日産自動車は、新たな経営計画「The Arc」を2024年3月25日に発表し、その一環として25車種の新型車のティーザー画像を公開しました。
この中には、待望の「次期スカイライン」の姿が含まれているとの見方が強まっています。
公開されたティーザー画像の中には、日産車としてアイコニックな丸目4灯のテールランプを持つモデルが確認できますが、残念ながらこれは次期「GT-R」とみられ、先に発表されたコンセプトカー「HYPER FORCE」にもそのデザインが見受けられました。
一方で、スカイラインの次世代モデルと目される車両に関しても、興味深い情報が公開されています。
特に注目されるのは、Infiniti Vision QeというBEVのコンセプトカーです。このモデルは円弧形のテールランプと、縦のスリットが多数配されたユニークなヘッドランプデザインが特徴です。
「The Arc」で公開した25車種の中央最後列にも同様の特徴を持つモデルが配置され、これが次期スカイラインの姿である可能性が高いと考えられます。
スカイラインは日本国内だけでなく、グローバル市場ではインフィニティQ50として知られています。
Infiniti Vision Qeがその次世代モデルとして位置付けられる可能性は大きく、次期スカイラインはその特徴を直接引き継いだの姿になるとして期待されている。
また、日産は経営計画「The Arc」のなかで、2024年度に2車種、2025年度に2車種、2026年度に4車種の新型BEVの投入を予定していることを発表しており、次期スカイラインはこのなかの一つである可能性が考えられる。
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スカイライン NISMO 2023年9月発売、Limitedは2024年夏
日産は、「スカイライン NISMO」を1,000台限定で2023年9月上旬に発売する。
さらに、特別仕様モデルとして「スカイライン NISMO Limited」を100台限定で2024年夏に発売することを予告した。
今回発表された「スカイライン NISMO」はNISMO専用のエンジンと加速チューニングが施された。
フロントフェンダーには「GT」のエンブレム、そしてセンターコンソールには1,000台限定のシリアルナンバーが刻印されたNISMOメタルエンブレムが装着される。
「スカイライン NISMO」の消費税込み車両本体価格は、7,880,400円から設定される。RECAROシートとカーボン製フィニッシャーを装着車の価格は8,470,000円となる。来夏2024年発売の「スカイラインNISMO Limited」は、9,479,800円の価格設定が予定されている。
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新型スカイライン NISMO の特徴
スカイライン NISMOのエンジンは最高出力309kW、最大トルク550N・mにチューンアップされる
GT500レース用エンジンの開発者によって、エンジンのチューニングが行われ、最高出力は298kW(405ps)から309kW(420ps)に向上した。最大トルクも475N・m(48.4kgf・m)から550N・m(56.1kgf・m)に大幅に引き上げられた。
NISMO専用AT変速と力強い加速を誇るスカイライン NISMO
専用のエンジンチューニングにより、STANDARDモードでの力強い加速が実現される一方、SPORTおよびSPORT+モードでは、高回転を維持するNISMO専用のAT変速スケジュールが施された。
20mm拡大のリアタイヤと高性能タイヤを装着
リアタイヤの幅が20mm拡大され、専用の高性能タイヤが採用されたことで、高いトルクが路面に効果的に伝達されるようになった。さらに、NISMO専用エンケイ製19インチアルミホイールが導入され、操舵初期のレスポンスやコーナリング性能も向上した。
高性能タイヤと組み合わせる「スカイライン NISMO」の専用サスペンション
高性能タイヤにマッチするよう、サスペンションとスタビライザーのチューニングが専門的に行われた。これにより、旋回時の安定性や路面の追従性が高まった。
耐フェード性ブレーキ材と専用チューニングVDCの「スカイライン NISMO」
ブレーキの摩擦材には耐フェード性が高いものが選ばれ、さらにABSの制御も見直され、制動距離が短縮された。ビークルダイナミクスコントロール(VDC)も専用チューニングが施され、限界走行時の性能が最適化された。
高剛性接着剤を用いて「スカイライン NISMO」の車体剛性を上昇
「NISSAN GT-R NISMO」でも使用されている高剛性接着剤が前後ウィンドシールドガラスの接着剤として採用され、車両重量の増加なしに車体剛性が向上した。
空気流れ最適化と冷却性能で「スカイライン NISMO」の高速走行性能向上
エクステリア面では、独特のデザインが取り入れられ、空気抵抗の低減とダウンフォースの向上が図られた。特に、ラジエーターやオイルクーラーへの空気の流れが最適化され、冷却性能が強化された。
「400R」の質感を引き継ぐ「スカイライン NISMO」の黒基調インテリア
インテリアは「400R」の質感を継承しつつ、黒を基調としたデザインが採用された。さらに、NISMO専用チューニングRECARO製スポーツシートが特色として挙げられる。
専用色NISMOステルスグレーなどを設定
ボディカラーには、専用色のNISMOステルスグレーを含む5色がラインアップされた。
