マツダ・CX-60の価格改定が2023年8月1日に発表された。値上げ幅は198,000~330,000円という比較的大幅なものとなっており、原材料価格や物流費などの高騰が理由となっている。また、「今回の改定に合わせ、お客さまの好みに合うメーカーオプション選択をより容易にするために、機種・装備体系を一部見直します」としている。
グレード構成では、プラグインハイブリッドのエントリーモデル「PHEV S Package」(5,390,000円)が廃止となる。
2022年6月に発売された新型CX-60であるが、マツダの新世代FRプラットフォーム採用など革新的な面もあるものの、不具合が多発している。このことは、マツダの株主総会でも取り上げられるほどであった。2.5LクラスのFRベースSUVが、エントリー価格で2,992,000円というのは、初期型ならではのバーゲンプライスであったと考えるのが妥当だろう。
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CX-60 新価格表 2023年8月1日
機種名 | 駆動 | エンジン | 旧価格(円) | 新価格(円) | 差額(円) |
25S S Package | 2WD | SKYACTIV-G 2.5 | 2,992,000 | 3,223,000 | 231,000 |
4WD | 3,217,500 | 3,448,500 | 231,000 | ||
25S L Package | 2WD | 3,415,500 | 3,635,500 | 220,000 | |
4WD | 3,641,000 | 3,861,000 | 220,000 | ||
25S Exclusive Mode | 2WD | 3,844,500 | 4,042,500 | 198,000 | |
4WD | 4,070,000 | 4,268,000 | 198,000 | ||
XD | 2WD | SKYACTIV-D 3.3 | 3,239,500 | 3,536,500 | 297,000 |
4WD | 3,465,000 | 3,795,000 | 330,000 | ||
XD S Package | 2WD | 3,580,500 | 3,811,500 | 231,000 | |
4WD | 3,806,000 | 4,037,000 | 231,000 | ||
XD L Package | 2WD | 4,004,000 | 4,224,000 | 220,000 | |
4WD | 4,229,500 | 4,449,500 | 220,000 | ||
XD Exclusive Mode | 2WD | 4,433,000 | 4,631,000 | 198,000 | |
4WD | 4,658,500 | 4,856,500 | 198,000 | ||
XD-HYBRID Exclusive Sports |
4WD | e-SKYACTIV D 3.3 | 5,054,500 | 5,307,500 | 253,000 |
XD-HYBRID Exclusive Modern |
5,054,500 | 5,307,500 | 253,000 | ||
XD-HYBRID Premium Sports |
5,472,500 | 5,670,500 | 198,000 | ||
XD-HYBRID Premium Modern |
5,472,500 | 5,670,500 | 198,000 | ||
PHEV S Package | 4WD | e-SKYACTIV PHEV | 5,390,000 | 廃止 | – |
PHEV Exclusive Sports | 5,846,500 | 6,099,500 | 253,000 | ||
PHEV Exclusive Modern | 5,846,500 | 6,099,500 | 253,000 | ||
PHEV Premium Sports | 6,264,500 | 6,462,500 | 198,000 | ||
PHEV Premium Modern | 6,264,500 | 6,462,500 | 198,000 |
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新型CX-60 ドライバー異常時対応システム 型式指定 取得 2022年12月
新型CX-60は、2022年12月20日、ドライバー異常時対応システムに関する最新の「国連協定規則第79号第4改訂」を踏まえた道路運送車両法の改正保安基準に適合するものとして、国土交通大臣より日本初の型式指定を取得したことが発表された。
CX-60に採用される、先進安全技術「ドライバー異常時対応システム(DEA)」は、意識喪失に対して、ドライバーの運転が継続できないと判断した場合に、クルマが自動で減速停止し、緊急通報が行われる。
具体的な作動例としては、運転者へのモニタリングにより、運転者の無反応状態が検知されると、運転者への警報が発報される。それでも運転者の介入がない場合は、自動的に車両を減速し停止する。または、車線変更先の車線の安全が確認された場合、車線変更にも対応し、道路脇への停止まで行われる。
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マツダ新型CX-60が発売、3.3L 直列6気筒 ディーゼル マイルドハイブリッド車など4種類のパワートレイン
マツダの新型CX-60は、2022年9月15日に発売された。新開発FRプラットフォームを採用する「ラージ商品群」の第一弾で5人乗りSUVに仕上げられる。全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm、ホイールベースは2870mm。4種類のエンジンタイプが用意され、2022年6月24日に予約受注がスタートしていた。
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新型CX-60のボディサイズ、エンジン、トランスミッション
ボディサイズは全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mm、ホイールベース2870mm、トレッド 前 1640mm / 後1645mmとなる。
先行発表されていた欧州仕様では、マツダ初のプラグインハイブリッドシステムの搭載が予告されていた。日本仕様にも、このPHEVモデル「e-SKYACTIV PHEV」が導入され、さらに「SKYACTIV-D 3.3」、「e-SKYACTIV D」、「SKYACTIV-G 2.5」を加えた4種類のエンジンラインアップとなる。いずれのエンジンもトランスミッションは多板クラッチ式の8速ATが備わる。
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新型CX-60日本仕様に搭載される4つのパワートレイン
新型CX-60「e-SKYACTIV PHEV」は、直列4気筒2.5Lガソリンエンジン搭載
「e-SKYACTIV PHEV」のメインユニットは直列4気筒直噴ガソリンエンジンが採用される。出力100kWの大型駆動用モーターを搭載。バッテリー仕様は、容量17.8kWh、電圧355Vとなる。
燃費性能はWLTPモードで1.5L/100 km(66.6km/L)、CO2排出量は33g/kmを達成する。また、ガソリンを消費しないゼロエミッション走行距離としては、時速100キロ以下で、63kmが提供される。
システム全体の最高出力は327PS(241kW)、最大トルクは500 Nmとなり、マツダがこれまでに製造した中で最も強力なロードカーとなる。中型SUVながらも0-100 km/h加速は5.8秒という性能が与えられる。
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新型CX-60「SKYACTIV-D 3.3」は、直列6気筒3.3Lディーゼルエンジン搭載
「SKYACTIV-D 3.3」は、排気量3.3Lの直列6気筒ディーゼルターボエンジンモデルとなる。最高出力231PS、最大トルク51.0kgmのパフォーマンスに仕上げられる。
新型CX-60「e-SKYACTIV D」は、直列6気筒3.3Lディーゼルエンジン+マイルドハイブリッド仕様
「e-SKYACTIV D」は、「SKYACTIV-D 3.3」がベースの48Vマイルドハイブリッド仕様で、最高出力254ps、最大トルク56.1kgmとなる。パフォーマンスと環境性能が両立されたディーゼルパワートレインとなる。
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新型CX-60「SKYACTIV-G 2.5」は、直列4気筒2.5Lガソリンエンジン搭載
「SKYACTIV-G 2.5」は直列4気筒2.5Lのコンベンショナルガソリンエンジンで、エントリーモデルへの設定となるだろう。
CX-60の特徴、運転する愉しさ
- プラットフォームは、縦置き高出力パワーユニットに対応した、新開発の「SKYACTIV マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」を採用。より大きなパワーを思い通りに操る感覚を提供。
- サスペンションは、前輪にダブルウィッシュボーン、後輪にマルチリンクを採用。人間中心の開発思想に基づき、サスペンションをスムーズに動かすことで、日常の様々なシーンにおいてしなやかな乗り心地を実現。
- 人馬一体の走りの楽しさをさらに高める「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」を採用。日常域でスムーズに動くサスペンション構造を活かしながら、ハイスピードのコーナリングにおいてもより一体感があり、より安定した旋回姿勢を実現。
- シートは、前後左右のGに対して乗員がバランスを取りやすいよう、骨盤を立たせるサポート構造を採用。バネとウレタンもクルマからのフィードバックを感じやすい特性に進化させることで、よりシンクロした人とクルマの動きを実現。
- 新開発のトルコンレス8速ATは、多段化による滑らかで応答の良い変速とワイドレンジ化により、走りと環境性能を両立。
- 高いトラクション性能と理想的なハンドリング特性を実現した、ハイパフォーマンスな4WDシステムである後輪駆動ベースのi-ACTIV AWDを新開発。減速時には回生協調ブレーキと連携し、前後の回生配分を最適化することで、効率的で安定した制動姿勢を実現。
- 「マツダインテリジェントドライブセレクト (Mi-Drive)」では、新たにEVモードとトーイングモードを追加。オフロードを含めたさまざまな走行シーンに最適化した「人馬一体の走り」を提供。
- 「ヒルディセントコントロール」をマツダ初採用。ドライバーがブレーキを踏み続ける必要がある急な下り坂において、ドライバーが任意に設定した車速を維持し、安全な降坂走行をサポート。
- 「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」を採用。ドライバーの体格に合わせて理想的なドライビングポジションを自動調整する自動ドライビングポジションガイドなど、すべてのお客様にクルマとの一体感、安心・安全をご提供。
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新型CX-60の日本発売日は2022年9月15日
新型CX-60の生産は、2022年3月11日より山口県の防府第2工場にて行われている。
新型CX-60の欧州仕様については、オーダー受付も行われている。ドイツでのエントリー価格は、47,390ユーロ(日本円換算:約599万円)が設定されている。

