マツダの新世代3列シートSUV「CX-80」は、2023年10月の正式発表が予想される。9月下旬、マツダが日本国特許庁に申請していた意匠登録1717340が公開された。
いよいよ新型CX-80のエクステリアデザインが公開かと思いきや、これはCX-90そのもののように見える。意匠登録のモデルは、左フューエルリッド後端がサイドガラス後端よりも数センチ前方にあるのが確認できる。欧州でリークされたCX-80らしきテストカーとは特徴が異なり、CX-90のデザインと一致していそうだ。

新型CX-80と思われるテストカー(Image source:motor1.com)
また、意匠登録のモデルのリアバンパーは浅い溝でデザインされ、のっぺりした印象であるが、これもCX-90と一致する。リークされたCX-80のテストカーは、比較的大きな凹凸でリアバンパーがデザインされているように見える。
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新型CX-80、ジャパンモビリティショーでの発表期待、生産開始は当初の計画より延期の可能性
発売時期の延期が噂されている新型CX-80であるが、発表は2023年10月25日のジャパンモビリティショーで行われるのではと注目される。この時期に先行予約の受付スタートがあるかもしれない。
ただし、生産開始の時期については、2024年に入って少し過ぎてからが予想される。
新型CX-80の発売は、従来型CX-8の実質的なフルモデルチェンジに相当し、その後継モデルとしてのポジションを担うことになる。マツダからは、2023年8月中旬の段階で、CX-8が12月に生産終了となることがホームページ上で予告され、いよいよ新型CX-80の登場かと期待された。
MAZDA CX-8は、2023年12月をもちまして生産終了致します。
ご注文が12月までの生産台数に達した時点で販売終了となります。…
しかし、このCX-8の生産終了の告知案内は、その後すぐ、8月下旬の段階でホームページ上から抹消された。2024年1月以降もCX-8を生産することに計画変更されている可能性がある。その理由は、やはり新型CX-80の開発の遅れだろうか。
一部の海外向けには、CX-80発売後もCX-8の販売が継続されるという情報もあるが、特に日本向けについては、新型CX-80との併売は無いと考えられる。マツダが2022年3月期に発表した「今後のSUV商品群」によると、日本市場では、CX-8は廃止され、実質的なフルモデルチェンジに相当する3列シートSUVとして、新型CX-80が発売されるということであった。
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新型CX-80は、CX-90に対し全幅だけでなく全長も縮小されるのか?
新型CX-80の発表が近づくなか、マツダのSUVと思われるロングボディのテストカーが国内でスパイショットされた。テストカーは、大型駐車場を備える某コンビニにて、陸送車の荷台に載せられた状態にある。

新型CX-90中国仕様の可能性? スパイショット(画像提供 Twitter@Otsukarechan518 様)
本モデルは発売が迫る新型CX-80のテストカーではないかと期待したが、残念ながら、CX-90である可能性が高いだろう。ただし今回、発売中のCX-90やCX-80の欧州でのテストカーなどとエクステリアを比較していくなかで、新型CX-80の重要な特徴に気付くことができた。

新型CX-90中国仕様の可能性? スパイショット(画像提供 Twitter@Otsukarechan518 様)
まず、この画像のモデルをCX-90と結論づけた理由は、ボディ左側のフューエルリッドカバーとサイドウィンドウ後端の位置関係からである。CX-90では、フューエルリッドカバー右端よりも、サイドウィンドウ後端がさらに5センチ程度後ろにまでガラス部分が続く。

新型CX-80と思われるテストカーが欧州でスパイショット(Image source:motor1.com)
しかし、CX-80ではフューエルリッドカバー右端とほぼ同じ水平位置で、ガラス部分の終端が来ている。CX-80のリアクウォーターガラスは、CX-90より横幅が5センチぐらいは小さくなっていそうで、これに応じて全長も短いことが想定される。
CX-80は、CX-90の全幅縮小版と言われたが、実際には全長も縮小される可能性がある。これについては、いくらかのメディアも同じように予想してきたが、フューエルリッドカバーとサイドウィンドウ後端の位置関係は、このことを証明するものになるかもしれない。
CX-90北米仕様によると、全長は200.8インチ(換算5,100mm)となっており、CX-80日本仕様では5m未満に収めてくるというのも可能性の一つである。

