ホンダは、新型SUV「ZR-V」を2023年4月21日(金)に発売することを発表した。
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新型ZR-Vは、SUVのコア価値である「実用性」と、最新の安全装備と衝突安全性能が生み出す「信頼感」に加え、異彩を放つ存在感のある「デザイン」、そして爽快かつ快適な「走り」を高い次元で兼ね備えることを目指して開発された。
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新型ZR-Vの価格について
新型ZR-Vの消費税込み車両本体価格は、1.5L ガソリンターボエンジン搭載車(FF)が、294万9100円~354万8600円に設定された。販売の中心となってくる、2.0L e:HEV搭載車(FF)は、329万8900円~389万9500円で用意される。
いずれのモデルもプラス22万円で4WD車が設定される。
新型ZR-Vは、シビックと共通プラットフォームで開発されたSUV派生車種という見方ができる。そういった意味では、新型ZR-Vの価格帯はシビックよりも高くなることが予想された。(シビックはFFモデルのみのラインアップで、ガソリン 3,190,000円~3,539,800円、e:HEV 3,940,200円)
しかし、新型ZR-Vのほうが価格は安く設定されており、人気車種となることが予想される。
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新型ZR-Vは日本独特デザイン、バーチカルグリル採用(先行展示会 画像)
2022年8月に東京、大阪、名古屋の三大都市で先行展示会が実施された。
新型ZR-V 先行展示会画像&動画(2022年8月13日 大阪)
新型ZR-Vのフロントグリルは、日本仕様専用の独自デザインとなるバーチカルグリルが採用される。
国内ブランドのSUVとしては珍しいグリルデザインではあるが、ピアノブラック塗装により上品に仕上げられているせいか嫌味は感じない。ただし、メッキ塗装バージョンも存在するとすれば、かなりの威圧感となりそう。
10.25インチの液晶メーターパネルはシビックからの流用が予想される。ステアリングヒーターも装備されるようだ。
エアコン吹き出し口とハザードボタンが備わるラインには、ハニカムメッシュで装飾される。
センターコンソールには、ワイヤレス給電のQiが装備される。そして、シビックのe:HEVモデル同様に、スイッチ式シフトが採用される。続いて「DRIVE MODE」の切り替えレバー、ヒルディセントコントロール、電動パーキングブレーキ、オートホールドのスイッチが配置される。
センターコンソール下段の小物入れは運転席側と助手席側で貫通している。運転席側にはUSB TYPE-Aが1ポート、助手席側にはUSB TYPE-Cが1ポート備わる。
さらに後席にはUSB TYPE-Aが2ポート設置される。
2台の新型ZR-V展示車両はいずれも「e:HEV」モデルとなる。基本的には、シビックのパワートレインが流用されるが、SUVということでシビックには無かったe:HEVの4WD車も用意される。また、排気部分に関しては、新型ZR-Vでは独自デザインが採用されている。
タイヤはブリヂストン/ALENZA 225/55R 18インチが履かされる。
ZR-V日本仕様は、縦桟グリルを採用、2022年9月8日より先行予約開始
新型ZR-V 日本仕様のエクステリアデザインが公開された。新型ZR-Vは、ボディの大部分が米国仕様HR-Vと共通化される。しかし、特にグリルデザインについては日本仕様専用の縦桟(バーチカルグリル)タイプとなることが判明した。
バーチカルグリルのクロスオーバーSUVと言えば、マセラティの両モデルを思い出させる。
コンパクトなグレカーレのグリルと、横長ヘッドランプのレヴァンテを足し合わせたようなイメージに近いか。
米国仕様HR-Vのフロントグリルで採用された、大柄のハニカムメッシュパターンも非常に斬新なものであったが、日本仕様ZR-Vもかなり注目を集める顔付きとなりそうだ。
新型ZR-Vは2WD/4WDあり、2.0Lハイブリッドのe:HEVと1.5Lターボを搭載
新型ZR-V 日本仕様に搭載されるパワートレインについても発表があった。
ハイブリッドは2.0L e:HEVの採用となる。また、低価格なコンベンショナルエンジンモデルとして、1.5L VTEC TURBO搭載車もラインアップされることが予告された。
