に追加された、「新型ハイブリッド」とするシステムは、「K12C型 1.2Lエンジン +10kWモーター + 5速AGS」によるもので、先代型で設定された「ハイブリッド」のブラッシュアップ版に相当する。バッテリー容量として 6Ahが採用され、駆動方式は2WDのみが設定される。
スズキでは、新世代のストロングハイブリッドが開発され、エスクード、欧州S-CROSSで先行導入されている。そのシステムは、「K15C型 1.5Lガソリンエンジン + 24.6kWモーター + 6速AGS + フルタイム4WD」といった本格的な電動化が施されている。ソリオ搭載の「新型ハイブリッド」についても大幅な性能アップが期待されたが、これは叶わなかった。
ソリオのWLTCモード燃費は、新型ハイブリッド車が、22.3km/Lとなった。従来からラインアップされるモデル、1.2Lガソリン車(2WD)の19.0km/L、1.2Lマイルドハイブリッド車(2WD)の19.6km/Lと比較して、いくらかの燃費性能の向上が見られる。
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ソリオに電動パーキングブレーキ採用はいつ?一部改良、マイナーモデルチェンジで期待された装備
2022年12月の追加モデル「新型ハイブリッド」は、期待外れな内容であった。また、電動パーキングブレーキの装備も期待されていたが、これも見送られた。
ダイハツ生産のライバルモデル、トール、トヨタ・ルーミー、スバル・ジャスティは、2020年のマイナーチェンジで電動パーキングブレーキが採用されており、ソリオへの導入も待望される状況となっている。
ソリオのマイナーチェンジは2023年後半以降の予想
ワゴンRから完全独立し、「ソリオ」「ソリオバンディット」の2モデル体制が確立されたのが、2010年発売の2代目モデル、MA15S型からであった。2代目モデル以降は、およそ5年のモデルサイクルで新型が投入され、3代目 MA26S/MA36S/MA46S型、現行4代目 MA27S/MA37S型と進化してきた。
ソリオシリーズのこれまでのモデルサイクルが継続されるなら、次期型5代目モデル発売は2025年頃になりそう。この間にフェイスリフトを伴うマイナーモデルチェンジがあるはずで、2023年頃の実施が予想される。
特に電動パーキングブレーキについては、現行4代目モデル発売時にも装備が期待されたが、未だ実現していない。現行ソリオは足踏み式パーキングブレーキの採用で、値上げ幅が抑えられている。
一方でライバルのトール/ルーミーは、2020年9月のマイナーモデルチェンジのタイミングで、電動パーキングブレーキが装備されたことで商品力が向上しており、基本設計が古いにも関わらず販売が好調だ。
電動パーキングブレーキの装備は、アダプティブクルーズコントロールの停止保持機能を可能とすることから、近年ニーズが高まっている。トール/ルーミーに電動パーキングブレーキが装備されてから約2年が経過しており、ソリオへの装備も期待される。
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ソリオに電動パーキングブレーキが装備されると、どうなるのか
現行型ソリオのマイルドハイブリッド車は、ACCが全車速対応となっているが、電動パーキングブレーキは採用されなかった。渋滞時の追従時も先行車に合わせて停止するところまでは動作するものの、停止保持は2秒までとなる。それまでにドライバーによるブレーキ操作により停止を維持することが必要になる。電動パーキングブレーキが装備されると停止保持が自動的に行われるため、ドライバーの負担はさらに軽減されることになる。
ソリオは電動パーキングブレーキの装備よりも、価格が優先された
今どきの新型車で電動パーキングブレーキも付かないのか、とユーザー側では嘆く声もある。ただし、装備せずとも、販売面で致命的とはならない、というスズキの考えもまだ通用する部分がある。
例えば、トヨタ・ヤリス vs ホンダ・フィットといった最近のコンパクトカーの販売競争では、電動パーキングブレーキを装備しないヤリスがセールスを伸ばしているという実情がある。(正確には、GRヤリスRS、ヤリスクロスといった上級モデルは電動パーキングブレーキを装備する。)
新型ソリオにおいて電動パーキングブレーキが採用されなかったのも、余計な装備によるユーザー負担を増やしたくない、スズキらしい判断なのかもしれない。

ソリオのマイナーチェンジ、ストロングハイブリッドは導入されるのか
スズキは第2世代となるストロングハイブリッド(K15C型)を開発し、国内向けには2022年4月のエスクードのマイナーチェンジにより市販車導入をスタートさせた。今後のスズキは、この新開発ハイブリッドシステムの採用モデルを拡大させていくことになり、ソリオも搭載候補車種の一つとして考えられる。
先代型ソリオに設定されていたストロングハイブリッドは、1.2Lエンジン+10kWモーター+5速AGSによるシステムであった。しかし、この初代ストロングハイブリッドは、2020年のフルモデルチェンジ時に継承されず搭載が廃止となっていた。現行ソリオでは2.3kWのISGモーターを搭載するマイルドハイブリッド車とコンベンショナルガソリンエンジン車の二種類のパワートレインがラインアップされてきた。
最新の第2世代ストロングハイブリッドは、K15C型1.5Lエンジン+24.6kWモーター+6速AGSのシステムに仕上げられた。モーター出力はスズキのハイブリッドシステムとしては、これまでのなかで最大となり、トランスミッションのAGSも多段化され、旧型5速から新型6速となった。
第2世代ストロングハイブリッドは、現段階では、クロスオーバーSUVのSX4 S-CROSSへの搭載が予告されているが、ソリオへの搭載については公表されていない。
一方で、小型車クラスの本格ハイブリッドについては、2021年終盤にライバルメーカーで大きな動きがあった。ダイハツがシリーズ式ハイブリッドのe-SMART HYBRIDの商品化に成功しており、小型SUVのロッキーに搭載された。今後はダイハツ生産の小型車種に広く採用されることになるだろう。ソリオの直接的なライバルモデルである「トール、ルーミー、ジャスティ」への本格ハイブリッドの導入が近い将来に実施されることが予想される。
スズキもソリオへの本格ハイブリッドシステムの導入が待望される状況となっている。
ソリオ ギア?クロスオーバー設定の可能性は?
ソリオの現行型4代目へのフルモデルチェンジ時に、通常ソリオ、バンディットに次ぐ新たなボディタイプとして登場が期待されたのが「クロスオーバー」である。今やメーカー問わずクロスオーバーSUVブームのトレンドを取り入れた派生モデルを人気車種に設定することが常套手段となっている。
しかし、2020年のフルモデルチェンジ時には「ソリオ クロスオーバー」や「ソリオ ギア」といったようなモデルは発売されなかった。軽自動車のスペーシアでは、2018年にスペーシアギアが発売されており、これはモデル中期のタイミングでの追加発売であった。ソリオのマイナーチェンジのタイミングでは、クロスオーバーモデルの追加が期待される。
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ソリオ 2022年12月 追加モデルまとめ
- 2022年12月に「新型ハイブリッド」追加
- 先代型搭載「1.2Lエンジン + 10kWモーター」のブラッシュアップ版
- 従来モデルへのフェイスリフト無し
- 電動パーキングブレーキ採用は無し
- 次回、2023年後半以降の商品改良でマイナーチェンジの期待