ミライースに続く次世代ローコスト低燃費車
ミライースは、リッター32km/L(10・15モード燃費)という驚愕の燃費性能を備えて、ダイハツからデビューしたばかりの新型軽自動車。
今後、ダイハツではミライースのテクノロジーをムーヴやタントなどの他車種にも採用していく方針だ。
ミライースの登場で、スズキなどライバルの軽自動車メーカと比べて、燃費性能では圧倒的なアドバンテージをとったダイハツではあるが、さらに次の燃費対策として2気筒エンジン採用の話が持ち上がっている。
次世代軽自動車向けエンジンとして注目される2気筒エンジン
ミライースを含めた現在新車販売されている軽自動車は3気筒エンジンが主流になっているが、これは走行フィールや乗り心地、燃費性能のバランスを考えた上での結果。
基本的には気筒数が下がると、高トルク、低燃費、低コストといったメリットがある反面、低馬力、高振動といったデメリットがある。
3気筒から2気筒化することで、燃費性能が良く価格の安い車が作りやすくなるのに対し、街乗り重視で高速走行が不得手になり室内も騒がしくなる。
現在のところ、2気筒エンジン開発にあたっては、特に振動と騒音が大きくなることが最大の課題のようで、克服にはまだ時間がかかるようだ。
ダイハツでは、ローコストで低燃費な軽自動車の開発には2気筒エンジンが必要と考えており、今後も実用化に向けての研究を進めていく。
2気筒低価格車はアシア向け車種で先行してデビュー
ダイハツは、ライバルのスズキなどの軽自動車に対して、今のところは燃費性能で勝る面が多く有利な立場にある。
そこに敢えて、振動騒音面で課題のある2気筒エンジンを投入するのは、ダイハツにとって得策ではないだろう。
また一方では、2009年の東京モーターショーにおいて、2012年までに2気筒エンジンをデビューさせると発表しており、実際に2気筒エンジンの開発は実用に近いレベルまで進んでいるという見方もある。
日本のユーザーは、軽自動車にも上質な乗り心地や静かな室内を求める傾向が強いこともあり、日本での2気筒エンジンの導入はまだしばらく実現しそうにないが、アジア市場、とりわけインドネシアでは先行して2気筒エンジンが投入される可能性が高くなっている。
インドネシアではダイハツが出資するアストラ・ダイハツ・モーターの大規模自動車工場があるが、同国の自動車需要の好調さも後押しして生産力を上げてきている。
まずは新興国向け車種で2気筒エンジンを採用していきつつ、振動騒音問題の解決に尽くしてもらいたい。
数年後には、日本でも振動騒音問題を克服した2気筒エンジンを採用し、ミライースを超える低燃費軽自動車のデビューを果たして欲しいものだ。