新型MRワゴンに「X アイドリングストップ」が追加
昨年12月のデビューした三代目新型MRワゴンにアイドリングストップシステムが搭載されたグレード「X アイドリングストップ」が発表された。
従来からラインアップされていた、充実装備のグレード「X」にアイドリングストップ機能を搭載させて、燃費性能を向上させた。
坂道でエンジン停止したときに後退を抑制する、ヒルホールドコントロール機能もついている。
現在のところ、姉妹車の日産新型モコには、アイドリングストップシステムを搭載したグレードは発表されていない。
今後、OEM車の新型モコでも、ラインアップ追加される可能性がある。
MRワゴン(MF33S) | |||||
グレード | エンジン | オーディオ&バックビューモニター | オーディオレス | ||
2WD | 4WD | 2WD | 4WD | ||
T | ターボ | ¥1,393,350 | ¥1,510,950 | ¥1,340,850 | ¥1,458,450 |
X アイドリングストップ | NA | ¥1,310,400 | – | ¥1,257,900 | – |
X | NA | ¥1,215,900 | ¥1,333,500 | ¥1,163,400 | ¥1,281,000 |
G | NA | ¥1,131,900 | ¥1,249,500 | ¥1,079,400 | ¥1,197,000 |
スズキ株式会社 新型「MRワゴン」にアイドリングストップシステム搭載車を追加し発売
燃費はどれぐらい向上するか
10・15モード走行燃費は、2WD車グレード「X」で25.5km/L、「X アイドリングストップ」で27.0km/Lとなっている。
これは、ダイハツムーヴのアイドリングストップ搭載車の同条件でのカタログ燃費と同じ数値だ。
実燃費を予想
MRワゴン「X アイドリングストップ」の実燃費がどれぐらいになるか予想してみた。
グレード「X」の実燃費が概ね18.5km/Lである。
10・15モード燃費25.5km/Lに対する燃費達成率は72.5%になる。
この数値から「X アイドリングストップ」の実燃費を想定すると、19.6km/Lになる。
X | X アイドリングストップ | |
10・15モード走行燃費 | 25.5km/L | 27.0km/L |
実燃費 | 18.5km/L | (予想)19.6km/L |
「X アイドリングストップ」モトは取れるか評価してみる
MRワゴン「X」と、「X アイドリングストップ」の価格差は94,500円。
つまり、アイドリングストップ機能は94,500円ということになる。
この差額をガソリン代で回収しようと思えば、どれぐらいの走行距離が必要か気になる。
計算してみた
走行距離によるガソリン代の差額を評価してみた。
燃費については実燃費を採用し、MRワゴン「X」は18.5km/L、「X アイドリングストップ」は予想実燃費の19.6km/Lで計算した。
ガソリン代は135円としている。
走行距離 | ガソリン代(135円/L) | 差額 | |
X | Xアイドリングストップ | ||
50,000km | 364,865円 | 344,595円 | 20,270円 |
100,000km | 729,730円 | 689,189円 | 40,541円 |
150,000km | 1,094,595円 | 1,033,784円 | 60,811円 |
200,000km | 1,459,459円 | 1,378,378円 | 81,081円 |
230,000km | 1,678,378円 | 1,585,135円 | 93,243円 |
240,000km | 1,751,351円 | 1,654,054円 | 97,297円 |
250,000km | 1,824,324円 | 1,722,973円 | 101,351円 |
残念ながらユーザーメリットは少ない
およそ24万キロ走行しなければ、アイドリングストップシステムの差額分94,500円を回収することができない。
24万キロという数値は、ほとんどのユーザーが走りきれないほどの走行距離だ。
アイドリングストップシステムは通常よりも容量の大きい、高価なバッテリーが搭載されている。バッテリーは3~5年程度で交換される消耗品だ。その負担増は今回の計算には含まれていない。
最近のアイドリングストップは性能が非常に良くなってきていて、再始動の時間も短い。
しかし、交差点での右折待ちの時は、不安感が拭えない。
また、アイドリングストップシステムが作動しエンジンが停止すると、エアコンも停止して、単なる送風状態になる。
真夏の炎天下のドライブでは使えないシステムだ。
アイドリングストップシステムという最新装備は魅力的に見えるが、ユーザーにとっては、費用負担が増えるのにも関わらず不便を強いられるのが現実だ。