ホンダは2022年9月に新型SUV「ZR-V」を日本発売させる予定となっている。発売時期は2022年11月頃になることが予想される。2022年8月13日からは先行展示会が開催されており、日本仕様の一般公開がスタートした。
日本仕様のフロントグリルのデザインは独自設計となり、バーチカルグリルが採用された。国内SUVとしては珍しいグリルデザインではあるが、ピアノブラック塗装で上品に仕上げられているせいか嫌味は感じない。メッキ塗装バージョンも存在するとすれば、かなり威圧感がありそう。
10.25インチ液晶メーターパネルはシビックと同様と思われる。ステアリングヒーターのボタンが存在する。
エアコン吹き出し口、ハザードボタンのラインにはハニカムメッシュが採用される。ワイヤレス給電のQiも装備。
センターコンソールには、シビックのe:HEVモデル同様に、スイッチ式シフトが採用される。続いて「DRIVE MODE」の切り替えレバー、ヒルディセントコントロール、電動パーキングブレーキ、オートホールドのスイッチがある。
下段の小物入れは運転席側と助手席側で貫通している。運転席側にはUSB TYPE Aが1ポート、助手席側にはUSB TYPE Cが1ポート備わる。
後席にはUSB TYPE Aが2ポート設置される。
2台の展示モデルはいずれも「e:HEV」モデルで基本的には、シビックのパワートレインが流用される見込み。ただし、排気部分に関しては、ZR-Vで独自デザインが採用されている。
新型ZR-V 先行展示会画像(2022年8月13日 大阪)
新型ZR-V 先行展示会開催概要
- 2022年8月13日~14日 梅田駅 阪急ビッグマン前広場
- 2022年8月20日~21日 東京駅 イベントスペース(八重洲中央口付近)
- 2022年8月27日~28日 名古屋 JR ゲートタワー
ZR-V日本仕様は、縦桟グリルを採用、2022年9月先行予約開始
新型ZR-V 日本仕様のエクステリアデザインが公開された。新型ZR-Vは、ボディの大部分が米国仕様HR-Vと共通化される。しかし、特にグリルデザインについては日本仕様専用の縦桟(バーチカルグリル)タイプとなることが判明した。
バーチカルグリルのクロスオーバーSUVと言えば、マセラティの両モデルを思い出させる。
コンパクトなグレカーレのグリルと、横長ヘッドランプのレヴァンテを足し合わせたようなイメージに近いか。
米国仕様HR-Vのフロントグリルで採用された、大柄のハニカムメッシュパターンも非常に斬新なものであったが、日本仕様ZR-Vもかなり注目を集める顔付きとなりそうだ。
新型ZR-Vは2WD/4WDあり、2.0Lハイブリッドのe:HEVと1.5Lターボを搭載
新型ZR-V 日本仕様に搭載されるパワートレインについても発表があった。
ハイブリッドは2.0L e:HEVの採用となる。また、低価格なコンベンショナルエンジンモデルとして、1.5L VTEC TURBO搭載車もラインアップされることが予告された。
駆動方式としては、ハイブリッド、1.5Lターボともに2WD/4WDからの選択が可能となる。
また、シビックの1.5L VTEC TURBOは燃料がハイオク指定であった。新型ZR-Vでは1.5Lターボとハイブリッドのいずれもレギュラーガソリン仕様となる見込み。
日本発売される新型ZR-Vは、米国新型HR-Vと共通ボディ
国内向け新型「ZR-V」は、米国新型「HR-V」と車体の大部分が共通化される見込み。米国HR-Vについては、2022年6月に発売され、メーカー希望小売価格は$24,895~$28,950(日本円換算 約337~392万円)に設定されている。
ZR-Vの商標登録は、登録査定が出される可能性が高い
ホンダは2020年10月に日本国特許庁に「ZR-V」の商標登録を出願していたが拒絶されており、現在は査定不服審判中となっている。現段階で「ZR-V」のモデルネームが使えるかどうかは確定していない。ただし、国内向けにオープンしているティザーサイトでは既に「ZR-V」の表記が使われており、登録査定が出される見通しが立っている可能性が高い。
ZR-Vは、生産終了となるCR-Vを実質的に後継する
ホンダの国内向けSUVラインアップは、これまでコンパクトSUVの「VEZEL」、中型SUVの「CR-V」が販売されてきた。前者のVEZELは2021年にフルモデルチェンジを受けて2代目モデルが登場してからまだ日が浅く、もちろんこれからも販売継続される。
後者のCR-Vについては現行の5代目がモデル末期となっており、2022年8月に生産終了となる見込み。ただし、ミドルクラスSUVということで北米では需要が多く、新型6代目CR-Vがフルモデルチェンジ発売されたが、日本導入されないことが予想される。
つまり、ホンダの国内向けラインアップでは、生産終了となる5代目CR-Vの後継モデルとして、新型ZR-Vが導入されることになる。
新型ZR-Vと従来型CR-Vのボディサイズを比較
ZR-Vのボディサイズは、先行販売される米国HR-Vの仕様によれば以下の通りとなる。また従来型CR-Vと比較すると、ボディサイズが近くなるのがわかる。ただし、ZR-Vのほうが全高が低く、居住空間はややタイトながらもスタイリッシュとなる。
米国HR-V(国内向け新型ZR-V)のボディサイズ
- ホイールベース 104.5インチ(換算2,654mm)
- 全長 179.8インチ(換算4,567mm)
- 全幅 72.4インチ(換算1,839mm)
- 全高 63.4~63.8インチ(換算1,610~1,621mm)
従来型5代目CR-Vのボディサイズ
- ホイールベース 2,660mm
- 全長 4,605mm
- 全幅 1,855mm
- 全高 1,680~1,690mm
新型ZR-Vはシビックのプラットフォームがベース、エンジンも共通化
新型ZR-Vはシビックのプラットフォームがベースとなっている。
米国HR-Vでは、2.0L NAエンジンが搭載された。国内向けZR-Vのエンジンラインアップとしては、1.5Lターボと2.0L e:HEVの2種類が発表された。これらはやはりシビックからの流用となるだろう。先に発表されたZR-V中国仕様については、1.5Lターボの採用となっている。また欧州でも販売される見込みであるが、やはりCO2排出量規制のなかではe:HEVの搭載となるだろう。
一方で駆動方式については、シビックは2WDのみの設定であった。SUVモデルであるZR-Vには、e:HEVと1.5Lターボともに4WDの設定があることが発表された。
新型ZR-Vの価格帯は、ヴェゼルやカローラクロスよりワンクラス上
新型ZR-Vは国内ブランドのSUVラインアップの中でどういったポジションとなるのか。現在販売中のヴェゼルは、トヨタ・カローラクロスとほぼ同じ価格帯でラインアップされており、これらは実質的に直接競合する車種となっている。
後から出してくる新型ZR-Vは、これらより一段上の価格帯を狙ってくることになり、ゆとりのある居住性とハイレベルな走行性能を備えて差別化されることになりそうだ。
新型ZR-Vに先行して米国新型HR-Vが発売
従来から「HR-V」というモデルネームは、2006年まで国内販売されたコンパクトSUVのほか、現在もヴェゼルの海外仕様車の名称として使われている。しかし、米国でフルモデルチェンジ発表された新型HR-Vの2023年モデルは、ヴェゼルとは全く異なるエクステリアデザインと、一回り大きいボディが与えられた。