- 新型ソリオ、増産される可能性
- ボディサイズ拡大は許容範囲
- ラゲッジと後席が改善
- 1.2Lガソリンと1.2Lマイルドハイブリッド
- ストロングハイブリッドは廃止
- ハイブリッド車は、燃費よりも装備でメリット
- 全車速対応ACC装備はハイブリッドのみ
- 電動パーキングブレーキは採用されなかった
- スズキの良心、過剰装備によるユーザー負担を軽減
以下で、「自動車リサーチ」が詳しく、解説していきます。
スズキ、ソリオがフルモデルチェンジで4代目モデルに
スズキのソリオ、ソリオバンディットがフルモデルチェンジを受けて、2020年12月4日に発売日を迎えた。
発売月の販売台数として5019台を記録しており、先代型モデル末期の3000台未満の水準から追い上げている。スズキは新型ソリオの月間販売として4000台規模を計画している。この計画は「最低でも」という、前置きがあったから、ユーザーからの反応が良く、好調な受注が続くことが見込まれるようなら、生産規模が拡大される可能性もあるだろう。
この新型ソリオ、パワートレインラインナップや装備面が、今どきの新型車としては、物足りない部分があるということで、一部で酷評される懸念もあった。ただ、実際に購入するユーザーの目線では、昨今の他メーカーの新型車に比べて値上がり幅が小さく、魅力的に感じるのではないだろうか。
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従来型ソリオから全長を拡大、広いラゲッジを備えた
まずは、大きくなったというボディサイズを新型と従来型で比較してみる。
新型ソリオ(MA27S、MA37S)のボディサイズ
- 全長 3,790mm
- 全幅 1,645mm
- 全高 1,745mm
- ホイールベース 2,480mm
従来型ソリオ(MA26S、MA36S、MA46S)のボディサイズ
- 全長 3,710mm
- 全幅 1,625mm
- 全高 1,745mm
- ホイールベース 2,480mm
新型ソリオはラゲッジスペースが拡大された
新型ソリオのボディサイズは先代比で、全長が+80mm拡大した。さらに他スペースの最適化で、ラゲッジ奥行きは先代比で+100mmの拡大となり、ユーザーにとっての利便性が大きく向上した。
ソリオは積載力で有利なトールワゴン車ではあるが、全長が短いなかで後席スペースを優先した設計のため、ラゲッジスペースの狭さが弱点であった。ここが改善されたことはメリットとして大きい。
その反面、コンパクトさは犠牲になったが、それでも全長と全幅に関しては、日産・マーチなどと近いサイズ感に留まっている。まだまだコンパクトな部類だ。これより小さいサイズを望むなら、スペーシアのような、乗り心地も機能面も向上した昨今のスーパートールワゴン軽自動車を検討したほうがいいだろう。
また、ホイールベースは従来型と変わっておらず、小回り性能は維持された。新型の最小回転半径は従来型と同じ4.8mとなる。
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パワートレインラインアップが物足りない
新型ソリオのパワートレインラインナップは、1.2Lコンベンショナルガソリンと1.2Lマイルドハイブリッドの2タイプとなる。従来型にあった、1.2Lストロングハイブリッドは廃止となった。
このあたり、電動化が進められる世界的なトレンドのなかでは、逆行する商品展開となっており、モータージャーナリストや専門家の目線では、否定的な意見もある。ただし、日本で使う一般ユーザーの目線からすれば、1.2Lストロングハイブリッドは無くても大きな問題とはなりにくい。実際に先代型でもあまり売れていなかった。
むしろ経済的に優れた1.2Lコンベンショナルガソリンの設定が継続されたことが、ユーザー的にはメリットに感じるだろう。
マイルドハイブリッドの燃費性能向上効果は少ない
燃費性能は2WD車のWLTCモードで、コンベンショナルガソリン車が19.0km/L、マイルドハイブリッド車が19.6km/Lとなる。
やはりマイルドというだけあって、ハイブリッドシステムによる燃費性能の向上幅は、最近のハイブリッドカーの水準からすると小さい。それでも、燃費性能の差よりも、装備面の違いで、HYBRID MX/HYBRID MZあるいはソリオバンディットのHYBRID MVといったハイブリッドモデルが選ばれるケースが増えそうだ。
例えば、全方位モニター用カメラパッケージ、全方位モニター付メモリーナビゲーション(つまりメーカーオプションナビ)は、ハイブリッド車に限りオプション装備可能となる。
ACC装備はハイブリッドのみ
そして、全車速対応のアダプティブクルーズコントロール(ACC)もハイブリッド車にしか装備されない機能の一つである。
電動パーキングブレーキは採用されなかった
ACCが全車速対応ということだが、電動パーキングブレーキは採用されなかった。渋滞時の追従時も先行車に合わせて停止するところまでは動作するが、停止保持は2秒までとなる。ドライバーによるブレーキ操作が前提の機能である。
今どきの新型車で電動パーキングブレーキも付かないのか、と嘆く声もあるが、装備せずとも、まだ販売面で致命的とならない、というのがスズキの判断だろう。
例えば、トヨタ・ヤリス vs ホンダ・フィットといった最近のコンパクトカーの販売競争でも、電動パーキングブレーキを装備しないヤリスがセールスを伸ばしているという実情がある。(正確には、GRヤリスRS、ヤリスクロスといった上級モデルは電動パーキングブレーキを装備する。)
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電動パーキングブレーキの装備は、コンパクトカークラスでは必須ではないというのが、ある程度の大部分のユーザーの感覚である。
新型ソリオにおいて電動パーキングブレーキが採用されなかったのも、余計な装備によるユーザー負担を増やしたくない、スズキらしい判断に思える。
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