新型CX-90中国仕様の可能性? スパイショット(画像提供 Twitter@Otsukarechan518 様)
また、今回のスパイショットのモデルは、サイドウィンドウから確認できるバックミラーの角度を見る限り、左ハンドル車であることが想定される。さらに、リアサイドガラスやサイドミラー前方には、漢字らしき文字が印字されたステッカーが貼られている。本モデルは、2023年11月頃の発売が想定される中国仕様CX-90である可能性がある。
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新型CX-80 欧州でテストカーがスパイショット

新型CX-80と思われるテストカーがスパイショット(Image source:motor1.com)
CX-80と思われるテストカーの姿が欧州でスパイショットされており、「motor1.com」など多くの自動車メディアで報じられた。
一方、従来型CX-8については、カタログ落ちとなり、新型CX-80が実施的な後継モデルになる。
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新型CX-80は、実質CX-8フルモデルチェンジに相当する
マツダは2022年3月期に、「今後のSUV商品群」と題して、日本、欧州、北米の3つの市場ごとに展開する商品を発表していた。
このなかでも、新型CX-80が日本と欧州市場におけるフラッグシップSUVとして位置付けられることが確認された。一方、前身となる従来型3列シートSUVのCX-8の姿は無かった。
このマツダの発表した内容は、CX-8の販売終了を裏付けるものの一つとなっていた。
CX-8は、2022年12月にフェイスリフトが含まれるマイナーチェンジを受けたばかりでもあり、しばらく販売が継続される可能性は考えられてきた。しかし、販売継続されるのは一部の海外向けのみで、特に日本向けの販売は終了する。
一方、2列シートSUVについては、新型CX-60とCX-5の併売が、マツダの発表内容からも明示されている。さらにCX-5にはFFプラットフォームの後継モデルの存在が噂されている。
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新型CX-80のスパイショットをCX-60と比較
新型CX-80のスパイショットと、発売中の2列シート車のCX-60と比較すると、リアオーバーハングの長さに顕著な違いは感じないものの、リアクォーターウィンドウがCX-80では長くなっており、形状が明らかに異なるのが判る。

新型CX-80(Image source:motor1.com)
リアドアが長くなっていることにも気づくだろう。主にホイールベース延長によって、全長がストレッチされているように見える。
また、CX-80のスパイショットは欧州で撮られたもののようだ。今後、日本国内でのテスト走行も行われることが予想される。

新型CX-80(Image source:motor1.com)
マツダの新世代SUVであるラージ商品群は、CX-60のほか、海外向けCX-90が販売中で、これからCX-80と海外向けCX-70が発売される段階となっている。
特にCX-80は、欧州の他、日本も主力市場の一つとして考えられており、2023年10月25日よりプレスデーが始まるジャパンモビリティショーでのワールドプレミアが期待される。
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新型CX-80のフロントデザインは、CX-60に似ている?
新型CX-80のテストカーは、マガジンXによってもリークされていた。

新型CX-80(Image source:mag-X.jp)
そのスパイショット画像からは、ロアグリルの形状を確認することができる。台形の傾斜部分の角度が緩やかである特徴を持つが、これは発売済みのCX-90、CX-60と比較しても異なる形状である。
また誌上では、サイドからのショットも掲載されており、ロングボディのSUVモデルの姿も確認できる。カモフラージュラッピングされたテストカーは、新型CX-80である可能性が高いだろう。
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CX-80ではない、広島スパイショットのテストカーはCX-60の追加パワートレイン仕様か
一方、2023年5月31日には、別のフル偽装されたSUVモデルのテストカーが広島市内でスパイショットされていた。