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新型スカイラインへのフルモデルチェンジは、あったとしても2025年以降
現行型スカイライン(V37型)は2014年に発売されたモデル。既に2022年10月の一部仕様変更によって、グレードラインアップが大幅に削減されており、モデル末期の販売体制に入っていた。次期型へのフルモデルチェンジが待望される状況となっている。
一方で、内燃機関を搭載するFRセダンは、スカイラインに限らず存続が難しくなってきている。あのトヨタ・クラウンでさえ、FFレイアウト採用のクロスオーバーSUVへと変貌した。
2021年6月には、日経新聞が次期スカイラインの開発中止の報道というものがあった。
その後、日産はノートオーラの発表会において、「決してスカイラインを諦めません」と、日経新聞による報道を完全否定しており、これはスカイラインのフルモデルチェンジを期待させる発言でもあった。しかし、実際には2023年9月の「NISMO」発売と、2024年夏の「NISMO Limited」の発売計画を指していた可能性がある。
スカイラインのフルモデルチェンジに相当する後継車種があったとしても、従来的な内燃機関搭載のFR車とはならないかもしれない。次期スカイラインへ搭載されるパワートレインはBEVか、少なくともe-POWERが想定され、いずれにせよ100%電動モーターで駆動するシステムになるのではないか。また、自動運転技術では、プロパイロット3.0の搭載も期待される。
新型スカイラインへのフルモデルチェンジは、あったとしても2025年以降になることが予想される。
日産「決してスカイラインを諦めません」動画は、次のページ
スカイラインに一部仕様変更 価格改定 2022年9月
現行13代目スカイラインは、2014年2月にフルモデルチェンジ発売されたモデル。2022年9月22日には、一部仕様変更と価格改定が発表された。発売日は、2022年10月末が予定されている。
遂に3.5L V6 ハイブリッドモデルが廃止となり、3.0L V6 ツインターボ搭載車にグレードラインアップが絞られた。そして、大幅値上げも実施される。
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スカイラインが一部仕様向上でV6ハイブリッド廃止 2022年10月末
モデル末期となった13代目スカイラインであるが、今回の一部仕様変更では、3.5L V6 ハイブリッドモデルが廃止となり、グレードラインアップが大きく削減された。残されたパワートレインは、V6 3.0L ツインターボのVR30DDTT型のみとなる。
通常エンジンモデル(最高出力300PS)の「GT Type SP」、「GT Type P」、「GT」と、ハイパフォーマンスエンジンモデル(最高出力400PS)「400R」の合計4グレードに絞られ、販売が継続される。また新価格による値上げ幅は、215,600~273,900円となった。
最上級の「400R」グレードには、新色ミッドナイトパープルが新たに追加された。一方で、「スレートグレー」は廃止となる。
また、「GT Type SP」、「GT Type P」、「400R」各グレードには、新セットオプションの「ブラウンインテリアパッケージ」が用意される。これは、ブラウン本革スポーツシートの装備をメインとしたものになる。
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スカイライン フルモデルチェンジ予想 まとめ
まとめ更新日: 2024/03/29
- 日経新聞がスカイラインの開発中止を報道
- 日産は、ノートオーラの発表会にて、「決してスカイラインを諦めません」と反論(2021年6月15日)
- フルモデルチェンジがあったとしても2025年以降で、BEVなどの可能性
- 2023年10月24日 「Infiniti Vision Qe」を発表
- 次期スカイラインおよびInfiniti Q50後継相当の4ドアクーペのBEV
- プロパイロット3.0搭載期待
- 従来型V37は、2023年9月に「スカイラインNISMO」発売、2024年夏に「スカイライン NISMO Limited」発売予告
次期スカイライン ティザー 画像 2024年3月
次期スカイライン コンセプト Infiniti Vision Qe 画像 2023年10月
スカイライン NISMO 画像 発売予告 2023年8月
スカイライン 一部仕様向上 まとめ 2022年10月末発売
- 3.5Lハイブリッドを廃止
- V6 3.0L ツインターボ VR30DDTT型 継続
- トランスミッション全車7速AT(7M-ATx)継続
- 値上げ幅は、215,600~273,900円
- 「400R」グレードに新色ミッドナイトパープル
- 廃止色 スレートグレー
- 新セットオプション「ブラウンインテリアパッケージ」(ブラウン本革スポーツシート)
新型スカイライン グレードと価格 2022年10月
駆動 | エンジン | グレード | 新価格(円) | 旧価格(円) | 値上げ(円) |
2WD | VR30DDTT (300馬力) |
GT Type SP | 5,149,100 | 4,908,200 | 240,900 |
GT Type P | 4,868,600 | 4,638,700 | 229,900 | ||
GT | 4,569,400 | 4,353,800 | 215,600 | ||
VR30DDTT (400馬力) |
400R | 5,899,300 | 5,625,400 | 273,900 |