新型リーフがフルモデルチェンジ発表、2025年6月
日産は2025年6月17日、第3世代となる新型「日産リーフ」を世界初公開しました。
新型リーフは空力性能を高めたスリークで大胆なクロスオーバーEVへ刷新され、WLTC基準で600 km以上、米国EPA基準で最大303 マイルの航続距離を掲げます。モーター、インバーター、減速機を一体化した新型3-in-1パワートレインや水冷式温度調整システム付きリチウムイオンバッテリー(最大75.1 kWh)が搭載され、静粛かつリニアな走行性能が実現されています。
エクステリアには「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」を発展させ、滑らかな面構成と未来的な「デジタル“禅“」のアクセントが与えられています。
ファストバック風のシルエットによってCd値0.26(欧州仕様は0.25)が達成され、格納式フラッシュドアハンドルやフラットなアンダーボディが風の流れを美しく整えています。フロントの六つの長方形シグネチャーランプは最新のVモーションを表現し、フロント・リアのLEDライトは接近・離脱時にウェルカム/フェアウェルシーケンスで点灯するようプログラムされています。
ホイールはフルカバー付き18インチ、18インチアルミ、235/45R19タイヤ装着の19インチアルミの三種類が設定され、外板色は八種類が展開されており、上位グレードではブラックルーフとのコントラスト仕様が用意されています。
インテリアにはCMF-EVプラットフォームが採用され、フラットフロア化と同時に空調ユニットがモータールームへ移設されることで前席足元の開放感が高められています。
インストルメントパネルはフローティングデザインとされ、プッシュボタン式シフターが採用されることでミニマルで開放的な空間演出が図られています。
12.3インチまたは14.3インチのデュアルスクリーンが統合されたモノリススタイルのディスプレイには最大五種類のメーターデザインが用意され、その中には「Engawa」テーマも含まれています。64色のアンビエント照明と組み合わせることで、好みに応じた空間演出が可能とされています。Google搭載のNissan ConnectインフォテインメントシステムはワイヤレスApple CarPlayおよびAndroid Auto、車内Wi-Fi、最大四つのUSBポート、ワイヤレス充電をサポートし、Bose Personal Plusプレミアムオーディオ(十スピーカー)が没入感ある音響体験を提供します。
シートにはゼログラビティ構造が前後席ともに採用され、後席は6:4分割可倒式で、ISOFIXチャイルドシートにも対応しています。内装色はブラック、ライトグレー、ホワイトの三種類が用意され、素材はファブリック、レザー調素材、TailorFit合成皮革から選択可能となります。
遮熱仕様の調光パノラミックガラスルーフは日本の「霞」模様をモチーフにデザインされ、フルシェード、前後個別シェード、シェードレスの四モードが設定され、シェード時には「LEAF」ロゴが浮かび上がる演出が施されています。
荷室容量は日本・北米仕様で420 L、欧州仕様で437 Lとされ、パワーテールゲートやルーフレール(一部仕様)が装備されています。
パワートレインは52 kWhおよび75 kWhの二種類のバッテリーが設定され、最高出力130 kW/160 kW、最大トルク345 Nm/355 Nmを発生します。急速充電ポートは最大150 kWに対応し、10 ~ 80 %の充電が最短35分で完了する仕様となります。北米仕様にはNACSポートが装備され、テスラのスーパーチャージャーも利用可能です。エネルギーマネジメントシステムが車載充電器などの熱を暖房やバッテリー温調に再利用し、ナビリンクバッテリーコンディショニングによって走行ルートに応じた最適温度が維持されます。インテリジェントルートプランナーはリアルタイムの交通状況とバッテリー残量を考慮した最適充電スポット案内が可能です。
シャシーにはフロントストラット、リアマルチリンクが採用され、横方向剛性が従来比66 %向上されています。19インチホイール装着時でも最小回転半径5.3 mが確保され、市街地での取り回し性能が高められています。先進運転支援技術として、新開発のインテリジェントディスタンスコントロールが搭載され、前車減速時にスムースなブレーキ制御が行われ、先行車停止時には同等の停車制御が行われます。3Dビュー、インビジブルフードビュー、フロントワイドビューを備えたインテリジェントアラウンドビューモニターや、ProPILOTアシスト(日本向けはProPILOT 2.0)も採用されています。
ライフスタイル支援機能として、室内および荷室に各120 Vコンセント(合計最大1,500 W)が装備され、V2Lアダプター利用時には日本で1,500 W、米国で1,800 W、欧州で3.7 kWまでの給電が可能です。日本仕様にはV2H機能も引き続き採用され、家庭への給電や太陽光発電の蓄電が可能です。
新型「リーフ」は2025年秋に米国で発売開始予定とされ、その他地域でも順次展開される見込みです。生産は栃木工場および英国サンダーランド工場で行われ、価格などの詳細は各市場で発売時に発表されます。
北米仕様の主要寸法は全長4,405 mm(日本4,360 mm、欧州4,350 mm)、全幅1,810 mm、全高1,557 mm(日本・欧州1,550 mm)、ホイールベース2,690 mm、車重1,794 kg ~ 1,982 kgとなり、急速充電規格はNACS(日本:CHAdeMO、欧州:CCS)に対応し、タイヤは215/55R18または235/45R19、欧州仕様には195/60R18も設定されています。最高速度は160 km/hに制限されています。
