日産は「フェアレディZ」2024年モデルを2023年8月1日に発表した。
「フェアレディZ」シリーズは一部仕様を向上し、「フェアレディZ NISMO」を新たに追加する。
また、「東京オートサロン2023」に出展した「フェアレディZ Customized Edition」を再現できる日産純正アクセサリーパッケージを2023年10月下旬に発売する。
「フェアレディZ」2024年モデルが発表されたものの、今回のタイミングでは受注は再開されない。納期長期化の解消目途が立ち次第、新規のご注文受付を検討しているとしている。
また、追加発売された「フェアレディZ NISMO」については、当面の間、既に「フェアレディZ」の納車待ちの方の中からの振替販売となる。さらに、振替希望者が多数の場合は抽選を行うとしている。
新型フェアレディZ 価格表 2023年8月
グレード | ミッション | 消費税込み車両本体価格(円) |
フェアレディZ | 6MT | 5,398,800 |
フェアレディZ Version S | 6,245,800 | |
フェアレディZ Version ST | 6,657,200 | |
フェアレディZ | 9M-ATx | 5,398,800 |
フェアレディZ Version T | 5,858,600 | |
フェアレディZ Version ST | 6,657,200 | |
フェアレディZ NISMO | 9,200,400 |
新型フェアレディZ 特徴 2023年8月
「新型フェアレディZ」の進化は止まらない:Amazon Alexa搭載と新色「432オレンジ」追加
2022年8月に発売した「フェアレディZ」は、先進技術がもたらすダイナミック・パフォーマンスやシャープなレスポンス、そして心を震わせるサウンドなどを特長としたモデル。
今回、全グレードにAmazon Alexaを標準搭載するとともに、S30型「フェアレディZ 432」のボディカラーとして設定していた「グランプリオレンジ」を想起させる「432オレンジ」が新たに設定されたほか、Version T/STグレードにブルーの特別内装色が追加設定された。
「フェアレディZ Customized Edition」発売:「新型フェアレディZ」への日産純正アクセサリーパッケージ
あわせて「フェアレディZ」向けの日産純正アクセサリーパッケージとして発売する、「フェアレディZ Customized Edition」では、「フェアレディZ」のエンブレムが入ったフロントバンパー、グリル、カーボンリヤスポイラーなど、特徴的な外観を再現できるエントリーパッケージと、専用デザイン 19インチアルミホイール、専用デザインエンブレム、フードデカールやボディサイドステッカーで「東京オートサロン2023」出展車を再現できるフルパッケージの2種類が用意された。
パワフルな加速と精密な操舵:「新型フェアレディZ NISMO」のチューニングによる性能向上
「フェアレディZ NISMO」は、さまざまなNISMO専用チューニングが施されている。エンジンは、出力を298kW(405PS)から309kW(420PS)に、最大トルクは475N・m(48.4kgf・m) から520N・m(53.0kgf・m)に向上している。また、トランスミッションは変速レスポンスと耐久性を向上させることで、俊敏なシフトチェンジを可能としている。ステアリングとボディのねじり剛性を高めるとともに、シャシーに施されたチューニングや、新設定の「トラクションモード」が、狙い通りのラインをトレースできる、正確なステアリング操作がサポートされる。ブレーキにはNISMO専用ブレーキシステムを採用することで、本格的なスポーツ走行が実現される。ドライブモードには、NISMO専用のSPORT+モードを含む、3種類のドライブモードを設定し、使用シーンに応じた最適なチューニングが施された。
「新型フェアレディZ NISMO」の力強い存在感:専用パーツとハニカムデザインで空力性能を向上