新型CX-60はマツダの新世代ファミリーフェイスを採用
CX-60のエクステリアは、マツダの新世代ファミリーフェイスが採用されているのがわかる。
マツダは、スモール商品群の北米CX-50の生産を2022年1月よりスタートさせている。そのフロントデザインは、コンパクトでスクウェア感のある新デザインのヘッドランプと、ワイドになったフロントグリルが特徴で、マツダの新たなファミリーフェイスとして、他モデルへの展開が予想されていた。
今回正式発表された新型CX-60欧州仕様により、その顔付きを確認することができる。
新型CX-60と従来型CX-5は併売
マツダの国内向けラインアップでは、2列シートSUVの最上級モデルとしてCX-5が設定されてきた。このCX-5は、マイナーモデルチェンジ相当の改良が発表されたばかりで、少なくとも2022年から2年間程度は販売が継続されるはず。
一方で、新型CX-60は、2022年9月に発売された。つまり現行CX-5と新型CX-60は、併売されることになる。

日本ではCX-60がCX-5後継モデルとなるが、米国ではCX-50が生産開始へ
また、スモールアーキテクチャを採用する新型CX-50については、2022年1月の米国生産開始を予定している。FFベースの新型CX-50こそが、CX-5の正統後継モデルと考えられるが、こちらは日本発売されない見込みだ。

新型CX-60発売 まとめ
- 2023年8月1日に価格改定を実施
- 値上げ幅は、198,000~330,000円
- グレード「PHEV S Package」(5,390,000円)の廃止により、PHEVのエントリー価格は5,846,500円となった
- FRレイアウト採用のラージ商品群、第一弾
- 3列シート版のCX-80も発売予定
新型CX-60 搭載パワートレイン一覧
- 25S:2.5L 直列4気筒 ガソリン車 SKYACTIV-G
- XD:3.3L 直列6気筒 ディーゼル車 SKYACTIV-D
- XD-HYBRID:3.3L 直列6気筒 ディーゼル マイルドハイブリッド車 e-SKYACTIV D
- PHEV:2.5L 直列4気筒 ガソリンPHEV車 eーSKYACTIV PHEV