駆動方式としては、ハイブリッド、1.5Lターボともに2WD/4WDからの選択が可能となる。
また、シビックの1.5L VTEC TURBOは燃料がハイオク指定であった。新型ZR-Vでは1.5Lターボとハイブリッドのいずれもレギュラーガソリン仕様となる見込み。
日本発売される新型ZR-Vは、米国新型HR-Vと共通ボディ
国内向け新型「ZR-V」は、米国新型「HR-V」と車体の大部分が共通化される見込み。米国HR-Vについては、2022年6月に発売され、メーカー希望小売価格は$24,895~$28,950(日本円換算 約337~392万円)に設定されている。
従来から「HR-V」というモデルネームは、2006年まで国内販売されたコンパクトSUVのほか、現在もヴェゼルの海外仕様車の名称として使われている。しかし、米国でフルモデルチェンジ発表された新型HR-Vの2023年モデルは、ヴェゼルとは全く異なるエクステリアデザインと、一回り大きいボディが与えられた。
ZR-Vの商標登録は、登録査定が出される可能性が高い
ホンダは2020年10月に日本国特許庁に「ZR-V」の商標登録を出願していたが拒絶されており、現在は査定不服審判中となっている。現段階で「ZR-V」のモデルネームが使えるかどうかは確定していない。ただし、国内向けにオープンしているティザーサイトでは既に「ZR-V」の表記が使われており、登録査定が出される見通しが立っている可能性が高い。
ZR-Vは、生産終了となるCR-Vを実質的に後継する
ホンダの国内向けSUVラインアップは、これまでコンパクトSUVの「VEZEL」、中型SUVの「CR-V」が販売されてきた。前者のVEZELは2021年にフルモデルチェンジを受けて2代目モデルが登場してからまだ日が浅く、もちろんこれからも販売継続される。
後者のCR-Vについては現行の5代目がモデル末期となっており、2022年8月に生産終了となる見込み。ただし、ミドルクラスSUVということで北米では需要が多く、新型6代目CR-Vがフルモデルチェンジ発売されたが、日本導入されないことが予想される。
つまり、ホンダの国内向けラインアップでは、生産終了となる5代目CR-Vの後継モデルとして、新型ZR-Vが導入されることになる。
新型ZR-Vと従来型CR-Vのボディサイズを比較
ZR-Vのボディサイズは、先行販売される米国HR-Vの仕様によれば以下の通りとなる。また従来型CR-Vと比較すると、ボディサイズが近くなるのがわかる。ただし、ZR-Vのほうが全高が低く、居住空間はややタイトながらもスタイリッシュとなる。
米国HR-V(国内向け新型ZR-V)のボディサイズ
- ホイールベース 104.5インチ(換算2,654mm)
- 全長 179.8インチ(換算4,567mm)
- 全幅 72.4インチ(換算1,839mm)
- 全高 63.4~63.8インチ(換算1,610~1,621mm)
従来型5代目CR-Vのボディサイズ
- ホイールベース 2,660mm
- 全長 4,605mm
- 全幅 1,855mm
- 全高 1,680~1,690mm
新型ZR-Vはシビックのプラットフォームがベース、エンジンも共通化
新型ZR-Vはシビックのプラットフォームがベースとなっている。
米国HR-Vでは、2.0L NAエンジンが搭載された。国内向けZR-Vのエンジンラインアップとしては、1.5Lターボと2.0L e:HEVの2種類が発表された。これらはやはりシビックからの流用となるだろう。先に発表されたZR-V中国仕様については、1.5Lターボの採用となっている。また欧州でも販売される見込みであるが、やはりCO2排出量規制のなかではe:HEVの搭載となるだろう。
一方で駆動方式については、シビックは2WDのみの設定であった。SUVモデルであるZR-Vには、e:HEVと1.5Lターボともに4WDの設定があることが発表された。
新型ZR-Vの価格帯は、ヴェゼルやカローラクロスよりワンクラス上
新型ZR-Vは国内ブランドのSUVラインアップの中でどういったポジションとなるのか。現在販売中のヴェゼルは、トヨタ・カローラクロスとほぼ同じ価格帯でラインアップされており、これらは実質的に直接競合する車種となっている。
後から出してくる新型ZR-Vは、これらより一段上の価格帯を狙ってくることになり、ゆとりのある居住性とハイレベルな走行性能を備えて差別化されることになりそうだ。
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