FCVコンセプトが2014年末に発売、トヨタが燃料電池車市場に本格参入
トヨタは、昨年の東京モーターショー2013で次世代燃料電池車としてFCVコンセプトを発表した。その市販モデルの発売が2014年12月にも実現する見込みとなった。
FCVコンセプトのボディサイズは、全長4870mm×全幅1810mm×全高1535mmでホイールベースは2780mm。日本だけでなく米国、欧州を中心としたグローバル販売を前提としていることから、やや大柄なDセグメントクラス車のサイズとなった。ボディ形状は、オーソドックスなセダンというよりもプレミアムブランドカーで流行となりつつある4ドアクーペのフォルムが採用されている。
FCV市販モデルの車両価格は800万円程度が予測される、水素スタンドの普及に期待
FCVコンセプトでは、2基の高圧水素タンクに充填された液化水素がFCスタックに送られ、酸素との化学反応により電力が得られる。内燃機関は持たず、電気モーターの出力のみを動力とするシステムが採用される。蓄電池も搭載され、現行のハイブリッド車同様にエネルギーの回生も行われる。
燃料電池車は高コストであることが市販化の障壁となっていたが、2014年末発売のモデルは1000万円未満で市販化できる見通しとなっており、800万円程度になるという予測も挙がっている。とはいえまだまだ一般ユーザーが購入するには非常に高額であり、ひとまずは月産数十台程度の生産規模となる見込みだ。
今後2020年代に向けて低価格化と普及を進め、車両価格300~500万円程度で年間数万台規模の生産が目標となっている。
一方で、水素ステーションの設置が都市部に限定されており数も少ないという問題がある。しかし、これも今後改善される可能性がある。
エネルギー源の水素は約3分で補給が完了し、航続可能距離は500kmを超える。従来の化石燃料の補給スタイルに近いため、EVの給電スタンドよりもガソリンスタンドへの併設が容易であるというメリットがある。