デリカD2はスズキ・ソリオのOEM車
三菱からデリカD2が発表された。
コンパクトミニバンとして人気のあるスズキソリオのOEM車種だ。
三菱のミニバン、デリカD5からネームを貰っているが、デリカD5とは似ても似つかないフロントマスクに旧来のデリカファンからは落胆の口コミも聞かれる。
ただし、ソリオが欲しいと考えていた顧客にとっては、販売店の選択肢が増えることはメリットになるだろう。
見積りを取る価値は有り
三菱のデリカD2は、スズキのソリオより好条件を提示する可能性は十分にある。
デリカD2は三菱エンブレム以外はソリオと全く同一だが、これには理由がある。
三菱の販売店サイドには、一刻も早く新車を投入しないと、もうやっていけないと言う事情があったようだ。
通常、OEM車はフロントのデザインやグレードラインアップをオリジナルから変更することが多いが、そういった変更をしている暇がなかったというのが三菱の実情だ。
こういう事情があるからこそ、スズキよりも安い見積りを出す可能性が非常に高いと考えていいだろう。
車体の生産はもちろんスズキの工場で行われている。駆け足で新車投入された車だが、車体クオリティーそのものに問題はない。
リセールバリューには注意
デリカD2のようなOEM提供を受けている車種は中古車相場が低迷することが多い。
同じ車とはいえ、オリジナルのソリオの方が精神的に気持ちがいいと考えるのが顧客心理だ。
デリカD2とソリオの両方から見積りを取って、5万円程度デリカD2が安くても、ソリオを買うことをお薦めする。
10万円程度以上デリカD2が安いなら、デリカD2の方がいいかもしれない。
ただし、例外的にOEM車の中古車価格が高くなることもあるが、三菱ブランドということであれば、その可能性は少ないだろう。
10年保証対象外
三菱車は多くの車種で10年保証が付いているが、残念ながらデリカD2はこの対象から外れる。
OEM元と同条件で販売が基本であるから、これは致し方ないだろう。
三菱なりの拘りが欲しかった
デリカD2の車体は、ソリオと全く同じ。販売戦略的にもう少しオリジナルとの差別化を考えなかったのだろうか?
例えば、同じくスズキからOEM提供を受けている日産モコは、オリジナルのMRワゴンと比較して、フロントデザインを大幅に変更してオリジナリティも出している。顧客ターゲットはMRワゴンが若年層をメインに、モコは子育て主婦をターゲットにするなど、同一車体でありながら完全な差別化がされている。
ところが、デリカD2に関しては、オリジナル部分はスリーダイヤのエンブレムだけ。今後のグレードラインアップ等で、スズキソリオとの差別化が図られることも予想できるが、あまりのやる気の無さに、三菱ファンからはややブーイングの口コミだ。
デリカD2はこんな車
エンジンは1.2L
デリカD2のエンジンはソリオと共通のスズキK12B型だ。
4気筒のDOHCで吸排気VVT(可変タイミングバルブ)が装備されている。
新型スイフトとも共通エンジンだ。
トランスミッションはCVT
デリカD2のトランスミッションには全車CVTが装備されている。
副変速機も採用し、より幅広い変速幅を備えている。
燃費性能も優れる。
3列目シートは無いので注意
ミニバンのデリカの名称を用いているが、デリカD2に3列目は存在しない。
センターウォークスルーが可能な左右セパレートの1列目シートと、上位グレードは左右独立に前後スライドできるリアシートを備えている。
2列目シートは車検上は3人用のものだが、二人がより快適に座れるような形状に作られている。実質は二人用と考えた方がいいだろう。
4人乗車ならミニバン並の広々感があり、これが三菱の自社開発車種なら、デリカの名称を謳っても誰も文句を言わないだろう。