フェアレディZプロトタイプが公開、プラットフォームはキャリーオーバー
日産は2020年9月に、次期フェアレディZを予告するプロトタイプをオンライン発表した。
フェアレディZシリーズは次期モデルでZ35型、7代目となる。プロトタイプのボディサイズは全長4,382mm×全幅1,850mm×全高1,310mmとなる。
Z35型エクステリアデザインは、フェアレディZ初代型に原点回帰
日産が誇るフェアレディZシリーズは、1969年発売の初代S30型に始まる。
今回発表された次期型のボディシェイプは、現行法規に対応しながらもスポーツカーらしい長いノーズが特徴的。ルーフラインはAピラー上端を頂点とし、後方に下がっていくファストバックスタイルとなっており、このあたりは歴代の中でも特に初代型を彷彿とさせる。
斜めからのアングルでは、ノーズはむしろ低く見えるほどだが、真横からのアングルでは現行法規に対応したボンネットの膨らみがしっかり確認できる。
このプロトタイプで履かされたタイヤは、ダンロップSP SPORT MAXXでフロントが255/40R19、リアが285/35R19となる。
プラットフォームは従来型を継続
次期フェアレディZのプラットフォームは、2002年の5代目Z33型からの系統であるFMプラットフォームが引き続き採用される。ホイールベースは、まだ正式発表されていないが、2008年発売の6代目Z34現行型の2550mmと大きく変わらない見込み。
次期フェアレディZに搭載されるエンジンはV6ツインターボとだけ記載
搭載されるエンジンについては、公式発表ではV6 ツインターボという言及に留まっている。これはスカイラインで実績のある3.0LのVR30DDTT型である可能性が高い。自社開発のV6 3.0Lのツインターボエンジンが用意できるのは、日産ブランドの大きな魅力である。
次期フェアレディZは6速MTあり
また、トランスミッションとして6速のマニュアルが設定されたのも注目すべきポイントである。
スポーツモデルとは言え、近年ではMT設定が無いケースも珍しくない。この新型フェアレディZの対抗モデルとして挙げられるトヨタ・スープラは8速ATの設定のみ。ただし、スープラの姉妹車BMW・Z4にはグローバルで6速MTの設定があるから、今後スープラに6速MTモデルが追加される可能性はある。これは新型フェアレディZが呼び水となるかもしれない。
フェアレディZのメインマーケットは北米、日本発売は?
新型フェアレディZの発売時期は2021年3月頃が想定される。2021年は、トヨタ・86/スバル・BRZもフルモデルチェンジ予定となっており、FRスポーツのカテゴリに注目が集まる年となりそうだ。
ただし、新型フェアレディZの日本販売を危惧する声もある。今回のプロトタイプ発表もグローバルに向けてのもので、特にメインマーケットである北米を意識したものと考えられる。
次期フェアレディZを価格予想、スープラ、スカイラインと比較
そういった意味でも新型フェアレディZの日本価格を予想するのは難しい。ちなみにスープラのエントリーモデルは499.5万円ではあるが、これは直列4気筒2.0Lターボエンジン搭載モデルである。気筒数、排気量をフェアレディZプロトタイプと同クラスで見れば、スープラ直列6気筒3.0Lターボエンジン搭載モデルが731.3万円だ。
一方で、日産ラインナップの中で同タイプエンジン搭載車という考え方で見れば、VR30DDTT型を搭載してきたスカイラインGTは435.4万円からのラインナップである。次期フェアレディZは従来型からのプラットフォーム継続で、フルモデルチェンジとはいえ開発コストが抑えられている。V6エンジンを搭載しながらも直4スープラのエントリー価格500万円前後に近づけてくるという、ファンにとって大変都合の良い状況になることを期待したい。