次期ラフェスタ ハイフェイスターがデビュー
次期ラフェスタ ハイフェイスターがマツダプレマシーのOEM供給でデビューする。
OEM車とは言え、震災後初めての国内の新車デビューとなる。
自動車のサプライチェーン問題の早期解決が叫ばれる中、自動車業界にとっては明るい話題だ。
当初発売予定は5月とされていたが、震災の影響で予定通りのデビュー日程になるかどうかは未定。
日産ホームページではComing Soonとされている。
なお、広島、山口に生産拠点を置くマツダは震災の直接被害は免れたものの、部品の供給問題は他社同様に深刻。
一部で生産が再開されているものの、本格操業にはまだ時間がかかりそうだ。
新型ラフェスタ ハイフェイスターとプレマシーの違い
新型ラフェスタ ハイウェイスター(上段)とそのOEM元であるプレマシー(下段)のエクステリアを比較してみる。
フロントマスクが大きく違っているので全く別の車といった印象だ。最近のマツダ車のトレードマークである大きく開いた口がシンプルに閉じられている。
ラフェスタ ハイウェイスターのフロントは非常にオーソドックスなまとめ方だ。少しホンダっぽい感じもするが、万人に受け入れられやすいデザインだろう。
ヘッドライト以後のフロント部分は両車とも共通のようだ。
また、リア部分は小変更ながらも、印象は大きく異なる。
次期ラフェスタ ハイフェイスターには、リアハッチ中央に一文字のメッキーパーツが追加され、LAFESTAと刻印されている。
流線型のクセのあるテールランプがそのままなのはマツダっぽさを残しているが、概ね日産らしさがあると言えるだろう。
OEM車とは思えない変貌ぶりと、まとまりの良さには驚く。
日産らしいエクステリア
日産はこれまでに、軽自動車の車種を中心に他社からOEM供給を受けていた。
エンブレムを日産マークに取り替えるだけでなく、フロントフェイスを変更するなど日産らしさを強調して販売したことにより、オリジナル車種よりも人気が出るモデルも多くあった。
例えば、日産モコはスズキ・MRワゴンのOEM車であるが、カジュアルなMRワゴンに対し、モコは女性向けのかわいらしい軽というイメージをうまく演出している。
オリジナル車種との差別化が上手く評価が高い。
OEM供給のノウハウをうまく掴んでいる日産であるが、それは今回のラフェスタ ハイウェイスターにも活かされていると言えるだろう。
エクステリアのまとまりはプレマシーのそれを確実に上回っているし、プレマシーよりも人気車種となることは間違いない。
プレマシーはある意味、欧州ウケを狙ったデザインで、日本国内ではインパクトがあるものの、アクの強すぎるデザインはファミリーユースの多いミニバンとしてはウケがあまり良くなかった。
日産ラフェスタ ハイフェイスターのありがちかもしれないがシンプルなデザインの方が多くのユーザーに受け入れられるはずだ。
日産の引き際の良さを感じた
このクラスのローハイトミニバンはかつてブームだったと言えるほどの人気カテゴリーであった。
最近はハイブリッドカーやコンパクトカーにやや人気を奪われる傾向があり、業界として車種を減らすのは必然であった。
そんな中、日産はラフェスタの自社開発からあっさり手を引いたのは英断といえる。
ただ撤退するだけでなく、マツダとOEM提携を結んだのもビジネスとして上手い。
これまでに、日産の商用グレードのウィングロードをマツダの商用車ファミリアバンとしてOEM契約を結ぶなど、日産が生産する側としてマツダと提携している実績がある。