マツダの新世代3列シートSUV「CX-80」は、2023年秋頃の正式発表が予想される。2023年10月25日よりプレスデーが始まるジャパンモビリティショーが、ワールドプレミアの場所として期待される。
ラージ商品群はこれまで、CX-60と海外向けCX-90が販売中で、残る海外向けCX-70が2023年夏~9月頃の発売が見込まれている。CX-80はラージ商品群のなかでも最後に発表されることになりそう。
新型「CX-80」について<まとめ>、次のページ
新型CX-80は、実質CX-8フルモデルチェンジ、併売されないのか
マツダは2022年3月期に、「今後のSUV商品群」と題して、日本、欧州、北米の3つの市場ごとに展開する商品を発表していた。
このなかでも、新型CX-80が日本と欧州市場におけるフラッグシップSUVとして位置付けられることが確認された。一方、前身となる従来型3列シートSUVのCX-8、と北米CX-9の姿は無かった。国内向けのCX-8は、2022年12月にマイナーチェンジを受けたものの、新型CX-80の発売を待たずに販売終了となるか、あるいは併売期間が非常に短くなる可能性がある。
2列シートSUVについては、新型CX-60とCX-5がしばらく併売されることになりそうで、さらにCX-5には後継モデルの存在が噂されている。
新型「CX-80」について<まとめ>、次のページ
新型CX-80の仕様は、北米CX-90のデザイン、新パワートレインラインアップと近いものになりそう
北米では全幅拡大版の「CX-90」が2023年1月31日にワールドプレミアされた。
北米発表された「CX-90」は、プリプロダクションモデルとしており、一般発売の時期は2023年春とされた。
北米「CX-90」と、国内先行導入されてきた「CX-60」とは、ボディサイズが大きく違うため、見た目の印象は異なるが、ほとんど完全なファミリーフェイスが採用された。「CX-80」でも同様のフロントデザインが予想される。
(CX-90 ボディサイズ)
- 全長:200.8インチ(換算5,100mm)
- 全幅:78.5インチ(換算1,993mm)
- 全高:68.7インチ(換算1,745mm)
- ホイールベース:122.8インチ(換算3,119mm)
パワートレインラインアップの一つには、新開発の3.3L 直列6気筒 e-SKYACTIV ターボエンジンが用意され、最高出力は340HP(約344 PS)、最大トルクは369lb-ft(約500 Nm)に仕上げられ、これはマツダのガソリンエンジン史上、最も高いパフォーマンスとなる。さらに、マイルドハイブリッドシステムも備わっており、パフォーマンスを妥協することなく、優れた燃料消費率が提供される。
「CX-90」には、この他に2.5L直列4気筒ガソリンエンジン搭載のプラグインハイブリッドシステム「e-SKYACTIV PHEV」も採用される。
いずれのパワートレインも、日本市場へ導入されるナロー版「CX-80」への採用が期待される。
新型「CX-80」について<まとめ>、次のページ
CX-80への採用も期待される新開発 3.3L 直列6気筒ターボ 48Vマイルドハイブリッド
CX-90に搭載される新開発直列6気筒ターボエンジンは、マツダの新開発リアバイアスAWDレイアウトを採用するラージ商品群のため特別に開発され、ドライバーへパフォーマンスを重視した体験をサポートする。
さらに、MX-5 ミアータ(日本名 ロードスター)で先行導入された「キネマティック ポスチャー コントロール(KPC)」は、「CX-90」に全車標準装備となり、3列シート クロスオーバーSUVにおいても、マツダの特徴的なドライビング ダイナミクスの維持を助けることになる。
3列シートSUVとして、日本と欧州ではナロー版「CX-80」の導入が計画されてきた。これに対するワイド版「CX-90」は北米のほか豪州での先行販売が予定されており、同地域ではティザー画像も公開されている。ティザー画像からは「e-SKYACTIV PHEV」のバッジを確認することができ、これもパワートレインラインアップの一つとして存在することが確定的となっていた。
別の画像では、FRレイアウトならではの前後に長いフロントフェンダー後部のサイドシグネチャーが写されており、そこには直列6気筒を示す「INLINE 6」の文字が存在する。
新型「CX-80」について<まとめ>、次のページ
赤の塗装は、プレスリリースでも発表された、新色「アーティザンレッドプレミアムメタリック」である。第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」の誕生から10年の節目を迎える、第4弾の「赤」となり、マツダを象徴するボディカラーとなる。
新型「CX-80」について<まとめ>、次のページ
CX-80は2023年内の発表、2024年初頭の発売
マツダは、2023年3月期までの重点取り組み事項として、「北米CX-50、CX-60、北米CX-90」の3モデルを計画していた。なかでも「北米CX-50、CX-60」は発売済み。さらに「北米CX-90」についても、2023年1月末にワールドプレミアを迎え、2023年春の発売が予告された。
