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4代目マーチ(K13型)にスーパーチャージャー搭載モデルが登場する。
過給機搭載のK13マイクラは、まずは欧州市場での投入となる見込み。日本でもスーパーチャージャーを採用した日本市場での導入も計画されている。
(ちなみマーチは欧州ではマイクラと呼ばれている。)
加速性能と燃費性能の両立
一般にスーパーチャージャー等の過給器を装備している車は燃費性能に期待ができないことが多い。
ただし、今回のマイクラに関しては、いい意味で予想を裏切る結果となった。
ハイブリッドエンジン搭載のフィットを上回る燃費
スーパーチャージャー搭載のマーチはフィットハイブリッドを上回る燃費性能となった。
マイクラ・スーパーチャージャーは欧州複合モード燃費という欧州で使われている燃費基準で、24.4km/Lという数字となった。
同じコンパクトカークラスのハイブリッドカーである、ホンダ・ジャズ・ハイブリッドは欧州複合モード燃費で22.2km/Lという数値だから、もはやホンダのハイブリッドは意味を持たないものになってしまう。
(ちなみにホンダのジャズとは、日本名フィットの欧州での呼び方である。)
なぜ燃費が良くなったか
スーパーチャージャー搭載のマーチだが、実は、ノーマルマーチに過給器をポン付けしたものではない。
新型エンジンDIG-Sを搭載しているのだ。3気筒1.2Lという大まかな仕様は変わらないが、ミラーサイクル機構が採用されているのが大きな違い。
ミラーサイクルエンジンは低燃費性能では有利だが、出力が低下してしまう。それを補うためのスーパーチャージャーというわけだ。
予想販売価格
新型マーチ・ターボ(正しくはスーパーチャージャー)の日本に投入された場合のメーカー希望小売価格を予想してみる。
単なる希望的な値段なので注意していただきたい。
現在のマーチの中間グレード12Xが1229500円、これにいくらまで上乗せできるか。妥当なところは20万円プラス程度か。
しかし、このマーチ・ターボはスポーツ性を重視した上級グレードという位置付けではないはずだ。それを考えれば、装備のシンプルな1329500円程度の設定もありえる。
販売戦略としては競合となるフィットハイブリッドよりも経済性に優れる点をアピールしなければならない。新型マーチ・ターボ発売時期のフィットハイブリッドの値段によって、マーチターボの価格決定さじ加減が決まりそうだ。
マツダも新型エンジンを搭載した30km/Lの新型デミオを投入予定だ。
コンパクトカーの燃費競争は過熱しそうだ。
スーパーチャージャーとターボの違い
マーチに搭載されるスーパーチャージャーだが、これはターボチャージャー(ターボと略)とよく混同される。
スーパーチャージャーとターボをの違いを簡単に説明しておこう。
長所 | 短所 | |
スーパーチャージャー | 低回転域のパワーアップが得意。 燃費はターボに勝る。 |
装置がやや高価。 高回転域では能力が発揮できない。 |
ターボ | 装置が安価。 高回転域でのパワーアップが大きい。 |
燃費はスーパーチャージャーに劣る。 低回転域では能力が発揮できない。 |
スーパーチャージャーは実用トルクの向上
マイクラに搭載されるのがスーパーチャージャー。
過給装置の動力源としてエンジンの回転を直接つかっている。エンジン回転数の低い段階からしっかりした過給効果が得られるのが特徴。普段乗りでの実用トルクが向上するので、普段乗りの乗用車に向いている。
スーパーチャージャーにせよターボにせよ、過給機を取り付けると基本的には燃費が悪化するが、スーパーチャージャーはその燃費の悪化度合いは低い。
スーパーチャージャーの燃費はアイドリング状態ではターボより不利。理由はエンジン回転数が低くても過給機が動作しているからだ。ただし、エンジン高回転時の過給機の動作はマイルドなので、トータルではターボよりも燃費がいいのがスーパーチャージャーの特徴だ。
スーパーチャージャーはターボに比べ、普段使いのエンジン実用域でメリットが大きい過給機ではあるが、装置が高価なので完全に普及の進んだ過給機タイプではない。
マーチはこちらの実用性に優れたタイプの過給機を採用することとなる。
ターボは装置が安価なのがメリット
スーパーチャージャーが小型排気量エンジンでもスムーズな発進と加速感が得られるのに対し、ターボは高回転域での圧倒的なパワー感が得られる。
高速道路での追い越しなど、エンジンの高回転域を使う場合は、スーパーチャージャーよりもしっかりした加速が得られるメリットがある。
ターボは実用的なメリットがスーパーチャージャーに劣るものの、安価な過給装置なため、それなりに普及している。
マーチは新興国での販売も重点に置いた車種である。欧州や日本ではスーパーチャージャーの採用となったが、車体コストを抑える必要性の大きい新興国向けバージョンのマイクラには、ターボチャージャーの採用もありえるのではないかと予想してみる。
マーチのスーパーチャージャーはここがすごい
先ほど述べた通り、スーパーチャージャーはアイドリング状態でも過給するため燃費が落ちる。
しかし、マーチのスーパーチャージャーはアイドリング状態や低速域では過給を停止することができるのだ。
スーパーチャージャー唯一の欠点を克服し、低燃費性能を上げることに成功した。
スーパーチャージャー&ミラーサイクルの新型エンジン搭載のマイクラ(日本名マーチ)は2011/3/1からのジュネーブモーターショーで出展され、欧州では今夏ごろの販売を目指す。日本市場への投入はその後になる見込みだ。