エクステリアは、フロントグリル、フロントとリヤバンパー、フェンダーモール、サイドシルプロテクター、リヤスポイラー、そしてリヤLEDフォグランプをNISMO専用パーツとして開発された。低重心かつ長く伸びやかなスピード感を演出し、ダウンフォースを強化するとともに、空力性能が向上した。フロントグリルのメッシュは、「NISSAN GT-R」 2024年モデルでも採用された、通風抵抗の少ないハニカムデザインとし、風をすくい取る形状のエアガイドスロープとの相乗効果により冷却効率が最大化された。また、新たに設定した19インチの全面グロスブラック塗装の鍛造アルミホイールは、剛性と軽量化を両立した9本のラジアルスポークデザインで、リム幅を広げながらも軽量化された。
スポーティーで高品質な体験:「新型フェアレディZ NISMO」のインテリアデザイン
インテリアは、フェアレディZのシンプルでスポーティーなインテリアをベースに、さらにドライバーの運転への集中を高め、スポーツ走行を盛り上げるカラーと素材が組み合わせられた。NISMO専用チューニングのRECARO製スポーツシートは、ブラックのパーフォレーション付きアルカンターラとレザー素材を組み合わせ、ノンスリップ機能と高い質感が両立された。
「新型フェアレディZ NISMO」の個性を引き立てるボディカラー:専用色含む全5色をラインアップ
ボディカラーは専用色のNISMOステルスグレー/スーパーブラック 2トーンを含む、全5色をラインアップされた。
新型フェアレディZ日本仕様を東京オートサロン2022で公開
日産は、新型フェアレディZ日本仕様を東京オートサロン2022で公開した。
240台限定の特別仕様車「Proto Spec」の車両価格は6,966,300円と発表された。
新型フェアレディZは、この特別仕様車Proto Specを皮切りに、2022年6月下旬頃より販売される予定となっている。
新型フェアレディZは、歴代の「Z」へのオマージュを感じさせるデザインをまといながら、最高出力298kW(405PS)、最大トルク475N・m(48.4kgf・m)の新開発VR30DDTT型の3.0L V6ツインターボエンジンが搭載される。トランスミッションは「6MT」と「9M-ATx」が用意される。
新型フェアレディZは、プラットフォームが従来型から継承される。新型の型式は「Z35」とはならず「Z34」のままであり、つまり実質的にはビッグマイナーチェンジということになる。それでもエクステリア、インテリア、パワートレインは全面刷新となり、フルモデルチェンジ相当の扱いで販売されることになりそうだ。
新型フェアレディZには、スカイライン 400RのV6 3.0L ツインターボ搭載
新型フェアレディZはVR30DDTT型エンジンが採用される。これは従来型フェアレディZに搭載されてきた3.7L V型6気筒(VQ37VHR型)からのダウンサイジングターボエンジンに相当する。
VR30DDTT型エンジンはスカイライン 400Rなどで既に搭載実績があり、そのスペックは最高出力405ps、最大トルク475Nmとなる見込み。ボアストローク86.0mm×86.0mmのスクエアエンジンで、DOHC、直噴、ツインターボが採用される。
新型フェアレディZはスープラを大きく上回るコストパフォーマンス
新型フェアレディZのライバルの一つとして考えられるのが、2019年発売のトヨタ・スープラである。
スープラのエントリーグレード「SZ」は499.5万円だが、これは直4 2.0Lエンジン搭載モデルである。新型フェアレディZの直接対抗モデルに相当する6気筒エンジン搭載車となると「RZ」の731.3万円にまで価格は跳ね上がる。
スープラはプレミアムブランドのBMW・Z4と兄弟車であり、エンジンもBMW製。車両生産もマグナシュタイア社による委託生産ということで、プレミアム価格でのラインアップは避けられないだろう。
一方で、新型フェアレディZは、実質的にはビッグマイナーチェンジとすることで開発費が抑えられた。従来型フェアレディZのエントリー価格は397万円であるから、そこから車格を跨ぐほどの価格アップは考えにくい。また、エンジン、車体とも自社生産であり、このあたりも高額化せざるを得なかったスープラとは事情が異なる。
新型フェアレディZの車両価格は、特別仕様車のProto specに関しては、6,966,300円となった。しかしエントリーモデルの価格は、従来型から幾分の価格アップを受けながらも、400万円台に留められる可能性は十分に考えられ、スープラに対して圧倒的なコストパフォーマンスで対抗することになりそうだ。
新型Nissan Z市販型をニューヨークで発表(日本名フェアレディZ)