昨今は、自動車部品の供給不足による生産や発売時期の遅れが目立つが、今のところラージ商品群の発売時期については、計画に対しての遅れが比較的少なく進捗してきている。マツダの計画によれば、ラージ商品群の市場投入は、2023年までということであった。わずかに遅れるが、2024年序盤に「CX-80」の発売がありそうだ。
新型「CX-80」について<まとめ>、次のページ
新型CX-80の発売日は後回し、全幅拡大版のCX-90が北米、カナダ、オーストラリアで先行デビュー
新型CX-80は、エンジン縦置きのFRレイアウトで開発される新世代ラージ商品群の一つである。2列シート版ショートボディの新型CX-60については、2022年9月15日に発売日を迎えており、その受注が好調となっている。

CX-80よりも先行される北米向けCX-90、2023年3月期の重点取り組み事項
マツダは、2023年3月期までの重点取り組み事項を発表している。そのスケジュールによれば、新型CX-80の北米向けワイドボディ版である新型CX-90の北米向け生産を先に行う予定となっている。
つまり、新世代の3列シートSUVについては、CX-80よりも先行してCX-90を市場投入していく方針を明らかとしている。日本や欧州向けに導入されるCX-80については、その後のタイミングで生産スタートされることになり、2023年内の発表が予想される。また、オーストラリア市場ではワイドボディとナローボディが混在し、CX-90、CX-80、CX-60の3車種の導入が予告されている。
新型「CX-80」について<まとめ>、次のページ
新型CX-80のパワートレインラインアップはCX-60が参考になる
マツダでは、エンジン縦置きFRレイアウトを特徴とするラージ商品群をいよいよ市場投入する時期に来ている。CX-80もそのモデルネームの一つであるが、既に2列シートSUVのCX-60については、2022年9月15日に日本仕様が発売されている。
CX-60のボディサイズは全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm、ホイールベース2870mmとなる。
新型CX-80は、先行導入される新型CX-60の3列シートロングボディ版に相当し、ボディサイズでは特に全長が延長される。現行ラインアップのCX-8を後継するモデルということになるが、エンジン横置きFFレイアウトであったCX-8に対して車格を大幅に上げてくることになる。

これまでガソリンエンジンに関する技術を得意としてきた日系自動車メーカーであるが、グローバルでは電動化の波が押し寄せており、各社が存亡の危機にある。そんななか、マツダはFRレイアウトを採用する高級SUV市場に参入し、ブランド存続を掛けた勝負に挑む。
新型CX-80含むラージ商品群のパワートレインラインアップ
新型CX-80に搭載されるパワートレインラインアップはどのようなものになるのか。先行発売されるCX-60では4種類のパワートレインが発表されており、この中のいくつかはCX-80への搭載も予想される。
<CX-60搭載パワートレイン一覧>
- 直列4気筒 2.5Lガソリン e-SKYACTIV PHEV
- 直列6気筒 3.3Lディーゼル SKYACTIV-D
- 直列6気筒 3.3Lディーゼル 48Vマイルドハイブリッド e-SKYACTIV D
- 直列4気筒 2.5Lガソリン SKYACTIV-G
トランスミッションとしては多板クラッチ式の8速ATが、CX-60の全車に採用される。
CX-80には直列6気筒ガソリンターボマイルドハイブリッドの搭載も予想される
また、かつてラージ商品群に搭載されるパワートレインとして、3種類が発表されており、これらは「2.5L直列4気筒ガソリンPHEV」、「直列6気筒ガソリンハイブリッド」、「直列6気筒ディーゼルハイブリッド」ということであった。なかでも、「直列6気筒ガソリンハイブリッド」については、CX-60搭載パワートレインのなかに含まれていない。
2023年春に発売予定の北米CX-90では、新開発3.3L 直列6気筒ガソリンターボ 48Vマイルドハイブリッドの採用が予告されており、CX-80へも同様に搭載される可能性が高いだろう。
マツダはこれらパワートレインのイラストを公開しており、これらの全てに、エンジン縦置きでプロペラシャフトが存在するFRレイアウトが採用されていることが確認できる。
新型「CX-80」について<まとめ>、次のページ
新型CX-80などラージ商品群は、防府第2工場で生産予定
新型CX-80を含めたラージ商品群の全ては、防府第2工場で生産される計画となっている。なお最近のマツダではスモール商品群の北米向け新型CX-50が発売されたが、こちらは「マツダ・トヨタ マニュファクチャリング USA」で生産される。
日本導入されない新型CX-50であるが、ややスクウェアとなったヘッドランプが印象的な、マツダの次世代デザインが先行導入された。フロントグリルは横長で、アンダーガードの主張が強くなっている。その後公開されたラージ商品群のCX-60もやはりCX-50の流れを汲んだデザインが採用されており、マツダの新たなファミリーフェイスは、CX-80でも採用されることが予想される。