トヨタが市販化濃厚の次世代ハイブリッドコンパクトカーFT-Bhを発表

トヨタ

FT-Bhはアクアを大きく超える燃費性能

2012年3月6から18日まで開催のジュネーブモーターショーで、トヨタは次世代ハイブリッドコンパクトカーのFT-Bhを出展した。
フロントデザインは、ヘッドライトのラインと、バンパーサイドのエアインテークのラインが > < 形になる、レクサスのスピンドルグリル調のデザインが採用されている。
FT-Bh
FT-Bh コンセプト

FT-Bhのボディサイズは、全長3985mm×全幅1695mm×全高1400mm、ホイールベースは2570mmとなっており、ハイブリッドカーであることも含めて現行車のアクアに近いものになる。
しかし、アクアと大きく違うのは燃費性能。まだ開発段階ではあるものの、FT-BhのJC08モード燃費は50km/L程度になるとされており、アクアの35.4km/Lを大きく超えるのは確実だ。CO2排出量はアクアからさらに半分程度削減されるとされている。

ここまで大幅な環境性能の向上を可能とする根拠は二つあり、一つは軽量化にある。FT-Bhとほぼ同サイズのアクアの車体重量が1050kgであるのに対し、FT-Bhは、わずか786kg。これほどまでの軽量化をしておきながら、カーボン素材などの高コスト材料は使用されておらず、主に高張力鋼板の多用で実現しているから驚きだ。786kgというのは、あくまでコンセプトモデルの重量であるので、安全装置などが加わる市販モデルでは、もう少し重くなるはず。しかし、1tを大きく下回るような超軽量ボディであるという方向性は変わらないはずだ。

二つ目の理由として、新型エンジンの投入が挙げられる。この新型のガソリンエンジンは、2気筒でアトキンソンサイクルが取り入れられており、燃費改善に大きく寄与するものだ。最近ではトヨタ傘下のダイハツが、四輪車用の2気筒直噴ターボエンジンを発表しているが、このエンジン技術がFT-Bhに流用されるのではないかと想像する。2気筒エンジンは、燃費性能は優れるものの、振動が大きいという欠点があり、先進国向け車種での採用は、さらなる技術革新が必要とされていた。今回のFT-Bhに2気筒エンジンが採用されるという発表は、この欠点が解消しつつあるのではと考えさせる。
(ダイハツの2気筒直噴ターボエンジン)
2気筒エンジン ダイハツ

また、FT-Bhのハイブリッドバッテリーとしては、リチウムイオン電池が採用され、リアシート下に設置される。これもアクアのニッケル水素電池と比べて進化したポイントになる。

FT-Bhは市販化が確実とされている

今回のFT-Bhのような近未来カーは、環境対策アピールのためのコンセプトカーで終わることが多いが、このFT-Bhに関しては市販時期が2014年夏頃とされており、一般発売を確実視する意見が多い。
価格は140万円程度からと想定されており、今回の発表にもあったように、高価なカーボンファイバーを使用せず、高張力鋼板を採用してきたことでも現実味が出てきた。また、4m未満かつ5ナンバー枠いっぱいの車体寸法、1.0Lというエンジン排気量も市販化前提に開発が行われている根拠でもあるだろう。

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