こちらはCX-60の可能性、パワートレイン追加を意図したテストカーか?(画像提供 Twitter@ReDecade 様)
陸送中につき、仮ナンバーは付けられておらず、海外向けのテストカーである可能性は残される。安芸区の国道2号を西向きに運ばれている状況で、例えば、三次試験場でのテスト走行を終え、マツダ本社工場や宇品工場、広島港方面に向かっていることが推測される。
タイミング的には、CX-80のテストカーと考えたいところだが、後方からのエクステリアの特徴は、CX-60と全く同じように見える。4つのマフラーの排気口が見えるが、これはCX-90や、前述のCX-80らしきテストカーには無い特徴となっている。
ただし、CX-60は発売されたばかりで、フル偽装のテストカーが出てくるようなタイミングだろうか。となると、CX-60に追加予定の新たなパワートレインをテストするための車両なのか。
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新型CX-80の仕様は、北米CX-90のデザイン、新パワートレインラインアップと近いものになりそう
北米では全幅拡大版の「CX-90」が2023年1月31日にワールドプレミアされた。
北米発表された「CX-90」は、プリプロダクションモデルとしており、一般発売の時期は2023年春とされた。
北米「CX-90」と、国内先行導入されてきた「CX-60」とは、ボディサイズが大きく違うため、見た目の印象は異なるが、ほとんど完全なファミリーフェイスが採用された。「CX-80」でも同様のフロントデザインが予想される。
(CX-90 ボディサイズ)
- 全長:200.8インチ(換算5,100mm)
- 全幅:78.5インチ(換算1,993mm)
- 全高:68.7インチ(換算1,745mm)
- ホイールベース:122.8インチ(換算3,119mm)
パワートレインラインアップの一つには、新開発の3.3L 直列6気筒 e-SKYACTIV ターボエンジンが用意され、最高出力は340HP(約344 PS)、最大トルクは369lb-ft(約500 Nm)に仕上げられ、これはマツダのガソリンエンジン史上、最も高いパフォーマンスとなる。さらに、マイルドハイブリッドシステムも備わっており、パフォーマンスを妥協することなく、優れた燃料消費率が提供される。
「CX-90」には、この他に2.5L直列4気筒ガソリンエンジン搭載のプラグインハイブリッドシステム「e-SKYACTIV PHEV」も採用される。
いずれのパワートレインも、日本市場へ導入されるナロー版「CX-80」への採用が期待される。
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CX-80への採用も期待される新開発 3.3L 直列6気筒ターボ 48Vマイルドハイブリッド
CX-90に搭載される新開発直列6気筒ターボエンジンは、マツダの新開発リアバイアスAWDレイアウトを採用するラージ商品群のため特別に開発され、ドライバーへパフォーマンスを重視した体験をサポートする。
さらに、MX-5 ミアータ(日本名 ロードスター)で先行導入された「キネマティック ポスチャー コントロール(KPC)」は、「CX-90」に全車標準装備となり、3列シート クロスオーバーSUVにおいても、マツダの特徴的なドライビング ダイナミクスの維持を助けることになる。
3列シートSUVとして、日本と欧州ではナロー版「CX-80」の導入が計画されてきた。これに対するワイド版「CX-90」は北米のほか豪州での先行販売が予定されており、同地域ではティザー画像も公開されている。ティザー画像からは「e-SKYACTIV PHEV」のバッジを確認することができ、これもパワートレインラインアップの一つとして存在することが確定的となっていた。
別の画像では、FRレイアウトならではの前後に長いフロントフェンダー後部のサイドシグネチャーが写されており、そこには直列6気筒を示す「INLINE 6」の文字が存在する。
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赤の塗装は、プレスリリースでも発表された、新色「アーティザンレッドプレミアムメタリック」である。第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」の誕生から10年の節目を迎える、第4弾の「赤」となり、マツダを象徴するボディカラーとなる。
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CX-80は2023年内の発表、2024年初頭の発売
マツダは、2023年3月期までの重点取り組み事項として、「北米CX-50、CX-60、北米CX-90」の3モデルを計画していた。なかでも「北米CX-50、CX-60」は発売済み。さらに「北米CX-90」についても、2023年1月末にワールドプレミアを迎え、2023年春の発売が予告された。
昨今は、自動車部品の供給不足による生産や発売時期の遅れが目立つが、今のところラージ商品群の発売時期については、計画に対しての遅れが比較的少なく進捗してきている。マツダの計画によれば、ラージ商品群の市場投入は、2023年までということであった。わずかに遅れるが、2024年序盤に「CX-80」の発売がありそうだ。
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新型CX-80の発売日は後回し、全幅拡大版のCX-90が北米、カナダ、オーストラリアで先行デビュー
新型CX-80は、エンジン縦置きのFRレイアウトで開発される新世代ラージ商品群の一つである。2列シート版ショートボディの新型CX-60については、2022年9月15日に発売日を迎えており、その受注が好調となっている。