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次期リーフのテストカーがスパイショットされた
次期リーフは、FY24で投入されるEVの一つとして考えられていました。実際にはFY25に導入となります。日産はコンセプトカー「CHILL OUT(チルアウト)」を通じて、クーペSUVの未来的なボディスタイルを公開してきました。
そして、そのCHILL OUTと特徴が近いフル擬装のテストカーがスパイショットされました。次期リーフの開発は最終段階にあるかもしれません。

引用元:AUTOCAR UK
全体的なスタイリングは、居住空間が確保された実用的なデザインとなっており、CHILL OUTの未来的なボディ形状からはいくらかの変化が見られます。
ドアハンドルのタイプも確認されており、フロントはポップアップ式、リアはピラーマウント式を採用していることが分かります。この点については、実用性よりもデザイン性が重視されている印象を受けます。
ホイールデザインは、特徴的なコンセプトのイメージを維持しています。

引用元:AUTOCAR UK
ヘッドランプについては、CHILL OUTではデジタルVモーションが採用されていましたが、テストカーには擬装シールが貼られているため、デジタルVモーションが引き続き採用されているかどうかは現時点では確定できません。
CHILL OUTのリアコンビネーションランプは、片側に縦2本、横3本の長方形ストライプ柄が特徴的でした。テストカーでは、擬装シールの隙間から、そのデザインが想起される発光パターンが確認できます。

引用元:AUTOCAR UK
バックガラスは広く、緩やかな傾斜を持っており、ワンモーションフォルムとも呼ばれる形状に近いです。また、バックドアの形状に沿って擬装シールの切れ目も確認できます。荷室は、古典的なセダンやクーペのような独立したトランクではなく、プリウスのようにバックガラスが含まれる大きなドアを開閉することによりアクセスできるようになるでしょう。
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リーフのフルモデルチェンジ2024年度内、日産経営計画「The Arc」
2024年3月に発表された日産の経営計画「The Arc」では、2024年度(FY24)に2種類の新型BEVが投入されることが公表されました。その中の一つは、新型リーフと考えられました。
英国サンダーランド工場では、2024年3月の時点で、従来型リーフの生産が終了していました。これは、新型リーフの後継モデルの生産準備のためとされています。
日産は2021年7月に、欧州でのカーボンニュートラル達成を目指すため、英国で超大型バッテリー工場「ギガファクトリー」の建設を発表しました。従来からあるサンダーランド工場は「EV36Zero」のハブ工場としての位置付けとなります。これらに向けて日産は、英国での生産設備の大幅な増強を予告してきました。
サンダーランド工場での生産準備は、リーフのフルモデルチェンジに向けたものだけではないでしょう。ジャパンモビリティショー2023で登場したコンセプトカー「HYPER URBAN」や「HYPER PUNK」の市販型もその対象として考えられ、それぞれ「キャシュカイ」や「ジューク」の後継モデルに相当する製品が想定されます。
次期リーフのデザインスタディモデルについては、2021年11月に公開されたBEVコンセプトカー「Chill Out(チルアウト)」と考えられてきました。
そして、チルアウトは、経営計画「The Arc」で発表された25台の次世代モデル群の中央先頭に配置され発表されました。日産の新型車投入計画のなかでも、新型リーフは特に重要度が高く、発売が迫っていることを予感させます。
次期リーフは現行アリアと共通のプラットフォームが想定されます。しかしボディサイズは全高方向でよりコンパクトになりそうで、クーペSUVのスタイルでデザインされています。
現行アリアのベースグレードは2024年3月に約120万円の値上げが実施され6,590,100円となりました。さらに最上級グレードNISMO B9は、9,441,300円となりました。すっかり高額車となったアリアですが、これに対し次期リーフはプラットフォーム共用ながらも、より低価格帯のBEVモデルとしてラインアップされることが想定されます。
それでも、従来型リーフと比較すると、大幅な車格アップとなるでしょう。
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リーフ 90th Anniversary 4,412,100円から発売
日産は、「リーフ 90th Anniversary」を2023年12月14日発売した。
日産の創立90周年を記念するモデルで、「 X V セレクション(40kWh)」をベースとしたモデルが消費税込み車両本体価格 4,412,100円、「e+ X(60kWh)」をベースとしたモデルが同 5,584,700円で設定される。
「リーフ 90th Anniversary」の外観上の特徴としては、フロントバンパーにカッパーのフィニッシャーが取り付けられている。
さらに、ブラックカラーのドアミラーには、鮮やかなカッパーストライプが施されており、洗練された印象を与える。