日産は2021年8月18日、ニューヨークで開催された特別イベントで、新型「Z」(米国市場向けモデル)を初公開した。
「Nissan Z」は、日本市場ではフェアレディZの車名で販売されてきたモデル。2022年春の米国発売が予告された。
現在、日本向けのラインアップでは従来型の販売が終了している。
新型Zのボディサイズ
全長…172.4インチ(4379mm)
全幅…72.6インチ(1844mm)
全高…51.8インチ(1316mm)
ホイールベース…100.4インチ(2550mm)
※カッコ内は、インチ→ミリ換算値
新型Z、米国向けグレードは「Sport」、「Performance」、240台限定「Proto Spec」
米国市場向けの新型「Z」には、「Sport」と「Performance」の2グレードと、240台の限定生産となる「Proto Spec」が用意される。
各グレードともVR30DDTT型エンジンが搭載され、6速マニュアルトランスミッション(6MT)か、新開発の9速オートマチックトランスミッション(9AT)からの選択となる。
また、「Proto Spec」には、専用の黄色いブレーキキャリパー(Zロゴ付)、ブロンズカラーのアルミホイール、黄色がアクセントの本革シートと、黄色のステッチをインテリアの随所に採用された。
新開発エンジン向けにマニュアルトランスミッションを強化
6速MTには、大トルクのVR30DDTT型エンジンに対応するため、クラッチディスクとギヤトレインが強化された。また、新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更により、ドライバーの意のままのスムーズなシフトチェンジを可能とする。
新開発の9速多段ATを採用
新開発の9速ATは、幅広いギアレンジにより、ダイレクトで素早いレスポンスが実現される。また、通勤や高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモードと、ポテンシャルを最大限に引き出すスポーツモードが選択できる。スポーツモードは、より速い加速制御に加え、ステアリングやVDCに専用制御が採用されることで、ワインディングロードをキビキビと駆け抜けるのに最適な設定としている。
アドバンストローンチアシストコントロールシステム採用
日産の後輪駆動車として初めて、クラッチ操作でエンジン回転数を保持し、停止状態からの加速性能のポテンシャルを最大限発揮するアドバンストローンチアシストコントロールシステムが搭載される。(AT全車、MT車は「Performance」グレードのみ)
プラットフォームはキャリーオーバーながらも剛性アップ
高速走行時やコーナリング時にレスポンスの高いハンドリング性能を実現するため、ボディ剛性を向上し、ラックアシストタイプEPSやワイドフロントタイヤなどを採用することで、コーナリング性能が最大13%向上している。
前後ダンパーに新設計の大径モノチューブダンパーを採用
前後のダンパーに、新設計の大径モノチューブダンパーが採用された。減衰力を現行より約20%低減させることで路面突起乗り越し時のショックを低減し、モノチューブ式の強みである高応答性を活かすことで路面追従性を向上させ、高い操縦安定性が実現された。アルミ製ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションは、キャスター角を増やすなどしてジオメトリーが変更され、直進安定性が向上している。
エクステリアは歴代モデルを彷彿とさせるZらしいスタイルを踏襲
エクステリアは、伝統的な後輪駆動のスポーツカーのデザインを踏襲し、ロングフードや低重心のリアスタンスなど、初代モデル(S30型)をはじめとする歴代「Z」へのオマージュを込めたシルエットに仕上げられた。
例えば、ノーズから四角いテールエンドに向かって流れるようなルーフラインや、テール部分がフロントフェンダーよりもわずかに低くなっていることなどが、独特のサイドシルエットを生み出している。
LEDヘッドライトのデザインは、240ZG(S30型)を彷彿とさせる2つの半円がイメージされており、新型「Z」のアイデンティティと調和している。また、リアコンビネーションランプは、Z32型を彷彿とさせるデザインに最先端の技術を取り入れ、新たに3DシグネチャーLEDテールランプを採用して「Z」らしさが表現されている。