CX-80よりも先行される北米向けCX-90、2023年3月期の重点取り組み事項
マツダは、2023年3月期までの重点取り組み事項を発表している。そのスケジュールによれば、新型CX-80の北米向けワイドボディ版である新型CX-90の北米向け生産を先に行う予定となっている。
つまり、新世代の3列シートSUVについては、CX-80よりも先行してCX-90を市場投入していく方針を明らかとしている。日本や欧州向けに導入されるCX-80については、その後のタイミングで生産スタートされることになり、2023年内の発表が予想される。また、オーストラリア市場ではワイドボディとナローボディが混在し、CX-90、CX-80、CX-60の3車種の導入が予告されている。
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新型CX-80のパワートレインラインアップはCX-60が参考になる
マツダでは、エンジン縦置きFRレイアウトを特徴とするラージ商品群をいよいよ市場投入する時期に来ている。CX-80もそのモデルネームの一つであるが、既に2列シートSUVのCX-60については、2022年9月15日に日本仕様が発売されている。
CX-60のボディサイズは全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm、ホイールベース2870mmとなる。
新型CX-80は、先行導入される新型CX-60の3列シートロングボディ版に相当し、ボディサイズでは特に全長が延長される。現行ラインアップのCX-8を後継するモデルということになるが、エンジン横置きFFレイアウトであったCX-8に対して車格を大幅に上げてくることになる。
これまでガソリンエンジンに関する技術を得意としてきた日系自動車メーカーであるが、グローバルでは電動化の波が押し寄せており、各社が存亡の危機にある。そんななか、マツダはFRレイアウトを採用する高級SUV市場に参入し、ブランド存続を掛けた勝負に挑む。
新型CX-80含むラージ商品群のパワートレインラインアップ
新型CX-80に搭載されるパワートレインラインアップはどのようなものになるのか。先行発売されるCX-60では4種類のパワートレインが発表されており、この中のいくつかはCX-80への搭載も予想される。
<CX-60搭載パワートレイン一覧>
- 直列4気筒 2.5Lガソリン e-SKYACTIV PHEV
- 直列6気筒 3.3Lディーゼル SKYACTIV-D
- 直列6気筒 3.3Lディーゼル 48Vマイルドハイブリッド e-SKYACTIV D
- 直列4気筒 2.5Lガソリン SKYACTIV-G
トランスミッションとしては多板クラッチ式の8速ATが、CX-60の全車に採用される。
CX-80には直列6気筒ガソリンターボマイルドハイブリッドの搭載も予想される
また、かつてラージ商品群に搭載されるパワートレインとして、3種類が発表されており、これらは「2.5L直列4気筒ガソリンPHEV」、「直列6気筒ガソリンハイブリッド」、「直列6気筒ディーゼルハイブリッド」ということであった。なかでも、「直列6気筒ガソリンハイブリッド」については、CX-60搭載パワートレインのなかに含まれていない。
2023年春に発売予定の北米CX-90では、新開発3.3L 直列6気筒ガソリンターボ 48Vマイルドハイブリッドの採用が予告されており、CX-80へも同様に搭載される可能性が高いだろう。
マツダはこれらパワートレインのイラストを公開しており、これらの全てに、エンジン縦置きでプロペラシャフトが存在するFRレイアウトが採用されていることが確認できる。
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新型CX-80などラージ商品群は、防府第2工場で生産予定
新型CX-80を含めたラージ商品群の全ては、防府第2工場で生産される計画となっている。なお最近のマツダではスモール商品群の北米向け新型CX-50が発売されたが、こちらは「マツダ・トヨタ マニュファクチャリング USA」で生産される。
日本導入されない新型CX-50であるが、ややスクウェアとなったヘッドランプが印象的な、マツダの次世代デザインが先行導入された。フロントグリルは横長で、アンダーガードの主張が強くなっている。その後公開されたラージ商品群のCX-60もやはりCX-50の流れを汲んだデザインが採用されており、マツダの新たなファミリーフェイスは、CX-80でも採用されることが予想される。
新型CX-80 関連まとめ
- 「CX-80」正式発表、2023年秋頃の予想
- 2023年10月25日ジャパンモビリティーショーでのワールドプレミア期待
- 従来型「CX-8」の2023年12月の生産終了が予告されるも、告知の表示を抹消
- 新型CX-80の開発が遅れている可能性
- 生産開始、予約スタート予想時期は、当初の2024年序盤見込みから延期している可能性
- 「CX-80」の生産は防府第2工場
- 全幅拡大版「CX-90」が先行販売中(北米、オーストラリア)
CX-80でも採用される可能性が高い、CX-90の特徴
- 「CX-90」は、新開発 3.3L 直6 ガソリンターボ 48Vマイルドハイブリッド、2.5L 直4 ガソリンPHEVを採用
- 第4弾の「赤」、新色「アーティザンレッドプレミアムメタリック」
- 「CX-90」は、2023年春の北米発売予告
- 「CX-90」の生産は防府第2工場