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新型マーチが2010年にデビューした。このK13系マーチこれまでと違うところは、より高効率の燃料消費率追求のための新開発エンジンHR12DEを搭載したところである。このエンジンは3気筒であることが最大の特徴だ。また、トランスミッションには新世代エクストロニックCVTを搭載し、燃費向上に貢献した。グローバル車種であるため生産国はタイ、インド、中国、メキシコとなっている。日本で販売されるK13マーチはタイ日産で生産されたものとなる。追浜工場ではPDIのみ行われる。
新型K13マーチの総合評価
総合評価 | ★★ |
デザイン | ★ |
走り | ★★ |
ハンドリング | ★ |
乗り心地 | ★★ |
燃費 | ★★★★★ |
コストパフォーマンス | ★★?? |
K13マーチの長所
K13マーチは実燃費がいい
FF車12S,12X,12Gで17~23km/Lの報告が多い。
新型HR12DEエンジン、車体の軽さ、ドライブフィールよりも燃費重視のCVT設定などの効果と言えるだろう。
K13はアイドリングストップ機能の出来がいい
アイドリングストップ機能とは停止してから1秒後にエンジンを停止させ、ブレーキを緩めて0.4秒後にエンジン再始動する機構であるが、このことにほんとんど意識することなくドライブでき、燃費向上の恩恵だけを受けることができる。ただ、新機能の為、今後トラブルの種になりやすいことも否定できない。
K13マーチのアイドリングストップ機能はFF車の12Xと12Gに標準装備されている。ベースグレードの12Sや12X FOUR,12G FOURの4WD車には装備されない機能である。価格差との兼ね合いになると思うが、アイドリングストップ機能を非搭載、搭載を理由に12Sから12Xへのグレードアップを検討するのはいかがなものかと思う。
マーチK13は車体重量が軽い
新型マーチの車体重量はFFモデルであれば1t以下にすることができる。これは自動車重量税に節約になり、このクラスの経済車を選択するユーザーいとっては大きなメリットの一つとして挙げられるであろう。ベースモデルの12Sだけでなく装備の充実した12Xや12Gも1t以下にすることができ、1.2Lクラスのエンジンを搭載する車の中では最も軽い車体重量である。
乗り心地は?新型Vプラットフォームとサスペンション
K13マーチはプラットフォームとサスペンションを新設計のものに変更されている。乗り心地は硬すぎず柔らかすぎずでうまくバランスがとれているが、低コストのしわ寄せは大きく受けている。
大きいサイドミラーなど視界に関しては良好で運転がしやすい。初心者にもおすすめできる。
K13マーチは安い
ベースグレードでは100万円を切っている。これは海外生産の恩恵もあるだろう。しかし、値下げの本領発揮はこれからだと考える。値下げマージンは国内産のライバル車に比べ、かなり大きいと見た。
今のところ、タイ生産であるが故の不具合を聞かない。タイ工場から輸入されたK13新型マーチは追浜工場で最終チェックを入念に行っている。今後もこの品質管理体制が維持されるとすれば、タイ生産をマイナスポイントと考えるユーザーは少なく、値下げ効果とともに販売台数も相当伸ばしてくるだろう。
よってコストパフォーマンスの星は★★??とした。
K13マーチの短所、欠点、弱点とは?
安いぽいデザイン
デザインの評価は人それぞれ感性の違いがあるだろうが先代のデザインの出来が良すぎたのか、ただの安い車に成り下がった感じがある。少なくとも先代マーチがデビューした頃はその外観のデザイン性に話題が集中していたが今回はそのようなことはない。
ただ、見た目の良さよりも機能性重視になったせいもあり、室内とラゲッジルームを広く取ることには成功している。先代モデルでは大柄の男性はやや窮屈な体勢での運転を強いられていたが、新型マーチにはしっかり頭上スペースに余裕がある。ラゲッジルームの広さもクラストップレベルである。
新型マーチは日本国内の需要よりもアジアのファミリーカーとしての需要を取りに行っている感が強い。
インテリアの質感に関してもぱっと見に安っぽく感じてしまう。プラスチック樹脂の素材からしてコストダウンがはかられたのが容易に伝わってくる。例えばブラックのインパネは光沢が強すぎる。
パーツごとのチリがあってなく、繋ぎ目がぎこちない。寸法公差をゆるゆるにしてコストダウンさせたのが簡単にばれてしまう。
3気筒新型エンジンHR12DE
1.2LのHR12DEエンジンであるがパワーに関しては必要十分で通常の運転で不満に思う局面は少ないだろう。
コンパクトカークラスは3気筒エンジンが最近の流れである。
この新型K13マーチに関しては1200回転付近の振動を指摘するユーザーもいるが、3気筒エンジン特有の振動がよく抑えられており気にならないというユーザーがほとんどだ。
しかし今後のエンジンマウント、バランサー等の経年劣化でこの状態が維持できるのかは疑問である。元々このクラスの車は少々エンジンからの振動が増えたからといってコストを掛けて消耗品の交換メンテナンスする車ではない。ひとたび振動が発生してしまえば廃車まで振動とお付き合いすることになるだろう。
1.0Lエンジンならともかく、1.2Lエンジンであれば4気筒でもよかったのではと感じる。もちろんHR12DEエンジンは3気筒だからこそ燃費改善の効果があるので致し方ない点ではある。
HR12DEはタイミングチェーン採用車でタイミングベルトの交換は不要である。
CVTは空走感が目立つ
日産のCVTは他社に比べどうも出来が悪く違和感たっぷりのCVT設定である。しかし、燃費向上には貢献が大きい。違和感も馴れれば問題ないだろう。