新型CX-80は、2023年後半の発売が予想される。
マツダは、エンジン縦置きFRレイアウトを特徴とするラージ商品群をいよいよ市場導入する時期に来ている。既に5人乗りクロスオーバーSUVのCX-60については、2022年3月8日の欧州発表を皮切りに豪州でも公開され、4月7日には日本仕様が発表された。CX-60日本仕様の発売時期を2022年初秋としている。
新型CX-80は、この先行導入されるCX-60の3列シートロングボディ版となる。現行ラインアップのCX-8を後継するモデルということになるが、エンジン横置きFFレイアウトであったCX-8に対して車格を大幅に上げてくる。

これまで内燃機関に関する技術を得意としてきた国内自動車メーカーであるが、電動化の波が押し寄せたことで、各々が存亡の危機にある。そんななか、マツダはプレミアムSUVのセグメントへの挑戦で、生き残りを掛けた勝負を仕掛ける。
新型CX-80含むラージ商品群のパワートレインラインアップ
新型CX-80に搭載されるパワートレインラインアップはどのようなものになるのか。先行発売されるCX-60では4種類のパワートレインが発表されており、この中のいくつかはCX-80への搭載も予想される。
<CX-60搭載パワートレイン一覧>
- 直列4気筒 2.5Lガソリン e-SKYACTIV PHEV
- 直列6気筒 3.3Lディーゼル SKYACTIV-D
- 直列6気筒 3.3Lディーゼル 48Vマイルドハイブリッド e-SKYACTIV D
- 直列4気筒 2.5Lガソリン SKYACTIV-G
トランスミッションとしては多板クラッチ式の8速ATが、CX-60の全車に採用される。

CX-80には直列6気筒ガソリンハイブリッドの搭載も予想される
また、かつてラージ商品群に搭載されるパワートレインとして、3種類が発表されており、これらは「2.5L直列4気筒ガソリンPHEV」、「直列6気筒ガソリンハイブリッド」、「直列6気筒ディーゼルハイブリッド」ということであった。なかでも、「直列6気筒ガソリンハイブリッド」については、CX-60搭載パワートレインのなかに含まれておらず、CX-80導入のタイミングで市販車搭載が始まる可能性がある。
マツダはこれらパワートレインのイラストを公開しており、すべてがエンジン縦置きでプロペラシャフトが存在するFRレイアウトが採用されていることが確認できる。
新型CX-80などラージ商品群は、防府第2工場で生産予定
マツダでは、新開発FRプラットフォームを採用する4車種の次世代商品、CX-60、CX-70、CX-80、CX-90をラージ商品群と呼んでいる。これらはプレミアムSUVセグメントへの挑戦でもあり、車両価格が高騰することが予想される。そんななか、従来からの顧客ニーズにも応えていくため、一桁番台の旧SUVモデル、CX-3、CX-5、CX-8、海外向けCX-9も引き続き販売していく可能性を残している。旧SUVモデルを廃止させるタイミングは、今後の販売状況を見ながら市場によって判断されることになる。
ただしCX-8については、CX-80が登場する段階では生産中止となっている可能性が高い。2021年11月10日発表の「2022年3月期 第2四半期決算」の資料によると、CX-3やCX-5については、ラインアップ継続の意思が図示されていたものの、CX-8とCX-9についてはカタログ落ちを示唆する内容であった。
ラージ商品群のSUVにより、マツダのラインアップでは4車種が増やされることになるが、それぞれが派生モデルの関係にある。まず装備されるシート数で、2列がCX-60とCX-70、3列がCX-80とCX-90となる。なかでもCX-70とCX-90は、主に北米市場向けの全幅拡大版という位置付けになる。
これらラージ商品群は防府第2工場で生産される予定である。なお最近のマツダではスモール商品群の北米向け新型CX-50が発売されたが、こちらは「マツダ・トヨタ マニュファクチャリング USA」で生産される。
日本導入されない新型CX-50であるが、注目すべきはマツダの次世代デザインである。ややスクウェアとなったヘッドランプが印象的となった。フロントグリルは横長で、アンダーガードの主張が強くなっている。その後公開されたラージ商品群のCX-60もやはりCX-50の流れを汲んだデザインが採用された。これらマツダの新たなファミリーフェイスはCX-80でも採用されることが予想される。
CX-80だけではない、マツダの高級SUVセグメントへの参入計画
マツダは高級SUVセグメントへの参入を計画しており、CX-60、CX-70、CX-80、CX-90を2022~2023年の期間に市場投入することを予告している。これら4モデルはプラットフォーム共用され、なかでもCX-80は3列シートを装備し、車幅を控えめにデザインした日本向けモデルである。
北米向けに、全幅が大きいCX-70、CX-90を設定するなど、高級SUVのセグメントに本気で勝負を仕掛けているのがわかる。
マツダで現行販売される車種の中では、3列シートを装備するモデルとしてCX-8がある。CX-8のボディスタイルはクロスオーバーSUVで、これを実質的に後継するのが国内向けには新型CX-80となる。