車の足元には、専用の17インチブラックアルミホイールが装備され、スタイリッシュな外観を強調している。
内装に目を向けると、「90th Anniversary」専用のクリスタルスエードとレザレットのコンビネーションシートが採用されている。
このシートは、革のような見た目と手触りを持ちながら、高い耐久性と耐水性を兼ね備えている。
また、より高いバッテリー容量を持つ「e+ X(60kWh)」モデルには、先進技術が搭載されている。具体的には、「インテリジェント アラウンドビューモニター」や「インテリジェント ルームミラー」、そして「プロパイロット」といった各種運転支援技術が標準装備されている。
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リーフが大幅値上げ 2022年12月
日産は、電気自動車「リーフ」の大幅値上げを発表した。
値上げ後の消費税込み車両本体価格は、40kWhバッテリー搭載グレードが、4,081,000円~4,642,000円に設定され、旧価格からの値上がり幅は371,800~459,800円となる。
そして、60kWhバッテリー搭載グレードは、さらなる大幅な値上げとなる。値上げ後の消費税込み車両本体価格は、5,253,600~5,834,400円となり、値上がり幅は1,028,500~1,039,500円にも及んだ。
仕様向上については発表されておらず、ユーザー側からすれば、ただ単に値上げされただけとなる。日産によれば、世界的な原材料費や物流費などの高騰が、値上げの原因としている。
またリーフは、オーダーストップされていたが、新価格となり受注が再開された。
グレード | 旧価格(円) | 新価格(円) | 差額(円) | |
40kWh | X | 3,709,200 | 4,081,000 | 371,800 |
X(XV セレクション) | 3,946,800 | 4,318,600 | 371,800 | |
G | 4,076,600 | 4,448,400 | 371,800 | |
NISMO | 4,182,200 | 4,642,000 | 459,800 | |
60kWh | e+ X | 4,225,100 | 5,253,600 | 1,028,500 |
e+ G | 4,805,900 | 5,834,400 | 1,028,500 | |
40kWh | AUTECH | 4,061,200 | 4,444,000 | 382,800 |
60kWh | e+ AUTECH | 4,577,100 | 5,616,600 | 1,039,500 |
※ 価格は消費税込み車両本体価格。旧価格は2022年4月。新価格は2022年12月。
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リーフがブラジルで「Best Purchase Among Electric Cars」を受賞 2021年9月
2019年にブラジルで発売を開始した100%電気自動車「日産リーフ」が、同国の有力自動車誌クアトロロダスで ‘Best Purchase Among Electric Cars up to 300,000 Reais’ を受賞した。
本受賞においては、最先端の運転支援技術や荷室の広さ、積載量の多さといった自動車本来の機能と、ユーザーにとって重要なポイントであるアフターサービスにおいて、「日産リーフ」を取り扱うディーラーの店舗数を7から44に拡大することが高く評価された。
「日産リーフ」は2010年の発売以来、2011ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー、2011ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー、2011-2012日本カー・オブ・ザ・イヤー、2018ワールド・グリーン・カー賞など、世界中で数々の賞を受賞してきた。
「日産リーフ」は、世界中で50万台以上が販売されており、発売以降、全世界におけるリーフの総走行距離はおよそ180億km以上に達し、300万トン以上相当のCO2削減に貢献している。
日産リーフは電気自動車のパイオニア
日産は2010年にグローバル販売としては世界初となる量産型電気自動車「日産リーフ」の発売を開始、そして今冬より新型クロスオーバーEV「日産アリア」の販売を開始する。
日産は、EVやe-POWER電動パワートレインを搭載した電動車を2023年度までに年間100万台以上販売することを目指している。
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リーフのモデルチェンジ まとめ
まとめ更新日: 2025/06/19
- フルモデルチェンジ、3代目モデルが2025年6月17日にワールドプレミア
- 2017年10月 2代目フルモデルチェンジ発売
- 2019年1月 60kWhバッテリー搭載車「リーフ e+」を追加発売
- 2019年12月 マイナーチェンジを発表
- 2021年4月 一部仕様向上を発表
- 2022年4月 一部仕様向上を発表
- 2022年12月 大幅値上げを実施
- 2023年12月 「90th Anniversary」を発売
- 日産経営計画 The Arcに登場
- 欧州向けは英国サンダーランド工場で生産
- 次期型デザインコンセプトは「CHILL OUT」
- 2024年10月 テストカーがスパイショット