「Performance」グレードには、リアの浮き上がりを抑えるリアスポイラーが採用された。フロントスポイラーには、GT-Rの開発で培ったノウハウが活かされている。
ボディカラーは、モノトーン3色と、新色のセイランブルーとイカズチイエローを含む2トーン6色(いずれもスーパーブラックルーフ)が用意される。
インテリアは理想的なスポーツカーのコックピットに拘った
新型「Z」のセンターコンソールは3つのエリアに分かれており、インストルメントパネル上の3連メーター(ブースト計、ターボスピード計、電圧計)は、ドライバーが見やすい位置に配置される。
理想的なスポーツカーのコックピットとするため、日産ドライバーである松田 次生選手等からもアドバイスが受けられた。12.3インチ・フルデジタルメーターディスプレイは一新され、エンジン回転計の針が真上を指すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅してドライバーにシフトアップを促すなど、重要な情報が一度に表示されるようになった。ドライバーの好みに合わせて変更できる3つの表示モードも用意される。
新設計のシフトレバーは、マニュアル、オートマチックともに、握りやすさと快適性が追求される。また、深いスポークを採用したステアリングホイールは、伝統的な美しさを損なうことなく、ドライバーが素早く操作できるようデザインされている。
シートは、GT-Rの開発で培ったノウハウを活かし、ホールド性とフィット感が向上している。シートバックにスエードを多用することで、身体の横ブレを抑えて快適なドライブを実現するとともに、コーナリング時の身体の動きが抑制される。
インテリアカラーは、グラファイト、レッド、ブルーの3色が用意される。特別限定仕様車「Proto Spec」では、インストルメントパネルのステッチをはじめ、室内の随所に黄色のアクセントが施される。また、シート素材を重ねることでグラデーション効果と立体感が出される。
新型フェアレディZ(Z35型)を2021年度内に市場投入、日産が株主総会で発表
日産自動車は2021年6月22日に、第122回定時株主総会を開いた。その中で、2021年度内に発売予定の新型車種として、3モデルを挙げた。
これらは、既に予約受付中となっているアリア、翌6月23日に発表されたインフィニティQX60、そして、新型フェアレディZである。
フェアレディZについては、2020年9月のプロトタイプ発表以降、その発売時期がいつになるのかが心配されていたが、2021年度内という公式な声明を得ることができた。
次期フェアレディZのプラットフォームは従来型を継続
次期フェアレディZのプラットフォームは、2002年の5代目Z33型からの系統であるFMパッケージのFR-Lプラットフォームが引き続き採用される。新型のホイールベースは、2008年発売の6代目Z34型の2550mmと変わらない。
インテリアではダッシュボード上段の3連メーターによって古典的なスポーティーさが演出されるものの、メインのインパネはフル液晶で先進的なイメージとなる。
Z35型エクステリアデザインは、フェアレディZ初代型に原点回帰
日産が誇るフェアレディZシリーズは、1969年発売の初代S30型に始まる。
今回発表された次期型のボディシェイプは、スポーツカーらしい長いノーズが特徴的。ルーフラインはAピラー上端を頂点とし、後方に下がっていくファストバックスタイルとなっており、このあたりは歴代の中でも特に初代型を彷彿とさせる。
斜めからのアングルでは、ノーズはむしろ低く見えるほどだが、真横からのアングルでは現行法規に対応したボンネットの膨らみがしっかり確認できる。
次期フェアレディZは6速MTあり
また、トランスミッションとして6速のマニュアルが設定されたのも注目すべきポイントである。
スポーツモデルとは言え、近年ではMT設定が無いケースも珍しくない。この新型フェアレディZの対抗モデルとして挙げられるトヨタ・スープラは8速ATの設定のみ。ただし、スープラの姉妹車BMW・Z4にはグローバルで6速MTの設定があるから、今後スープラに6速MTモデルが追加される可能性はある。これは新型フェアレディZの発売が呼び水となるかもしれない。