スズキの現行型「S-CROSS」は、2021年11月に初公開されたクロスオーバーSUVです。欧州を皮切りにグローバルで販売されていますが、フルモデルチェンジから2年が経過しているにもかかわらず、日本市場への導入はまだ実現していません。
2020年末まで国内で販売されていた先代モデル「SX4 S-CROSS」は、2013年に初公開されてから約2年遅れで日本市場に投入されました。同様に、新型も同程度の遅れで日本導入が期待されていましたが、現時点でその兆候は見られません。
一方、スズキはコンパクトSUVクラスにおいて、新型「フロンクス」を2024年秋に日本で発売予定です。このモデルは全長3,995mm、全幅1,765mm、全高1,550mmのサイズです。全長4,300mmのS-CROSSよりもコンパクトで、日本市場に適したボディサイズとなっています。スズキの国内向けラインアップでは、新型フロンクスがS-CROSSの後継車種として位置づけられることになり、日本市場での存在感を示す可能性があります。
ライバル車としては、ホンダがインドで生産した新型「WR-V」を2024年3月22日に日本で発売しました。新車価格が高騰する中、装備をシンプルにし、海外生産により比較的低価格を実現しています。
新型フロンクスもインドのマルチスズキによって生産された輸入モデルで、充実した標準装備によりコストパフォーマンスの高い商品となることが期待されています。
全長4m前後の小型SUV市場では、近年、ダイハツの「ロッキー」とトヨタの「ライズ」が大きな販売実績を上げてきましたが、ダイハツの不正問題により長期間の生産停止がありました。その後、生産は再開されたものの、2024年11月に施行される改正法規に対する商品改良が間に合わない見込みで、再び生産停止となる見込みです。依然として十分な供給力が回復していません。
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新型S-CROSSに、フルハイブリッド(ストロングハイブリッド)を追加
スズキは、英国市場に向けて、「S-CROSS」フルハイブリッド(ストロングハイブリッド)モデルを追加発売することを2022年10月24日に発表した。
「S-CROSS」は、2013年に発売された小型クロスオーバーSUV「SX4 S-CROSS」のフルモデルチェンジ版に相当する後継車種である。従来モデルネームから「SX4」を取り除き、新型「S-CROSS」と改められ、マイルドハイブリッドモデルが欧州で先行販売されてきた。
一方で、国内向けには、新型となってから販売されていなかったが、今回のフルハイブリッド導入により、日本市場でも受け入れられやすい仕様となった。
「S-CROSS」に搭載されるフルハイブリッドの仕様は、K15C型の1.5Lガソリンエンジンをメインユニットとし、140Vシステム、オートギアシフト(AGS)の採用が発表された。同仕様のエスクードのハイブリッドモデルが日本でも販売中である。
また、これまで欧州で従来販売されてきた「S-CROSS」1.4L マイルドハイブリッド仕様は、マニュアルトランスミッションモデルが引き続き販売される。
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新型S-CROSSは、2021年末に欧州発売、SX4のフルモデルチェンジ相当
新型S-CROSSの生産は、先代型から引き続きハンガリーのマジャールスズキで行われ、マイルドハイブリッドモデルが、2021年末より欧州で販売されている。
特に英国仕様では、「1.4Lターボ48Vマイルドハイブリッド」と「Ultra ALLGRIP」を採用する「MT車」の価格が29,799ポンド(換算約451万円)、同「AT車」は31,149ポンド(換算約471万円)などがグレードラインアップされてきた。
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新型S-CROSSの日本発売は未発表、ボディサイズは先代型からほぼ変わらず
新型S-CROSSは欧州を皮切りに、中南米、大洋州、アジアへも輸出販売される計画となっている。日本発売も期待され、やはり先代型同様にマジャールスズキからの輸入モデルということになるだろう。
ボディサイズは全長4,300mm×全幅1,785mm×全高1,585mmで先代型のサイズ感が維持されている。ホイールベースは2,600mmで先代型と同値。
発売初期モデルに採用されたパワートレインは、48Vマイルドハイブリッドとなる。最高出力はエンジン95kW+モーター10kW、最大トルクはエンジン235Nm+モーター50Nmとなる。
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S-CROSS日本仕様はストロングハイブリッドの可能性
さらにスズキは、電動化パワートレインとして、2022年より「ストロングハイブリッド」のラインアップ強化を予告していた。
「ストロングハイブリッド」という呼び方は、2016年発売のスズキ・ソリオ ハイブリッドの開発段階でも使われていた。これは5速AGS(オートギアシフト)とMGU(モータージェネレーターユニット)をシステムの中心に使ったもので、それ以前の小型のISGだけを使ったシステムよりも高性能であった。
とは言え、初代アクアでも45kWの駆動モーターを搭載していたから、トヨタのTHSⅡなどとの比較では、スズキのMGUの出力が10kWというのは非常に小さく、「ストロング」と呼べば消費者に誤解を与えるリスクがあった。結局、「ストロングハイブリッド」という表現は控えられ、グレード名が「S」で始まる程度になった経緯がある。
その後、2022年4月には、新型エスクードのマイナーチェンジモデルが日本発売を果たしており、これにはK15C型の新世代ストロングハイブリッドが搭載された。モーター出力は24.6kWにまで高められており、トランスミッションのAGSは6速となった。また、エンジン排気量も1.5Lにサイズアップしている。
スズキの本格的ハイブリッドの導入については、2019年の段階でトヨタからTHSの供給を受けることを発表していたが、今回は見送られたようだ。
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新型S-CROSS フルモデルチェンジ 日本発売 まとめ
まとめ更新日: 2024/09/02
- 2021年末にフルモデルチェンジ
- 欧州で先行販売されるマイルドハイブリッドモデルは、1.4Lガソリンエンジン+10kWモーターを搭載
- フルハイブリッド(ストロングハイブリッド)モデルの追加が2022年10月に英国発表
- 日本発売についての言及なし
- 欧州仕様の発売にあたっては、日本向けにも積極的にアナウンスしてきた