日産ティアナがフルモデルチェンジへ、ミドルクラスセダンにVC-TURBO搭載
日産は、ティアナの米国仕様アルティマをフルモデルチェンジさせ、開催中のニューヨーク国際オートショーでワールドプレミアした。
新型アルティマに搭載されるエンジンは2タイプが発表された。
注目となっているのは、日産が世界で初めて量産を実現した可変圧縮比エンジンのVC-TURBOである。これは2016年秋のパリモーターショーで日産のハイブランドチャネル、インフィニティで発表されたターボ過給器付きの2.0Lガソリンエンジンで、圧縮比をパフォーマンス重視の8:1から、燃費重視の14:1までを状況に合わせてシームレスに変化できる画期的なユニットとなる。最高出力は248hp、最大トルクは273lb-ftのスペック。インフィニティあるいは日産ブランドの中でも上位車種のみに導入されるという予想もあったが、中級セダンのアルティマへも採用されることになった。日本仕様としての発売が期待される次期ティアナのほか、同クラスSUVのムラーノや、ミニバンのエルグランドなどへ今後搭載モデルが増やされることが予想される。
近年の日産は、リーフの実績もありEVパワートレインで先行するイメージがあったが、今後は中大型車向けとしてVC-TURBOも人気のパワートレインとなるはず。マツダのクリーンディーゼル、トヨタやホンダのハイブリッドに対抗するエンジンとして期待される。
このVC-TURBOのほか、最高出力188hp、最大トルク180lb-ftの2.5L 直4 NAガソリンエンジンも用意される。
トランスミッションはいずれのエンジンもエクストロニックCVTの採用となる。従来型からロックアップ領域拡大の改良を受けており、燃費性能やダイレクト感を向上させている。
さらに、新型ティアナには4WDモデルが設定される見込みとなっている。前後のトルク配分コントロール機能が備わるインテリジェント4×4の採用となる。
次期ティアナはシングルフレームのVモーショングリルを採用
フロントエクステリアでは日産のトレードマークであるVモーショングリルが拡大され、バンパーを完全に覆ってしまった。コンセプトカーのVmotion 2.0で示されてきた造形が、新型ティアナとして市販化されることになる。
従来型のVモーショングリルはバンパーラインより上に設定され、日産エンブレムを装飾するV型のメッキパーツに過ぎなかった。今後はこの新しい大型シングルフレームグリルが日産ブランドの他モデルへ展開されることが予想される。
2018年6月の販売が予定されているトヨタ クラウンでもこれに近い造形のシングルフレームグリルが採用されており、表情が似ているのは偶然の一致か。ヘッドランプからサイドのキャラクターライン、そしてリアコンビネーションランプに繋がる一直線のラインは新型ティアナのほうが美しく見える。一方でドアハンドル高さがフロントとリアで一致していないのは残念に感じたところである。
実際に北米市場で直接対抗となるのはトヨタ・カムリやホンダ・アコードといったあたり。後出しではあるが、エクステリアデザインについては、この中では最も好感を得るのではないだろうか。
まずは北米市場で2018年秋に発売される見込み。VC-TURBOエンジンが日本生産されることや、日本市場にもマッチしたエンジンサイズであることからも次期ティアナとしての日本発売を期待したい。